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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築
11gリリース1 (11.1.1.8.3)
E50013-03
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50 ポータルへの通知の追加

この章では、通知タスク・フローをポータルに追加する方法を説明します。通知を使用すると、ユーザーはサブスクライブしたポータルのオブジェクトやコンテンツに対する変更について、適時に通知を受け取れるようになります。ユーザーは、注目しているコネクション、ポータル・メンバーシップ、特定のポータル、およびアプリケーション・オブジェクトに加えられた変更を追跡できます。それらの変更は、電話のテキスト、メール、またはワークリストにより通知されます。

この章の内容は、次のとおりです。


権限:

この章のタスクを実行するには、ポータル・モデレータであるか、ポータル・レベルの権限であるBasic Services: Edit Page Access and Structure (標準権限)またはPages: Edit Pages (アドバンスト権限)を持つポータル・メンバーである必要があります。

権限の詳細は、第29.1項「ポータルのロールと権限について」を参照してください。


50.1 サブスクリプションと通知について

通知を使用すると、各種のメッセージング・チャネルを通じて自動的に通知をトリガーできます。ユーザーがサブスクライブしているポータルおよびアプリケーション・オブジェクトが変更されると、メッセージがトリガーされます。

メッセージング・チャネルには、電話のテキスト、メール、またはワークリストが含まれます(管理者による「通知」の構成方法に応じて異なります)。たとえば、特定のドキュメントが変更されたときにメール・メッセージ、他のユーザーが特定のディスカッション・トピックに応答したときにテキスト・メッセージ、コネクションの招待を受けたときはワークリスト・アラートを受信できます。すべてのメッセージにはリンクが含まれており、ユーザーは該当の変更に移動できます。

通知をトリガーするオブジェクトは、そのオブジェクトにサブスクライブすることで選択できます。WebCenter Portalには、次の3つのレベルのサブスクリプションがあります。

表50-1では、通知をトリガーできるアクティビティのタイプについて説明し、それに関連するサブスクリプションのレベルと場所について示しています(詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のアプリケーション、ポータルおよびオブジェクトへのサブスクライブに関する項を参照してください)。


注意:

オブジェクト(ドキュメント、Wiki、ブログなど)を所有しても、そのオブジェクトに自動的にサブスクライブすることにはなりません。オブジェクトについてのサブスクリプション関連の通知を受け取るには、ユーザーはそのオブジェクトに明示的にサブスクライブする必要があります。ただし、管理者が、企業規模のデフォルトを設定して強制適用している場合を除きます。オブジェクト・レベルのサブスクリプションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のオブジェクト・レベルのサブスクリプションの設定に関する項を参照してください。


表50-1 通知をトリガーできるアクティビティ

アクティビティ レベル サブスクライブする場所

ユーザーがコネクションの招待を送信する

注意: コネクションへの招待に関する通知を送信するオプションはデフォルトで有効化されていて、エンドユーザーがこのオプションを構成することはできません。

アプリケーション

プリファレンス(詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のアプリケーション・レベルのプリファレンスの設定に関する項を参照)

ポータルのロールが変更された(たとえば、ParticipantからModeratorへの変更)

アプリケーション

プリファレンス

ポータルのメンバーとして追加された

アプリケーション

プリファレンス

ポータルのメンバーシップが削除された

アプリケーション

プリファレンス

メッセージ・ボードに別のユーザーがメッセージを投稿した

アプリケーション

プリファレンス

メッセージ・ボードの投稿を別のユーザーがお気に入り登録した(メッセージ・ボードに明示的に設定されたメッセージであり、パブリッシャからアクティビティ・ストリームに追加されたメッセージではありません)

アプリケーション

プリファレンス

メッセージ・ボードの投稿に別のユーザーがコメントした(メッセージ・ボードに明示的に設定されたメッセージであり、パブリッシャからアクティビティ・ストリームに追加されたメッセージではありません)

アプリケーション

プリファレンス

別のユーザーがフィードバックを投稿した

アプリケーション

プリファレンス

お知らせが作成された

ポータル


対象のポータル。たとえば、「ポータルの参照」でのポータルの「アクション」メニュー(詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のポータル・レベルのサブスクリプションの設定に関する項を参照)

新しいイベントが作成された

ポータル


対象のポータル

イベントが更新された

ポータル


対象のポータル

イベントが削除された

ポータル


対象のポータル

新しいディスカッション・トピックが作成された

ポータル


対象のポータル

新しいディスカッション・フォーラムが作成された

ポータル


対象のポータル

新しいドキュメントが作成またはアップロードされた

ポータル


対象のポータル

Wikiドキュメントが作成された

ポータル


対象のポータル

新しいブログ・エントリが投稿された

ポータル


対象のポータル

別のユーザーがディスカッション・トピックに応答した

オブジェクト

対象のトピック(詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のオブジェクト・レベルのサブスクリプションの設定に関する項を参照)

別のユーザーがディスカッション・トピックにコメントした

オブジェクト

対象のトピック

別のユーザーがディスカッション・トピックを削除した

オブジェクト

対象のトピック

別のユーザーがドキュメントにコメントした

オブジェクト

対象のドキュメント

別のユーザーがドキュメントをお気に入り登録した

オブジェクト

対象のドキュメント

別のユーザーがドキュメントを更新した

オブジェクト

対象のドキュメント

別のユーザーがドキュメントを削除した

オブジェクト

対象のドキュメント

別のユーザーがWikiドキュメントにコメントした

オブジェクト

対象のWiki

別のユーザーがWikiドキュメントをお気に入り登録した

オブジェクト

対象のWiki

別のユーザーがWikiドキュメントを更新した

オブジェクト

対象のブログ・エントリ

別のユーザーがWikiドキュメントを削除した

オブジェクト

対象のブログ・エントリ

別のユーザーがブログ・エントリにコメントした

オブジェクト

対象のブログ・エントリ

別のユーザーがブログ・エントリをお気に入り登録した

オブジェクト

対象のブログ・エントリ

別のユーザーがブログ・エントリを更新した

オブジェクト

対象のブログ・エントリ

別のユーザーがブログ・エントリを削除した

オブジェクト

対象のブログ・エントリ


優先するメッセージング・チャネルは、「プリファレンス」ダイアログの「メッセージング」パネルから設定できます(詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のメッセージング・チャネルおよびフィルタの設定と管理に関する項を参照)。さらに、メッセージ・プリファレンスを使用すると、受け取る必要のある通知のタイプに応じたフィルタを作成できます。

メッセージング構成は、アプリケーション管理者が、アウトバウンド通知の接続タイプとして、BPELサーバーを選択している場合に使用できます。管理者がメール・サーバーを選択すると、使用可能なメッセージング・チャネルはメールのみになります。そのため、独自のメッセージング・チャネルを構成する必要はなくなり、構成することもできなくなります。


関連項目:

通知に関連する管理設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のサブスクリプションと通知の管理に関する項を参照してください。


アプリケーション・レベルのサブスクリプションのデフォルト設定は、アプリケーション管理者が構成できます。そのため、アプリケーション・レベルの「サブスクリプション・プリファレンス」の初期表示は、管理者のデフォルト設定によって決定されることになります。アプリケーション・レベルのサブスクリプションは、「プリファレンス」ダイアログの「サブスクリプション」パネルにある「一般サブスクリプション」タブに表示されます(図50-1)。

図50-1 「一般サブスクリプション」のプリファレンス

図50-1の説明が続きます
「図50-1 「一般サブスクリプション」のプリファレンス」の説明

「一般サブスクリプション」タブに示される各機能分野について、アプリケーション管理者が次の2つの設定を制御します。

これらの質問の回答は、このタブのビューに、一般サブスクリプションのどのオプションがどのように表示されているかによって判断できます。表50-2には、管理者レベルのサブスクリプション設定が、「一般サブスクリプション」タブの表示にどのように影響するかを示します。

表50-2 管理者のデフォルトがサブスクリプション・プリファレンスに及ぼす影響

サブスクリプションの有効化脚注 1  ユーザーによるデフォルト変更の許可 プリファレンス内のオプション

True

True

通常表示、チェック・ボックスは選択済

False

True

通常表示、チェック・ボックスは選択解除済

True

False

グレー表示、チェック・ボックスは選択済

False

False

表示、チェック・ボックスは非表示


脚注1 subscription-enabled属性は、サブスクリプション機能全体を有効化または無効化するのではなく、単にプリファレンス・オプションの初期状態を設定します。たとえば、subscription-enabled="true"の場合、WebCenter Portalの「プリファレンス」ダイアログ内の関連するサブスクリプション・オプションは、デフォルトで選択済になります。subscription-enabled="false"の場合、ダイアログの関連付けられたサブスクリプション・オプションはデフォルトで確認されません。


関連項目:

通知に関連する管理設定の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のサブスクリプションと通知の管理に関する項を参照してください。


すべてのサブスクリプションの表示と削除は、「プリファレンス」ダイアログの「サブスクリプション」パネルにある「現在のサブスクリプション」タブで実行できます(図50-2)。

図50-2 「現在のサブスクリプション」のプリファレンス

図50-2の説明が続きます
「図50-2 「現在のサブスクリプション」のプリファレンス」の説明

「サブスクリプション」パネルを使用すると、アプリケーション・レベル、ポータル・レベル、およびオブジェクト・レベルのすべてのサブスクリプションを表示して管理できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のサブスクリプションの表示と取消しに関する項を参照してください。

通知では、次のタスク・フローが提供されます。

50.2 ページへの通知タスク・フローの追加

ページに通知タスク・フローを追加する手順は、第14.2項「ページへのコンポーネントの追加」を参照してください。


注意:

通知タスク・フローはデフォルト・リソース・カタログには含まれません。それらをページに追加するには、まずリソース・カタログに追加する必要があります。詳細は、第23.5.1項「リソース・カタログへのリソースの追加」を参照してください。



ヒント:

これらのコンポーネントの有無や場所は、リソース・カタログの構成方法によって異なります。たとえば、デフォルトのリソース・カタログでは、「アラートと更新」の横の「開く」をクリックすると、「サブスクリプション・ビューア」タスク・フローが含まれるリストが表示されます。「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フローはデフォルト・リソース・カタログには含まれません。「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フローが表示されない場合、システム管理者に連絡してください。


50.3 通知タスク・フローのプロパティの設定

「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フローには関連プロパティがあります。十分な権限があるユーザーは、これらのプロパティに、コンポーザの「コンポーネント・プロパティ」ダイアログ(図50-6)からアクセスできます。


注意:

「サブスクリプション・ビューア」タスク・フローには、関連するパラメータはありません。



ヒント:

「コンポーネント・プロパティ」ダイアログへのアクセスの詳細は、第14.3項「コンポーネントの変更」を参照してください。


図50-6 「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フローの「コンポーネント・プロパティ」

図50-6の説明が続きます
「図50-6 「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フローの「コンポーネント・プロパティ」」の説明

次の各項では、通知タスク・フローに関連するプロパティについての情報と、「パラメータ」タブで使用できるプロパティについて説明します。

50.3.1 通知タスク・フローのプロパティについて

通知のタスク・フローにプロパティ値を設定した場合、その値が設定されたタスク・フロー・インスタンスのみが影響を受けます。同じタスク・フローの他のインスタンスは、この変更による影響を受けません。

デフォルトのタスク・フロー・コンテンツは、「コンポーネント・プロパティ」ダイアログの「パラメータ」タブ上のプロパティによって影響を受けます。このタブのパラメータの詳細は、第50.3.2項「通知タスク・フローのパラメータ」を参照してください。一部のタスク・フローでは、このタブのパラメータにより、ページ・パラメータやページ定義変数へのタスク・フローの結付けが容易になります。詳細は、第19章「ページ、タスク・フロー、ポートレットおよびADFコンポーネントの結付け」を参照してください。

「表示オプション」タブ、「スタイル」タブおよび「コンテンツ・スタイル」タブのプロパティを変更すると、タスク・フローの外観と動作に影響します。これらのプロパティは、すべてのタスク・フローに共通しています。詳細は、第14.3.4項「コンポーネントの表示オプションの使用」および第14.3.6項「スタイル・プロパティおよびコンテンツ・スタイル・プロパティの使用」を参照してください。

「イベント」タブのコンテンツは、タスク・フローでサポートされるイベントによって異なります。詳細は、第14.3.7項「コンポーネントのコンテキスト・イベントの使用」を参照してください。

「パラメータ」タブと「表示オプション」タブのすべてのプロパティから式言語(EL)エディタにアクセスできます。ELエディタを使用すると、定数値のかわりに変数値を選択または指定できます。プロパティの横にある式エディタのアイコンアイコンをクリックし、「式ビルダー」を選択してエディタを開きます。EL式に関してサポートが必要な場合、アプリケーション開発者がEL式を提供できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の式言語式に関する付録を参照してください。


注意:

「コンポーネント・プロパティ」ダイアログの「表示オプション」タブで汎用の表示オプションについてELを入力すると、入力内容が自動的に検証されます。EL構文が無効な場合、エラーが表示され、値は適用も保存もされません。汎用の表示オプションとは、表14-1「表示オプション・プロパティ」に掲載されているオプションです。

汎用以外の表示オプションには、ELの検証は行われません。


50.3.2 通知タスク・フローのパラメータ

表50-3では、「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フローに固有のパラメータを説明しています。「サブスクリプション・ビューア」タスク・フローには、関連するパラメータはありません。

表50-3 「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フローのパラメータ

パラメータ 説明

Hide Actions

「保存」ボタンと「リフレッシュ」アイコンを表示または非表示にするコントロール

  • コントロールを非表示にする場合は、#{true}を入力します。

  • コントロールを表示するには、#{false}を入力します。

このパラメータはデフォルトで#{false}に設定されています。

Scope Name

ポータル・レベルのサブスクリプション・オプションを表示するポータルの名前

ポータルの内部名を使用してください。この名前は、ポータル・ビルダーの「一般設定」ページで得られます。ポータルの内部名は、「ポータルURL」フィールドの値の末尾の部分になります。たとえば、次のURLの場合、ポータルの内部名はstandardsになります。

http://myHost[...]/webcenter/spaces/standards

50.3.3 サブスクリプション・プリファレンスの保存アクションとリフレッシュ・アクションの非表示化

「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フローには、Hide Actionsという関連パラメータがあります。このパラメータを使用すると、選択したタスク・フロー・インスタンスの「保存」ボタンと「リフレッシュ」アイコンを非表示にできます。

タスク・フロー・インスタンスの「保存」ボタンと「リフレッシュ」アイコンを非表示にするには:

  1. 構成する「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フロー・インスタンスの「コンポーネント・プロパティ」ダイアログを開きます。

  2. 「コンポーネント・プロパティ」ダイアログで、「パラメータ」タブの「Hide Actions」ボックスに#{true}と入力します。


    注意:

    「保存」アクションと「リフレッシュ」アクションを表示するには、「Hide Actions」ボックスに#{false}と入力します。


  3. 「OK」をクリックしてエディタを終了します。

  4. コンポーネント・プロパティの修正が終了したら、「OK」をクリックします。

  5. 変更を保存して、ページ・エディタを終了します。

50.3.4 あるポータルのサブスクリプション・コントロールの別のポータルでの表示

「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フローには、Scope Nameという関連パラメータがあります。このパラメータを使用すると、あるポータルのサブスクリプション・オプションを別のポータルに表示できます。

Scope Nameは、いくつかのユース・ケースで役立ちます。たとえば、通常、「サブスクリプション・プリファレンス」タスク・フローは、ホーム・ポータルに配置すると、アプリケーション・レベルのサブスクリプション・オプションを表示します。そのかわりに、Scope Nameを使用することで、特定のポータルのサブスクリプション・オプションをホーム・ポータルから制御できるようになります。また、いくつかのポータルに対する設定を1つの場所から制御する、コントロール・センターをセットアップすることもできます。

あるポータルに対するサブスクリプションのコントロールを別のポータルに表示するには:

  1. 構成する「サブスクリプション・ビューア」タスク・フロー・インスタンスの「コンポーネント・プロパティ」ダイアログを開きます。

  2. 「コンポーネント・プロパティ」ダイアログの「パラメータ」タブの「Scope Name」フィールドで、サブスクリプションのコントロールを表示するポータルの名前を入力します。


    注意:

    • ポータルの内部名を使用してください。この名前は、ポータル・ビルダーの「一般」ページで得られます。ポータルの内部名は、「ポータルURL」フィールドの値の末尾の部分になります。たとえば、次のURLの場合、ポータルの内部名はstandardsになります。

      http://myHost[...]/webcenter/spaces/standards
      
    • 現在のスコープのサブスクリプション・コントロールを表示するには、「Scope Name」フィールドの値を削除します。


  3. コンポーネント・プロパティの修正が終了したら、「OK」をクリックします。

  4. 変更を保存して、ページ・エディタを終了します。

50.4 通知タスク・フローの使用

通知タスク・フローの使用方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の「変更時の通知の設定」の章を参照してください。