管理者は、セットアップ時に、Oracle Tuxedoシステムの計画、設計、インストール、セキュリティの設定、および構成を行う責任があります。表1-1は、セットアップ時の必須のタスクとオプションのタスクを示します。
Oracle Tuxedoシステムをインストールし、TUXCONFIG
ファイルをロードすると、アプリケーションの起動準備は完了です。アプリケーションを起動したら、アプリケーションのアクティビティをモニタリングし、問題が発生していないかどうか、または問題の原因となり得る現象がないかどうかを確認する必要があります。表1-2は、実行時の必須のタスクとオプションのタスクを示します。
実行時には、問題の原因となり得る現象や、アプリケーション要件の変化にすばやく対応する必要があります。そのため、Oracle Tuxedo管理コンソール、コマンド行インタフェースおよびAdminAPIの3つのツールが用意されています。表1-3は、介入が必要な状況をいくつか示します。
Oracle Tuxedo CORBA環境では、Oracle Tuxedoの管理機能により、オブジェクト・リクエスト・ブローカ(ORB : Object Request Broker)とTPフレームワークのコンテキスト内で実行するアプリケーションの管理がサポートされます。
Oracle Tuxedo CORBA環境のUBBCONFIG
構成ファイルには、クライアント・アプリケーションとサーバー・アプリケーションの構成をサポートする以下のセクションがあります。
RESOURCES
セクション。アプリケーション全体にわたるデフォルト値を設定し、掲示板の表サイズを指定します。 MACHINES
セクション。プロセッサ固有の値を指定し、表のサイズ指定に適用できます。INTERFACES
セクション。アプリケーションで使用されるCORBAインタフェースに関する情報を指定できます。 ROUTING
セクション。Tuxedo CORBA環境で使用される各種ルーティング基準をサポートします。Oracle Tuxedo ATMIデータ依存型ルーティングのパラメータを指定する既存のROUTING
セクションをそのまま使用することもできます。 ただし、Oracle TuxedoのCORBA環境では、異なる通信プロトコルを使用して、リモートおよび外部クライアントからOracle Tuxedoサーバー・アプリケーションに接続します。このプロトコルが、標準インターネットORB間プロトコル(IIOP)です。Oracle Tuxedoのワークステーション・ハンドラ(WSH)プロセスとワークステーション・リスナー(WSL)プロセスのかわりに、CORBA環境では、そのゲートウェイ・プロセスであるIIOPハンドラ(ISH)とIIOPリスナー(ISL)を呼び出します。この場合、構文がわずかに異なり、各アプリケーションのUBBCONFIG
構成ファイルにあるSERVERS
セクションで、WSL
のかわりにISL
を使用します。
全体的に、Oracle Tuxedo CORBAおよびATMI環境の管理タスクは似ています。ただし、次のように両環境にはわずかに根本的な違いがあります。
Oracle Tuxedo ATMI環境では、サービス呼出しに使用されるFMLフィールドをチェックして、データ依存型のルーティング基準を確認することができます。これに対しOracle TuxedoのCORBA環境の場合、システム設計者は、CORBAインタフェースのルーティング基準に個別にアクセスする必要があります。Oracle TuxedoのCORBA環境には、ルーティングに使用するサービス・リクエスト・メッセージ・データや関連バッファ情報が用意されていません。これは、CORBA環境のルーティングが、ターゲットのCORBAオブジェクトのメソッド呼出しではなく、ファクトリで実行されるためです。
UBBCONFIG
構成ファイルのMANDATORY_ACL
パラメータからSECURITY
パラメータまでは無視されます。 注: | 管理情報ベース(MIB)で一連のクラスを定義し、そのクラスによってアプリケーションの基本的な側面を構成および管理することができます。MIBクラスによって、Oracle Tuxedo CORBAおよびATMI環境への管理用プログラミング・インタフェースが提供されます。 |
管理者は、顧客のビジネス上の要件を把握し、ソフトウェアがどのように使用されるかを知っておく必要があります。これらのニーズを理解しておけば、管理者は、システム設計者やアプリケーション開発者と協力して、要件を満たすアプリケーションの構成を実現できます。
アプリケーションの設計を計画する前に、以下の事項を確認してください。
Oracle Tuxedoシステムには、Oracle Tuxedo ATMIまたはCORBA環境のいずれかで同じ種類の管理タスクを実行する方法がいくつか用意されています。グラフィカル・ユーザー・インタフェースに慣れている場合も、シェル・プロンプトでのコマンド入力に慣れている場合も、Oracle Tuxedoアプリケーションの管理作業がしやすい方法が用意されています。図1-1は、構成ファイルへの書込みや、実行時のOracle Tuxedoアプリケーション管理に使用できるツールを示します。