スタート・ガイドでは、Captureワークスペース・コンソールへのアクセスとワークスペースの作成について説明し、次に、いくつかのメタデータ・フィールド、クライアント・プロファイルおよび基本的なコミット・プロファイルの追加について説明します。続いて、Captureクライアントを使用し、ワークスペース設定をテストします。これらの手順を行った後は、選択リスト、データベース参照、バッチ・プロセッサ・ジョブなどのワークスペース要素の管理に進むことができます。
この章では、次の項目について説明します。
第1.6項の説明のとおり、Captureシステム管理者は、Oracle WebCenter Captureをインストールし、サーバーを起動し、初期構成を実行し、さらにバッチ・プロセッサ・ログを含む全体的なパフォーマンスを監視します。この項は、これらの手順が完了していることを仮定します。
必要な項目
Captureワークスペースを開始するには、Captureシステム管理者に次の確認をする必要があります。
Captureワークスペース・コンソール(第2.2項)およびCaptureクライアント(第2.4項)へアクセスするためのURL
Captureワークスペース・コンソールにアクセスするためのユーザーIDとパスワード
Captureクライアントを使用するためのユーザーIDとパスワード
オプション項目
ワークスペースを管理するには、Captureシステム管理者に次の確認も行う必要があります。
データベース参照およびデータベース選択リストの作成に必要な、外部データベースへ接続するためのデータ・ソース。
スキャンを実行する場合、TWAIN互換スキャナまたは複合デバイスにアクセスする必要があります。ドキュメントをスキャンするかわりに、この章の説明のとおり、ファイル・システムからインポートできます。
インポートする場合、TIFFイメージ・ファイル、PDFドキュメント、およびMicrosoft WordまたはExcelドキュメントを利用可能にする必要があります。
スキャンと認識を実行する場合、ページでバー・コードとパッチ・コードを利用可能にする必要があります。
ワークスペースを作成および管理するワークスペース・コンソールにアクセスするには、次の手順に従います。必要に応じて、サインイン情報をCaptureシステム管理者に確認してください。
ブラウザでOracle WebCenter Consoleを開きます。正確なURLはインストール時に決定されます。アドレスの書式は次のとおりです。
http://
server:port
/dc-console
なお、デフォルト・ポートは16400
です。
「サインイン」ウィンドウで、「ユーザーID」と「パスワード」に入力し、「サインイン」をクリックします。
ワークスペース・コンソール画面が図2-1のように表示されます。
ワークスペースを作成し、メタデータ・フィールドおよびプロファイルを追加するには、次の項の手順に従ってください。
ワークスペース・コンソールを使用する最初のワークスペース・マネージャの場合、ワークスペースは存在しません。ワークスペースを追加するには、次の手順に従ってください。
「キャプチャ・ワークスペース」ペインで、追加ボタン(プラス記号)をクリックします。
「新規ワークスペースの作成」ウィンドウで、ワークスペースの名前を入力して、「OK」をクリックします。たとえば、Customer workspace
と入力します。
新しいワークスペースが、ワークスペース・ペインに追加されます。ワークスペースの追加、コピーおよび削除の詳細は、第3.2.1項を参照してください。
新しいワークスペースを選択します。その設定が右側のペインに表示されます。
「セキュリティ」タブの「ワークスペース・ユーザー」テーブルには、インストールおよび初期構成時にCaptureシステム管理者によって構成されたユーザー名が表示されていることを確認してください。ワークスペース・マネージャとしてワークスペースにアクセスでき、他の管理者やワークスペースの参照者にアクセス権を与えることができます。
ここでは、キャプチャしたドキュメントのメタデータ値を保持するいくつかのメタデータ・フィールドを作成します。
「メタデータ」タブで、「メタデータ・フィールド」表にある追加ボタンをクリックします。
いくつかのメタデータ・フィールドを作成します。
「フィールド名」フィールドに、Customer ID
を入力し、「必須」フィールドを選択します。「送信」をクリックします。「メタデータ・フィールド」表に新しいフィールドが表示されます。
メタデータ・フィールドの作成の詳細は、第3.4項を参照してください。
別のCustomer Name
という名前のフィールドを追加し、必須に指定して、「送信」をクリックします。
別のCorrespondence Type
というフィールドを追加して、「送信」をクリックします。
別のPurchase Order Number
というフィールドを追加して、「送信」をクリックします。
この項では、特定の種類のドキュメントに適用する一連のメタデータ・フィールドを定義したドキュメント・プロファイルを作成します。
「分類」タブで、「ドキュメント・プロファイル」表にある追加ボタンをクリックします。
「名前」フィールドで、ドキュメントの種類を入力します(例、Correspondence Documents
)。
Purchase Order Number以外のすべてのフィールドを「選択したメタデータ・フィールド」リストに移動し、「送信」をクリックします。
ドキュメント・プロファイルの作成の詳細は、第3.10項を参照してください。
Purchase Orders
という名前の別のドキュメント・プロファイルを作成し、次のメタデータ・フィールドを次の順序で選択します。「送信」をクリックします。
Purchase Order Number
Customer ID
Customer Name
この項では、クライアント・プロファイルを作成します。これは、クライアントでユーザーがドキュメントのスキャン、インポートおよび索引付けを行うために選択するもので、その際に使用される設定が定義されています。
「キャプチャ」タブで、「クライアント・プロファイル」表にある追加ボタンをクリックします。右側のペインに設定を選択する画面(トレイン・ストップと呼ばれます)が表示されます。
「一般設定」トレイン・ストップで設定を入力します。
「プロファイル・タイプ」フィールドで、「2 - キャプチャと索引」を選択します。このプロファイルは、ドキュメントを取得(スキャンまたはインポート)し、次にそれらに索引(完全なメタデータ値)を付けるために使用します。
「プロファイル名」フィールドで、ユーザーに表示する名前を入力します(例、Import Customer Documents
)。たとえば、ユーザーがどのようにクライアント・プロファイルを使用する必要があるかを示す名前を使用することもできます。
「バッチ接頭辞」フィールドに、名前の接頭辞を入力します(例、CUST_DOC
)を入力します。バッチの名前は、この接頭辞に1つずつ増分する値を付加することで命名されます。
「イメージ設定」トレイン・ストップで、「イメージ・ファイル以外のインポート・アクション」フィールドの「ネイティブ形式でインポート」を選択します。
このアクションによって、ユーザーは、イメージ・ファイルの他に、PDFファイルやMicrosoft Wordドキュメントなどの非イメージ・ファイルをインポートするためにこのクライアント・プロファイルを使用できます。さらに、非イメージ・ファイルを元の形式のまま維持するように設定されます。
「ドキュメント索引付け設定」トレイン・ストップの「ドキュメント・プロファイル」フィールドで、作成済のCorrespondence DocumentsおよびPurchase Ordersドキュメント・プロファイルを選択します。
「セキュリティ」トレイン・ストップで、Captureクライアント・ユーザーにクライアント・プロファイルへのアクセス権を付与します。
この手順には、ポリシー・ストアでキャプチャ・ユーザー・ロールが割り当てられたユーザーまたはグループが必要です。キャプチャ・ユーザー・ロールをグループまたはユーザーに割り当てるのは、Captureシステム管理者が行います。
「後処理」タブで、図2-7のように「バッチ・プロセッサ」フィールドの「コミット・プロセッサ」を選択します。
ユーザーがこのクライアント・プロファイルを使用して作成したバッチをリリースすると、バッチのドキュメントがコミット・プロセッサによって出力されます。
「送信」をクリックしてクライアント・プロファイルを保存します。クライアント・プロファイルの詳細は、第4章を参照してください。
この項では、コミット・プロファイルを作成します。このコミット・プロファイルは、クライアント・ユーザーがこのクライアント・プロファイル・リリース・バッチを使用した後のドキュメントの出力方法を定義します。この例では、テキスト・ファイル・コミット・ドライバを使用して、ローカルまたはネットワーク・フォルダへ出力するように構成します。
「コミット」タブで、「コミット・プロファイル」表にある追加ボタンをクリックします。
「一般設定」トレイン・ストップで設定を入力します。
「コミット・プロファイル名」フィールドに、名前を入力します(Commit to Text
)。
「コミット・ドライバ」フィールドで、「Text File」を選択します。
「ドキュメント出力書式」フィールドで、PDFイメージのみを選択します。
「コミットをドキュメント・プロファイルに制限」フィールドで、Correspondence DocumentsおよびPurchase Ordersドキュメント・プロファイルを選択します。これにより、このコミット・プロファイルの処理が、選択したドキュメント・プロファイルに割り当てられたドキュメントのみに制限されます。
「コミット・ドライバ設定」トレイン・ストップで、設定を入力します。これらの設定は、手順2bで選択したコミット・テキスト・ドライバ特有のものであることに注意してください。
「テキスト・ファイル・フォルダ」タブで、コミット・テキスト・ファイルを書き込む場所を「コミット・テキスト・ファイル・フォルダ」フィールドに入力します。コミット・テキスト・ファイルには、バッチの各ドキュメント出力の区切り付きメタデータ値が含まれています。コミット・フォルダの場合、Captureサーバー上か、Captureサーバーからアクセス可能なネットワーク・パスのいずれかにフォルダを指定する必要があります。この例として、システムの共有フォルダに指定できます。CaptureサーバーをWindowsで運用している場合、\\USER-SYSTEM\commit
のように、ネットワーク共有へのUNCパスを指定できます。
「ファイル接頭辞」フィールドで、TEXT_FILE
を入力します。
「ファイル拡張子」フィールドで、txt
を入力します。
「ドキュメント・フォルダ」タブで、ドキュメント・ファイル(この場合はPDFファイル)を書き込む場所を「ドキュメント・フォルダ」フィールドに入力します。テキスト・ファイル・フォルダと同様に、Captureサーバー上か、Captureサーバーからアクセス可能なネットワーク・パスのいずれかにフォルダを指定する必要があります。この例として、システムの共有フォルダに指定できます。CaptureサーバーをWindowsで運用している場合、\\USER-SYSTEM\commit
のように、ネットワーク共有へのUNCパスを指定できます。
「コミット済バッチごとにフォルダを作成する」フィールドを選択します。
「書式設定」タブで、「選択したフィールド」リストに、Correspondence Type、Customer ID、Customer Name、および<バッチ名>を移動します。これは、テキスト・ファイルに書き込むメタデータ値を指定します。
「ドキュメント・ファイル・ネーミング」タブで、設定を入力します。
「メタデータ・フィールド値に基づいてドキュメント・ファイルに名前を付ける」フィールドを選択し、<バッチ名>およびCustomer IDを「選択したフィールド」リストに移動します。
「フィールド・デリミタ」フィールドで、アンダースコア(_)を入力します。
「送信」をクリックし、コミット・プロファイルを保存します。
エンド・ユーザーとしていくつかのドキュメントをインポートして、クライアント・プロファイルをテストするCaptureクライアント・アプリケーションを起動するには、次の手順に従います。
ブラウザでOracle WebCenter Captureクライアントを開きます。正確なURLはインストール時に決定されます。アドレスの書式は次のとおりです。
http://
server:port
/dc-client
なお、デフォルト・ポートは16400
です。
クライアントURLがわからない場合は、Captureシステム管理者に確認してください。
サインインを求められたら、第2.3.4項でクライアント・プロファイルへのセキュリティ・アクセス権を付与したユーザーとしてサインインします。
はじめてクライアントを起動するときには、クライアントの更新を確認しており、クライアント・バンドルをインストール中であることを示すメッセージが表示されます。初回のみ、これに若干の時間がかかります。クライアントがバンドルのダウンロードを完了すると、クライアント・アプレットのメイン・ユーザー・インタフェースが表示され、左側のバッチ・ペインにツールバー・ボタンが表示されます。
クライアントでワークスペースの構成をテストするには、この項の次の手順に従います。Captureクライアントの使用方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Captureの使用』を参照してください。
クライアントには、左上のペインに固定されたバッチ・ペインという単一のウィンドウがあり、その他のペインはバッチ・ペインでの選択に基づいて変わります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Captureの使用』のドキュメントのスキャンとインポートに関する項を参照してください。
バッチ・ペインの「クライアント・プロファイル」フィールドで、使用するImport Customer Documentsプロファイルを選択します。
第2.3.4項の手順5において、クライアント・プロファイルの「セキュリティ」トレイン・ストップで構成しているため、この左上のフィールドには使用可能なプロファイルが表示されます。ワークスペース・マネージャが権限を付与した、ユーザーまたはユーザーがメンバーになっているグループのプロファイルが表示されます。
インポート・ソースを選択します。
「キャプチャ設定」/「キャプチャ・ソース」ボタンの右側(三角形を含んだ場所)を選択し、「インポート・ソース」の横にチェック・マークが表示されていることを確認します。システムに1つ以上のTWAIN互換スキャナがある場合、それらもここに表示されます。
「キャプチャ」ボタンをクリックすると、インポートを開始します。
「インポート」ウィンドウで設定を求められたら、2番目のインポート・オプション(「インポート・ファイルごとに1つのドキュメントを作成」)を選択して「OK」をクリックします。
インポートするファイルを選択します。
表示された「インポートするファイルの選択」ウィンドウで、[Ctrl]キーを押したまま、インポートする複数のファイルを選択します。イメージ・ファイルに加えて、Microsoft WordファイルやPDFファイルなどのイメージ以外のファイルも選択できます。
バッチが作成され、バッチのプロパティが右側のペインに表示されます。バッチには、クライアント・プロファイルの作成時に指定した接頭辞に、新しいバッチごとに増分される番号が付加された名前が付けられます(CUST_DOC1)。さらに、バッチのアイコンは、使用者に対してロックされていることも示します。
バッチ・パネルで、新しいバッチの左にある三角形をクリックして展開し、そのドキュメントを参照します。
各ドキュメントを選択して、参照および編集します。選択したドキュメントを編集するためのオプションは右側のドキュメント・パネルに表示されます。それらの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Captureの使用』を参照してください。
ドキュメントの参照と編集の後に、次の手順に従って構成したメタデータ・フィールドに入力します。選択したクライアント・プロファイルが索引付け用に構成されている場合、バッチ・ペインでドキュメントを選択すると左下のペインにメタデータ・フィールドが表示されます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Captureの使用』のドキュメントの索引付けに関する項を参照してください。
バッチ・ペインで、ドキュメントを選択します。
必要に応じてメタデータ・ペインを調節します。バッチ・ペインとメタデータ・ペインの間でカーソルを両矢印になるまで保持し、次にドラッグしてペインのサイズを変更します。
メタデータ・ペインの「ドキュメント・プロファイル」フィールドで、選択したドキュメントのプロファイルを選択します。
構成済の他のドキュメント・プロファイルを選択したときに、一連のメタデータ・フィールドがどのように変わるかを確認してください。
選択したドキュメントのメタデータ・フィールドに入力します。
ワークスペースでフィールドの作成時に必須と定義したフィールドの横にアスタリスクが表示されていることを確認してください。ドキュメントは、すべての必須メタデータ・フィールドに値が含まれると完全に索引付けされます。バッチは、1つ以上のドキュメントが完全に索引付けされていない場合でもリリースできますが、以降のコミット・プロセスでエラーが発生する可能性があります。
この例では、メタデータ・フィールドに任意の英数字の値を入力してください。ワークスペース・コンソールを使用すれば、様々な方法でメタデータ・フィールドを構成できます。たとえば、ユーザーの入力を制御するために入力フィールドに入力マスクを含めることができ、さらに選択リストを表示したり、データベース参照を実行できるようにフィールドを構成できます。
選択したページのメタデータ値を入力すると、ドキュメントにそれらが入力されます。次のドキュメントに索引を付けるには、バッチまたはドキュメント・ペインで選択して、必要に応じてそのドキュメント・プロファイルを変更してから、フィールドに入力します。
バッチのドキュメントの作業が完了したら、次にリリースします。Clientユーザーがバッチをリリースすると、クライアント・プロファイルの後処理設定に応じてリリースが発生します。第2.3.4項でクライアント・プロファイルを構成したとき、後処理の手順としてコミット・プロセッサを設定し、次に第2.3.5項でテキスト・ファイルを出力するコミット・プロファイルを作成しました。
バッチ・ペインで、作成および索引付けしたバッチを選択します。(複数のバッチの場合は[Ctrl]キーを押しながら選択します。)
「リリース」ボタンをクリックします。
図2-12.に示す、バッチ名上に表示される棒グラフは、リリースの進捗状況を示し、右に移動します。バッチをリリースすると、そのドキュメントがCaptureサーバーに同期化され、別のユーザーまたはプロセッサが作業するためにバッチが解放されます。
リリース中に、他のバッチおよびドキュメントを選択してそれらで作業できます。
「バッチ・リストのリフレッシュ」ボタンをクリックします。
バッチのアイコンでは、バッチ処理(この場合はコミット・プロセッサによる)が進行中であることを示す、処理中(ギア)アイコンを表示可能です。バッチはバッチ・リストから削除可能です。
エラーが発生した場合、バッチは残され、そのドキュメントの1つ以上にエラー・アイコンが表示されます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Captureの使用』のバッチ・エラーの処理に関する項を参照してください。
コミット処理が完了し、1つ以上のリリースされたバッチがバッチ・リストから削除されたら、第2.3.5項でコミット・プロファイルを作成したときに定義したフォルダにおいて、コミットされたバッチの結果(コミット・テキスト・ファイルおよびドキュメント)を確認します。
コミット・プロファイルに指定したテキスト・ファイル・フォルダを開きます。
コミットされたバッチごとにテキスト・ファイルが表示される必要があります。
テキスト・ファイルを開き、その内容を確認します。
指定したメタデータ・フィールドの値が表示されます(Correspondence Type、Customer ID、Customer NameおよびBatch Name)。
コミット・プロファイルに指定したドキュメント・フォルダを開きます。
コミットされたバッチごとに1つ以上のPDFファイルが表示されます。ドキュメント・ファイルを開き、その内容を確認します。インポートした非イメージ・ファイルは、それらのネイティブ・フォーマットでコミットされています。