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Oracle® Fusion Middleware WebCenter Sites管理者ガイド
11gリリース1 (11.1.1.8.0)
E49682-01
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11 コンテンツ管理サイトのレプリケート

オンライン・サイトのデプロイメントを迅速化するために、Oracle WebCenter Sitesでは、サイト・ランチャが提供されています。この新機能によって、適切に準備されたコンテンツ管理(CM)サイトをレプリケートでき、そのプロセスではコンポーネントを新規サイトで共有またはコピーできます。さらに、新規サイトを必要に応じて変更して、デプロイできます。この章では、サイト・ランチャの概要、レプリケーションのガイドライン、要件およびオプション、さらにサイト・ランチャを有効化および使用する手順について説明します。

この章は、次の項で構成されています。

11.1 サイト・ランチャの概要

WebCenter Sitesでは、新規サイトを作成する労力をできるだけ少なくするために、サイト・ランチャというサイトレプリケーション・ユーティリティを提供しています。このユーティリティはCMサイトのバックアップ用ではなく、CMサイトをスピンオフさせるために設計されています。

たとえば、管理システムが、Productsという名前の部門に専用のCMサイトをホストしているとします。最近Servicesという新しい部門が設立され、迅速に公開する必要があります。Servicesは、サイズと構造がProductsと類似していますが、メンバーは宣伝担当者ではなく、広報の専門家です。Services CMサイトを最初から作成するのではなく、管理システム上でProducts CMサイトを直接レプリケートして、新しく設立されたServices部門に対応するようにレプリケートされたサイトを変更できます。

サイト・ランチャは、既存のデータベース・スキーマを再利用し、ソース・サイトをネイティブWebCenter Sitesシステム上で直接レプリケートします。サイトが、すばやく簡単にレプリケートされ、コーディングも必要ありません。ただし、レプリケーション自体は、直接的で迅速な手順ですが、管理者の作業では事前準備と事後処理が必要になります。どの程度の負担になるかは、コンテンツ管理の要求によって異なります。

この章の以降の部分では、1:1、1:n、x:nなど(第1.6項「コンテンツ管理モデル」を参照)、あらゆるコンテンツ管理モデルで使用できるように、正しくサイトをレプリケートするために従う必要がある手順を説明します。


注意:

サイトのレプリケーションを実施できるのは一般管理者のみです。サイト管理者とワークフロー管理者は、サイト・ランチャへのアクセス権限がないため管理しているサイトをレプリケートできません。


11.2 レプリケーションの準備

サイトのレプリケーションを試みる前に、サイトやレプリケートされたサイトの特性に関するいくつかの推奨事項を考慮する必要があります。さらに、コピーまたは共有するコンポーネントを決定する必要があり、最終的にはソース・サイトがレプリケーションのシステム要件を満たすようにする必要があります。この項では、推奨事項、選択できる方法およびシステム要件について概要を説明します。

この項は、次のトピックで構成されています。

11.2.1 ソース・サイトがレプリケーション要件に適合することの保証

サイト・ランチャは、ほぼすべてのCMサイトのレプリケートに使用できます。小規模、大規模、機能しているサイトや、不完全なサイト、他のサイトから独立したサイトおよびコンポーネントの共有により他のサイトと重複するものなどです。

ただし、サイト・ランチャを最も有効に使用するには、サイトが小規模で機能しており、必要なサイトと類似するものから開始することをお薦めします。一般的に、ソース・サイトにはスケルトンのサイトが適しています。つまり、構造とデザインがあって、内容がほとんどないものです。この特徴が、レプリケートを容易にするだけでなく、リソースの節約やレプリケート時間の削減に役立ちます。

さらに、ソース・サイトが管理システムに配置されていることを確認します。(最初にレプリケート可能なソース・サイトを作成する必要がある場合は、第3.3項「サイト構成の手順」の手順に従ってください。)

11.2.2 新規サイトの計画

この項では、サイトのレプリケーション・オプションとシステム要件の概要を説明します。

この項は、次のトピックで構成されています。

11.2.2.1 コピーと共有

ソース・サイトを指定するとき、特定のサイトのコンポーネントをコピーするのか共有するのかを決めておく必要があります。したがって、最初に、新規サイトがソース・サイトとの関連でどのように機能するか、すなわち複製かサブセットか、また独立したサイトか、重複したサイトかなどを決定します。(また、より広い範囲において、新規サイトがコンテンツ管理モデルの他のサイトとの関連でどのように機能するかを決定する必要があります。)

次の表は、ソース・サイトがレプリケートされるとき、多くのコンポーネントがデフォルトで共有されることを示しています。その他のコンポーネントは、任意に共有またはコピーできます。ユーザーは、コピーも共有もされません。

表11-1 コンポーネントとレプリケーション

ソース・サイトのコンポーネント レプリケーション方法

アセット・サブタイプ

共有

アセット・タイプ

共有

アセット

コピーまたは共有(管理者により決定)

アソシエーション

共有

サイト・デスクトップとサイトDocLinkの構成

コピー

パブリッシュの宛先

共有

ロール

共有

スタート・メニュー・アイテム

共有

テンプレート(デザイン・アセット)

コピーまたは共有(管理者により決定)

ツリー・タブ

共有

ユーザー

共有もコピーもされない

ワークフロー・プロセス

共有


アセットのコピーおよび共有は、アセット・タイプ・レベルで選択できますが、アセット・レベルではできません。コピーする(または共有する)アセット・タイプを選択すると、そのタイプのすべてのアセットがコピー(または共有)されます。これはテンプレート(デザイン・アセット)についても同様です。

アセットとテンプレートに関して、管理者固有のタスクは、次の点について決定することです。

  • アセットをコピーまたは共有する必要があるアセット・タイプはどれか。

  • テンプレート・アセットをコピーまたは共有する必要はあるか。

  • 新規サイトでアセットを書式設定されたコンテンツとしてプレビューするか。

アセットとテンプレートをコピーまたは共有する必要があるかどうかを決定するには、次のガイドラインを使用してください。

  • アセットを共有するために、アセットをレンダリングするテンプレートを共有する必要はありません。テンプレートはコピーできます。

    アセットを共有するのかあるいはコピーするのかは、テンプレートのレンダリング・ロジックがアセット名をどのように処理するかによります。たとえば、テンプレート・ロジックを共有テンプレート(render:satellitepageおよびrender:callelementタグで、明示的なテンプレート名で構成)と、コピー・テンプレート(render:satellitepageおよびcallelementタグで、前にVariables.siteを付けたテンプレート名で構成)のいずれかを仮定するように記述できます。

    同じ論理が他のアセット・タイプにも適用されます。レンダリング・ロジックで、フレックス属性名やイメージ名などのアセット名を使用すると、テンプレート・ロジックがアセット・タイプを共有(明示的な名前)またはコピー(構成された名前)のいずれかとして処理し、それに応じてソース・サイトを指定する必要があります。

    テンプレート・アセットをコピーすると決定した場合、そのテンプレート・アセットにハードコードされたテンプレート名が含まれておらず、テンプレートがいずれのスタート・メニュー・アイテムの「デフォルト値」リストでも指定されていないことを確認します。

  • アセットがサイト・ランチャによって新規サイトと共有されている場合、そのデータは変更されません。この唯一の例外はテンプレート・アセットです。テンプレート・アセットでは、そのアセットを共有するサイトごとにSiteCatalogエントリが維持されます。したがって、テンプレートが新規サイトで共有されると、SiteCatalogエントリのテンプレートのリストが更新されます(新規サイトがSiteCatalogエントリのリストに追加されます)。

  • 共有アセット内のデータが変更されないため、そのアセットのアセット参照も変更されないまま維持されます。したがって、アセット参照を持つアセットが共有される場合は、アセット参照も共有される必要があります。たとえば、ImageFileアセットへの参照を持つ記事アセットがある場合、次の操作が可能です。

    • 両方のアセット・タイプの共有

    • 両方のアセット・タイプのコピー

    • 記事のコピーとImageFileの共有

    ただし、記事を共有し、ImageFileをコピーすることはできません。これを行うと、サイトのコピーを起動するときエラーが表示されます。

  • スタート・メニューは、ソース・サイトとレプリケートされたサイト間で共有されます。したがって、ワークフロー・プロセスがソース・サイトのスタート・メニューで設定されている場合、そのワークフローはレプリケート・サイトでも設定されます。新規サイトでユーザーがアセットを作成するためにスタート・メニュー・アイテムを呼び出した場合、ワークフローが実行されます。

計画ステージでの決定は、インストール時の指定や、独自のWebCenter Sites環境の管理方法によって左右されます。レプリケーションによって作成されたサイトは、最終的には、管理システムで構築中(または構築済)のコンテンツ管理モデルに合わせる必要があります。たとえば、中心となるサイトと中央から管理されるサイトがある場合、新規サイトがこれらのサイトに対してどのように機能するかを決定する必要があります。サイトのモデリングの詳細は、第1.6項「コンテンツ管理モデル」を参照してください。

11.2.2.2 アセットの命名

新規サイトにコピーされるアセットは、次のように接頭辞を使用し、アルゴリズムによって命名されます。

  • ソースの接頭辞は、サイトをサイト・ランチャのソース・サイトとして設定するときに指定し、デフォルトではそのサイトの名前になります。

  • 新規サイトの接頭辞は、サイト・ランチャ自体で指定し、デフォルトでは、新規サイトの名前です。接頭辞を指定するときには、短いものを指定してください。

  • ソース・アセットに接頭辞がある場合、またはアセット・タイプに一意の名前が必要な場合、接頭辞が新規アセットの名前に使用されます。ソース・アセットに接頭辞がある場合、新規アセットでは、古い接頭辞にかわって新しい接頭辞が使用されます。

  • ソース・アセットに接頭辞がない場合、新規アセットの名前を生成するためにアセット名の先頭に接頭辞が追加されます。

11.2.2.3 ユーザーの計画

ユーザーがレプリケーション時に新規サイトでコピーまたは共有されない場合、手動でユーザーを新規サイトに追加する必要があります。

ユーザーがソース・サイトのユーザーと異なる場合、新規ユーザー・アカウントを作成する必要があります。このプロセスでは、新規サイトでのユーザーの機能、必要なロール、スタート・メニュー・アイテムへのアクセス、ワークフロー、ツリー・タブなどを検討してください。

コンポーネント間の元のアソシエーションは、新規サイトで維持されることを考慮してください。ユーザーの機能を再定義する場合、そのサイトでのその他のコンポーネントとのアソシエーションを再定義することが必要になる可能性があります。計画ステージで新規アソシエーションを考慮することは、レプリケーション後のワークロードを見積もり、さらに期待どおりの実用的なサイトを作成するために役立ちます。

11.2.2.4 レプリケーション時間の選択

通常の処理がサイトのレプリケーションに影響を与えるため、ソース・サイトが頻繁に編集されていないときにサイト・ランチャを実行することをお薦めします。そうしない場合、レプリケート・サイトとソース・サイトの不一致が発生することもあります。さらに、レプリケーション前に、ソース・サイトのすべてのアセットがデータベースにチェックインされていることを確認してください。そうしないと、リビジョン追跡が有効で、共有するアセットがチェックアウトされている場合、アセットの共有に失敗します。

11.3 サイトのレプリケーション手順

この項では、サイト・ランチャの有効化と使用方法を示します。この手順は、3つの基本的な手順から成ります。

  1. 第11.3.1項「レプリケーション要件に適合することの保証」

  2. 第11.3.2項「サイト・ランチャに対するソース・サイトの有効化」

  3. 第11.3.3項「ソース・サイトのレプリケート」

これらの手順は、この章の以降の部分で詳しく説明します。

11.3.1 レプリケーション要件に適合することの保証

  1. レプリケーションの準備として、ソース・サイトと計画しているサイトが要件を満たしていることを確認します。詳細は、第11.2項「レプリケーションの準備」を参照してください。

  2. 第11.3.2項「サイト・ランチャに対するソース・サイトの有効化」に進み、ソース・サイトを有効化します。

11.3.2 サイト・ランチャに対するソース・サイトの有効化

ソース・サイトをレプリケートするには、先にサイト・ランチャを構成する必要があります。

サイト・ランチャを構成するには:

  1. 前述の手順(第11.3.1項「レプリケーション要件に適合することの保証」)を完了していることを確認します。

  2. この項の手順を完了したら、引き続き次の第11.3.3項「ソース・サイトのレプリケート」の手順をただちに実行する準備をしてください。次の手順をただちに実行することで、ソース・サイトの状態が変化していないことが保証されます。

  3. 「管理」タブで、「サイト」を開き、レプリケートするサイトをダブルクリックします。これがソース・サイトになります。

  4. サイトの「調査」フォームで、「このサイトのサイト・ランチャの構成」(フォームの下部)をクリックします。

  5. 「サイト・ランチャの構成」フォームで、次の手順を実行します。

    1. アセットをコピーする場合、「アセット接頭辞」フィールドに移動し、アセットの接頭辞を入力するか、デフォルト(ソース・サイトの名前)を受け入れます。

    2. 「有効なアセット・タイプ」セクションで、そのアセットをコピーまたは共有するアセット・タイプを見つけて、対応する「コピー」または「共有」ラジオ・ボタンをクリックします。


      注意:

      すべてのタイプのすべてのアセットをコピーまたは共有する場合は、「すべてコピー」または「すべて共有」ボタンをクリックします。


    3. 構成オプションを保存するには、「保存」ボタンをクリックします。

      図11-1 「サイト・ランチャの構成」フォーム

      図11-1の説明が続きます
      「図11-1 「サイト・ランチャの構成」フォーム」の説明

  6. 次の項の第11.3.3項「ソース・サイトのレプリケート」に進み、サイトのレプリケーション手順を完了します。

11.3.3 ソース・サイトのレプリケート

ソース・サイトをレプリケーションできるようにしたら、サイト・ランチャを使用して必要な数だけソース・サイトのコピーを作成できます。

ソース・サイトをレプリケートするには:

  1. 前述の手順(第11.3.1項「レプリケーション要件に適合することの保証」および第11.3.2項「サイト・ランチャに対するソース・サイトの有効化」)を完了していることを確認します。

  2. 「調査」フォームの下部にある「コピーの起動」をクリックします。

  3. 「サイト・ランチャ」フォームで、次の手順を実行します。

    1. 「名前」フィールドに、新規サイトの名前を入力します。

    2. 「説明」フィールドに、新規サイトの説明を入力します。

    3. 「パブリッシュの宛先」領域で次の手順を実行します。

      1. 必要に応じてチェック・ボックスを選択し、宛先を初期化します。

      2. 新規サイトに使用するパブリッシュの宛先を選択します。

    4. 「サイトの追加」をクリックしてサイトをコピーします。

      図11-2 「サイト・ランチャ」フォーム

      図11-2の説明が続きます
      「図11-2 「サイト・ランチャ」フォーム」の説明

      新規サイトの作成後、WebCenter Sitesに次の内容のサマリーが表示されます。

      • どのアセットがコピーまたは共有されたか。共有されているアセットごとに、AssetPublication表に新規サイトのサイトID (パブリケーションID)を示す行が追加されます。コピーされたアセットごとに、元のアセットが格納されている表にコピーが入力されます。

      • 新規サイトで共有されるスタート・メニュー・アイテムの数、ワークフロー・プロセスおよびパブリッシュの宛先。

  4. この時点でユーザーを追加する必要があります。追加しない場合、新規サイトが適切に構成されていることを確認します。手順とガイドラインは、次の第11.4項「レプリケーション後のタスクとガイドライン」を参照してください。

11.4 レプリケーション後のタスクとガイドライン

新規サイトの作成後、次の手順を実行して新規サイトの構成を完了する必要があります。

  1. 既存のユーザーを新規サイトに追加するのか、新規ユーザーを作成するのかは、新規サイトをどのように計画しているかによります。

  2. ワークフロー・プロセスが存在する場合は、正しいアセット・タイプとロールがスタート・メニュー・アイテムのプロセスに関連付けられていることを確認します。

  3. 新規サイトをテストします。

  4. 必要に応じて、サイト管理者を作成します。xceladmin ACLをユーザー・アカウントに割り当てて、ユーザーに新規サイトのSiteAdminロールを付与します。