この章では、WebCenter Portalで検索を追加およびカスタマイズする方法について説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
権限: この章のタスクを実行するには、ポータル・モデレータであるか、 権限の詳細は、第29.1項「ポータルのロールと権限について」を参照してください。 |
WebCenter Portalでは、アプリケーション全体の検索を提供します。アプリケーション内で有効にされたすべての検索可能オブジェクト内の検索文字列が検索されます。情報は、名前と内容を検索します。検索では、各ユーザーが表示権限を持つ結果のみが返されます。たとえば、ユーザーがFinanceポータルのメンバーではない場合、そのポータルからの検索結果は表示されません。
WebCenter Portalには、アプリケーションを検索する次の2つの方法が用意されています。
Oracle Secure Enterprise Search (SES)アダプタ
Oracle WebCenter Portalライブ(委任)検索
ほとんどの管理者は、大規模な実装で最高のパフォーマンスとスケーラビリティを得るため、Oracle SESを使用するよう構成します。
また、ドキュメント・ツールには、ファイル検索用の固有の検索エンジンが用意されています。これを使用してファイルの検索範囲を絞り込むことで、検索時間が短縮され、検索結果の妥当性が向上します。ドキュメント・ツールは、特定のポータルのドキュメント・ライブラリ内を検索します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のドキュメントの検索に関する項を参照してください。
アイデンティティ・ストアのユーザーの検索には、別のタイプの検索を使用します(たとえば、メールの「作成」ウィンドウの「ユーザーの検索」アイコン(図55-1))。詳細は、第30.5.1項「アイデンティティ・ストアでのユーザーまたはグループの検索」を参照してください。
Oracle SESアダプタは、次のリソースの統一ランキング結果を提供します。
ドキュメント(Wikiやブログを含む)
お知らせとディスカッション
ポータル、ページ・メタデータ、リストおよびピープルの各リソース
注意: ポータル、ページ・メタデータ、リストおよびピープルを索引付けするクローラは、Portal Frameworkアプリケーションではサポートされていません。 |
ユーザー名の検索を実行する場合、そのユーザーが作成したドキュメントではなく、そのユーザーの連絡先情報(つまり、プロファイル内の正確なユーザー名)を探している可能性が高いと考えられます。Oracle SESの統一ランキングを使用すると、すべての異なるタイプの検索を通じて最も関連のある検索結果を得られます。
さらに、Oracle SESを検索エンジンとして使用すると、ユーザーは検索条件の途中または末尾にワイルドカード文字(*)を使用してワイルドカード検索を実行できます。たとえば、Oracle SESを使用してwiki
やpage
などのキーワードを検索した場合、wikiページのMyWikiPageは検索結果として返されません。しかし、My*
またはMy*Page
を検索すると、MyWikiPageが返されます。
最適なパフォーマンスとスケーラビリティのためには、Oracle SES 11.2.2.2を使用してWebCenter Portalの新しいインスタンスを構成することをお薦めします。
注意: この項は、以前のWebCenter Portalリリースでの検索の経験があるユーザーを対象としています。 |
WebCenter Portalリリース11.1.1.8.0は、ファセット検索を提供するOracle SES 11.2.2.2をサポートします。ファセットは、コーパス全体をカウントし、以前のリリースで使用されていたリファイナに比べて応答時間を短縮します。Oracle SES 11.2.2.2が構成されている場合、WebCenterではデフォルトでファセット検索を使用します(この設定をオーバーライドする方法は、第55.2項「Oracle SES 11.2.2.2での検索のカスタマイズ」を参照)。ファセット検索に加えて、Oracle SES 11.2.2.2ではドキュメントのサムネイルをサポートします。
一部の既存の検索動作は、ファセット検索モデルに適応するよう変更されています。Oracle SES 11.2.2.2で構成されたWebCenter Portalインスタンスには次の変更点があります。
検索の動作のカスタマイズはタスク・フローのパラメータから行われなくなります。
保存済検索はサポートされません。
ユーザー・レベルの検索プリファレンスは無視されます。
検索結果ページに検索入力ボックスが含まれません。エンド・ユーザーが検索問合せを入力できるようにするには、ページ・テンプレートに「検索 - ツールバー」タスク・フローを含める必要があります。
Oracle SESで構成された以前のリリースでは、アプリケーション・スペシャリストは「検索」タスク・フローを使用して検索動作をカスタマイズすることができました。これらのパラメータでは、検索の範囲を特定のポータル、ツール/サービスおよびドキュメント・タイプに絞り込むことができました。また、検索結果の各アイテムで返される標準属性のリストに属性を追加したり、検索結果でユーザーが使用できる標準リファイナを非表示にすることも可能でした。
WebCenter Portalリリース11.1.1.8およびOracle SES 11.2.2.2では、検索は「ツールとサービス」→「検索」管理ページ(タスク・フロー・パラメータのかわりに)から完全にカスタマイズされます。これにより検索の構成がずっと容易になります。この新しい検索機能では、ファセット問合せを使用します。「検索 - ファセット検索」タスク・フローは、Oracle SES 11.2.2.2が構成されている場合にのみ使用されます。
検索環境は、システム管理者が構成したOracle SESのバージョンによって異なります。例:
システムがOracle SES 11.2.2.2で構成されている場合、特定のポータルの管理設定で検索をカスタマイズできます。Oracle SES 11.2.2.2は、ファセット検索とドキュメントのサムネイルをサポートしますが、ライブ(委任)検索を使用する以前のリリースのOracle SESと実装ではこれらをサポートしていません。
Oracle SES 11.2.2.2でのすべてのカスタマイズは「ツールとサービス」→「検索」管理ページで実行されます。(タスク・フロー・パラメータで設定された値はすべて、「検索 - ファセット検索」タスク・フローが有効にされている場合は無視されます。)「検索」管理ページにアクセスするには、「ツールとサービス」ページ(第7.8.1項「ポータルのツールとサービスの管理へのアクセス」を参照)で、「検索」を選択します(図55-2)。
システムがOracle SES 11.1.2.*で構成されている場合、「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローのパラメータを使用して検索をカスタマイズできます。Oracle SES 11.1.2.*は、検索の保存と検索によるユーザー・プリファレンスの設定をサポートしますが、ライブ(委任)検索を使用する11.2.2.2アダプタと実装ではこれらをサポートしていません。
注意: この章では、アプリケーション・スペシャリストまたはポータル・モデレータにより実行されるタスクについて説明します。アプリケーション・レベルで検索を使用する場合はシステム管理者のタスクになります(Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「WebCenter PortalでのOracle Secure Enterprise Searchの管理」の章を参照)。 |
ポータル管理の「ツールとサービス」→「検索」ページで、システム管理者が構成した検索オプションを表示できます。図55-2は、Oracle SESリリース11.2.2.2で構成されたWebCenter Portalのインスタンスを示しています。
Oracle SES 11.2.2.2で構成されたWebCenter Portalインスタンスには次の変更点があります。
事前問合せのMIMEタイプ・フィルタおよびMIMEタイプの複数選択なし
Oracle SES 11.2.2,2では、MIMEタイプの事前問合せフィルタはありません。ユーザーは検索を実行し、Mimetypeファセットから各MIMEタイプを個別に選択することになります。
複数ポータルの事前問合せ選択なし
Oracle SES 11.2.2.2では、ポータル・モデレータはこのポータル内の検索のみまたはすべてのポータル間の検索のどちらも構成します。ユーザーは検索を実行し、Portalファセットから各ポータルを個別に選択することになります。
Oracle SES 11.2.2.2では、ファセット検索とドキュメントのサムネイルをサポートします。
注意: Oracle SES 11.2.2.2はファセットをサポートします。Oracle SESの以前のリリースでは、リファイナをサポートしていました。ファセットおよびリファイナは、検索結果を絞り込むために使用するという点で類似しています。Oracle SES 11.2.2.2 (ファセットを使用)で構成されたシステムは、Oracle SES 11.1.2.* (リファイナを使用)で構成されたシステムに類似しています。ただし、ファセットはコーパス全体をカウントし、リファイナよりも応答時間が速くなります。 |
この項には次のトピックが含まれます:
表55-1は、Oracle SES 11.2.2.2でサポートされる検索のタスク・フローを示しています。
表55-1 検索のタスク・フロー
タスク・フロー | 定義 |
---|---|
検索 - ファセット検索 |
このタスク・フローは、ファセット検索、検索ボックスでのフィルタ検索およびドキュメントのサムネイルをサポートするリッチな検索機能を提供します。 注意: この「検索 - ファセット検索」タスク・フローは、Oracle SES 11.2.2.2が構成された環境で提供されます。 |
検索 - 管理 |
このタスク・フローにより、検索設定をカスタマイズするために「ツールとサービス」→「検索」管理ページにアクセスすることが可能になります。 |
検索 - ツールバー |
ユーザーは、このタスク・フローを使用して、単純な検索条件を入力し、アプリケーションから検索を実行できます。検索結果は、「検索 - ファセット検索」タスク・フローによりレンダリングされます。 |
「ツールとサービス」→「検索」管理ページに、システムがOracle Secure Enterprise Search (SES)リリース11.2.2.2を使用するよう構成されていることが表示される場合、「ファセットがサポートされた新規検索タスク・フローを使用します」チェック・ボックスがデフォルトで選択されています。
このチェック・ボックスを選択解除して、このポータルで「検索 - 非ファセット検索」タスク・フロー(ファセットのかわりにリファイナを使用)を使用するようにできます。これを実行すると、このページの次回アクセス時にこのページの残りの設定がグレー表示され、「検索 - 非ファセット検索」タスク・フロー・パラメータで検索設定を構成することが必要となります。
最適なパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、ファセットのサポートと容易な構成のためには、Oracle SESリリース11.2.2.2以降で新しい「検索 - ファセット検索」タスク・フローを使用するようアプリケーションを構成してください。ただし、アップグレードされたインスタンスで、特定の機能を保持するために、古い「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローを引き続き使用するよう選択する場合もあります。(検索を保存し、個人のユーザー・プリファレンスを設定する機能は、Oracle SES 11.2.2.2でサポートされていません。)
関連項目: 以前のWebCenter Portal/Oracle SESインスタンスからアップグレードしており、ファセット・サポートを備えた新しい検索タスク・フローを使用するよう選択している場合、以前の検索のユーザー・プリファレンスは「検索」管理ページ上の設定によってオーバーライドされます。以前のカスタマイズの内容を保持するには、「検索」管理ページでそれらのカスタマイズをリセットする必要があります。 |
「結果タイプとフィルタリング」セクションでは、検索結果に表示する結果タイプと、フィルタリング・ドロップダウンに含める項目(存在する場合)を選択できます。フィルタリングにより、ユーザーは検索結果またはグローバル検索ボックスのフィルタ・リストを使用して検索結果を絞り込むことができます。図55-3は、フィルタリング・ドロップダウンに結果タイプの完全なリストが表示されたグローバル検索ボックスを示しています。
グローバル検索ボックスからフィルタリング・ドロップダウンを削除するには、「フィルタリング・ドロップダウンの有効化」チェック・ボックスを選択解除します。図55-4は、フィルタリング・ドロップダウンのための矢印が含まれないグローバル検索ボックスを示しています。
「使用可能な結果タイプ」リストと「含める」リスト間で項目を移動させることにより、ドロップダウンおよび検索結果の左側にあるフィルタ・リストに含める結果タイプと、それらが表示される順序を選択できます。たとえば、図55-5に示すように、「人」、「ドキュメント」および「お知らせ」を含めるよう選択するとします。
図55-6に示すように、フィルタリング・ドロップダウンおよび検索結果の左側にあるフィルタ・リストに、「人」、「ドキュメント」および「お知らせ」のみがこの順序で表示されます。また、「ディスカッション」などのその他の選択しなかった結果タイプは検索結果に表示されません。リストに示されている「すべて」フィルタは、「人」、「ドキュメント」および「お知らせ」のすべての結果を表示します。
注意: ポータルおよびページのメタデータのみ(ポータル・コンテンツまたはページ・コンテンツではなく)が検索され、デフォルトでは、これらの検索タイプはポータルでは除外されます。ポータルおよびページのメタデータを検索結果に含めるには、「含める」リストに「ポータル」および「ページ」を追加します。 |
「入力ボックス・サイズ」セクションでは、ページ・テンプレート上の検索ボックスの幅を増減することができます。スライダを使用して、幅(列数)をデフォルト値の20から変更します。
「検索範囲」セクションでは、結果を「このポータルのみ」から表示するか、または「すべてのユーザーのホーム・ポータルを含むすべてのポータル」から表示するかを選択できます。
「ファセット」セクションでは、このポータルの検索結果で表示するファセットを選択できます。ファセットを使用すると、ユーザーは新しい検索を実行せずに索引データをナビゲートできます。検索内のファセット・ナビゲーションにより、ユーザーは検索対象を明確にすることができ、また新しい発見さえも可能になります。
ファセットの表示順序は、「使用可能なファセット」リストと「含める」リスト間でファセットを移動させることで変更できます。たとえば、「ポータル」を「使用可能なファセット」リストに移動すると、「ポータル」ファセットは検索結果ページには表示されません。
システム管理者は、Oracle SES内でまずファセット(必須のScope
、GUID
およびServiceID
ファセットを含む)を構成する必要があります。システム管理者は、Oracle SES内でファセットを作成、変更、および削除します。(WebCenter Portalでは、この「検索」ページが開かれるまでファセットに対する変更を検出しません。)
注意: 検索結果ページには、Oracle SES管理ツールの「グローバル設定」→「ファセット名の翻訳」ページで指定された翻訳に従ったファセット名が表示されます。ファセット名は、ユーザー・ロケールで翻訳された名前です。ただし、「WebCenterポータル検索」管理ページには、基本ファセット名(つまり、翻訳されていない名前)が表示されます。例外は「ポータル」ファセット名で、これはOracle SESではなくWebCenter Portalで指定された翻訳に従います。 |
関連項目: Oracle SESでのファセットの管理の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のWebCenter PortalでのOracle Secure Enterprise Searchの管理に関する項を参照してください。 |
「カスタム属性」セクションでは、検索結果に表示されるカスタム検索属性と、それらの属性の表示順序を選択できます。この「ツールとサービス」→「検索」管理ページが開いていると、WebCenter PortalはOracle SESへのコールを行って、使用可能なカスタム(標準ではなく)属性をフェッチします。
図55-8は、forumid
およびthreadid
カスタム属性が検索結果に表示されるようにするため、「含める」列に移動されたシナリオを示しています。
図55-9は、カスタム属性threadid
およびforumid
を含む検索結果を示しています。(Created by
およびLast modified on
は標準属性です。)属性は値が存在する場合にのみ表示されます。
注意:
|
最適なパフォーマンスとスケーラビリティのためには、システム管理者がOracle SES 11.2.2.2を使用してWebCenter Portalの新しいインスタンスを構成することをお薦めします。ただし、アップグレードされたWebCenter Portalインスタンスで、特定の機能を保持するために、Oracle SES 11.1.2.*を引き続き使用するよう選択する場合もあります。検索を保存し、ユーザー・プリファレンスを設定するタスク・フローは、Oracle SES 11.2.2.2でサポートされていません。
この項には次のトピックが含まれます:
表55-2は、Oracle SES 11.1.2.*でサポートされる検索のタスク・フローを示しています。
表55-2 検索のタスク・フロー
タスク・フロー | 定義 |
---|---|
検索 - 非ファセット検索 |
このタスク・フローは、検索結果の絞込みおよび保存に関する機能により、豊富な検索操作性を提供します。 注意: この「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローは、Oracle SES 11.1.2.*が構成された環境で提供されます。 |
検索 - 保存済検索 |
このタスク・フローを使用すると、アプリケーション内で保存済検索を実行するための簡単な起動パッドを作成できます。 |
検索 - プリファレンス |
ユーザーは、このタスク・フローを使用して、検索するWebCenter Portalツールとサービスを選択できます。 |
検索 - ツールバー |
ユーザーは、このタスク・フローを使用して、単純な検索条件を入力し、アプリケーションから検索を実行できます。検索結果は、「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローによりレンダリングされます。 |
検索のタスク・フロー・パラメータを使用して、特定のツールとサービス、ドキュメント・タイプおよびポータルの検索結果のみに絞り込むことができます。この項では、これらのパラメータを設定する手順について説明します。次のトピックが含まれます:
Services to be Included
パラメータを使用して、1つ以上のWebCenter Portalサービスの検索結果のみに絞り込むことができます。
たとえば、コンテンツ・サーバーのプロファイルとドキュメントのみを表示するには、このパラメータをoracle.webcenter.people, oracle.webcenter.doclib
に設定します。何も指定しない場合、すべてのツールとサービスを検索します。
Mimetype
パラメータを使用して、Oracle WebCenter Content Serverの1つ以上のドキュメント・タイプ(PDF、PPTまたはDOCなど)の検索結果のみに絞り込むことができます。
一般的なMIMEタイプ値の例は、次のとおりです。
application/excel
application/msword
application/pdf
application/powerpoint
text/html
text/plain
MIMEタイプには、Microsoft Officeで使用可能な値など、任意の標準MIMEタイプ値を使用できます。
たとえば、WebページとMicrosoft Wordドキュメントのみを検索するには、Mimetype
パラメータをtext/html,application/msword
に設定します。何も指定しない場合、すべてのドキュメント・タイプを検索します。
ドキュメントのMIMEタイプ値を調べるには、コンテンツ・サーバーで「アクション」列の「情報」アイコンを選択します(図55-10)。
図55-11に示すように、フォーマットは「フォーマット」フィールドに表示されます。
注意: 接続しているContent Serverリポジトリに格納されたコンテンツを検索する場合は、次のどちらかの方法で、Content Serverの全文検索を有効化する必要があります。
|
注意: Content ServerがWebレンディション用に構成されている場合、Content Server内のアイテムはPDF形式でレンダリングされます。コンテンツ・アイテムのネイティブMIMEタイプのレンディションは上書きされます。たとえば、Microsoft Office WordドキュメントのMIMEタイプはapplication/mswordですが、Content ServerでWebレンディションを使用すると、MIMEタイプはapplication/pdfになります。 Webレンディションを使用するようにコンテンツ・サーバーを構成する場合、必要なMIMEタイプがOracle SESにエクスポートされるように、WebCenter Portal管理者はコンテンツ・サーバー・メタデータ・リストを構成して |
WebCenter Portal検索では、グローバル(すなわちアプリケーション全体の)検索を実行します。ただし、Search Scope
パラメータを使用して、1つ以上のポータルの検索結果のみに絞り込むことができます。
このパラメータを検索するポータルのGUIDのカンマ区切りのリストに設定します。何も指定しない場合、すべてのポータルを検索します。
例:
#{spaceContext.currentSpaceGUID} #{serviceCtx.scope.GUID} #{spaceContext.space['Travel'].metadata.guid}
Travelはポータルの名前です。
現在のポータルとすべてのサブポータルを検索するには、次のように入力します。
#{spaceContext.currentSpace.subspaceGuids}
検索結果の各項目には、一連の標準属性(作成者やサイズなど)が表示されます。Custom Attributes
パラメータで1つ以上の属性を指定することによって、他の属性も追加できます。
たとえば、図55-12は、DocumentName
、DocumentType
、FileName
、DocumentID
およびCreatedDate
の各属性が追加されている検索結果を示します。
属性は値が設定されている場合のみ表示されます。
注意: 属性はすべてコンテンツ・サーバーのMetadata Listパラメータに追加する必要があります。前述の属性の場合、次のリストをMetadata Listパラメータに追加する必要があります。
詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のWebCenter PortalでのOracle Secure Enterprise Searchの管理に関する項を参照してください。 |
特定の標準リファイナをユーザーの検索結果に表示されないようにする場合、Refiners to hide
パラメータを非表示にする1つ以上のリファイナのリストに設定します。たとえば、ポータルのリファイナを非表示にすると、他のポータルが存在しないような外観にできます。
非表示にできる事前定義済リファイナは次のとおりです。
日付
作成者
ポータル
サービス
タグ
何も指定しない場合、すべてのリファイナが表示されます。
検索のタスク・フローには、関連付けられているプロパティがあります。このプロパティには、十分な権限を持つユーザーがコンポーザの「コンポーネント・プロパティ」ダイアログからアクセスできます(図55-13)。
次の項では、検索のタスク・フローのプロパティについての情報を提供し、「パラメータ」タブのプロパティについて説明します。
デフォルトのタスク・フロー・コンテンツは、「コンポーネント・プロパティ」ダイアログの「パラメータ」タブ上のプロパティによって制御されます。このタブのパラメータの詳細は、第55.3.4.3項「検索のタスク・フロー・パラメータ」を参照してください。一部のタスク・フローでは、このタブのパラメータにより、ページ・パラメータやページ定義変数へのタスク・フローの結付けが容易になります。詳細は、第19章「ページ、タスク・フロー、ポートレットおよびADFコンポーネントの結付け」を参照してください。
「表示オプション」タブ、「スタイル」タブおよび「コンテンツ・スタイル」タブのプロパティを変更すると、すべてのユーザーのタスク・フローの外観と動作に影響します。これらのプロパティは、すべてのタスク・フローに共通しています。詳細は、第14.3項「コンポーネントの変更」を参照してください。
「イベント」タブのコンテンツは、タスク・フローでサポートされるイベントによって異なります。詳細は、第14.3.7項「コンポーネントのコンテキスト・イベントの使用」を参照してください。
「子コンポーネント」タブには、現在のコンポーネントに含まれているすべてのコンポーネントが表示されます。このタブには、子コンポーネントを並べ替えたり、表示/非表示を切り替えるためのコントロールが用意されています。すべてのコンポーネントに子があるわけではありません。そのため、このタブは省略されている場合があります。詳細は、第14.3.5項「子コンポーネントの使用」を参照してください。
「パラメータ」タブと「表示オプション」タブのすべてのプロパティから式言語(EL)エディタにアクセスできます。ELエディタを使用すると、定数値のかわりに変数値を選択または指定できます。エディタを開くには、プロパティ・フィールドの横にある「編集」アイコンをクリックします。
注意: 「コンポーネント・プロパティ」ダイアログの「表示オプション」タブで汎用の表示オプションについてELを入力すると、入力内容が自動的に検証されます。EL構文が無効な場合、エラーが表示され、値は適用も保存もされません。汎用の表示オプションとは、表14-1に掲載されているオプションです。 汎用以外の表示オプションには、ELの検証は行われません。 |
EL式に関してサポートが必要な場合、アプリケーション開発者がEL式を提供できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』の式言語式に関する項を参照してください。
「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローには、特定のポータル、サービスおよびドキュメント・タイプに検索結果を絞り込むパラメータが用意されています。
アプリケーション・スペシャリストがポータルのページ・テンプレートを変更して「検索 - 非ファセット検索」タスク・フロー・パラメータを編集することも、システム管理者が「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローをポータルに追加してそのパラメータを編集することもできます。
ページ・テンプレートを編集するには:
ポータル管理ページを表示します。
ヒント: ポータル管理ページへのアクセス方法は、使用するページ・テンプレートによって異なります。詳細は、第7.1項「ポータル管理へのアクセス」を参照してください。付録A「WebCenter PortalプリティURL」に記載されているプリティURLを使用してこのページに移動することもできます。 |
図55-14は、「管理」メニューからアクセスされるポータル管理を示しています。
ポータル管理の「設定」タブで、ポータルに選択したページ・テンプレートを表示できます。
ポータル管理の「アセット」タブをクリックして、「ページ・テンプレート」ページを表示します。
ポータルで使用するページ・テンプレートを選択し、「アクション」メニューで、「コピー」(図55-16)を選択します。
この新しいテンプレートの名前を入力し、「OK」をクリックします(図55-17)。
「使用可能」チェック・ボックスを選択してこのページ・テンプレートを使用可能にし、「編集」をクリックします。
ページ・テンプレートで、「コンテンツの追加」タブを選択し、「+ コンテンツの追加」をクリックします。
「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローを追加するよう選択し、「編集」をクリックしてそのパラメータを設定します(図55-19)。パラメータの詳細は、第55.3.4.3項「検索のタスク・フロー・パラメータ」を参照してください。
注意: Oracle SES 11.2.2.2が構成されている場合、カスタマイズには「検索」管理ページが使用されるため、「パラメータ」タブは表示されません。 |
「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローはデフォルトのリソース・カタログでは使用できないので、ポータルでこのタスク・フローを編集する場合、通常はリソース・カタログに「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローを追加し、このカタログをポータルに割り当てる手順が必要です。例:
ポータル管理の「アセット」→「リソース・カタログ」ページに移動し、新しいリソース・カタログを作成するようクリックするか、既存のリソース・カタログを選択して「編集」を選択します。
「追加」→「ライブラリから追加」をクリックします。
「タスク・フロー」リソースを選択し、「デザインタイム」を展開し、スクロール・ダウンして「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローを選択し、「追加」をクリックします(図55-20)。
注意: 「検索 - 管理」タスク・フローおよび「検索 - ファセット検索」タスク・フローはリストに表示されますが、これらはOracle SES 11.2.2.2を使用するよう構成されたインスタンスでのみ使用可能です。 |
リソース・カタログに「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローが追加されます。オプションで、タスク・フローをフォルダにドラッグ・アンド・ドロップできます。「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローを選択して、「編集」(鉛筆)をクリックします(図55-21)。
「ターゲット」タブで説明を追加します(図55-22)。
「オプション」タブで、「新規属性名」に「アイコンURI」を選択し、「新規属性値」で/adf/webcenter/search_qualifier.png
と入力します(図55-23)。
必要に応じて、「パラメータ」タブをクリックして、タスク・フロー・パラメータをカスタマイズします。
注意: Oracle SES 11.2.2.2が構成されている場合、カスタマイズには「検索」管理ページが使用されるため、「パラメータ」タブは表示されません。 |
「追加」、「OK」の順にクリックし、「編集」を終了します。リソース・カタログに新しいアイコンと説明が表示されます(図55-24)。
「保存して閉じる」をクリックして、このリソース・カタログを保存します。
ポータル管理の「アセット」→「リソース・カタログ」ページに戻り、この新しいリソース・カタログを選択し、「使用可能」チェック・ボックスを選択します。
ポータル管理の「設定」ページに移動し、この「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローを含めるよう編集したばかりのリソース・カタログを選択します(図55-25)。
新しいポータルで、新しいページを作成します。
新しいページで、第14.2項「ページへのコンポーネントの追加」の手順に従って、「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローを追加します。
ページを保存して閉じます。
ページに「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローがアイコンとともに表示され、「検索」フィールドで検索条件を実行できます(図55-26)。
タスク・フローを追加した後、タスク・フローのパラメータを編集できます。詳細は、第55.3.4.3項「検索のタスク・フロー・パラメータ」を参照してください。
表55-3に、検索のタスク・フローに固有のパラメータを示します。
表55-3 検索のタスク・フロー・パラメータ
パラメータ | 説明 | タスク・フロー |
---|---|---|
|
検索結果を表示する際に表示するカスタム属性のリスト。 検索結果に1つ以上のカスタム属性を追加するには、このパラメータをカスタム属性名のカンマ区切りリストに設定します。カスタム属性名にオプションでラベル接頭辞を付けて、関連付けられているカスタム属性名のかわりに表示できます。 |
検索 - 非ファセット検索、検索 - ツールバー |
|
検索を絞り込むコンテンツ・タイプのリスト。 検索を特定のドキュメント・タイプに絞り込むには、このパラメータをドキュメントのMIMEタイプ(PDF、PPT、DOCなど)のカンマ区切りリストに設定します。 注意: Microsoft WordドキュメントとWebCenter Portalページに検索を絞り込むには、このパラメータをapplication/mswordに設定し、 詳細は、第55.3.2.2項「特定のドキュメント・タイプの検索」を参照してください。 |
検索 - 非ファセット検索、検索 - ツールバー |
|
検索結果を表示する際に非表示にするリファイナのリスト。 1つ以上のリファイナを非表示にするには、このパラメータをリファイナ名のカンマ区切りリストに設定します( |
検索 - 非ファセット検索、検索 - ツールバー |
|
検索範囲を絞り込む一意のIDのリスト。 検索を特定のポータルに絞り込むには、このパラメータをポータルのGUIDに設定します(例: 詳細は、第55.3.2.3項「特定のポータルの検索」を参照してください。 |
検索 - 非ファセット検索、検索 - ツールバー |
|
検索ボックスのサイズを制限する値。 デフォルト値は42です。検索ボックスの長さを短くするには、より小さな値(30など)を入力します。これにより、「検索 - 非ファセット検索」タスク・フローの検索ボックスのサイズも変更されます。 |
検索 - ツールバー |
|
グローバル検索のタスク・フローID (例: |
検索 - ツールバー |
|
検索結果を表示する際に表示するツールとサービスまたはエグゼキュータのIDのリスト。 たとえば、お知らせのみを表示するには、 |
検索 - 非ファセット検索、検索 - ツールバー |
|
入力ボックスを表示または非表示にします。 入力ボックスを表示するにはtrue (デフォルト)に、非表示にするにはfalseに、それぞれ設定します。 |
検索 - 非ファセット検索 |
|
ドロップダウン・リストで選択して、検索をすべてのポータルまたは特定のポータルに絞り込みます。 注意: このパラメータは非推奨です。かわりに |
検索 - ツールバー |
|
検索範囲を絞り込む一意のIDのリスト。 注意: このパラメータは非推奨です。かわりに |
検索 - 非ファセット検索 |
|
検索キーワードまたは保存済検索GUID。 注意: このパラメータは内部使用専用です。コーディングされた検索のメイン・ビューの必要がないかぎり、この値を変更しないでください。この値を変更する場合は、 |
検索 - 非ファセット検索 |
|
注意: この値は自動的に設定され、内部使用専用です。コーディングされた検索のメイン・ビューの必要がないかぎり、これを変更しないでください。 |
検索 - 非ファセット検索 |
|
検索結果を表示する際に省略するツールとサービスまたはエグゼキュータのIDのリスト。 注意: このパラメータは内部使用専用です。この値を変更しないでください。 |
検索 - 非ファセット検索 |
注意: 「検索 - 保存済検索」タスク・フローと「検索 - プリファレンス」タスク・フローには固有のプロパティは存在しません。 |
WebCenter Portalの検索には、次の制限があります。
検索されるユーザー・プロファイル・フィールドは、「プリファレンス」 - 「人」 - 「プロファイル」ページで構成されたセキュリティ設定によって異なります。ログインしていないユーザーは、Everyone
に設定されたフィールドで値による検索を実行できます。認証されたユーザーは、Authenticated
Users
およびEveryoneに設定されたフィールドで値による検索を実行できます。プロファイルのユーザーへのコネクションを持つユーザーは、User's
Connections
、Authenticated
Users
およびEveryoneに設定されたフィールドで値による検索を実行できます。プロファイルのユーザーは、すべてのセクションのフィールドで値による検索を実行できます。
WebCenter Portalライブ検索アダプタでは、ワイルドカード検索はサポートされていません。
WebCenter Portalのライブ検索アダプタは、次の特殊文字を認識しません。
! # $ % î & ( ) + = [ ] { } | ; ' \ " , < > / ? ` ~ - *
たとえば、キーワードQ2&Totalを検索すると、WebCenter PortalからはQ2Totalを検索した結果が返されます。Q2&Totalという名前のWikiページは見つかりません。正確な条件検索(United + Arab + Emirates
ではなくUnited Arab Emirates
など)を実行する必要がある場合は、Oracle SESを使用する必要があります(引用符は認識されないため)。
WebCenter Portalライブ検索でリストを検索する場合、検索するのはリストの名前と説明のみです。さらに徹底した検索を実行するには、Oracle SESを使用します。その場合は、リストの列の名前と内容も検索します。
ユーザーは「前」リンクまたは「次」リンクをクリックして、他のページの結果を表示できます(図55-27)。Oracle SESの結果には、検索結果の推定数が表示されます。ただし、ライブ検索の結果には、結果の推定数は表示されません。結果に他のページが存在しない場合も、これらのリンクが表示される可能性があります。