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Oracle® Database Applianceスタート・ガイド
リリース2.8.1 for Linux x86-64
B69545-09
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1 Oracle Database Applianceについて

『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』はOracle Database Applianceおよび関連ソフトウェアの理解と管理に役立ちます。このマニュアルの内容は、Oracle Database Applianceハードウェアのすべてのバージョンに適用されます。特定のバージョンが対象であると明確に示されないかぎり、「Oracle Database Appliance」という用語はすべてのハードウェア・バージョンを意味します。

『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』はOracle Database Applianceおよび関連ソフトウェアの理解と管理に役立ちます。このマニュアルの内容は、Oracle Database Applianceハードウェアのすべてのバージョンに適用されます。特定のバージョンが対象であると明確に示されないかぎり、「Oracle Database Appliance」という用語はすべてのハードウェア・バージョンを意味します。

この第1章は2つの主要な項で構成されており、このマニュアルおよびこのマニュアルで説明する製品を理解するのに役立ちます。内容は次のとおりです。

『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』について

『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』では、主にソフトウェアの構成、インストールおよび管理を中心に説明しています。ハードウェアの準備と設置については、『Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイド』および『Oracle Database Applianceサービス・マニュアル』を参照する必要があります。Oracle Database Applianceの配置前であっても、この章を読み、ネットワーク接続オプションおよびインストールするソフトウェアに関する情報など、Oracle Database Applianceの詳細を確認してください。

また、構成手順によっては、Oracle Database Applianceを受け取り設置する前に完了できます。これらの手順については、このスタート・ガイド第2章の前半で説明します。これらの手順は次のとおりです。

  • 第2章で確認する情報収集用のチェック・リスト表を印刷し、それらを使用して、必要な情報を様々なソースから収集しながら記入し、情報を収集します。

  • オフラインのOracle Appliance Managerコンフィギュレータを実行して、後でOracle Database Applianceでデプロイするための構成ファイルを作成します。

ただし、このマニュアルの大部分では、『Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイド』で説明されているようにOracle Database Applianceハードウェアをすでに受け取り設置していることを前提としています。つまり、必要な電源出力と十分な空調を有し、前面および背面のパネルにアクセスできる環境にシステムが設置されているということです(これらの作業はすべてオーナーズ・ガイドで説明しています)。このスタート・ガイド第2章の後半では、Oracle Database Applianceがインターコネクトとのケーブル接続の準備が整い、電源が投入され、初期ネットワーク接続で構成されていることを前提としています。これらのアクティビティを完了するのに役立つ詳細は、第2章を参照してください。

Oracle Database Applianceが稼働したら、基本ソフトウェアをインストールし、初期データベースを構成します。これらのタスクを完了するための手順は、第3章のベア・メタル・インストールの説明および第4章のOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・インストールの説明を参照してください。インストールに続いて、第5章で説明されているように、必要なパッチの適用など、必要なインストール後の手順を実行します。

Oracle Database Applianceの継続的な管理およびメンテナンスのタスクについては、スタート・ガイドの残りの章を参照してください。

  • 第6章「Oracle Database Applianceでの仮想マシンの管理」

    この章は、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームをインストールした場合にのみ該当します。この章では、プライマリ・データベース・ドメインの仮想イメージを別個に実行するための、1つ以上の仮想マシン・ドメインの設定、使用の他、削除についても説明します。

  • 第7章「Oracle Database ApplianceでのOracle Databaseの管理」

    Oracle Database ApplianceでのOracle Databaseの管理に関する一般的な情報が必要な場合や次のような特定のタスクがある場合は、この章を参照してください。

    • データベース・ホーム、データベースおよびインスタンスの管理または追加

    • Oracle Grid Control管理ユーザーの追加作成

    • シングル・インスタンス・データベースのOracle RACまたはOracle RAC One Nodeへの変換

    • Oracle Databaseの上位リリースへのアップグレード

    • データベース・ヘルス・チェックの実行

  • 第8章「Oracle Database Applianceのトラブルシューティング」

    この章では、Oracle Database Applianceの問題のトラブルシューティングおよび解決に役立つツールおよびOracle Appliance Managerのコマンドについて説明します。

また、スタート・ガイドには、4つの付録も収録されており、他の各章に記載されている項目に関してより詳しい情報が記載されています。これらの付録への参照は、同じ情報が何度も繰り返されることがないように、このマニュアルの各所に記載されています。参考までに、4つの付録の一覧を次に示します。

  • 付録A「Oracle Database Applianceの参照情報」

    この付録には、CPUのサイズと数、ディスク・グループ・サイズ、デフォルト・パスワードなど、ハードウェアおよびソフトウェアの仕様が記載されています。また、Oracle Appliance Managerのコマンドライン・ツールGridInst.plについても説明します。さらに、ソフトウェアのインストールおよび構成前に構成情報を収集するときに使用する表が記載されています。これらの表は、適切な担当者が記入できるように、印刷用に作成されています。

  • 付録B「コア数およびCapacity-on-Demand (システム規模に応じた支払い)」

    この付録では、Capacity-on-Demand機能を使用して、リソース変更の要求に応じてコア数のライセンス情報を更新する方法について説明します。

  • 付録C「Oracle Database Applianceのデータベースのサイズ設定」

    この付録では、データベースの作成時に、他のデータベースが使用しているリソースに影響を及ぼすことなく適切なリソース・セットをそれぞれのデータベースに割り当てられるようにテンプレートを使用する方法について説明します。

  • 付録D「Oracle Appliance Manager (OAKCLI)リファレンス」

    この付録では、コマンドとともに使用できるオブジェクト、使用可能なオプション(パラメータ)と、ほとんどの場合は一般的な使用方法の例を含め、最新の各Oracle Appliance Manager (OAKCLI)コマンドの構文について説明します。以前のリリースのOracle Database Applianceでは使用できないコマンドや、オプションが少なくなったり異なるコマンドもあります。

Oracle Database Applianceについて

この項では次のようなOracle Database Applianceの概要について説明します。

Oracle Database Applianceとは

Capacity-on-Demand (システム規模に応じた支払い)方式のライセンスを提供するOracle Database Appliance

後述する制限内で、ワークロードに応じてOracle Database Applianceで必要な任意の数のプロセッサをデプロイできます。Capacity-on-Demand方式のソフトウェア・ライセンスを使用することにより、通常のハードウェアのアップグレードに伴う過度のコストや停止時間を発生させずにプロセッサ・コアを増やして簡単にスケールアップできます。

Oracle Database Appliance X4-2では、最小4個のプロセッサ・コアから48個のプロセッサ・コアにスケールアップできます。Oracle Database Appliance X4-2仮想化プラットフォームをデプロイする場合、ODA_BASE用にプロセッサ・コア(最小2個のプロセッサ・コアから最大48個のプロセッサ・コア)をライセンス保有します。

Oracle Database Appliance X3-2では、最小4個のプロセッサ・コアから32個のプロセッサ・コアにスケールアップできます。Oracle Database Appliance X3-2仮想化プラットフォームをデプロイする場合、ODA_BASE用にプロセッサ・コア(最小2個のプロセッサ・コアから最大32個のプロセッサ・コア)をライセンス保有します。

Oracle Database Applianceでは、ベア・メタルまたはOracle Database Appliance仮想化プラットフォームで2個のプロセッサ・コアから24個のプロセッサ・コアにスケールアップできます。

ベア・メタルとOracle Database Appliance仮想化プラットフォームのどちらを使用するかは、企業の方針や、それぞれの実装によってもたらされるメリットに応じて決定されます。


関連項目:

Capacity-on-Demandライセンスの詳細は付録B「コア数およびCapacity-on-Demand (システム規模に応じた支払い)」を参照してください。

Oracle Database ApplianceのIPアドレスおよびネットワーク・インタフェース

表1-1にOracle Database Applianceに必要なIPアドレスの最小数の一覧を、該当する場合はデフォルト・ネットワーク・アドレスとともに示します。

表1-1 Oracle Database Applianceの最小IPアドレス要件

タイプ ベア・メタルの最小IPアドレス数およびデフォルト値 仮想化プラットフォームの最小IPアドレス数およびデフォルト値

ホストIP

2

2

プライベートIP

4

192.168.16.24

192.168.16.25

192.168.17.24

192.168.17.25

2

192.168.16.27

192.168.16.28

Dom 0 IP

適用なし

2

192.168.16.24

192.168.16.25

RAC VIP

2

2

SCAN IP

2

2

Oracle ILOM IP

2

2

ユーザー仮想マシンIP

適用なし

各仮想マシンに対して1つ以上


次の各表に、Oracle Database Applianceにおける物理ネットワーク・デバイス、物理インタフェースおよびインタフェース名間のマッピングの一覧を示します。各表は、ハードウェア・バージョン、インターコネクト・タイプ、実装(ベア・メタルおよび仮想化プラットフォーム)などの特性によってグループ分けされています。主グループは次のとおりです。

  • 表1-2および表1-3には、ベア・メタルの実装に関するOracle Database Appliance X3-2マッピングを示します。

  • 表1-4および表1-5には、仮想化プラットフォームの実装に関するOracle Database Appliance X3-2マッピングを示します。

  • 表1-8および表1-9には、仮想化プラットフォームの実装に関するOracle Database Applianceマッピングを示します。

  • 表1-6および表1-7には、ベア・メタルの実装に関するOracle Database Applianceマッピングを示します。

表1-2 Oracle Database Appliance X3-2のオンボード・デュアル10 GbEネットワーク・インタフェース(ベア・メタル)

物理インタフェース インタフェース名

Eth0

Eth0

Eth1

Eth1


表1-3 Oracle Database Appliance X3-2のオンボード・クアッド10 GbEネットワーク・インタフェース(ベア・メタル)

物理インタフェース インタフェース名

Eth2およびEth3

bond0

Eth4およびEth5

bond1


表1-4 Oracle Database Appliance X3-2仮想化プラットフォームのオンボード・デュアル10 GbEネットワーク・インタフェース

物理インタフェース インタフェース名

Eth0およびEth1

Eth0 (プライベート)


表1-5 Oracle Database Appliance X3-2仮想化プラットフォームのオンボード・クアッド・ポート10 GbEネットワーク・インタフェース

物理インタフェース インタフェース名

Eth2およびEth3

Eth1

Eth4およびEth5

Eth2


表1-6 Oracle Database Applianceのデュアル・ネットワーク・インタフェース(ベア・メタル)

タイプ 物理インタフェース インタフェース名

内部デュアル1 GbE

Eth0

Eth0

内部デュアル1 GbE

Eth1

Eth1

オンボード・デュアル1 GbE

Eth2およびEth3

bond0

オンボード・デュアル・ポート

Eth8およびEth9

xbond0


表1-7 Oracle Database Applianceのクアッド・ポート1 GbEネットワーク・インタフェース(ベア・メタル)

物理インタフェース インタフェース名

Eth4およびEth5

bond1

Eth6およびEth7

bond2


表1-8 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのデュアル・ネットワーク・インタフェース

タイプ 物理インタフェース インタフェース名

内部デュアル1 GbE

Eth0およびEth1

Eth0

オンボード・デュアル1 GbE

Eth2およびEth3

Eth1

オンボード・デュアル・ポート

Eth8およびEth9

Eth4


表1-9 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのクアッド・ポート1 GbEネットワーク・インタフェース

物理インタフェース インタフェース名

Eth4およびEth5

Eth2

Eth6およびEth7

Eth3



注意:

Eth0の構成を変更しないでください。また、ベア・メタル・デプロイメントではEth1の構成を変更しないでください。変更した場合、内部クラスタ通信が失敗します。


関連項目:

システムの設定準備が整ったら、詳細な図や完全なアセンブリの手順について、『Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイド』を参照してください。

Oracle Database Applianceソフトウェア

次の表1-10に、Oracle Database Applianceリリース2.8で使用可能なソフトウェアの一覧を示します。

次の表1-10に、Oracle Database Applianceリリース2.8で使用可能なソフトウェアの一覧を示します。

表1-10 Oracle Database Applianceのソフトウェア

コンポーネント インストールまたはダウンロード

Oracle Database Applianceオペレーティング・システム・イメージ(次を含む):

  • Oracle Appliance Manager (OAKCLI)モジュールおよびコンフィギュレータ

  • Oracle Linux

  • ハードウェア・ドライバ

インストール

Oracle Database Applianceエンドユーザー・バンドル(次を含む):

  • Oracle Databaseクローン・バイナリ

  • Oracle Databaseテンプレート(Oracle Database Applianceデプロイ用としてカスタマイズ)

  • Oracle Grid Infrastructureクローン・バイナリ

このコンポーネントはベア・メタルOracle Database Applianceでのデプロイに必要です。

ダウンロード

Oracle Database Applianceパッチ・セット・バンドル(次のOracle Database Applianceパッチを含む):

  • BIOS

  • ハードウェア・ドライバ

  • Oracle Linux

  • Oracle ILOM

  • Oracle Databaseクローン・バイナリ

  • Oracle Grid Infrastructureクローン・バイナリ

ダウンロード

ODA_BASEテンプレート(次を含む):

  • Oracle Databaseクローン・バイナリ

  • Oracle Databaseテンプレート(Oracle Database Applianceデプロイ用としてカスタマイズ)

  • Oracle Grid Infrastructureクローン・バイナリ

このコンポーネントはOracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのデプロイに必要です。

ダウンロード


Oracle Database Applianceインストールの概要

インストールは3つの主な手順で構成されます。

  1. Oracle Database Applianceの準備および設定

    この手順の内容は次のとおりです。

    • サーバー設置場所を準備します。

    • Oracle Database ApplianceのサポートID (SI)をMy Oracle Supportに登録し、Oracleからソフトウェアおよびサポートを取得できるようにします。

    • ドメイン・ネーム・サーバー(DNS)でネットワーク名およびアドレスを設定します。

      Oracle Appliance Managerコンフィギュレータを使用すると、名前およびアドレスを生成したり、既存の名前およびアドレスを検証できます。コンフィギュレータはOracle Technology Networkからダウンロードできます。


      注意:

      Oracle Database Appliance Managerコンフィギュレータは、このURLからダウンロードします: http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/engineered-systems/database-appliance/overview/index.html

    • サーバー設置場所のラックにOracle Database Applianceハードウェアを設置します。


      関連項目:

      Oracle Database Applianceハードウェアの設定の詳細は『Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイド』を参照してください。

    • 電源およびネットワーク・ケーブルをOracle Database Applianceに接続します。

    • 外部ファイルをロードするための初期ネットワーク構成を作成します。

    手順1を完了するための詳細は、このマニュアルの第2章および『Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイド』を参照してください。

  2. Oracle Database Applianceでのソフトウェアのインストールおよびデプロイ

    この手順の内容は次のとおりです。

    • Oracle Database Applianceソフトウェア・パッケージをダウンロードしてOracle Database Applianceにコピーします。

    • Oracle Appliance Managerを起動し、プロンプトに応答しながらOracle Grid Infrastructureを構成し、Oracle Databaseをインストールおよび構成します。

      構成時に、2ノードのOracle Grid Infrastructureインストール(Oracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management)を構成します。また、Oracle Database Enterprise Edition、Oracle RAC One NodeまたはOracle RACを構成するオプションも用意されています。初期構成の後は、データベースの追加、コア数の構成、およびインスタンス・ケージングの構成が可能になります。

    第3章「ベア・メタルOracle Database ApplianceでのOracleソフトウェアのデプロイ」にベア・メタルOracle Database Applianceでこの手順を完了するための詳細を示し、第4章「Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのOracleソフトウェアのデプロイ」にOracle Database Appliance仮想化プラットフォームでこの手順を完了するための詳細を示します。

  3. インストール後タスクの完了

    この手順の内容は次のとおりです。

    • デプロイ後に適用するパッチをダウンロードします。

    • デフォルト・パスワードをリセットします。

    第5章「Oracle Database Applianceのインストール後のタスク」にこの手順を完了するための詳細を示します。