Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Repositoryコンセプト・ガイド 11gリリース1 (11.1.1.7) B72434-01 |
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この章では、要件を特定し、Oracle Enterprise Repositoryに送信するアセットを決定するためのベスト・プラクティスについて説明します。
この章は次の項で構成されています:
Oracle Enterprise Repositoryには、アセットを取得して管理およびガバナンスを可能にする自動ツールが用意されています。この項では、どのアセットを送信するかを慎重に考慮します。
組織は、最大の価値とメリットをもたらすアセットに焦点を絞って、複数のフェーズでエンタープライズ・リポジトリをブートストラップすることをお薦めします。
たとえば、組織の主要業務がアプリケーション開発である場合、次のように再利用性の高いドメイン非依存のエンタープライズ・コンポーネントおよびサービスからエンタープライズ・リポジトリのブートストラップを開始します。
ロギング・サービス
エラー処理サービス
認証サービス
オンライン・データ取得および格納ルーチン
(顧客情報、アカウント情報、インベントリ情報などを提供する)データ・アクセス・サービス
接続プーリング・サービス
キャッシュ・サービス
フレームワーク(STRUTS、セキュリティなど)
検証ルーチン
アプリケーション・インタフェースを公開する、すでに本番稼働しているWebサービス
いずれのアプリケーションにも、ドメイン非依存の再利用性の高い機能が含まれています。さらに、組織は通常、複数のアプリケーション間の整合性を保つためにこの機能を標準化する必要があります。主要なアセットの再利用によって最初の生産性向上が非常に大きくなることがあります。多くの組織は、再利用と標準化により数か月に数十万ドルも節約します。
アプリケーション統合に焦点を置いている組織は、次の要素からエンタープライズ・リポジトリのブートストラップを開始できます。
よく使用されるデータ・アクセス・オブジェクト
XMLスキーマ
メッセージング・ハブおよび共通メッセージ形式
レガシー・システム内の情報にアクセスするサービス
既存のビジネス・プロセス(それらをオーケストレートする基礎となるシステムおよびサービスへのリンクを含む)
プロジェクトに通信メカニズムのみが必要な場合は、プロジェクト・チームに最も関連性の高い情報でエンタープライズ・リポジトリをブートストラップします。これには、たとえば次のものが含まれます。
プロジェクトの機能要件と非機能要件を満たす既存の機能
機能の概要(チームは依存性を管理し、誰がどの機能を配布するかを決定できます)
標準およびベスト・プラクティス
オープン・ソースのライセンスおよびプロジェクト
商用オフザシェルフ(COTS)の依存性 - どの商用パッケージおよびライブラリを使用するか
ビルド・ラベル - Antタスクを使用して最新のビルドやテスト結果などのリポジトリ場所にチェックインします。
SCM情報(ソース・コードの場所)
構成済のプラットフォーム(例: 開発環境で使用できるように構成されたWLS)
プロジェクトに必要なアプリケーション・インタフェースへのアクセスを提供するWebサービス
この項では、Governance Suiteコンポーネントについて説明します。内容は次のとおりです。
組織の目標達成にどのポートフォリオが役立つかを理解します。
ガバナンスの組織目標を特定し、これらの目標を補助的なアセット・ポートフォリオと調整します。たとえば、組織が新製品の市場化の迅速化に焦点を置いている場合は、最初に製品ライン・アセット・ポートフォリオをガバナンス・プログラムに含めます。標準のソフトウェア開発ライフサイクル・プロセスの確立が目標であれば、最初にプロセス・テンプレートおよび標準を含めます。
要件の特定
アセット・ポートフォリオを特定した後は、それぞれのポートフォリオを管理するためのアセット・ポートフォリオ管理チーム要件を特定します。たとえば、アーキテクトがソリューション・セットをパッケージし、使用状況と標準コンプライアンスを監視します。また、サービス・コンピテンシー・センターが、ビジネス・プロセスをオーケストレートするサービスを伝達します。ガバナンス・プログラムによって、ポートフォリオ管理チームを支援するアセット・ポートフォリオが配布されます。
価値を生み出すプログラムの構成
エグゼクティブがビジョンを理解していれば、その資金提供を得て、アセット・ポートフォリオ管理チームおよびそのコンシューマにとって価値のあるプログラムを構成できます。ただし、明確なメリットが見えなければ、チームの参加モチベーションを真に上げることはできません。
結論
ガバナンスの成功は、組織がその目標達成に役立つアセットを提供するかどうかで決まります。アセット・ポートフォリオ管理チームがアセットの主要なソースです。ガバナンス・プログラムはこれらのチームに携わり、そのニーズを満たす必要があります。
アセット・ポートフォリオ管理チームの役割の詳細は、第4章「ステークホルダー・アイデンティティ」を参照してください。
リソース
オラクル社は、アセット・ポートフォリオから予測されるROIの評価に役立つホワイトペーパーおよびワークブックを提供しています。このツールを使用すると、最も価値の高いアセットを特定できます。
ホワイトペーパー: 再利用によるSOAのROIの決定
ワークブック: 再利用によるSOAのROIの決定
再利用によるSOAのROIの決定の詳細は、http://www.oracle.com/technetwork/middleware/repository/overviewを参照してください。
アプリケーション統合の所有権の合計コストを決定する際は、次の追加リソースが役立ちます。
ホワイトペーパー: アプリケーション統合アーキテクチャ(AIA)のビジネス・ケースの構築
ワークブック: アプリケーション統合アーキテクチャの所有権の合計コスト
AIAのビジネス・ケースの構築方法の詳細は、http://www.oracle.com/technetwork/middleware/repository/overviewを参照してください。
Oracle Unified Method (OUM)は、豊富な追加のガバナンス情報を提供します。OUMユーザーには、オラクル社の従業員、Oracle Partner Network Certified PartnerまたはCertified Advantage Partner、OUM Customer ProgramクライアントおよびOracleコンサルティング・サービス・クライアントが含まれます。OUMはWebにデプロイされたツールキットであり、ソフトウェア開発と実装のプロジェクトの計画、実行および制御を行います。
OUMの詳細は、次の場所にあるOUM FAQを参照してください。
http://www.oracle.com/us/products/consulting/resource-library/oracle-unified-method1-069271.pdf