HCMレートの生成

「HCMレートの生成」プロセスを送信して、ほとんどのタイプのレート定義を計算して格納します。

給与計算のレポートに格納されたレート値を使用できます。格納されているレート値の正確性を確保するために、このバッチ・プロセスは頻繁に実行してください。このプロセスを実行した後、抽出を使用してレートについてレポートできます。ユーザー・エンティティには、レポートで使用できるデータベース・アイテムが含まれています。

このフローを使用して、ほとんどのタイプのレート定義を計算し、格納します。

  • エレメントに関連付けられたレート。たとえば、給与レート定義は給与エレメントに関連付けられます。このプロセスでは、給与エレメント・エントリのあるすべての就業者について給与レート値が計算されます。

  • 係数ベースのエレメント・レートのレート値。「HCMレートの生成」プロセスを使用して、係数ベースのエレメント・レートのレート値を計算して格納します。この値は給与計算で取得できます。

  • 値定義に関連付けられたレート。時間エレメントなどの特定タイプのエレメントでは、給与計算情報ルールおよび定義が使用されます。たとえば、超過勤務エレメントに対して値定義が生成され、これが超過勤務レート定義に関連付けられます。このプロセスでは、超過勤務エレメント・エントリを持つすべての就業者の超過勤務レート値が計算されます。

  • アサイメント・レベルの基準(就業者の等級や事業所など)に対して定義された基準別の値に基づくレート。

  • Formulaに基づくレート。ただし、このようなレートは給与計算で計算されます。

  • 導出されたレート。たとえば、車両手当レートと住宅手当レートの合計に基づいて導出されたレートです。この場合、「HCMレートの生成」プロセスでは、車両手当レート、住宅手当レートおよび導出レートが計算されます。

格納されたレート値は、給与計算目的でレポートまたは取得するために使用できます。

アプリケーションでは、レート・バッチ・プロセスをサポートするデータベース・アイテムが提供されます。これらの配列データベース・アイテムは、特定の日付現在で給与関係レコードに関連付けられているすべてのレートを返します。

ノート: REPORTING_RATE_VALUESおよびREPORTING_RATE_PERIODICITIESデータベース・アイテムは、レート定義で定義されている戻りレート詳細に基づいて値を返します。これ以外の周期性データベース・アイテム(REPORTING_RATE_QUARTERLYなど)は、指定した周期性に換算されたレートを返します。

「HCMレートの生成」プロセスでは、次の表に示すデータベース・アイテムがサポートされています。

データベース・アイテム

説明

REPORTING_RATE_NAMES

レートの名前

REPORTING_RATE_VALUES

レートの値

REPORTING_RATE_PERIODICITIES

レートの周期性

REPORTING_RATE_FTE_FLAGS

レートのフルタイム・ステータス

REPORTING_RATE_TERM_NUMBERS

レート値に関連付けられた条件番号

REPORTING_RATE_ASG_NUMBERS

レート値に関連付けられたアサイメント番号

REPORTING_RATE_WEEKLY

週次レート値

REPORTING_RATE_MONTHLY

月次レート値

REPORTING_RATE_QUARTERLY

四半期レート値。

REPORTING_RATE_YEARLY

年次レート値

REPORTING_RATE_PT_WEEKLY

パートタイム週次レート値

REPORTING_RATE_PT_MONTHLY

パートタイム月次レート値

REPORTING_RATE_PT_QUARTERLY

パートタイム四半期レート値

REPORTING_RATE_PT_YEARLY

パートタイム年次レート値

REPORTING_RATE_FT_WEEKLY

フルタイム週次レート値

REPORTING_RATE_FT_MONTHLY

フルタイム月次レート値

REPORTING_RATE_FT_QUARTERLY

フルタイム四半期レート値

REPORTING_RATE_FT_YEARLY

フルタイム年次レート値

PER_ASG_ESTABLISHMENT_ID

報告組織

PER_ASG_UNION_ID

労働組合ID

PER_ASG_UNION_NAME

労働組合名

PER_ASG_JOB_MANAGER_LEVEL

ジョブ・マネージャ・レベル

PER_ASG_JOB_MANAGER_LEVEL_NAME

ジョブ・マネージャ・レベル名

CMP_ASSIGNMENT_SALARY_BASIS_NAME

給与ベース

PER_ASG_COLLECTIVE_AGREEMENT_ID

労働協約

PER_ASG_BARGAINING_UNIT_CODE_NAME

交渉団体名

PER_ASG_BARGAINING_UNIT_CODE

交渉団体コード

PER_ASG_ACTION_CODE

処理コード

PER_ASG_ACTION_REASON_CODE

処理事由

次の条件に該当する場合に、プロセスを実行します。

  • レートにより参照されるデータが変更され、それにエレメント・エントリ、等級レート、および基準で定義された値が含まれる可能性がある場合。このプロセスでは、レート値のみがレポートされます。基礎となるオブジェクトが更新、削除または作成されたり、影響を受けることはありません。

  • 新しいレート・コントリビュータが追加または削除されたり、レートが非アクティブになったなど、レート定義が更新された場合。

  • ジョブや等級の変更など、給与レートに影響する従業員レコードが変更された場合。

ノート: 表に格納されている値に依存する操作を実行する前には、このプロセスを実行する必要があります。たとえば、年功に基づくレートがある場合は、単なる時間の経過によって値が変更される可能性があります。

プロセスを実行するステップを見てみましょう。

  1. ホーム・ページで、「自分のクライアント・グループ」「フローの送信」クイック処理をクリックします。

  2. 国別仕様データ・グループを選択します。

  3. 「HCMレートの生成」フロー・パターンを選択します。

  4. 「プロセス・モード」フィールドに次の値を入力します:
    ノート: 「HCMレートの生成」プロセスで生成された情報を会社がどのように使用しているかをレビューし、適切なプロセス・モード・パラメータを選択していることを確認してください。このモードは、各従業員に対して実行されるレート計算の周期を制御します。レート計算の周期と回数が増えるほどレートの精度は高くなりますが、これは「HCMレートの生成」プロセスの全体的なパフォーマンスに反映されます。詳細は、「レート計算期間の開始日および終了日の制御」を参照してください。

    モード

    説明

    正確性

    高速

    レート値の計算には、指定した開始日と終了日が使用されます。両方の日付でレート値が同じ場合は、期間全体にわたってレート値が同じであると判断されます。開始と終了の値が異なる場合は、どこで変更が発生したかを調べるために、中間の値が決定され、開始と終了の値と比較されます。変更の日付が見つかるまで、このプロセスが繰り返されます。このことは二分探索アルゴリズムと呼ばれます。

    これは、レート値の計算方法として最速であるものの、最も正確でなくなります。レート値が上昇し、その後再び下降して開始日と終了日に計算された同じ値に戻った場合、変更はすべて見落とされます。

    レポート作成のために詳細なレート詳細が必要であるが、100%の精度を必要としない場合は、このオプションを選択します。名前が示すように、このオプションは「HCMレートの生成」プロセスに最適なパフォーマンスを提供します。

    完全

    レート計算期間内に毎日、個別のレート計算を実行します。

    最も遅いものの、最も正確な方法となります。

    このモードでは、レートが100%正確になりますが、従業員ごとの計算量は非常に多くなります。給与計算のために「HCMレートの生成」プロセスによって格納されたレートを使用している場合にのみ、このオプションを選択することをお薦めします。

    定期

    この方法は「高速」と同様に動作しますが、開始日と終了日の間で、プロセスによってレートが計算される日数を指定できます。

    この方法の正確性は、「高速」モードと「完全」モードの中間となります。

    レポート用により正確なレート詳細が必要な場合は、このオプションを選択します。入力する日数によって、「HCMレートの生成」プロセスの精度とパフォーマンスが制御されます。

    たとえば、7日間の期間を選択すると、7日間の各期間の開始および終了時に従業員のレートが計算されます。これらのレートが同じ場合、従業員レートは変更されなかったものとみなされ、次の7日間に進みます。レートが異なる場合、レートが変更された日付を識別するために、7日間の日次レートが計算されます。

    14日間の期間を選択すると、プロセスは同じように動作しますが、レートは14日間の各期間の開始および終了時に計算されます。この例では、7日間のオプションはより正確ですが、「HCMレートの生成」プロセスは14日間のオプションよりも多くの計算を実行するため、時間がかかります。

    したがって、「日数」パラメータに入力する数値が小さいほど、「HCMレートの生成」プロセスのレート計算が正確になります。

  5. 「次」をクリックします。

  6. フロー送信を選択します。

    ノート: 「スケジュールの使用」を選択した場合は、周期性(「1回」、「週次」、「日次」など)も選択する必要があります。
    ノート: 「給与関係グループ」パラメータを使用して、HCMレートの生成プロセスに含まれる従業員数を減らします。「給与関係グループ」パラメータは、次の関係グループをサポートしています。
  7. 「次」をクリックし、「送信」をクリックします。

レート計算期間の開始日および終了日の制御

自分の組織のHCMレート構成を詳細に理解して、レート変更が発生する可能性のある更新のタイプと、その変更を行うユーザーを知ることが重要です。そうすることで、会社のビジネス要件を満たすようにレート計算の開始日と終了日を定義できます。期間が短いほど、実行されるレート計算は少なくなり、これが「HCMレートの生成」プロセスのパフォーマンスに反映されます。

「HCMレートの生成の開始日」パラメータを使用して、レート計算の最早開始日を設定します。たとえば、このパラメータを2020-01-01 (YYYY-MM-DD)に設定すると、「HCMレートの生成」プロセスではこの日付からレートが再計算されます。
ノート: このパラメータは、完全モードまたは定期モードを使用している場合にのみ適用されます。

レート・プロセスでは、2年後までのレート変更が自動的に計算されます。このレート情報が必須でない場合は、レートのデフォルト終了日制限の設定バッチ・プロセスを使用して、先日付レートの計算を停止します。このパラメータは、何年先までのレートが計算されるかを取得します。0に設定すると、「HCMレートの生成」プロセスの発行時に入力したプロセス終了日までのレートのみが計算されます。