この章では、上級開発者に向けに、コマンドライン・ツールの実行方法と使用方法について説明します。
Developer Toolsのコマンドライン・ツールは、デプロイメントやその他のリソースの移動操作に使用できます。作業対象がDeveloper ToolsのワークスペースにかぎられるEclipse統合とは異なり、コマンドライン・ツールでは、どのワークスペースも作業対象にできます。また、コマンドライン・ツールには、Eclipse IDEでの作業時には使用できないインポート機能とエクスポート機能があります。たとえば、開発者は、任意のサイトにインポート可能なリソースを含むワークスペース(再利用可能なモジュール)を作成できます。
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コマンドライン・ツールを実行する手順は次のとおりです。
csdt.zipを解凍します。これは、WebCenter Sitesの配布パッケージ内にあります。csdt-clientフォルダを開いて、csdt-client.jarファイルをクラスパス内に配置します。Oracle Fusion Middleware WebCenter Sites動作保証マトリックスにリストされたすべての要件を満たしていることを確認します。このリストは、Oracle Technology Network (http://otn.oracle.com)から入手できます。
コマンドライン・ツール(cmd)を実行して、次のコマンドを入力します。
java com.fatwire.csdt.client.main.CSDT [ContentServer url]
username= username password= password
cmd=export|import|listcs|listds [options]
プレースホルダのパラメータは、自分の開発環境に関する情報と、実行する必要のあるコマンドに置き換えてください。
ContentServer url: ローカルのWebCenter SitesインスタンスのURLです。ContentServerサーブレットも含まれます(例: http://localhost:8080/cs/ContentServer)。
usernameとpassword: WebCenter Sitesの一般管理者のユーザー名とパスワードです。このユーザーは、RestAdminグループのメンバーである必要があります(例: fwadmin/xceladmin)。
cmd: 実行するコマンドです。次のコマンドを使用できます。
export: WebCenter Sitesからワークスペースにデータをエクスポートします
import: ワークスペースからWebCenter Sitesにデータをインポートします
listcs: WebCenter Sitesのコンテンツをリストします
listds: ワークスペースのコンテンツをリストします
options: importまたはexportには、次のいずれかを指定します。
resources: インポートまたはエクスポートするリソースを、リソース・タイプとリソースIDをセミコロンで区切ったリストで指定します。複数のリソースを指定する場合は、カンマ区切りのリストを使用します。特定のタイプのリソースをすべて指定する場合は、*記号を使用します。リソースを(ワークスペースに)エクスポートする場合は、そのリソースのローカルIDを指定します。たとえば、resources=Content_C:12345;Product_C:*を使用すると、特定のContent_C assetアセットとすべてのProduct_Cアセットがエクスポートされます。
リソースを(WebCenter Sitesインスタンスに)インポートする場合は、そのリソースのfw_uidを指定します。リソースのfw_uidを取得するには、listdsオプションを使用します。
すべてのリソース・セレクタを次に示します。
@SITE: 目的のサイトを指定します
@ROLE: 目的のロールを指定します
@ASSET_TYPE: 目的のアセット・タイプを指定します
@TREETAB: 目的のツリー・タブを指定します
@STARTMENU: 目的のスタート・メニュー・アイテムを指定します
@ELEMENTCATALOG: 目的のElementCatalogエントリを指定します
@SITECATALOG: 目的のサイト・カタログ・エントリを指定します
@ALL_NONASSETS: この簡略表記を使用すると、すべての非アセット・リソースが選択されます
@ALL_ASSETS: この簡略表記を使用すると、すべての使用可能なアセットが選択されます
asset type: 特定のタイプのアセットを指定します。
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注意: インポートまたはエクスポートの前に、セレクタが適切なリソースを選択するかどうかを確認するには、エクスポート操作に リソースに依存性がある場合、それらの依存性のエクスポートおよびインポートは自動的に行われます。ただし、 |
fromSites: 指定したサイトのリソースのみを選択します。
toSites: (インポート専用)インポート時に、ナチュラル・サイト・アフィリエーションをサイトのカンマ区切りリストでオーバーライドします。指定するサイトは、ターゲット・システムに存在している必要があります。
modifiedSince: (アセット専用)指定した日付以降に変更されたリソースのみを選択します。日付書式は、yyyy-mm-dd hh:MM:ssです。
datastore: WebCenter Sitesリソースのエクスポート先にするワークスペース、またはWebCenter Sitesリソースのインポート元にするワークスペースを指定します。このパラメータの値の指定を省略すると、メインDeveloper Toolsワークスペースがデフォルトで指定されます。リソースをエクスポートするときに、指定のワークスペースが存在しない場合は、そのワークスペースがコマンドライン・ツールにより自動的に作成され、目的のリソースがエクスポートされます。
コマンドライン・ツールを使用して実行できるコマンド例のリストを、次に示します。
このコマンドは、FirstSiteIIに属しているアセットのうち、指定した日付以降に変更された特定のContent_CアセットとすべてのProduct_Cアセットをエクスポートします。ワークスペースを指定していないため、Developer Toolsワークスペースがデフォルトで使用されます。
java com.fatwire.csdt.client.main.CSDT http://localhost:8080/cs/ContentServer username=bob password=password resources=Content_C:123432123423,11234234212,111234341234;Product_C:* fromSite=FirstSiteII modifiedSince=2010-08-08 19:14:00 cmd=export
このコマンドは、ワークスペースに含まれる特定のContent_CアセットとすべてのProduct_Cアセットをインポートします。ワークスペースを指定していないため、Developer Toolsワークスペースがデフォルトで使用されます。
java com.fatwire.csdt.client.main.CSDT http://localhost:8080/cs/ContentServer username=bob password=password resources=Content_C:aad618e9-f04e-4ee4-b902-076224bb6f7b;Product_C:* fromSite=FirstSiteII cmd=import
このコマンドは、サイトSecondSiteIIのすべてのリソースを「TheOutput」という名前のワークスペースにエクスポートします。
java com.fatwire.csdt.client.main.CSDT http://localhost:8080/cs/ContentServer username=bob password=password resources=@ALL_ASSETS:*;@ALL_NONASSETS:* fromSite=SecondSiteII datastore=TheOutput cmd=export
このコマンドは、「TheInput」という名前のワークスペースに含まれるすべてのアセットとツリー・タブをサイトMySiteにインポートします。
java com.fatwire.csdt.client.main.CSDT http://localhost:8080/cs/ContentServer username=bob password=password resources=@ALL_ASSETS:*;@TREETAB:* toSites=MySite datastore=TheInput cmd=import
モジュールは、WebCenter Sitesインスタンスから特定のワークスペースにエクスポートされる関連リソースのセットです。datastoreパラメータを使用すると、WebCenter Sitesリソースのエクスポート先にするワークスペース、またはWebCenter Sitesリソースのインポート元にするワークスペースを指定できます。存在していないワークスペースにWebCenter Sitesリソースをエクスポートすると、そのワークスペースがコマンドライン・ツールにより自動的に作成され、目的のリソースがエクスポートされます。
モジュールは再利用可能であり、モジュールに含まれるコンテンツは任意のCMサイトにインポートできます(そのサイトが、リソースのサイトに関する正規リストに示されていない場合でもインポートできます)。モジュールをCMサイトにインポートするには、importコマンドを実行する必要があります。datastoreパラメータでは、目的のリソースが含まれているワークスペースを指定します。また、toSitesパラメータでは、それらのリソースをインポートするサイトを指定します。これにより、ワークスペースのコンテンツは、指定したCMサイトにインポートされます。