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Oracle® Fusion Middleware WebCenter Sites管理者ガイド
11gリリース1 (11.1.1.8.0)
E49682-01
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12 Oracle WebCenter Sitesを使用したパブリッシュ

Oracle WebCenter Sitesを使用したパブリッシュによりコンテンツを管理システムから配信システムにコピーすることによって、オンライン・サイトの訪問者がコンテンツにアクセスできるようになります。コンテンツをあるシステムから別のシステムにコピーすることを、パブリッシュと呼びます。

WebCenter Sitesパブリッシュ・システムでは、ディスクへのエクスポート、サーバーへのミラーリング、およびXMLへのエクスポートの3つのパブリッシュ方法をサポートしています。また、パブリッシュするコンテンツを決定する承認システム、パブリケーション時刻を設定できるスケジュール機能、およびサイト固有のパブリッシュの宛先の構成ユーティリティを提供します。

この章では、パブリッシュ・システムおよび承認システムについて説明します。この章は、次の項で構成されています。


注意:

WebCenter Sites 11gリリース1 (11.1.1.8.0)では、ミラー・パブリッシュ機能は非推奨になっています。この機能は、リアルタイム・パブリッシュに置き換えられました。


12.1 概要

アセットをパブリッシュするためには、管理者またはWebCenter Sitesのどちらかが、次の情報を決定する必要があります。

パブリッシュ・セッション中は、セッション情報がログ・ファイルに記録されます。「パブリッシュ・コンソール」を使用してセッションを監視することによって、現在実行中のパブリッシュ・セッションのパブリッシュ履歴およびステータスの両方を特定できます。また、パブリッシュ・プロセスはバックグラウンドで実行されるので、ブラウザではその他の管理タスクを済ませることができます。パブリッシュ・セッション中に発生するイベントの詳細は、第12.6項「パブリッシュ・セッションで行われる処理」を参照してください。パブリッシュ情報の取得方法の詳細は、第12.7項「パブリッシュ・セッションに関する情報の取得」を参照してください。

12.2 パブリッシュ方法

この項では、WebCenter Sitesがサポートするパブリッシュ方法について説明します。図12-1図12-2および図12-3にパブリッシュ方法をまとめます。

CMシステム・データベース内の承認済アセットは、テンプレートを使用して、HTMLファイルとしてレンダリングされます。レンダリングされたファイルはファイル・システムに保存された後、FTPなどの転送プロトコルを使用して管理者によりWebサーバーにパブリッシュされます。

このHTMLファイルは、サイト訪問者がパブリッシュされたコンテンツをリクエストすると、ページとしてブラウザに表示されます。

承認済アセットとそれらのデータベース表が、CMシステム・データベースから配信システム・データベースにミラーリングされます。パブリッシュ・セッションの間中、パブリッシュ・システムは配信システム上のCacheManagerと通信し、連携して動作します。CacheManagerは、システムのページ・キャッシュを管理するWebCenter Sitesサーブレットです。CacheManagerによって、ミラーリングされるアセットを参照するページレットまたはページがキャッシュされることが保証されます。パブリッシュ・セッションが終了すると、CacheManagerはそれらのページを再生成して更新されたコンテンツを表示し、新しいページおよびページレットをキャッシュします。

パブリッシュされたコンテンツがサイト訪問者からリクエストされると、すぐにこれが提供されます。コンテンツは、テンプレートにより配信システムのデータベースから取得され、ブラウザに提供されて、最終的にページとしてレンダリングされます。

各パブリッシュ方法の詳細は、次の各章を参照してください。

図12-1 ディスクへのエクスポートのパブリッシュ

図12-1の説明が続きます
「図12-1 ディスクへのエクスポートのパブリッシュ」の説明

図12-2 サーバーへのミラーリングのパブリッシュ

図12-2の説明が続きます
「図12-2 サーバーへのミラーリングのパブリッシュ」の説明

図12-3 XMLへのエクスポートのパブリッシュ

図12-3の説明が続きます
「図12-3 XMLへのエクスポートのパブリッシュ」の説明

12.3 パブリッシュの宛先

パブリッシュの宛先は、コンテンツのミラーリング先のWebCenter Sitesデータベースか、またはエクスポート先ディレクトリのどちらかです。パブリッシュの宛先は、次のパラメータを定義する名前付きオブジェクトとして表されます。

どのパブリッシュ方法でも、複数のパブリッシュの宛先をSitesシステムに構成できます。開発者によるオンライン・サイトの設計方法によっては、静的コンテンツ(HTMLファイル、ディスクへのエクスポートを使用)および動的コンテンツ(サーバーへのミラーリングまたはXMLへのエクスポートのパブリッシュ方法を使用してすぐに生成されるページ)を両方ともパブリッシュする必要がある場合があります。このような二重の実装を行う場合は、開発者に相談して、パブリッシュの宛先を構成する方法を決定してください。

このドキュメントでは、パブリッシュの宛先および構成について説明する際、次の用語を使用します。

パブリッシュの宛先の作成の詳細は、第15.4.3項「エクスポート先の構成」および第16.3.5項「ミラーリング先の作成」を参照してください。

12.4 承認システム

特定の宛先へのパブリケーションに対してアセットが承認されると、WebCenter Sitesは承認システムを起動して、各アセットのパブリッシュの準備ができていることを確認します。承認システムは、機能しないリンクや古いコンテンツが発生しないようにオンライン・サイトを保護するパブリケーション前プロセスを実行します。このプロセスでは、次の質問に対する回答を決定します。

  1. パブリッシュの準備ができているのはどのアセットか。すなわち、ユーザーが承認済とマークを付けたアセットはどれか。

  2. 承認済アセットに依存性があるか。すなわち、承認済アセットに他のアセットが付属する必要があるか。または、サイトのリンクがすべて正常に機能することを保証するために、宛先に他のアセットが存在する必要があるか。

    たとえば、イメージ・ファイルを参照する記事アセットが存在するサイトが設定されているとします。非承認のイメージ・ファイルが関連付けられている承認済の記事は、イメージ・ファイルも承認されるまで、パブリッシュできません。

承認システムは、これらの質問に対する回答に応じて、パブリッシュ・システムに次回のパブリッシュ・セッションで承認済アセットをパブリッシュすることを許可するか、または依存性テストに不合格のアセットのパブリケーションを保留します。


注意:

ディスクへのエクスポートのパブリッシュでは、テンプレートを選択することによって、アセットに承認システムをバイパスさせることができます。ディスクへのエクスポートのパブリッシュにおける承認システムの詳細は、第14章「ディスクへのエクスポートのパブリッシュの様々なトピックおよび承認プロセス」を参照してください。

通常は、ワークフロー・プロセスに承認手順を組み込みます。ワークフローの詳細は、第10章「ワークフロー・プロセスの作成と管理」を参照してください。

アセットの承認方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebCenter Sites開発者ガイド』を参照してください。


承認システムの機能の詳細は、第13章「承認システム」および第14章「ディスクへのエクスポートのパブリッシュの様々なトピックおよび承認プロセス」を参照してください。

12.5 パブリッシュ・スケジュール

パブリッシュ・セッションは(パブリッシュ方法に関係なく)、パブリッシュ・イベントと呼ばれるバックグラウンドのバッチ・プロセスとして実行されます。管理者は、パブリッシュ・イベントのスケジュールを構成します。

パブリッシュ・イベントは、毎日、毎週、毎時、15分間隔、またはこれらの間隔を様々に組み合せてスケジュールできます。複数のパブリッシュ・セッションをスケジュールする場合は、次のような様々なルールを考慮してください。

パブリッシュ・イベントではデータベース・トランザクションを完了するので、パブリッシュ機能にユーザー・アカウントを指定する必要があります。このユーザーはバッチ・ユーザーと呼ばれ、futuretense_xcel.iniファイルのxcelerate.batchuserプロパティおよびxcelerate.batchpassプロパティを使用して、Sitesシステムのバッチ・ユーザー・アカウントを指定します。


注意:

パブリッシュには、バッチ・ユーザーとは別に、ミラー・ユーザーも必要です。詳細は、第16.2.1項「ユーザーとサーバーへのミラーリングのパブリッシュ」を参照してください。


12.6 パブリッシュ・セッションで行われる処理

パブリッシュ・システムが承認済アセットのパブリッシュを開始すると、WebCenter Sitesは次の処理を実行します。

リストのアセットは、使用するパブリッシュ方法に応じて、ファイルにレンダリングされるか、または宛先データベースにミラーリングされます。ディスクへのエクスポート、サーバーへのミラーリングおよびXMLへのアセットのエクスポートの各パブリッシュ方法で承認済アセットのリストに対して行われる処理の詳細は、次の章を参照してください。

パブリッシュ・セッションが終了すると、パブリッシュ・システムはどのアセットがパブリッシュされたかを承認システムに通知し、次にそれがページ・キャッシュを更新します。

12.7 パブリッシュ・セッションに関する情報の取得

WebCenter Sitesは、各パブリッシュ・セッションに関する情報をログ・ファイルおよびWebCenter Sitesデータベースの様々な表に書き込みます。この情報の大半は、セッションのパブリッシュ履歴として「パブリッシュ・コンソール」に表示されます。「パブリッシュ・コンソール」を表示するには、メイン・ウィンドウの一番上のボタン・バーにある「パブリッシュ」ボタンをクリックします。第18.16項「トラブルシューティング」も参照してください。


注意:

「パブリッシュ・コンソール」を表示するには、xcelpublish ACLが必要です。