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Oracle® Database Applianceサービス・マニュアル
リリース2.6 for Linux x86-64

部品番号 B66176-05
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9 「Preboot」メニューを使用したOracle ILOMの問題解決

Oracle ILOMの「Preboot」メニューは、Oracle ILOMの実行中に解決できないOracle ILOMの問題を解決するために使用できるユーティリティです。Oracle ILOMの起動プロセスに割り込んで、設定を構成してから、Oracle ILOMの起動を続行できます。特に、Oracle ILOMルート・パスワードを工場出荷時のデフォルトにリセットし、シリアル・ポートへのOracle ILOMのアクセスをリストアして、SPファームウェアを更新できます。

この項の内容は、次のとおりです。

「Preboot」メニューへのアクセス

「Preboot」メニューにアクセスするには、SPを起動して、起動プロセスに割り込む必要があります。

SP起動プロセスに割り込むには、次の2つの方法があります。

最初の方法の場合、サーバーに物理的にアクセスできる必要があります。2番目の方法は、リモートで実行できます。

「Preboot」メニューにアクセスする

開始する前に

「Preboot」メニューは9600ボーでのみ実行されます。これは変更できません。

「Preboot」メニューを使用する前に、他のすべてのデバイスを9600ボーに設定する必要があります。


注意 - Oracle ILOMをオープンできる場合は、「Check Physical Presence」が無効化されていて(「no」に設定されている)、起動遅延によって起動プロセスに割り込めるだけの十分な時間が確保されていることを確認します。Oracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM) 3.0ドキュメント・ライブラリ(http://www.oracle.com/goto/ILOM/docs)を参照してください。
  1. RJ45シリアル・ケーブルを使用して、端末または端末エミュレータ・ソフトウェアが実行されているコンピュータを、サーバーのシリアル管理ポートに接続します。

    シリアル接続を使用してOracle ILOMにログインする方法の詳細は、Oracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM) 3.0ドキュメント・ライブラリを参照してください。

  2. 端末または端末エミュレータ・ソフトウェアが実行されているコンピュータが9600ボーに設定されていることを確認します。
  3. 次のいずれかの方法で、SPを再起動します。
    • コマンドラインから次のように入力します。

      -> reset /SP

    • サーバーの電源をオフにします。詳細は、サーバーのインストール・ドキュメントまたは管理ドキュメントを参照してください。

      SPが再起動し、画面上をメッセージがスクロールし始めます。

  4. 次のいずれかの方法で、SP起動プロセスに割り込みます。
    • サーバー・フロント・パネル上の位置特定ボタンを、「Preboot」メニューが表示されるまで押し続けます。

    • 次のメッセージが表示されたら、xyzzyと入力します。

      Booting linux in
      n seconds...

      このメッセージが表示されない場合、または表示されてすぐに消える場合、位置特定ボタンを使用して「Preboot」メニューにアクセスし、次の値を設定します。

      • check_physical_presencenoに設定する必要があります。

      • bootdelayの設定はオプションですが、大きい値を指定するとxyzzyの入力に多くの時間が確保されます。

    Oracle ILOMの「Preboot」メニューが、次に示すように表示されます。

    Booting linux in 10 seconds...
    
    ILOM Pre-boot Menu
    ------------------
    Type "h" and [Enter] for a list of commands, or "?" [Enter] for
    command-line key bindings.  Type "h cmd" for summary of ’cmd’ command.
    
    Warning: SP will warm-reset after 300 seconds of idle time.
    Set ’bootretry’ to -1 to disable the time-out.
    
    Preboot>
  5. 終了後、bootコマンドを入力して「Preboot」メニューを終了し、Oracle ILOMを起動します。

次のステップ

「Preboot」メニューの構成

この項では、editコマンドを使用して「Preboot」メニューを構成する方法について説明します。

editコマンドを使用して「Preboot」メニューを構成する

  1. 「Preboot」メニューにアクセスします。

    詳細は、「「Preboot」メニューへのアクセス」を参照してください。


    注意 - check_physical_presence設定をnoに設定するまでの間、SP起動プロセスに割り込む方法は、SPの起動中に位置特定ボタンを押したままにすることのみです。
  2. Prebootプロンプトで、次のように入力します。

    Preboot> edit

    「Preboot」メニューが編集モードに入ります。編集モードでは、「Preboot」メニューに選択項目が1つずつ表示され、それぞれを変更することができます。

    • 設定を変更するには、新規の値を入力してから[Enter]を押します。

    • 次の設定にスキップするには、[Enter]を押します。

  3. 変更する設定が表示されるまで、[Enter]を押して設定を移動します。

    メニューに、設定と値が1つずつ表示されます。

    Values for setting are {list of values }.
    Set setting?           [value]
  4. 設定を変更するには、新しい値を入力します。

    新しい値は、表示された値リストの値である必要があります。

  5. [Enter]を押します。

    「Preboot」メニューから変更を確認するように求められます。

    Enter "y[es]’ to commit changes: [no]
  6. yと入力して編集セッションを終了し、変更を保存します。

    変更を保存せずに終了する場合は、nと入力します。

    次に、bootdelaycheck_physical_presenceの設定が変更される編集セッションを示します。editコマンドの設定の説明については、後続の表を参照してください。

    Preboot> edit
    
    Press Enter by itself to reach the next question.
    Press control-C to discard changes and quit.
    
    Values for baudrate are {[ 9600 ]| 19200 | 38400 | 57600 | 115200 }.
    Set baudrate?                [9600]
    Values for serial_is_host are {[ 0 ]| 1 }.
    Set serial_is_host?          [0]
    Values for bootdelay are { -1 | 3 | 10 | 30 }.
    Set bootdelay?               [30] 10
    Values for bootretry are { -1 | 30 | 300 | 3000 }.
    Set bootretry?               [-1]
    Values for diags_mode are {[ Normal ]| Quick | Extended | Skip }.
    Set diags_mode?              [Normal]
    Values for preferred are {[ 0 ]| 1 }.
    Set preferred?               [<not set>]
    Values for preserve_conf are {[ yes ]| no }.
    Set preserve_conf?           [yes]
    Values for check_physical_presence are {[ yes ]| no }.
    Set check_physical_presence? [no] no
    Set check_physical_presence? [no]
    Enter ’y[es]’ to commit changes: [no] y
    Summary: Changed 2 settings.
    Preboot>
    設定
    説明
    baudrate
    シリアル・ポートのボー・レートを設定します。選択項目は、9600、19200、38400、57600および115200です。

    注意 - この設定は9600 (ボー)で保持されます。変更しないでください。
    serial_is_host
    これが0に設定されている場合、シリアル・ポートはOracle ILOMに接続されています。これが1に設定されている場合、シリアル・ポートはホストに接続されています。
    bootdelay
    SPを起動する前にブートストラップ・プロセスでユーザーがxyzzyを入力するのを待つ秒数。
    bootretry
    タイムアウトしてSPを起動する前に、「Preboot」メニューでユーザーの入力を待つ秒数。タイムアウトを無効にするには、-1に設定します。
    diags_mode
    Normal、quick、extended、skip。
    preferred
    使用されません。
    preserve_conf
    これをnoに設定すると、unconfig ilom_confコマンドの機能が繰り返され、多くのOracle ILOM構成設定がリセットされますが、SPネットワーク、baudrateおよびcheck_physical_presenceの設定は次回のSPの起動時に保持されます。
    check_physical_presence
    これがYesに設定されている場合、SP起動プロセスに割り込むために位置特定ボタンを押し続ける必要があります。これがNoに設定されている場合、起動プロセスで割込みが要求されます。詳細は、「editコマンドを使用して「Preboot」メニューを構成する」を参照してください。

次のステップ

シリアル・コンソールへのOracle ILOMアクセスのリストア

シリアル・ポートは、サーバーのOracle ILOMサービス・プロセッサ(SP)またはホスト・コンソールに接続するように構成できます。

「Preboot」メニューを使用してシリアル・コンソールへのOracle ILOMアクセスをリストアする

  1. 「Preboot」メニューにアクセスします。

    詳細は、「「Preboot」メニューへのアクセス」を参照してください。

  2. Prebootプロンプトで、次のように入力します。

    Preboot> edit

    「Preboot」メニューが編集モードに入ります。

    編集モードで、「Preboot」メニューにはその選択項目が1つずつ表示され、それぞれを変更できます。

    • 設定を変更するには、新規の値を入力してから[Enter]を押します。

    • 次の設定にスキップするには、[Enter]を押します。

  3. serial_is_host設定が表示されるまで、[Enter]を押して設定を移動します。

    serial_is_host設定を変更するには、0と入力してから[Enter]を押します。

    「Preboot」メニューに、値0とともにserial_is_host設定が再表示されます。

  4. [Enter]を押します。

    次の設定が表示されます。

  5. 「Preboot」メニューから変更の確認を求められるまで、[Enter]を押して設定をスクロールさせます。
    Enter "y[es]’ to commit changes: [no]
  6. yと入力して、変更を確認します。

    「Preboot」メニューには、次のメッセージが表示されます。

    Summary: Changed 1 settings.
    Preboot>

Oracle ILOMのデフォルト設定へのリストア

「Preboot」メニューを使用して、Oracle ILOMの設定をデフォルト値にリストアすることができます。

「Preboot」メニューを使用してOracle ILOM構成をリセットする

  1. 「「Preboot」メニューへのアクセス」で説明されているように、「Preboot」メニューにアクセスします。
  2. 「Preboot」メニューのプロンプトで、次のように入力します。

    Preboot> unconfig ilom_conf

    Setting 'preserve_conf' to 'no' for the next boot of Oracle ILOM.

  3. 次のように入力してSPをリセットします。

    Preboot> boot

    「Preboot」メニューが終了し、SPが再起動します。

    Oracle ILOM SPの再起動後、ILOM設定の値はデフォルト値に戻ります。

SPファームウェア・イメージのリカバリ

この項では、「Preboot」メニューを使用してSPファームウェア・イメージをリカバリする方法について説明します。

「Preboot」メニューを使用してSPファームウェア・イメージをリカバリする

「Preboot」メニューでは、SPファームウェアを更新(フラッシュ)して、Oracle ILOMファームウェア・イメージをリカバリできます。

通常、ホストが実行されている場合、Oracle ILOM CLIまたはWebインタフェースを使用してSPを更新できます。

ホストの電源が切断され、SPファームウェア・イメージが破損した(Oracle ILOMを使用してサーバーのSPにアクセスできない)場合は、「Preboot」メニューを使用して次の手順でSPファームウェア・イメージを更新できます。

開始する前に

TFTPサーバー上に有効な.flash SPファームウェア・イメージ・ファイルが存在する必要があります。また、サーバーのSPへのネットワーク接続を介して、TFTPサーバーにアクセスできる必要があります。このファイルは、Tools and Drivers DVD (sp_firmwareディレクトリ)、およびOracleダウンロード・サイト(http://support.oracle.com)から入手できます。


注意 - 「Preboot」メニューを使用してSPファームウェアを更新するには、Oracle ILOMからのSPの更新に使用される.pkgファイルではなく、.flashファイルが必要です。
  1. 「Preboot」メニューにアクセスします。

    詳細は、「「Preboot」メニューへのアクセス」を参照してください。

  2. Prebootプロンプトで、次のように入力します。

    Preboot> net dhcp

    これにより、DHCPネットワークが構成されます。

    TFTPサーバーにアクセスできるネットワークに接続する必要があります。

  3. 次のように入力します。

    Preboot> net ping tftpIPaddress

    tftpIPaddressはTFTPサーバーのIPアドレスです。

    ネットワーク上でTFTPサーバーにアクセスできるかどうかが確認されます。

  4. 次のコマンドを入力します。

    Preboot> net flash tftpIPaddress path/ILOM-version-Sun_Fire_X800M2.flash

    各項目の意味は次のとおりです。

    • tftpIPaddressはTFTPサーバーのIPアドレスです

    • pathは、/tftpbootに関連するファイルへのパスです

    • versionはSPファームウェアのバージョンです

    次に例を示します。

    Preboot> net flash 10.8.173.25 images/ILOM-3_0_x_x_rxxxx-Sun_Fire_X4800M2.flash

    ファームウェア・イメージがダウンロードおよびフラッシュされます。一連のメッセージの後、「Preboot」のプロンプトが表示されます。

  5. SPを再起動します。次のように入力します。

    Preboot> reset

    「Preboot」メニューが終了し、サービス・プロセッサが再起動します。

「Preboot」メニュー・コマンドの概要

コマンド
説明
boot
SPを起動します。「Preboot」メニューが閉じて、SPが起動します。

注意 - このコマンドは、診断レベルを選択するか、または起動シーケンスに割り込み「Preboot」メニューに戻るかの選択のない、変更された起動シーケンスを実行します。通常の起動シーケンスを実行するには、かわりにreset warmコマンドを使用します。
vers
バージョン情報(ハードウェア・タイプ、ボード・リビジョン、Oracle ILOMリビジョン、PBSWのリビジョンおよびリカバリU-Boot)が表示されます。イメージのチェックサム整合性と、冗長イメージ間の優先順位を表示します。
help
コマンドおよびパラメータのリストが表示されます。
show
SP設定のリストが表示されます。
edit
プロンプトが出て設定を1つずつ変更する対話型ダイアログを起動します。詳細は、「editコマンドを使用して「Preboot」メニューを構成する」を参照してください。
diag
U-Boot診断テストをマニュアル・モードで実行します。U-Boot診断テストの詳細は、『Oracle x86サーバー診断ガイドOracle ILOM 3.0.xをサポートするサーバー向け』を参照してください。
net
{ config | dhcp | ping | flash }
  • config - Oracle ILOMネットワーク設定を変更できるダイアログを起動します。

  • dhcp - ネットワーク・アドレス取得を静的から動的(DHCP)に変更します。


    注意 - まずnet configコマンドを使用してipdiscovery=dhcpを設定する必要があります。
  • ping - pingを送信します。

  • flash – Oracle ILOMファームウェア・イメージをダウンロードします。「「Preboot」メニューを使用してSPファームウェア・イメージをリカバリする」を参照してください。

    これらのコマンドの詳細を参照するには、help netコマンドを入力します。

reset
{[warm ]| cold }。SPとホストをリセットします。
  • warm – 実行中のホストに影響を与えずにSPをリセットします。

  • cold – SPとホストをリセットします。サーバーの電源をオフにします。

unconfig
{ ilom_conf | most | all }
Oracle ILOMの構成情報がすべて消去され、次回起動したときに値をデフォルトに戻します。
  • ilom_conf – 構成設定をリセットしますが、SPネットワークおよびbaudratepreferredcheck_physical_presenceは保存します。

  • most – SPのデータ記憶域をリセットしますが、ネットワーク設定およびbaudratepreferredcheck_physical_presenceの設定は保存します。

  • all – すべてのSPのデータ記憶域および設定をリセットします。

    SPを起動すると、他のデフォルト値がリストアされます。


    注意 - これらのオプションでは、動的FRU PROMは消去されません。