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CICS Runtime Preprocessor

この章では、次の項について説明します。

 


概要

CICS Runtime Preprocessorは、Oracle Tuxedo Application Runtime for CICSのもとで実行するCOBOLプログラムとCプログラムを準備します。

 


prepro-cics.pl

前提条件

CICSプリプロセッサで処理されるプログラムは次の条件に従っている必要があり、そうでない場合、コンパイル時または実行時にエラーが発生するリスクを想定する必要があります。

注: 元のソース・プラットフォームから移行されるプログラムについては、COBOLトランスレータがこれらの条件を保証しますが、保守対象または新規開発のプログラムの場合は、強制的に適用されるようにする必要があります。。
  1. CICS Runtimeをインストールする必要があります。prepro-cics.plが使用する一部のテクニカル・コピー・ファイルは、cpylib CICSランタイム・モジュールのもとで提供されます。
  2. CICSランタイム・コピー・ファイル(cpylib)をコンパイル時にインクルードするため、Micro Focus COBOLコンパイラまたはCOBOL-ITコンパイラに対してコピーブックが格納される場所を示す環境変数COBCPYが正しく設定されている必要があります。
  3. 次のコピー・ファイルは、Working-Storage SectionまたはLocal-Storage Sectionに挿入される必要があります。
    • KIX--INDICSKIX--ALL-ARGS、常に
    • KIX--CONDITIONS、常に
    • KIX--DFHRESP、常に
    • KIX--DFHVALUE、プログラムまたはそれがインクルードするコピー・ファイルの1つで、DFHVALUE疑似関数が使用されている場合
  4. 次のコピー・ファイルは、Linkage Sectionに挿入される必要があります。
    • DFHEIBLK
  5. プログラムは、正確に2つのパラメータ、DFHEIBLK(同じ名前のコピー・ファイルにより定義)およびDFHCOMMAREAをとる必要があり、これらはアプリケーションのPROCEDURE DIVISIONに対して適切になるように定義されています。つまり、プログラムは次のようになります。
  6. LINKAGE SECTION. 
      COPY  DFHEIBLK. 
     01  DFHCOMMAREA.
        ....
    PROCEDURE DIVISION USING DFHEIBLK DFHCOMMAREA.

IBM CICSプリプロセッサのNOLINKAGEオプションでコンパイルされるプログラムの場合は、ARTおよびCICS Runtime Preprocessorでは(まだ)サポートされていません。

名前

prepro-cics.pl - 標準入力からCOBOLプログラムファイルを読み取って、変換したCICS命令とともに標準出力に出力する関数。

形式

prepro-cics.pl [-type_output <output type>] [-notrec <notrec behavior>] [-B]

説明

prepro-cics.plはCOBOLプログラムを入力として、1行ずつ読み取り、変換したCICS命令とともにファイルを出力します。

prepro-cics.plは、ワンパスのみ実行して、1行ずつ処理します。つまり、標準入力から1行読み取り、1行以上の行を出力し(出力タイプによっては何も出力しない)、さらに次の入力行を読み取ります。この動作のため、コンパイラ内部のプリプロセッサとしての用途と互換性を持つことが可能ですが、入出力に同じファイルを使用することは禁止されます。入力ファイルが終わったときに行を出力する点に注意します。

プリプロセッサは、入力COBOLプログラムが、6列の左マージンを持っていると想定します。出力は固定書式で、荘でない場合、エラー・メッセージが表示されます。

オプション

B

Bは、ソースがEXCIプログラムであることを示します。

MQ_wrapper

MQ_wrapperでは、WebSphere MQプログラムをメインフレームからART for CICSにスムーズに移行できます。メインフレームでは、プログラムが明示的にMQOPENおよびMQCLOSEを実行し、メインフレームが暗黙的にMQCONNおよびMQDISCを実行します。ART for CICSは、MQ_wrapperを有効にすることによってこの方法をサポートします。ART for CICSは、WebSphere MQの4つのAPI (MQCONN/MQOPEN/MQCLOSE/MQDISC)を内部のMQ APIラッパーに変換します。MQ_wrapperを有効にすると、次のことが可能になります
-m queue_manager_nameを使用して、ART for CICSの暗黙的なMQ操作によって使用されるWebSphere MQキュー・マネージャを指定する必要があります。詳細は、「WebSphere MQキュー・マネージャ名」を参照してください。MQ_wrapperを指定しない場合は、プログラムで4つのAPI (MQCONN/MQOPEN/MQCLOSE/MQDISC)をすべて明示的に実行してMQを操作する必要があります。
詳細は、「WebSphere MQとの統合の実装」を参照してください。

notrec

notrecは、完全にはサポートされていない命令を処理する手段を指定します。(命令の一部のオプションが認識されないため「notrec」と呼ばれます。)2つの可能性があります。
どちらの場合も、エラー出力にメッセージが表示されます。

tsam

tsamによってCICSおよびDBのTSAM呼出しパス機能がサポートされるかどうかが決まります。認識される値は次のとおりです。

1(デフォルト)

tsamをサポートします。

0

tsamをサポートしません。

type_output

type_outputは、出力が出力される方法を指定します。認識される値は次のとおりです。

debug

すべての行を、ステータス(untouched、modified、deleted、created)とともに出力します。読み取ったすべての行に対して、常に少なくとも1行が出力されます。

orig

すべての行を出力し、削除した行はコメントとして出力します。読み取ったすべての行に対して、常に少なくとも1行が出力されます。

normal(デフォルト)

削除された行以外のすべての行を出力します。読み取ったすべての行について、少なくとも1行が出力されるとはかぎりません。

他のあらゆる値は、「normal」として処理されます。

制限

CICSおよびDBのTSAM呼出しパス機能をサポートするために、EXEC SQL文を含むCICSプログラムのコンパイル時に、プリプロセッサは、procob (Oracle DBの場合)またはdb2 prep (IBM UDBの場合)コマンドより先に実行される必要があります。

エラー・メッセージ

無効なCICSメッセージ

無効なCICS命令が検出されたときに常に出力されるエラー・メッセージは、次の書式を使用します。

サマリーは次のようになります。

IGNOREおよびHANDLE命令メッセージは、非常にシンプルです。

IGNOREは、CONDITIONを伴って作成してください。

CICS命令と一致するルールがない場合、同じキーワードで始まるすべてのコマンドについて、このコマンドがなぜ不適切かを説明するエラー・メッセージが表示されます。

複数のコマンドが一致する場合、プリプロセッサはそのすべてをリストします。ただし、プリプロセッサが変換の前にコマンドの複数該当をチェックするため、これは実際には発生しません。

サポートされていないエラー・メッセージ

CICS命令が不明であるか、「非サポート」または「廃止」と登録されている場合、エラー・メッセージ:

Instruction non supported

が生成されます。

、オプションnotrecに値stopが設定されている場合1つの命令に、複数の認識されないキーワードがあると、同じエラー・メッセージが出力されます。

 


prepro-cics-C.pl

前提条件

CICSプリプロセッサで処理されるプログラムは次の条件に従っている必要があり、そうでない場合、コンパイル時または実行時にエラーが発生するリスクを想定する必要があります。

  1. CICS Runtimeをインストールする必要があります。prepro-cics-C.plが使用する一部のテクニカル・ヘッダー・ファイルは、CICSランタイム・モジュールのincludeディレクトリのもとで提供されます。
  2. prepro-cics-C.plは、CICSおよびDBのTSAM呼出しパス機能をサポートしません。
  3. プログラムにEXEC SQL文が含まれる場合、プリプロセッサはdbプリコンパイラ・コマンド(IBM UDBの場合はdb2 prep、Oracle DBの場合はpro*C)より先に実行される必要があります。

名前

prepro-cics-C.pl - source_fileで指定されるCプログラムを読み取り、変換したCICS命令とともにCプログラムをoutputファイルに出力します。

形式

prepro-cics-C.pl [-help] [-source_format <fixed>] [-o <output file name>] [-B] [-enable_pragma] source_file

説明

prepro-cics-C.plはCプログラムを入力として、1行ずつ読み取り、変換したCICS命令とともにファイルを出力します。

prepro-cics-C.plは、ワンパスのみ実行して、1行ずつ処理します。つまり、source_fileから1行読み取り、1行以上の行を出力し、さらに次の入力行を読み取ります。この動作のため、コンパイラ内部のプリプロセッサとしての用途と互換性を持つことが可能ですが、入出力に同じファイルを使用することは禁止されます。

オプション

-help

helpは、prepro-cics-C.plの使用方法を表示します。

-source_format

source_formatは、Cプログラムのソース書式を指定します。2つの可能性があります。

注: 現在はサポートされているのはfixed書式のみです。

-o

oは、出力ファイルの名前とパスを指定します。

-B

Bは、EXCIプログラムのソースを指定します。

-enable_pragma

enable_pragmaは、プラグマを有効にすることを指定します。

source_file

source_fileは、入力ファイルの名前とパスを指定します。

制限

エラー・メッセージ

prepro-cics-C.plは、次のようなエラー・メッセージを出力することがあります。


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