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Oracle® Fusion Middleware WebCenter Sites管理者ガイド
11gリリース1 (11.1.1.8.0)
E49682-01
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目次

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1 概要

管理者は、サイトの構成とレプリケート、日々の使用の管理など、業務全体にわたってコンテンツ管理(CM)サイトを使用します。これらは業務の重要な部分であるため、CMサイトとは何か、およびオンライン・サイトとどのように関連するのかを理解する必要があります。この章では概要を示します。

この章では、さらに、Oracle WebCenter Sites環境での管理者の業務の概略を示し、構成タスクの計画のためのガイドラインを提供します。

この章は、次の項で構成されています。


注意:

WebCenter Sites 11gリリース1 (11.1.1.8.0)では、サイト・デスクトップおよびサイトDocLinkの機能は非推奨になっています。


1.1 概要

Oracle WebCenter Sitesの管理者としての業務は、オンライン・サイトの基礎(特にバック・エンド)を築くことです。バック・エンドはそれ自体、Oracle WebCenter Sitesインストール内のサイト(またはサイトのセット)です。このサイトは、ビジネス・ユーザーが電子アセットを作成、管理し、これらを対象読者に配信するための作業場所です。バック・エンドの構築には、ビジネス・ユーザーの構成、これらのユーザーのコンテンツ・エントリ・フォームやその他オーサリング・ツールへのリンク、およびオンライン・サイトをブラウザに表示するためのユーザーへのパブリッシュ・システムおよび配信システムの提供が含まれます。

バック・エンドが構成されると、そのユーザーはログオンしてコンテンツ・エントリ・フォームに入力します。入力したコンテンツは、Oracle WebCenter Sitesデータベース内の表に保存されます。配信の準備が整うと、コンテンツがプログラムによりデータベース表から取得され、書式設定されて、オンライン・サイトとしてブラウザに表示されます。図1-2「コンポーネントWebサイトとリレーション」および図1-2「コンポーネントWebサイトとリレーション」に、サーバーへのミラーリングのパブリッシュ・シナリオを使用したプロセス・フローを示します。

このシナリオで、図1-1「CMサイト」には、バック・エンドとして機能する最小単位(Oracle WebCenter Sitesデータベースへの書込みおよびパブリッシュ/配信システムの起動の権限を持つユーザー)が示されています。Oracle WebCenter Sitesでは、この単位をCMサイトとして定義します。Oracle WebCenter Sitesには、オンライン・サイトのバック・エンドに構成できるCMサイトの数またはサイトを構成する方法の数に制限はありません。

Oracle WebCenter Sites管理者は、CMサイトの構成とレプリケート、および日々の使用の管理など、業務全体でCMサイトを使用します。これらは業務における重要な部分であるため、CMサイトの定義方法、これらの構成方法、およびオンライン・サイトとどのように関連するのかを理解する必要があります。この章では概要を示します。

1.2 オンライン・サイト

ほとんどのインターネット・ユーザーは、オンライン・サイトの定義を必要としませんが、Oracle WebCenter Sitesによって支えられているオンライン・サイトがどのようなものであるかを説明することは重要です。この章の後半では、オンライン・サイトがCMサイトによってどのようにモデル化されるかを説明します。

WebCenter Sitesによって支えられているオンライン・サイトは、Oracle WebCenter Sitesを介して組織がターゲット読者である顧客、クライアントおよび一時的な訪問者に表示するページのセットです。オンライン・サイトは、だれでもアクセスできるようにすることも、パスワードで保護されたサイトにすることもできます。プライベート・ドメイン内部でのみ動作する企業ネットワークまたは部門内ネットワークのように、完全に排他的なサイトにすることもできます。

その性質に関係なく、オンライン・サイトは、選択するモデルに応じて、単一のCMサイトまたは多数のCMサイトに由来します。すべての製品ガイドで使用されているオンライン・サイトという用語は、総称的にWebサイトを指します。

このコンテンツは、ユーザーが次のコンテンツ・エントリ・フォームのいずれかを入力することで作成されました。

この単一ページのオンライン・サイトは、図1-1に示すアセットから作成されました。

図1-2 コンポーネントWebサイトとリレーション

図1-2の説明が続きます
「図1-2 コンポーネントWebサイトとリレーション」の説明

1.3 CMサイト

CMサイトは、Oracle WebCenter Sites内のコンテンツ管理単位です。これは、オンライン・サイトのコンテンツのソースで、オンライン・サイト全体を表すことも、そのセクションのいずれかを表すこともできます。


注意:

今後、サイトという用語が修飾語句なしで使用される場合、これはCMサイトを意味します。


サイトは、オンライン・サイトの作成者および管理者を定義し、両者に権限と必要なコンテンツ管理ツール(コンテンツ・エントリ・フォーム、コンテンツ・レンダリング・テンプレート、ワークフロー・プロセス、スタート・メニュー・アイテム、パブリッシュ方法および配信システム)を提供するために構成する必要があるオブジェクトです。サイトの構成プロセスには、サイト・コンポーネントの作成のみでなく、コンポーネント同士の関連付けも含まれます。アソシエーションを作成することによって、図1-3に示すようなサイトが定義されます。

図1-3 ユーザー・ロールとACL

図1-3の説明が続きます
「図1-3 ユーザー・ロールとACL」の説明

サイトは名前(これも管理者によって構成されます)で識別され、Oracle WebCenter Sitesのデータベースに格納され、権限のあるユーザーのインタフェースにリストされます。適切なロールを持つユーザーは、サイトにアクセスできます。サイト内で、ロールはOracle WebCenter Sitesインタフェースの特定の機能(スタート・メニュー・アイテムなど)に対するユーザーのアクセスを管理します。ACLはコンテンツ(データベース表)に対するユーザーの権限を管理します。(ロールによってアクセス可能となった)インタフェース機能を介して、ユーザーは(ACLで定義された)権限を作動させることができ、特定のタイプのコンテンツを作成および管理するためのデータベース表での処理が可能です。

一般に、Oracle WebCenter Sitesシステムには、それぞれが機能および構成において固有の数多くのサイトがあります。ユーザーは、Oracle WebCenter Sitesにログインする際に、作業するサイトを選択することも必要です。サイトは他のサイトから独立していることもあれば、共通のユーザー・セットがある場合には他のサイトとアセットを共有することもあります。


注意:

このリリースで、Oracle WebCenter Sitesは、サイト作成プロセスを高速化する、サイト・ランチャと呼ばれるサイト・レプリケーション・ユーティリティを提供します。サイトを最初から作成するのではなく、必要に応じて構築済のサイトをレプリケートし、そのレプリケートを修正して、Oracle WebCenter Sites環境内で新しいサイトとしてスピンオフさせることができます。


1.4 構成コンポーネント

サイトの構成では、Oracle WebCenter Sitesの管理者インタフェースを使用して、システム全体の構成プールにアクセスし、サイトを構成するコンポーネントを選択(または作成)して、コンポーネント同士を関連付け、それらが一緒に機能してオンライン・サイトまたはそのいずれかのセクションを生成できるようにします。

表1-1「サイト・コンポーネント」に、サイト・コンポーネントをリストします。そのほとんどは必須です。オプションのコンポーネントは、ビジネス・ニーズやユーザーの好みによって異なります。開発者がコードベースのコンポーネントを担当し、管理者がその他すべてのコンポーネントを担当します。

サイト・コンポーネントは一般に複雑な構造で、特にデータ・モデルは複雑です。これについては、後続の項で説明します。データ・モデリングの詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebCenter Sites開発者ガイド』を参照してください。

表1-1 サイト・コンポーネント

コンポーネント 必須 作成者 参照ページ

CMサイト定義

はい

WebCenter Sites管理者

6

データ・モデル

はい

開発者

7

ユーザー

はい

WebCenter Sites管理者

7

ロール

はい

WebCenter Sites管理者

9

スタート・メニュー・アイテム

はい

WebCenter Sitesまたはその管理者

11

ワークフロー・プロセス

いいえ

WebCenter Sites管理者

12

パブリッシュ・システム

はい

WebCenter Sites管理者

12

ユーザー・インタフェース・オプション

いいえ

WebCenter Sites管理者

12


この項は、次のトピックで構成されています。

1.4.1 CMサイト定義

CMサイト定義は、CMサイトのコンポーネントの1つです。これは、サイト名とオプションの説明で構成され、どちらも管理者によって指定されます。サイト名は、オンライン・サイト、ビジネス・トピック、部門の業務またはその他のタイプのコンテンツを表すことができます。いずれの場合でも、サイト名によって、サイト内のユーザーが開発および保守を担当するビジネス・テーマが設定されます。

サイト名を指定すると、Oracle WebCenter Sitesはそのインタフェース内のサイトを表すノードを作成します。さらに、サイトにコンポーネントをリンクするため、いくつかのデフォルト・サブノードを追加します。アセット・タイプ・サブノードはサイトへのデータ・モデルのリンク用、ユーザー・サブノードはサイトへのユーザーのリンク用で、ほかにオプションのユーザー・インタフェースであるデスクトップとDocLinkを有効にする2つのノードがあります。これらのコンポーネントについては、次の項で説明します。

コンテンツ・プロバイダにとって、サイトは表示制御メカニズムです。サイトによって、権限のあるユーザーは、Oracle WebCenter Sitesインストール内の特定のコンテンツにアクセスできます。サイトが適切に構成されている場合、その名前はコンテンツ・プロバイダのインタフェースに表示され、コンテンツ・プロバイダはそのサイトを選択し、ロールおよび権限に従ってサイト内を移動できます。

1.4.2 データ・モデル

データ・モデルはサイトのコンポーネントです。これは、アセット・タイプ(データベース表)と、コンテンツ・プロバイダが使用するため開発者によりコード化されたアセット・タイプ定義のセットで構成されます。開発者がコンテンツ・プロバイダに可能なかぎり幅広いコンテンツ管理オプションを備えられるように、Oracle WebCenter Sitesでは3種類のアセット・タイプをサポートしています。

  • コンテンツ・アセット・タイプ: コンテンツ用にデザインごとに構造化されたリポジトリで、サイト定義で設定されたビジネス・テーマを反映しています。たとえば、「社会的な出来事」というサイトを定義した場合、適したコンテンツ・アセット・タイプは、サイト名が意味するテーマにふさわしいものであるため、「厳選された歴史上の瞬間」、「20世紀最大の出来事」などになります。

    開発者は、アセット・タイプからアセット・タイプ定義をコード化します。これらは(図1-1「CMサイト」に示すような)コンテンツ・エントリ・フォームとしてWebCenter Sitesインタフェースで表示され、そのフィールドで、オンライン・サイトに配信する情報(または、必要に応じて内部で使用するために保存する情報)を入力するようにユーザーに要求します。フィールドのセットはアセット・タイプを定義し、ユーザーのフィールド・エントリはアセット(アセット・タイプのインスタンス)を定義します。

  • デザイン・アセット・タイプ: テンプレート・アセットをコード化するために開発者によって使用され、コンテンツ・アセットをレンダリングします。(プレゼンテーション・コードをコンテンツと区別するため、テンプレート・アセットはコンテンツ・アセットと区別します。)

  • 管理アセット・タイプ: コンテンツ・プロバイダがそのコンテンツを管理するために役立つ簡単な検索やデータベース問合せなどのツールを作成するため、開発者によって使用されます。

通常、開発者は作成したアセット・タイプをテストしてから管理者に渡し、管理者が(アセット・タイプ・ノードから)これらをサイト定義にリンクして、サイト構成プロセスの別の手順を実行できるようにします。


注意:

Oracle WebCenter Sitesは多くのデフォルト・アセット・タイプを提供し、開発者が独自のアセット・タイプを作成できるようにします。アセット・タイプ、その定義およびアセット自体は、Oracle WebCenter Sitesデータベースに表または表エントリとして格納され、このガイドでは大まかにコンテンツと呼ばれます。

データ・モデリングの詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebCenter Sites開発者ガイド』を参照してください。管理者はこのガイドを読んで、アセット・タイプの基本を理解することをお薦めします。


1.4.3 ユーザーとその表レベルの権限

ユーザーはサイト・コンポーネントです。このガイドでは、しばしばコンテンツ・プロバイダと呼ばれ、開発者のデータ・モデルを使用してコンテンツを作成および管理します。

コンテンツ・プロバイダはSME (対象分野の専門家)です。次のような場合があります。

  • オンライン・コンテンツの作成者。コピーライターやデザイナがこのグループに入ります。

  • レビューア。他のユーザーが送信してきたコンテンツを確認して編集し、その品質を保証します。コンテンツ・レビューアには、送られてきたコピーやデザインをレビューおよび修正するアート・ディレクタやエディタなどが含まれます。

  • コンテンツ・パブリッシャ。コンテンツがオンライン・サイトに配信される準備が整っていることを確認し、コンテンツの配信を承認します。チーフ・エディタがコンテンツ・パブリッシャとなる場合もあります。

  • コンテンツ・マネージャ。作成、レビューおよびパブリッシュ・プロセスを監督します。

各コンテンツ・プロバイダは、ユーザー・アカウントによりOracle WebCenter Sitesに識別される必要があります。ユーザー・アカウントは、ユーザー名、パスワードおよびOracle WebCenter Sitesのセキュリティ・システムの基盤であるアクセス制御リスト(ACL)で構成されます。

ACLはデータベース表に対する権限のセットです。同じACLが表とユーザーの両方に割り当てられると、権限(読取り、書込みなど)が付与されます。ACLが表とユーザーで共通ではない場合、表に対する権限はユーザーに付与されません。

たとえば、SystemUsersというシステム表には、ユーザー・アカウント情報が含まれています。表には、SiteGod、UserReaderおよびUserEditorの3つのACLが割り当てられています。ユーザーにいずれかのACL (この例ではUserReader)が割り当てられていると、ユーザーは表を読み取ることができます。同じユーザーに2つ目のACL、UserEditorが割り当てられていると、そのユーザーは表を編集することもできます。ユーザーにどのACLも割り当てられていない場合、そのユーザーに表に対する権限は付与されません。

ACLはユーザーに表を操作する権限を与えますが、ユーザーに表を操作する手段を与えるわけではないことに注意してください。たとえば、前のシナリオで、ユーザーの表の読取りおよび編集の権限は、Oracle WebCenter Sitesインタフェースの表示および編集の機能を使用する権限に変換されます。ただし、同じロールがユーザーと機能の両方に割り当てられていなければ、その機能はユーザーに表示されません。ロールの詳細は、第1.4.4項「ロール」を参照してください。

図1-4 ユーザーACL

図1-4の説明が続きます
「図1-4 ユーザーACL」の説明

一般に、Oracle WebCenter Sitesは次の2つのレベルでACLを使用します。

  • システム・セキュリティ・レベル: 認証機能を提供し、ハッカーがOracle WebCenter Sites環境に入れないようにします。

  • インタフェース・レベル: データベース表に対するユーザー権限を制御し、権限を作動させるインタフェース機能を(表示ではなく)使用できるかどうかを制御します。

Oracle WebCenter Sitesは多くのデフォルトのシステムACLを用意しており、これらを事前にシステム表に割り当てます。必要に応じて、ACLを再利用することも、独自に構成してカスタム表に割り当てることもできます。ACLの詳細は、第4章「ACLおよびロールの使用」第31章「システム・デフォルト」を参照してください。

1.4.4 ロール

ACLがユーザーにデータベース表での操作権限を与える一方で、ロールはユーザーにデータベース表での操作手段を提供します。ロールは、ユーザーがサイトへのアクセス権を持つかどうか、および「編集」「削除」「ワークフローの開始」などのインタフェース機能をユーザーのインタフェースに表示するかどうかを決定します。これらの機能が表示されない場合、(ACLで指定された)データベース表に対するユーザーの権限を作動させることはできず、ユーザーは表での操作ができないままです。ロールは、作成者や編集者などのユーザー・グループも定義します。これらは、サイト、サイトのコンテンツ、付随アイテム(コンテンツを作成および検索するためのスタート・メニューなど)およびワークフロー・プロセスに対するグループの権限(したがってユーザーの権限)を記述するために使用されます。

ロールはACLと同様に実装されます。つまり、ユーザーのインタフェースに機能が表示されるようにするには、機能とユーザーに同じロールを割り当てる必要があります。説明のため、前のシナリオをもう一度使用します。ここでユーザーは、UserReaderおよびUserEditorのACLにより、SystemUser表への編集権限を与えられています。これらの権限を実行するには、ユーザーはOracle WebCenter Sitesインタフェースの「編集」機能へのアクセス権が必要です。「編集」は「管理」タブにあります。ただし、「管理」タブを表示するには、ユーザーにそのタブと同じロールが割り当てられている必要があります。デフォルトでは、このタブにはGeneralAdminロールが割り当てられています。同じロールをユーザーにも割り当てる必要があります。

図1-5 ユーザー・ロール

図1-5の説明が続きます
「図1-5 ユーザー・ロール」の説明

要約すると、ユーザーは、表のACLと「管理」タブのロールの両方が割り当てられている場合にのみ、データベース表へのフル・アクセス権を取得します。実際には、このシナリオのように、ロールとACLが互換的に割り当てられる必要があります。ロールの割当ては、ACL割当てにより付与される権限をサポートする必要があります。

図1-6 ユーザー・ロールとACL

図1-6の説明が続きます
「図1-6 ユーザー・ロールとACL」の説明

サイト・ユーザーへのインタフェース機能の表示のほかに、ロールは、サイトでの役割に応じてユーザーをグループ化する方法を提供します。類似した役割を持つユーザーには、同じロールを割り当てることができます。たとえば、管理ユーザーには「管理」タブへのアクセス権が必要です。すべての管理者にGeneralAdminロールを割り当てて、「管理」タブへのアクセス権を付与することができます。

Oracle WebCenter Sitesはいくつかのデフォルトのシステム・ロールを定義し、これらはすべて、Sitesインタフェース内の様々な機能に事前に割り当てられます。Oracle WebCenter Sitesでは、独自のロールを構成し、割り当てることもできます。ロール名を選択する際は、サイトにおけるユーザーの役割を考慮し、それに従ってロール名を選択します。(データベース表にマップされている) ACLと異なり、ロールはサイトおよびサイト上の機能にマップされる(つまり、ロールはユーザーごと、サイトごとに割り当てる必要がある)ことに注意してください。


注意:

ACLとは異なり、ロールは、別のコンテンツ・プロバイダをワークフロー・プロセスに参加させるため、コンテンツ・プロバイダに公開されます。


1.4.5 スタート・メニュー

スタート・メニューはサイト・コンポーネントです。メニュー上のアイテムは、サイトで使用するアセット・タイプをユーザーと結び付ける方法を提供します。この結合はロールによって行われます。

Oracle WebCenter Sitesはいくつかのスタート・メニューを定義します。「新規」は、サイト上でアセットを作成できます。「検索」は、サイト上でアセットを検索し、編集できます。「サイト・デスクトップ」のスタート・メニューは、WebCenter Sitesコンテンツ・エントリ・フォームの代替インタフェースとしてMicrosoft Wordを有効にします。「サイトDocLink」のスタート・メニューは、ドキュメント管理インタフェースを有効にします。

スタート・メニュー・アイテムは、次を指定します。

  • スタート・メニュー・アイテムが適用されるサイト

  • サイト上のユーザーが使用できるアセット・タイプ

  • これらのタイプのアセットの作成または検索が可能なロール

  • ロールが参加できるワークフロー・プロセス(ある場合)

つまり、スタート・メニュー・アイテムは、サイトで特定のタイプのアセットを作成および検索できるロールや、そのロールが参加できるワークフロー・プロセスを決定します。

Oracle WebCenter Sitesは自動的にスタート・メニュー・アイテムを作成しますが、管理者が独自に構成することも可能です。

1.4.6 ワークフロー・プロセス

ワークフロー・プロセスはオプションの構成で、ビジネス・ニーズがある場合のみ必要とされ、コンテンツ・プロバイダ間のコラボレーションを規制するために使用されます。

ワークフロー・プロセスは、権限のあるユーザーが専門知識を補完し合うようにして、コンテンツ・アセットの作成から始まる一連の処理を実行し、アセットのレビューを推進して、最終的にアセットの承認に至らせます。承認されると、アセットはいずれかのユーザーにより配信システムにパブリッシュされ、コンテンツとしてオンライン・サイトに配信されます。

ワークフローが構成されると、これらを、新しく作成されたアセットが保存されたときに自動的に開始されるプロセスとして、スタート・メニュー・アイテムに指定できます。ワークフロー・プロセスは、スタート・メニュー・アイテムから外し、必要に応じてユーザーにより起動されるようにすることもできます。ワークフロー・プロセスの詳細は、第10章「ワークフロー・プロセスの作成と管理」を参照してください。

1.4.7 パブリッシュ・システム

パブリッシュ・システムはサイト・コンポーネントです。パブリッシュ・システムは、ユーザーに、サイトおよびそのコンテンツをシステムから別のシステムに移行する手段を提供します。構成できるパブリッシュ方法には、リアルタイム、サーバーへのミラーリング、ディスクへのエクスポート、およびXMLへのエクスポートがあります。サイトの構造(つまり、データベース・スキーマ)は、サーバーへのミラーリングまたはリアルタイムのいずれかのパブリッシュ方法で移行されます。コンテンツ自体は、管理者の裁量でパブリッシュできます。

1.4.8 ユーザー・インタフェース・オプション

Oracle WebCenter Sitesは、ユーザーがコンテンツを操作できる多くのオプション・インタフェースをサポートしています。

  • Oracle WebCenter Sitesデスクトップ(サイト・デスクトップ): Oracle WebCenter Sitesのネイティブ・フォームであるコンテンツ・エントリ・フォームの代替として、馴染みのあるMicrosoft Wordインタフェースをユーザーに提供します。ユーザーはMS-Wordドキュメントでコンテンツを作成し、そのWordドキュメントをアセットとしてSitesデータベースにインポートし、そこからドキュメントを呼び出して編集することが可能です。

    サイト・デスクトップでは、Wordドキュメントのコンテンツは構造化される必要があります。たとえば、Oracle WebCenter Sitesデスクトップを使用してコンテンツを作成する際、ユーザーはWordドキュメントを開き、コンテンツを入力して、同等なコンテンツ・エントリ・フォームで定義されるものと同じフィールド名でタグ付けすることによりコンテンツを構造化します。タグ付けユーティリティはWordインタフェースに組み込まれ、フィールドの選択は管理者によって決定されます。Wordドキュメントが保存されると、そのフィールド内のコンテンツは適切なデータベース表に解析されます。

  • Oracle WebCenter Sites DocLink (サイトDocLink): フレックス・アセット・ファミリの構造化されていないコンテンツをサポートします。

    サイトDocLinkは、構造化されていないコンテンツ(フレックス・アセットとして管理されるドキュメント、グラフィックまたはその他の単一バイナリ・ファイル)をアップロードおよびダウンロードするドラッグアンドドロップ・インタフェースを提供します。また、サイトDocLinkは、Oracle WebCenter Sitesデータベース内のフレックス・アセット・ファミリの階層構造を、Windows Explorerアプリケーションのフォルダおよびファイルとして表します。

  • ContributorインタフェースのWebモード: レンダリングされたページでのコンテンツの直接の編集をサポートします。使用頻度の高いOracle WebCenter Sitesユーザーはコンテキスト内で迅速に編集でき、使用頻度の低いユーザーはOracle WebCenter Sitesインタフェースを学ばなくても作業を遂行できます。

1.5 要約

サイトのコンポーネントがサイト固有なのではなく、これらのコンポーネントのアソシエーションがサイト固有であることを理解することが重要です。

サイト・コンポーネントは、システム規模のプールに存在するか、作成する必要のある構成です。このプールから、サイトを作成するために相互にやり取りする必要のあるコンポーネントを選択し、これらのコンポーネントを互いに関連付け、サイト名を割り当てます。コンポーネントはシステム全体であるため、再利用が可能です。つまり、あるサイトの形成に使用されるコンポーネントを別のサイトの形成に使用できます。

コンテンツ・プロバイダには、サイト・コンポーネントはサイト固有に見えることに注意してください。ただし、サイト上でコンテンツ・プロバイダが作成するアセットは、確かにそのサイトに固有です。アセットは他のサイトにコピーしたり、他のサイトと共有できます。

サイト・コンポーネントの共有およびコピーのオプションは、オンライン・サイトのモデリングおよびレプリケーションにおいて重要な役割を果たします。これについては、第1.6項「コンテンツ管理モデル」で説明します。

1.6 コンテンツ管理モデル

管理者として(単独で決定するか、コラボレータとともに決定するかによらず)最も大きな決定の1つが、Oracle WebCenter Sitesインタフェースでオンライン・サイトをモデル化する方法(単一のサイトとしてモデル化するか、サイトのセットとしてモデル化するか)です。どのコンテンツ管理モデルを選択するかは、オンライン・サイトのサイズとそのコンテンツの性質に大きく依存します。

この項は、次のトピックで構成されています。

1.6.1 1:1モデル

1:1モデルは、オンライン・サイトを直接単一のCMサイトにマップします。CMサイトはオンライン・サイトの唯一のソースです。

1:1モデルは、コンテンツが限定的かつ均一で数人のユーザーによって管理される小さなオンライン・サイトで効果的に機能します。ただし、エンタープライズレベルのサイトの場合は、ページがしばしば数百万に達し、対象分野、コンテンツ、プレゼンテーションおよびスコープが大きく異なります。大きなサイトを編成するには、タスクの複雑さに対応できるモデルが必要となります。

1.6.2 1:nモデル

1:nモデルは、オンライン・サイトを複数のCMサイトにマップします。オンライン・サイトの各セクションは、論理セクションか物理セクションかに関係なく、そのソースとして特定のCMサイトにマップします。CMサイトは、互いに独立して機能させることも、コンポーネントおよびコンテンツを共有することにより互いに重複させることもできます。

たとえば、あるカタログ・サイトで、家庭用品に関するデータを入力するコンテンツ・コントリビュータは、園芸用品に関するデータを入力することはありません。したがって、家庭用品と園芸用品を表すには、2つの別個のサイトが使用されます。同様に、ライターが互いに独立して作業を行うパブリケーション・サイトでは、スポーツ・ライターはスポーツ・ニュース・セクションを表示するサイトを持ち、ファイナンシャル・ライターは金融関係のニュース・セクションを表示する別のサイトを持ちます。各デザインにおいて、2つのサイトが1つのオンライン・サイトに寄与します。

1:nモデルでは、各サイトが固有で、独自のコンテンツ・タイプ、テンプレート、コンテンツ・プロバイダ、ロール、ワークフロー・プロセスおよびパブリッシュ・メカニズムを持っています。各サイトは、対応するオンライン・セクションのコンテンツのソースです。

1:nモデルを使用する場合、管理者はサイトを互いに独立するように構成することも、コンポーネントやコンテンツを共有することで互いに重複するように構成することもできます。独立モデルは、特定のコンテンツを他のコンテンツから分離する必要がある場合に役立ちます。たとえば、コンテンツの機密性が高く、特定のコンテンツ・プロバイダのみが処理する必要がある場合や、コンテンツが異質であるため、別の専門家が処理する必要がある場合などがこれに当たります。

一方、サイトの重複は、関連の薄いコンテンツ・プロバイダ(異なる部署または事業部門など)間でのコラボレーションをサポートするために使用されます。

たとえば、次のようなシナリオを考えます。成長しつつある登山専門のE-Businessでは、登山関連のニュースを発信し、写真アルバムを公開しています。用具一式の販売やFAQの回答も行っています。そのオンライン・サイトは、ニュース、写真、用具およびFAQの4つのセクションに明確に分割されています。しかし、多くの場合、ニュースと写真のセクションは写真のコンテンツを共有します。このシナリオでは、選択肢の1つとして、ニュース、写真、用具およびFAQの4つのサイトを、ニュースと写真がコンテンツを共有するように作成する方法があります。(別の選択肢として、ニュースと写真、用具、FAQの3つの独立したサイトを作成する方法もあります。)

1.6.3 x:nモデル

x:nモデルは、複数のオンライン・サイトを複数のCMサイトにマップします。3つのモデルの中では、このモデルが最も複雑ですが、エンタープライズレベルのE-Businessでは、最もメリットが大きくなります。

このモデルでは、コンテンツ・アセットは特定のサイトでローカライズされ、デザイン・アセットと管理アセットはそれらが共有されるその他すべてのサイトとは別のサイトで構成されます。このタイプのデザインでは、管理者がコンテンツをプレゼンテーションおよびビジネス・ロジックから分離できます。


注意:

管理者やその他のユーザーがサイトおよびそのオンライン・サイトとの関係を理解できるように、Oracle WebCenter Sitesでは、avisportsおよびFirstSiteIIという名前のサンプル・サイトを用意しています。各サンプル・サイトは、そのオンライン・サイトに1:1でマップしています。サンプル・サイトがインストールされている場合、第2章「管理者のインタフェース」のログイン手順に従って、このサイトにログインできます。


1.7 Oracle WebCenter Sites環境

サイト構成は、分離されたOracle WebCenter Sitesシステムではなく、Oracle WebCenter Sites環境で行われる協調的なプロセスです。エンタープライズレベルの環境は通常、図1-10「Oracle WebCenter Sites環境」に示すように、WebCenter Sitesによって支えられている、開発、管理、配信およびテストの4種類のシステムで構成されています。各システムは、独自のデータベースで実行され、ある点において別のシステムとやり取りをします。システムの1つであるテストは、一般的に大規模な組織が品質の向上のためにインストールするオプションのシステムです。

管理者は、これらのシステムすべてを必要に応じて使用します。コラボレータは、開発者です。開発者は、開発システムのみで管理者や管理者がコラボレータとして指名するユーザーともに作業します。この項では、考えられるシステムとそれぞれのシステムでの管理者の役割をまとめます。

図1-10 Oracle WebCenter Sites環境

図1-10の説明が続きます
「図1-10 Oracle WebCenter Sites環境」の説明


注意:

WebCenter Sites環境でのシステムの名前は、このガイドで使用している名前とは異なる場合があります。一般に、管理システムはステージング、配信システムは本番、テスト・システムはQAまたはQAテストとも呼ばれます。


この章の残りの部分では、コラボレータ、計画の方針、および各システムでの管理者の役割について説明します。

1.8 管理者の業務

この項は、次のトピックで構成されています。

1.8.1 コラボレーション

開発を開始する前に、管理者は一般に、次のような様々な多くの専門家で構成されるチームとコラボレートします。

  • サイト・デザイナ

  • XMLおよびJSP開発者

  • Javaアプリケーション開発者

  • データベース管理者

  • システム・ネットワーク管理者

  • マーケティング担当者および広告担当者

  • ビジネス・マネージャ

  • 製品マネージャ(商用サイトを開発している場合)

  • コンテンツ・プロバイダ

チームの業務は、管理システムおよび配信システムの機能的な要件を設定し、次のような仕様を設計することです。

  • ページ・デザイン

  • キャッシュの方針

  • セキュリティ方針

  • 形式とコンテンツ

  • データ・モデル

  • コンテンツ管理モデル

前述の情報の多くは、『Oracle Fusion Middleware WebCenter Sites開発者ガイド』に概要が示されています。このガイドでは、管理者の業務のコンテキストにおける情報を提供します。

1.8.2 計画

管理者とそのコラボレータの決定により開発者がどのようにシステム・セキュリティ、データ・モデルおよび配信システムをコード化するかが決まるため、計画は重要です。開発者の業務は特に管理システムに関係します。これについて、次に説明します。

計画のステージにおいて、管理者の業務は、コラボレータ(普通はビジネス・マネージャ)とともに、要件および管理システムのデザインを設定し、その情報を開発者に伝えることです。考慮する項目を次にリストします。このリストは、完全に網羅することを意図するものではなく、開発サイクルを首尾よく開始するために最も重要な情報の収集および編成を開始できるように管理者を支援するためのものです。

  • コンテンツ管理モデル

    • どのモデル(1:1、n:1およびx:n)が処理に最も適しているかを決定します。

    • どのコンテンツ・アセットを共有し、どのコンテンツ・アセットをコピーする必要があるかを決定します。テンプレート・アセットに対しても同じように決定します。

  • サイト・レプリケーション

    サイトをレプリケートするかどうかを決定します。レプリケートする場合は、そのレプリケーション・プロセスによって設定される要件を満たすようにソース・サイトを構成する必要があります。

    開発者は、正しくコード化するために、管理者の決定を把握する必要があります。たとえば、サイトがレプリケートされる場合、新しいサイトにコピーされるテンプレートの名前はハードコードできません。

  • データ・モデリング

    • 作成する必要のあるアセットのタイプ

    • リビジョン追跡を使用する必要があるアセットのタイプ

    • どのユーザーがどのサイトのどのアセット・タイプへのアクセス権を持つ必要があるか

    • 開発者が作成する必要のあるテンプレートのタイプ

  • ユーザー管理方法

    ネイティブのユーザー・マネージャに加えて、Oracle WebCenter Sitesは階層スキーマとフラットスキーマの両方のLDAPプラグインをサポートします。環境に適した方法を決定してください。(このガイドの手順では、全体を通してOracle WebCenter Sitesのネイティブのユーザー・マネージャ・システムを使用しています。)

  • ユーザー管理モデル

    次を決定します。

    • 必要なユーザー数

    • ユーザーはだれか

    • データベース表に対するどの権限をユーザーに付与する必要があるか

      • ユーザーにはどのシステムACLを割り当てる必要があるか(ACLがない場合、ユーザー・アカウントは作成できません。)

      • カスタムACLを作成する必要があるかどうか

        (特定のデータベース表へのアクセスを制限するため、オンライン・サイトの訪問者に割り当てるACLを作成する必要がある場合もあることに注意してください。)

    • 必要なロール数

      • 必要なロールのタイプ(ライター、エディタ、イラストレータ)。ロールはユーザーのACLと互換性があるようにしてください。

      • そのロールを割り当てる必要のあるユーザー。

  • ワークフロー・プロセス

    新しく作成されたそのタイプのアセットが自動的にワークフローに加わるように、オプションで、ワークフロー・プロセスをアセット・タイプに添付できます。

    • ワークフローを実装する必要があるかどうか

    • 実装する必要がある場合、どのアセット・タイプがワークフロー・プロセスを必要とするか

    • どのようにワークフロー・プロセスを設計する必要があるか

    • ワークフロー・プロセスに参加する必要のあるユーザーおよびロール

  • パブリッシュ・システム・オプション

    • 構成する必要のあるパブリッシュのタイプ

    • パブリッシュ・スケジュールを承認する必要があるかどうか

  • ユーザー・インタフェース・オプション

    ユーザーに必要なインタフェースを決定します。

    • Contributor (Webモードおよびフォーム・モード)

    • Admin

    • WEM Admin

    • サイト・デスクトップ

    • DocLink

これらの決定には、このガイドと『Oracle Fusion Middleware WebCenter Sites開発者ガイド』の両方を使用してください。

1.8.3 開発

オンラインおよびサイトの仕様が設定されると、作業を開始する準備が整います。Oracle WebCenter Sites管理者は、開発ステージにおいて、WebCenter Sites環境内のすべてのシステムを扱います。(ただし、オンライン・サイトが運営されると、管理者はほとんどの時間を管理システムおよび、配信システムの一部に費やし、開発システムに費やす時間はありません。)

管理者には各システムで特定の業務があります。開発者がデータ・モデルとその他のコードベースのコンポーネントを担当する一方で、管理者はその他すべての面を担当します。

この項は、次のトピックで構成されています。

1.8.3.1 開発システムでの業務

開発システムでは、コーディングが行われます。

  • 管理者の業務は、開発者に管理システムの仕様を提供し、サイトの作成など、コンテンツ管理処理を支援することです。

  • 開発者の業務は次のとおりです。

    • 管理システムで使用される名前と同じ名前でサイトを作成する。

    • データ・モデルをコード化する(次のサイト・レプリケーション要件に留意)。

      • コンテンツ・アセット・タイプ

      • デザイン・アセット・タイプ

      • 管理アセット・タイプ

    • 各タイプのサンプル・アセットを作成する。

    • データ・モデルをテストする。

    • テンプレートおよび、一般的にはオンライン・サイトのフレームワークをコード化する。

データ・モデルが完成し、テストしてすべてのコラボレータの満足が得られると、開発者はこのコードを管理システムに移行します。


注意:

WebCenter Sites環境で、開発者はデータ・モデルを移行するのではなく、管理システムでデータ・モデルを再作成することを選択する場合もあります。


一度開発が完了すると、開発システムは処理を継続します。継続される機能の1つは、オンライン・サイト訪問者、コンテンツ・プロバイダおよび管理者からの変化する要求に応じたデータ・モデルの修正です。

1.8.3.2 管理システムでの業務

コーディングを必要としない構成タスクは、一般的に管理システムで行われます。ここでは、管理作業は意図的に協調しないかぎり協調的ではありません。たとえば、管理システムではデータ・モデリングやコーディングが行われないため、開発者からの支援が必要ありません。ただし、システムの特定のサイトまたはワークフロー・プロセスを管理するため、開発者(またはその他ユーザー)をサイト管理者またはワークフロー管理者に指名できます。


注意:

Oracle WebCenter Sitesのインタフェースのツリー・タブにカスタム機能を追加する場合など、場合によっては、開発者の支援が必要となります。


管理システムでの管理者の業務は次のとおりです。

  • サイトを作成する


    注意:

    このリリースのOracle WebCenter Sitesでは、サイト・ランチャ機能を使用してソース・サイトをレプリケートすることにより、新しいサイトを迅速にスピンオフできます。その後、必要に応じてそのレプリケートを変更できます。サイト・レプリケーションおよび適切なソース・サイトの選択または作成の詳細は、第11章「コンテンツ管理サイトのレプリケート」を参照してください。


  • ユーザーを構成する

    • 必要に応じてOracle WebCenter SitesでACLを作成する

    • Oracle WebCenter Sitesか、LDAPプラグインなどの外部ユーザー・マネージャにより、ユーザー・アカウントを作成する

    • 必要に応じてOracle WebCenter Sitesでロールを作成する

    • サイトごとにユーザーにロールを割り当てる

  • 次の操作によりサイトをアセンブルする

    • ユーザーをサイトと関連付ける

    • 適切なアセット・タイプおよびパブリッシュ・システムをサイトと関連付ける

  • 次の操作によりユーザーを有効にする

    • サイトごとにユーザーにロールを割り当てる

    • ロールを使用して、ユーザーおよびアセット・タイプをスタート・メニュー・アイテムと関連付ける

    • ロールを使用して、ユーザーをツリー・タブなどのインタフェース機能と関連付ける

    • 必要に応じてツリー・タブを作成する

  • ワークフローを作成および管理する

  • リビジョン追跡を有効にする

  • 必要に応じて、サイト管理者およびワークフロー管理者を構成する

  • パブリッシュ・プロセスを構成する

  • 必要に応じてユーザーのインタフェースを構成する

1.8.3.3 配信システムでの業務

配信システムは開発者によって構成され、一般的にはシステムが使用できるようになるまで管理者は関与しません。サーバーへのミラーリングおよびリアルタイムの配信の場合、配信システムはOracle WebCenter Sitesインストール全体となります。ディスクへのエクスポートおよびXMLへのエクスポートの配信の場合、配信システムはOracle WebCenter SitesインストールのWebサーバー・コンポーネントのみとなります。

1.8.3.4 テスト・システムでの業務

テスト・システムでは、運用を開始する前に、QAアナリストが管理システムおよび配信システムとオンライン・サイト自体のパフォーマンスをテストします。テスト・システムがない場合は、開発システムがテスト・システムの役割も果たします。通常、管理者はテストには関与しません。

1.8.4 実装

管理システムおよび配信システムが使用中で、オンライン・サイトが実行中の場合、管理者はほぼ管理システムのみで作業を行います。ここで管理者が実行する操作は次のとおりです。

  • ユーザーを管理する

    • ユーザーの権限をデータベース表に合わせる

    • ユーザーを追加、削除および再編成する

    • ワークフローを作成する

    • ユーザーのインタフェースを構成する

  • パブリッシュ・システムを管理する

  • その他、オンライン・サイト訪問者、コンテンツ・プロバイダおよびE-Businessのニーズに応じる

1.9 このガイドの焦点

このガイドは、第1.8.3項「開発」で説明しているとおり、開発ステージにおいて管理システムで管理者が実行する構成タスクに焦点を当てています。構成タスクを開始するまでに、データ・モデルは管理システムに配置されているものとします。

1.10 管理者の前提条件

前の項で説明した業務で役割を果たすため、管理者は、ある程度の情報を備えている必要があります。この項では、把握しておく、また精通しておく必要のある情報をまとめます。