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Oracle® Fusion Middleware WebCenter Sites管理者ガイド
11gリリース1 (11.1.1.8.0)
E49682-01
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19 リアルタイム・パブリッシュの概要

リアルタイム・パブリッシュは、動的なパブリッシュ・プロセスであり、推奨されるパブリッシュ方法です。管理者は、リアルタイム・ユーザー・インタフェースを使用することで、パブリッシュ・セッションの進捗の監視、選択したアセットのオンデマンドでのパブリッシュ、パブリッシュ用に承認されたアセットの一括での非承認化、パブリッシュの取消し、さらにパブリッシュ・セッションの再実行を行うことができます。

この章は、次の項で構成されています。

19.1 概要

リアルタイム・パブリッシュは、動的なパブリッシュ方法で、名前はそのユーザー・インタフェースに由来しています。ユーザー・インタフェースでは、パブリッシュのステータス・メッセージがリアルタイムに更新されます。プログレス・バーとマウスオーバー・ツールチップで、パブリッシュ・セッションの進捗が表示されます。ここでは、ソースおよび宛先システムの両方からのステータス情報が表示されます。

図19-1 「ステータスのパブリッシュ」フォーム

図19-1の説明が続きます
「図19-1 「ステータスのパブリッシュ」フォーム」の説明

リアルタイム・ユーザー・インタフェースも対話形式で操作できます。たとえば、承認済アセットのリストを対話形式で操作できます。承認済アセットのリストでは、アイテムを「オンデマンド・キュー」に入れることで、それらを即時パブリッシュ用に必要な数だけ選択できます。また、「非承認」を使用して、承認済アセット・リストから1つ以上のアセットを削除できます。オンデマンド・パブリッシュとアセットの非承認の両方で、宛先システムのWebサイトでのリンクの破壊や存在しないアセットが生じないよう、アセットの依存性が考慮されます。

図19-2 「承認済アセット」タブ

図19-2の説明が続きます
「図19-2 「承認済アセット」タブ」の説明

ステータス・メッセージおよびアセットの承認機能に加えて、リアルタイム・ユーザー・インタフェースにも対話形式のロギング・フォームがあります。ロギング・フォームでは、ログ・エントリの検索、ページ表示およびフィルタが可能です。サマリー・ログ・メッセージの「すべて表示」リンクの上にマウス・カーソルを重ねると、エントリが開いて詳細レポートが表示されます。

図19-3 セッション・ログ

図19-3の説明が続きます
「図19-3 セッション・ログ」の説明

リアルタイム・ユーザー・インタフェースは、複数ステージのパブリッシュ・プロセスが基礎となっています。WebCenter Sitesでは、5つのステージでWebサイトのデータがレプリケート、転送および保存されます。次の「ステータスのパブリッシュ」フォームには、パブリッシュの5つのステージが表示されています。これらのステージの詳細は、第19.2項「リアルタイム・パブリッシュの動作」を参照してください。

図19-4 「ステータスのパブリッシュ」フォーム

図19-4の説明が続きます
「図19-4 「ステータスのパブリッシュ」フォーム」の説明

リアルタイム・パブリッシュを個別のステージに細分化する利点の1つは、特定のステージを完了した後でパブリッシュ・プロセスを停止し、次のステージからセッションを再開するオプションを導入できることです。

リアルタイム・パブリッシュには、完了と遅延の2つのパブリッシュ・モードがあります。完了パブリッシュ・モードでは、1つの連続するシーケンスでパブリッシュのすべてのステージが実行されます。遅延パブリッシュ・モードでは、プロセスの途中で一時停止するため、管理者がWebCenter Sites宛先データベースへのアセットの書込みを開始するタイミングを制御できます。

遅延パブリッシュを使用することで、Webサーバーのパフォーマンスにパブリッシュが与える影響を最低限に抑えることができます。管理者は、遅延パブリッシュを使用して、通信量が少ない時間帯に宛先システムの更新を実行するように時間指定できます。これは、大量のアセットをパブリッシュするときに特に便利です。

複数ステージ・パブリッシュ・プロセスのもう1つの利点は、任意に実行中のセッションをキャンセルし、必要に応じて、キャンセルされたセッションを最後に正常に完了したパブリッシュ・ステージから再開できることです。また、エラーや停電により完了しなかったパブリッシュ・セッションを再実行することもできます。

図19-5 パブリッシュ・コンソール

図19-5の説明が続きます
「図19-5 パブリッシュ・コンソール」の説明

要約

リアルタイム・パブリッシュの方法を使用することで、次の操作が可能です。

19.2 リアルタイム・パブリッシュの動作

動的パブリッシュは、WebCenter Sitesシステムから別のWebCenter Sitesシステムへ、アセットおよびそれらの基礎となるスキーマをコピーするプロセスです。リアルタイム・パブリッシュでは、この処理が5つのステージに分けられます。

WebCenter Sitesでは、常に5つのステージが順番に実行されます。宛先が完了パブリッシュ・モードに構成されている場合、プロセスは中断なしに実行されます。遅延パブリッシュ・モードに構成された場合、プロセスが4番目のステージの前で一時停止します。セッションの完了にはユーザーの操作が必要です。

パブリッシュ・セッションの進行時に、「ステータスのパブリッシュ」フォームで各ステージの進行状況を監視できます。パブリッシュ・セッションの監視手順は、第21章「リアルタイム・パブリッシュ・モードの使用」を参照してください。

図19-6 「ステータスのパブリッシュ」フォーム

図19-6の説明が続きます
「図19-6 「ステータスのパブリッシュ」フォーム」の説明

パブリッシュのステージは次のとおりです。

  1. パブリッシュするデータの収集:

    1. WebCenter Sitesのソース・システムは、このパブリッシュ・セッションの承認されたアセットをロックします。承認済アセットのロックによって、パブリッシュ中に編集されることを防止します。

    2. ソース・システムでは、リアルタイム・パブリッシュで承認システムからのデータを使用して、パブリッシュするアセットのリストであるマニフェストを作成します。マニフェストは、リソース・グループを識別します。これは、リンクの破壊や不完全なページを防止するために、宛先上に一緒に存在する必要があるアセットのグループです。

  2. データのシリアライズ:

    1. WebCenter Sitesのソース・システムは、次のアイテムをミラーリングします。

      • アセット・タイプ

      • 補助表(宛先の構成で識別)

      • 承認済アセット

    2. ソース・システムによってミラーリングされたデータがシリアライズされます(バイナリ形式に変換されます)。


      注意:

      この手順では、完了するまでに大量の領域が必要になる場合があります。(java.io.tempを介して) JVMに割り当てる一時領域は、パブリッシュされるデータのサイズの3倍以上にすることをお薦めします。ソースと宛先のデータベースにも、表FW_PUBDATASTOREが増大しても十分なだけの領域が必要です。これは、最初のパブリッシュにおけるソース・サイト全体のサイズ(ディスクとデータベースの両方に保存されているオブジェクト)と等しくなる可能性があるため、必要なスペースはWebCenter Sitesが現在使用しているサイズを超える可能性があることを意味します(特に大きなバイナリが含まれている場合)。


  3. ターゲットへのデータの送信:

    1. WebCenter Sitesの宛先データベースは、このパブリッシュ・セッションの承認されたアセットをロックします。ターゲットのアセットがロックされると、編集できなくなります。

    2. WebCenter Sitesのソース・システムは、宛先にマニフェストとシリアライズされたすべてのデータを送信します。これらのデータは、宛先のデータベースに対してまだコミットされていません。

    遅延パブリッシュ・セッションはこの時点で一時停止します。このセッションは、管理者が「パブリッシュ・コンソール」フォームまたは「ステータスのパブリッシュ」フォームで「再開」ボタンを選択した場合にのみステージ4から続行します。

  4. データのデシリアライズと保存:

    1. WebCenter Sitesの宛先システムで、ミラーリングされたアセット・タイプ、補助表および承認済アセットがデシリアライズされます(WebCenter Sites形式に戻されます)。

    2. 宛先データベースでは、デシリアライズされたアセット・タイプと補助表に更新されるか、それらが新しいデータとして追加されます。

    3. 宛先システムではマニフェストを使用して、データベースにアセットをコミットするタイミングが決定されます。リソース・グループのアセットは、グループ内のすべてのアセットがデシリアライズされたときにのみコミットされます。

    4. 宛先システムは、リソース・グループ内のすべてのアセットをコミットすると、次の処理を行います。

      1. 編集のためにデータベース内のアセットのロックを解除します。パブリッシュ・セッションが実行されると、宛先データベース内のパブリッシュされた編集可能アセットの数が増加します。

      2. 宛先システムからソース・システムに、正常にパブリッシュされたアセットを識別するメッセージが送信されます。リソース・グループ内のアセットは、ソース・システムで編集のためにロックが解除されます。パブリッシュ・セッションが実行されると、ソース・システムの編集可能アセットの数が増加します。

  5. ページ・キャッシュの更新:

    宛先システムでパブリッシュ・プロセスが完了します。

    1. ページ・キャッシュがフラッシュされ、期限切れのページが削除されます。

    2. キャッシュに新しいページが追加されます。

図19-7 パブリッシュの5つのステージ

図19-7の説明が続きます
「図19-7 パブリッシュの5つのステージ」の説明