7 メトリックの構成

この章では、組織内でメトリックを構成する方法について説明します。

この章には、次のセクションがあります。

7.1項「概要」
7.2項「アセット・タイプの要素の有効化」
7.3項「データベースに対する問合せの実行」

7.1 概要

この項では、Oracle Enterprise Repositoryの使用可能なメトリックの機能拡張について説明します。このガイドの情報は、メトリック・フィールドのないアセット・タイプへメトリック・フィールドを追加する際に役立ちます。このガイドで取り上げるメトリック・フィールドには、合計開発時間(TDH)、生成投資(Pinv)、消費係数(Cfac)、予測年間再利用回数(n)、および時間ごとの間接費率(B)があります。これらのフィールドは通常、アセット・エディタの「メトリック」タブに表示されます。

7.1.1 メトリック要素

この項では、タイプにメトリック要素を追加する方法について説明します。これらのメトリックは、各アセット値の見積もり、およびアセット・ポートフォリオのROIの決定に使用されます。

メトリック要素は5つまで追加され、「タイプ」には開発時間要素がすでに存在する必要があります。登録されていない、または削除されている場合は、この要素も追加する必要があります。タイプ・マネージャとデータベースに必要な変更を加えます。両方の手順についてここで説明します。新しいメトリック要素は次のとおりです。

合計開発時間(TDH) - このアセットの作成のために要した開発労力の合計。
生成投資(Pinv) - アセットを再利用可能にするために、アセットの構築または収集、およびアセットのパッケージ化と文書化に要した追加の時間または労力。この値は1回の使用を目的としたアセットの構築のために、最初に必要な時間に対する割合として表されます。
消費係数(Cfac) - アセット・コンシューマがアセットの検索、評価、および使用に要する時間。アセットを最初から構築する場合に必要な時間に対する割合として表示されます。
予測年間再利用回数(n) - アセットについて予測される年間使用回数を示します。
時間ごとの間接費率(B) - アセットを生成するユーザーの時間当たりの間接費。

メトリックは10のベース・アセット・タイプ、およびユーザーのシステムに追加されている他のアセット・タイプに含まれている必要があります。

アプリケーション
ビジネス・プロセス
通信アダプタ
コンポーネント
環境
フレームワーク
パターン
プロセス
サービス
XMLスキーマ

7.1.2 再利用可能メトリックの追加タブ

Oracle Enterprise Repositoryを初めてインストールする場合は、この手順を実行する必要はありません。再利用メトリックは、これらのメトリックを含まない旧バージョンの製品にのみ追加する必要があります。この手順は、アセット・エディタで実行されます。

このテキストを使用して、要素名を切り取って貼り付けます。

合計開発時間(TDH)
生成投資(Pinv)
消費係数(Cfac)
予測年間再利用回数(n)
時間ごとの間接費率(B)

注意:

ValidateMetrics.sqlファイルをデータベースに対して実行する必要があります。

「アクション」メニューで、タイプの管理を選択します。タイプ・マネージャが起動します。
タイプ・マネージャのサイドバーからメトリックを追加するタイプを選択します。
「エディタ」ビューを選択します。
「タブ」セクションで「メトリック」をクリックします。
「要素」セクションで、「追加」をクリックします。
リストから数値テキスト・フィールドを選択し、「OK」をクリックします。「数値テキスト・フィールドの編集」ダイアログが表示されます。
「表示名」テキスト・ボックスで要素名をコピー・アンド・ペーストします。
図7-1に示すように、小数桁数の値を0に変更します。

図7-1 「数値テキスト・フィールドの編集」ダイアログ

「図7-1 「数値テキスト・フィールドの編集」ダイアログ」の説明
「OK」をクリックします。
メトリックごとに手順4から9を繰り返します。
すべてのメトリックを「タイプ」に追加した後、「保存」をクリックします。
- この時点では、「ビューア」タブに要素を追加しないでください。
このプロセスをベース・アセット・タイプごとに繰り返します。

7.2 アセット・タイプの要素の有効化

アセット・タイプの要素を有効化するには、次の手順を実行します。

直前に変更したアセット・タイプの1つに属するアセットを選択します。このようなアセットを最も簡単に検出するには、アセット・エディタで「登録済」フォルダを右クリックし、アセット・タイプ別にソートします。
このアセットの各メトリック要素に一意の値を追加します。図7-2に示すように、推奨値は1、2、3、4、5です。

図7-2 「管理」タブ

「図7-2 「管理」タブの説明
アセット名、バージョン、およびアセット・タイプ名を編集済アセットのステータス・バーから選択します。
アセットを保存します。

7.3 データベースに対する問合せの実行

次のデータベース問合せは、メトリック・フィールドが適切に追加されるよう有効化するために使用されます。

後述の手順を実行して、データベースに対して次のメトリック問合せを実行できます。

-- Metrics SQL (for Oracle, UDB and MsSQL Server)
-- Total Development Hours
select a.name as AssetName, a.version as Version, at.name as
AssetTypeName, axi.stringvalue as tdh
from assetxmlindex axi, assets a, assettypes at
where axi.assetid = a.id and axi.assettypeid = at.id
and axi.fieldid in
        (select id from assetxmlindexmappings where fieldname =
'/custom-data/total-development-hours--tdh-')
order by a.name, a.version;
-- Production Investment
select a.name as AssetName, a.version as Version, at.name as
AssetTypeName, axi.stringvalue as Pinv
from assetxmlindex axi, assets a, assettypes at
where axi.assetid = a.id and axi.assettypeid = at.id
and axi.fieldid in
        (select id from assetxmlindexmappings where fieldname =
'/custom-data/production-investment--pinv-')
order by a.name, a.version;
-- Consumption Factor
select a.name as AssetName, a.version as Version, at.name as
AssetTypeName, axi.stringvalue as Cfac
from assetxmlindex axi, assets a, assettypes at
where axi.assetid = a.id and axi.assettypeid = at.id
and axi.fieldid in
        (select id from assetxmlindexmappings where fieldname =
'/custom-data/consumption-factor--cfac-')
order by a.name, a.version;
-- Predicted Number of Annual Reuse Opportunities
select a.name as AssetName, a.version as Version, at.name as
AssetTypeName, axi.stringvalue as n
from assetxmlindex axi, assets a, assettypes at
where axi.assetid = a.id and axi.assettypeid = at.id
and axi.fieldid in
        (select id from assetxmlindexmappings where fieldname =
'/custom-data/predicted-number-of-annual-reuse-opportunities--n-')
order by a.name, a.version;
-- Hourly Burden Rate
select a.name as AssetName, a.version as Version, at.name as
AssetTypeName, axi.stringvalue as B
from assetxmlindex axi, assets a, assettypes at where axi.assetid =
a.id and axi.assettypeid = at.id
and axi.fieldid in
        (select id from assetxmlindexmappings where fieldname =
'/custom-data/hourly-burden-rate--b-')
order by a.name, a.version;
-- Predicted Net Hours Saved
select a.name as AssetName, a.version as Version, at.name as
AssetTypeName, axi.stringvalue as PNHS
from assetxmlindex axi, assets a, assettypes at
where axi.assetid = a.id and axi.assettypeid = at.id
and axi.fieldid in
        (select id from assetxmlindexmappings where fieldname =
'/custom-data/development-hours')
order by a.name, a.version;
-- End Metrics SQL

7.3.1 dbqueries

この項では、メトリック問合せを実行する手順について説明します。

データベースに対する接続を開き、前述の6つの問合せを実行します。アセット名、バージョン、アセット・タイプおよびメトリックが結果として返されます。メトリックが返されない場合は、メトリック名が正しくコピー・アンド・ペーストされていない可能性があります。各メトリックには独自の問合せがあり、それぞれの問合せを個別に実行することをお薦めします。予期した結果を返すメトリックが有効化されます。
メトリック問合せが失敗した場合は、その要素を削除した後、手順に従ってメトリック要素を作成、有効化、およびデータベースに対して実行します。選択したアセット・タイプにPNHS要素がない場合、次に示すように追加する必要があります。
1. 開発時間という文字列を追加します。
2. 「OK」をクリックします。
3. 開発時間要素を編集し、名前を予測節約正味時間(PNHS)に変更します。(メトリックの要素名は、開発時間プログラム名に基づいています。)アセット・エディタに予測節約正味時間ラベルが表示されます。
すべてのメトリックが有効化されたら、Oracle Enterprise Repositoryのタイプ・マネージャでアセット・タイプを開きます。

「ビューア」タブを選択します。

注意:

追加した要素はすべて非表示要素領域に表示される必要があります。
アセット・コンシューマにとっては、予測節約正味時間(PNHS)メトリックのみが意味を持ちます。
予測節約正味時間(PNHS)が「概要」グループの最初の列に表示されていることが推奨されます。

アセット・タイプを保存します。
他のアセット・タイプについて手順1から5を繰り返し、メトリック要素を追加します。
問合せのテスト用に追加したサンプル・データを削除し、データを保存します。