Oracle WebCenter Sitesでは3種類の管理者を定義しており、管理者ごとに異なる範囲の管理権限を持ちます。この章では、管理者について概説し、一般管理者としてOracle WebCenter Sitesにログインする方法を示します。管理者のインタフェースとそのタブ、サイト管理用のタブ内のノード、およびインタフェースまたはバックエンドからアクセスできる重要なシステム・デフォルトについて説明します。
この章は、次の項で構成されています。
Oracle WebCenter Sitesでは、3種類の管理者を定義しています。
一般管理者: このガイドの対象読者です。
一般管理者は、通常はWebCenter Sites環境内のすべてのシステムを管理するため、各システムのインタフェースに無制限でアクセスできます。各システムでの一般管理者の業務については、第1章「概要」を参照してください。
サイト管理者: 管理システムの特定のサイトのみを管理します。
ワークフロー管理者: 管理システムでワークフロー・プロセスを作成します。
各管理者には、WebCenter Sitesのインタフェースの該当部分に対しての権限が与えられます。
このガイドの手順は、一般管理者固有のものです。サイト管理者またはワークフロー管理者が手順を実行する場合には、このガイドを見れば、どの手順かがわかります。
つまり、このガイドはWebCenter Sitesの環境の特定のシステムに制限されるものではありません。ここに含まれる概念および手順は、WebCenter Sites環境内のすべてのシステムで有効です。
注意: このガイドは一般管理者を対象としているため、ガイド内での操作の主体はあくまで一般管理者です。 |
この項では、一般管理者としてOracle WebCenter Sitesにログインする方法を示します。
注意: 一般管理者以外で、サイト管理者またはワークフロー管理者としてログインする必要がある場合には、次の手順を実行する前に、一般管理者からユーザー名とパスワードを入手してください。Oracle WebCenter Sitesのインタフェースに対する権限はロールにより制限されているので、自分に関係するのはこのガイドの特定部分のみであるということも心に留めておいてください。 |
一般管理者としてOracle WebCenter Sitesにログインするには:
ブラウザを開きます。
ページを訪れるたびに、格納されているページの新しいバージョンを確認するようにブラウザを設定します。
次のURLに移動します。
http://<server>:<port>/<context>/login
ここで、<server>
はOracle WebCenter Sitesを実行しているマシンのホスト名またはIPアドレス、<port>
はサーバーのポート番号、<context>
はOracle WebCenter Sites Webアプリケーションのコンテキスト・パスです。システムの設定によっては、ポート番号を含めることが必要になる場合もあります。WebCenter Sites環境のシステムには、開発システム、管理システム、配信システム、テスト・システムまたは別のシステムがあります。
Oracle WebCenter Sitesには、次のログイン・ダイアログが表示されます。
ユーザー名およびパスワードを入力します。
注意: 以前に管理者のいない新規インストールの一般管理者の場合には、デフォルトのシステム・ユーザー(ユーザー名fwadminおよびパスワードxceladmin)としてログインし、すぐにパスワードを変更してください。パスワードの変更手順については、第5.4.1項「新しいユーザーの作成」に記述されている手順を参照してください。 デフォルトの管理者としてログオンしたため、REST_Adminセキュリティ・グループの一員であることに加えて、ユーザー名にxceladmin ACL (アクセス制御リスト)が割り当てられています。ユーザー・アカウントとそのACLの詳細は、第5章「ユーザー、プロファイルおよび属性の構成」を参照してください。 別の一般管理者を作成した場合、その一般管理者はxceladmin ACLが割り当てられ、REST_Adminセキュリティ・グループの一員である必要があります。 |
「ログイン」をクリックします。
WebCenter Sitesは、そのインタフェースに作成されたサイト数に従って応答します。続行するには、次の手順のうちの1つを完了します。
サイトが作成されていない場合には、ドロップダウン・リストに一覧表示されるAdminSiteにログインする必要があります(サイトがないという状況はまれです。ほとんどの新規インストールでは、Oracle WebCenter Sitesとともに提供されるサンプル・サイトが実行されます)。手順7に進みます。
作成されたサイトが1つの場合でも、リストからそのサイトを選択してログインする必要があります。手順7に進みます。
作成されたサイトが複数の場合には、インストールの際にインストール・エンジニアが選択したサンプル・サイトと一緒に、それらのサイトがWebCenter Sitesインタフェースに一覧表示されます。作業するサイトを選択してください。手順7に進みます。
サイトを選択すると、2つのアイコンが表示されます。左側のアイコンはAdminインタフェースにログインするためのアイコンで、右側のアイコンはContributorインタフェースにログインするためのアイコンです。
クリックして、Adminインタフェースに入ります。
AdminSiteを選択した場合は、少し違ったアイコンになります。
この時点では、選択したサイトにログインしています。別のサイトに切り替えるまで、完了したすべてのタスクはこのサイトに付属します。唯一の例外は、「管理」タブから実行した一連の管理タスクで、これはサイト固有ではありません。「管理」タブには、システム内のすべてのサイトのデータが含まれています。
選択したサイト内では、Oracle WebCenter Sitesにより管理者のインタフェースが表示されます。このインタフェースは、図2-3に示す3つのフレームで構成されます。
注意: この時点で、サイト選択後初めてログインし、「新規」フォームが表示され、アセット・タイプを新規作成するように求められます。 |
WebCenter Sitesを初めて使用する場合は、次の機能に習熟しておくことをお薦めします。
管理者のインタフェース、特に「管理」タブ。このガイド全体を通して、サイトの作成、構成および管理のためにほぼ例外なく「管理」タブを使用します。詳細は、第2.3項「管理者のタブ」を参照してください。
ACLなどのシステム・デフォルト。ユーザーやそのアクセス権などの構成に必要となります。システム・デフォルトの詳細は、第31章「システム・デフォルト」を参照してください。
Oracle WebCenter Sitesのツリーには、管理者固有のタブを最大3つまで表示できます。
管理
サイト管理者
ワークフロー
タブは権限に基づきます。ユーザーに表示されるようにするには、次のACLとロールがユーザーに付与されている必要があります。
表2-1 タブの権限とロール
タブ | ACL | ロール |
---|---|---|
管理 |
xceladmin |
GeneralAdmin |
サイト管理者 |
xceladmin |
SiteAdmin |
ワークフロー |
xceladmin |
WorkflowAdmin |
ACLとロールの詳細は、第5章「ユーザー、プロファイルおよび属性の構成」および第31章「システム・デフォルト」を参照してください。
タブも、作業しているサイトのタイプにより条件が異なります。
サイトが作成されていないOracle WebCenter Sitesインストールにログインする場合は、AdminSiteサイトにログインする必要があります。ここに表示されるタブは、「管理」、「サイト管理者」、「ワークフロー」のみです。
カスタム・サイトにログインした場合は、「管理」タブと「サイト管理者」タブの両方がインタフェースに表示されます。「管理」タブは、システム全体で共通のままです。「サイト管理者」タブは、ログインしたサイトに固有です。そのため、これは「管理」タブのサブセットです。
ワークフロー・プロセスが(デフォルト・サイト以外の)任意のサイトのために作成された場合、インタフェースには「ワークフロー」タブも表示されます。「ワークフロー」タブには、システム内のすべてのサイトのために構成されたすべてのワークフロー・プロセスが一覧表示されます。
管理者のタブが他のユーザーに表示されるかどうかは、関連するACLおよびロールをユーザーに割り当てたかどうかによります。ACLとロールの詳細は、第4章「ACLおよびロールの使用」を参照してください。モビリティの管理(モバイル・デバイス向け)の詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebCenter Sites開発者ガイド』を参照してください。
この項は、次のトピックで構成されています。
「管理」タブは、サイトの作成、構成および管理に使用される中心的な管理タブです。「管理」タブは、Oracle WebCenter Sitesインストールのすべてのコンテンツ管理コンポーネントを占めています。
「管理」タブに表示されるノードは次のとおりです。
サイト: つまりCMサイト(第1章「概要」を参照)です。
「サイト」ノードには次の機能があります。
システム内に作成されたサイトを一覧表示します。
サイトを定義し、システム全体の構成プールのコンポーネントをサイトに関連付け、「サイト」ノード下に配置できます。Oracle WebCenter Sitesには、学習ツールとしていくつかのサンプル・サイトが用意されています。
構成プールを構成するノードは次のとおりです。
アセット・タイプ: アセット・タイプ構成用。その目的は次のとおりです。
ベーシック・アセット・タイプ用のサブタイプまたはアセットのアソシエーションを追加するため。
「新規」メニューおよび「検索」メニューに表示されるアセット・タイプ用のスタート・メニュー・アイテムを作成するため。
特定のアセット・タイプのリビジョン追跡を有効化または無効化するため。詳細は、第26章「リビジョン追跡」を参照してください。
サイト・デスクトップのアセットを有効化するため。詳細は、第23章「ユーザー・インタフェースの構成」を参照してください。
サイトDocLinkのアセットを有効化するため。詳細は、第23章「ユーザー・インタフェースの構成」を参照してください。
AssetMaker: サイト開発者用。ベーシック・アセット・データ・モデルを使用して、アセット・タイプを作成します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebCenter Sites開発者ガイド』を参照してください。
フレックス・ファミリ・メーカー: サイト開発者用。フレックス・ファミリおよびフレックス・アセット・タイプを新規作成します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebCenter Sites開発者ガイド』も参照してください。
パブリッシュ: 開発システムおよび管理システムにパブリッシュ・システムを設定する際に使用します。一般的なパブリッシュの詳細は、第12章「Oracle WebCenter Sitesを使用したパブリッシュ」を参照してください。静的パブリッシュと動的パブリッシュの詳細は、第15章「ディスクへのエクスポートのパブリッシュ・プロセス」および第16章「サーバーへのミラーリングのパブリッシュ・プロセス」を参照してください。対話型動的パブリッシュの詳細は、第19章「リアルタイム・パブリッシュの概要」を参照してください。
検索: アセット・タイプを構成し、サポートされているサード・パーティの検索エンジン・モジュールのいずれかを使用している場合に、そのアセット・タイプに索引が正しく付けられるようにします。詳細は、第25章「Lucene検索エンジンの構成」を参照してください。
ユーザー・アクセス管理: ACLおよびユーザーの作成、アセット以外の表のリビジョン追跡の有効化または無効化、およびWebCenter Sitesのデータベースに対する他の様々な操作の実行に使用します。このノードには、次が含まれます。
ユーザー: WebCenter Sitesユーザーおよび各ユーザーIDに関連付けられているロールの管理に使用します。詳細は、第5章「ユーザー、プロファイルおよび属性の構成」を参照してください。
ロール: ワークフロー割当ての受信者の決定、およびOracle WebCenter Sitesのインタフェースの機能へのユーザーのアクセス制御のために使用します。詳細は、第4章「ACLおよびロールの使用」を参照してください。
ACL: 個々の表およびサイトへのアクセスの許可のために使用します。詳細は、第4章「ACLおよびロールの使用」を参照してください。
ユーザー・プロファイル: ユーザーの電子メール・アドレスを指定するために使用します。詳細は、第5章「ユーザー、プロファイルおよび属性の構成」を参照してください。
RESTセキュリティ: セキュリティ・グループの構成およびそのグループへのユーザーの割当てを行う際に使用します。セキュリティ・グループへのユーザーの追加は、WebCenter Sitesインタフェースに関連します。詳細は、第6章「外部セキュリティの設定」および『Oracle Fusion Middleware WebCenter Sites開発者ガイド』を参照してください。
スタート・メニュー: ユーザーがOracle WebCenter Sitesのインタフェースで「新規」ボタンまたは「検索」ボタンをクリックしたときに表示されるフォームのリンクを作成するために使用します。このリンクは、新規アセットの作成または既存のアセットの検索のために使用します。スタート・メニュー・アイテムは、サイト・デスクトップ・インタフェースおよびサイトDocLinkインタフェースへのアクセスを管理するために作成することもできます。詳細は、第9章「コンテンツ管理サイト・コンポーネントへのアクセスの管理」を参照してください。
注意: 今回のリリースのWebCenter Sitesでは、スタート・メニュー・アイテムである「新規」および「検索」の自動作成がサポートされています。 |
ツリー: 既存のツリー・タブへのアクセス制御、新規ツリー・タブの作成、またはContributorインタフェースでのツリー内のアセット表示のために使用します。詳細は、第9章「コンテンツ管理サイト・コンポーネントへのアクセスの管理」を参照してください。
ロケール: WebCenter Sitesシステムにデフォルトのロケールを設定するために使用します。詳細は、第23章「ユーザー・インタフェースの構成」を参照してください。
システム・ツール: 管理者のインタフェースから問題を直接トラブルシューティングするために使用します。log4jロギングの構成、様々なタイプのシステム情報へのアクセス、キャッシュの管理、ログの検索、共有ファイル・システムのパフォーマンスのテストなどの機能があります。詳細は、第30章「システム・ツール」を参照してください。
チェックアウトのクリア: 特定のユーザーがチェックアウトしたアセットに対し、ロック解除およびデータベースへの再チェックインを行うために使用します。詳細は、第26章「リビジョン追跡」を参照してください。
機能: 管理者がすべてのユーザーまたは選択したユーザーのOracle WebCenter Sitesのインタフェースで有効化または無効化できます。
「サイト管理者」タブはサイト固有です。これは、ログインしているサイトの管理に使用されます。
「サイト管理者」タブは、「管理」タブの管理機能のサブセットを保持します。アセット・タイプの有効化または無効化のみならず、サイトの既存ユーザーの管理もできます。ユーザー、アセット・タイプまたはサイトの作成はできません。
このタブにアクセスする他のユーザーには、xceladmin ACL、およびそのユーザーがログインするサイトのSiteAdminロールを割り当てる必要があります。
「ワークフロー」タブは、「管理」タブを使用して作成されたワークフロー構築ブロックからワークフロー・プロセスを構成するために使用されます。
注意: 「ワークフロー」タブ自体はサイト固有ですが、そのコンテンツはサイト固有ではありません。 タブ。ユーザーがサイトを選択するとき、そのユーザーに タブのコンテンツ。「ワークフロー」タブには、システム全体の情報、つまり、インストールのすべてのサイトの、すべてのワークフロー・プロセスが表示されます。したがって、「ワークフロー」タブのノードのコンテンツはサイト固有ではありません。 |
状態: ワークフロー内のアセットのステータスを表すポイントをワークフロー・プロセス内に作成するために使用します。次を参照してください。
アクション: アクションと呼ばれるワークフロー構築ブロックと条件を作成するために使用します。これらのアイテムは、どのワークフロー・プロセスでも使用できます。
時間指定アクション・イベント: ワークフロー中のアセットの期日を計算する頻度を構成するために使用します。
電子メール: どのワークフロー・プロセスからでも使用できるワークフロー電子メール・メッセージを作成するために使用します。
割当てのクリア: ワークフロー割当てをクリアするために使用します。
ワークフローの詳細は、第10章「ワークフロー・プロセスの作成と管理」を参照してください。
インタフェースには、デフォルトの非管理タブが表示され、別の管理者が構成している場合にはカスタム・タブも表示されます。必要に応じて追加タブを作成できます。
デフォルトのタブの詳細は、第31.7項「デフォルトのツリー・タブ」を参照してください。タブの作成および構成の詳細は、第9.5項「ツリーへのアクセスの管理(管理者用インタフェースのみ)」を参照してください。
WebCenter Sitesには、次に示すように、数多くのシステム・デフォルトがあります。
前の項で説明した非管理タブ
ACL
ロール
ユーザー
アセット・タイプ
システム表
ユーザーおよびサイトを構成するために、デフォルトについて習熟する必要があります。システム・デフォルトの詳細は、第31章「システム・デフォルト」および第32章「システム・データ: WebCenter Sitesデータベース」を参照してください。
WebCenter Sitesをより良く理解するのに役立つよう、avisportsおよびFirstSiteIIという名前のサンプル・サイトが同梱されています。このサイトを使用して、自分のサイトに影響を及ぼすことなく、WebCenter Sitesの学習および実験ができます。サンブル・サイトは、複雑度および目的に応じて様々です。開発者用のコード・サンプルの提供に加えて、サイトの構成方法を例示します。
インストール・エンジニアがサンプル・サイトのインストールを選択すると、サンプル・サイトがインタフェースに表示されます。
サンプル・サイトで作業するには、第2.2項「管理者のインタフェースへのログイン」の手順に従ってください。インストール・エンジニアから入手した各サイトのURLをブラウザで指定することにより、対応するオンライン・サイトにアクセスできます。