レート定義の構成のオプション

レート定義を構成して希望のレートを取得するには、様々なレート定義オプションの使用方法を理解しておく必要があります。単一のエレメント・エントリ値に基づくレートの場合は、上書きルールおよびデフォルト・ルールを適用することもできます。

ノート: 係数ベースのエレメント・レートを計算するには、「HCMレートの生成」プロセスを使用します。

この表では、「導出レート」、「エレメント」および「基準別の値」カテゴリ・タイプについて構成できるフィールドについて説明します。

フィールド

カテゴリ

説明

ストレージ・タイプ

エレメント

「エレメント」カテゴリを選択してレートを定義する場合は、ストレージ・タイプとして「数(額)」または「パーセント」を選択する必要があります。たとえば、給与エレメントを使用してレート定義を構成できます。給与を通貨額として保持する場合は、「数(額)」を選択します。給与を別の値(バランスなど)の係数にする場合は、「パーセント」を選択します。

ノート: 「エレメント」以外のすべてのレート定義カテゴリでは、このフィールドは非表示です。

エレメント名

エレメント

導出レート

「エレメント」カテゴリの場合、このフィールドは、ストレージ・タイプを選択した場合にのみ使用可能になります。

「エレメント」カテゴリを選択してレートを定義する場合は、エレメント名を選択する必要があります。これは、プライマリ・レートを構成する場合には必須です。これは、給与などの単一エレメントから値を取得するレートです。

「導出レート」カテゴリの場合、ページにアクセスすると、フィールドが有効になります。

雇用レベル

導出レート

基準別の値

「給与関係」「条件」または「アサイメント」のいずれかを選択します。このフィールドは、すべての導出レートおよび基準別の値のレート定義で必須です。これは、レート・プロセスでレートをコールするときに使用される雇用IDを制御します。

従業員に複数のアサイメントがある場合、レート・プロセスでは、アサイメントIDを使用して、従業員の正しいアサイメント・レコードを識別します。

コントリビュータ値が、レートに定義されている雇用レベルと異なるレベルで保持されている場合があります。このような場合、レート・プロセスは雇用IDを使用して正しいレコードを見つけます。

ステータス

エレメント

導出レート

基準別の値

レートのステータスを「アクティブ」または「非アクティブ」に設定します。従業員に非アクティブなレートを割り当てることはできません。ステータスが非アクティブに変更されても、レートがアクティブであった間に割り当てられた従業員は影響を受けません。

ベース・レート

エレメント

このレートが別のレートで計算に使用されているベース・レートを表す場合は、このオプションを選択します。たとえば、日勤シフトの従業員と夜勤シフトの従業員に、異なる基本給レートを使用する場合があります。

従業員の各セットが、ベース・レートに対する割合である手当を受け取る場合は、1つの手当レートを定義します。また、このレートは、「ベース・レート」オプションが選択されている2つのレートに基づいて計算されます。

総合給与

エレメント

導出レート

「給与」ページで使用するレートを定義する場合は、「導出レート」カテゴリを使用して、総合給与を定義します。これを行うには、給与エレメントをレートに関連付ける必要があります。この目的で総合給与情報エレメントを定義します。

レポート必須

エレメント

導出レート

基準別の値

計算されたレート値をレポート目的でレート表に格納するかどうかを指定するには、このオプションを選択します。

「給与」ページで使用するレートを定義する場合は、このオプションを選択する必要があります。

このオプションが選択されているレート定義は、「HCMレートの生成」バッチ・プロセスの実行時に含められます。この機能は、導出レートではなくプライマリ・レートに関するレポートに使用します。HCM抽出では、このレポートを使用してサード・パーティにデータを送信します。

基準別の値の名前

基準別の値

「基準別の値」カテゴリを選択してレートを定義する場合は、基準別の値の名前を選択する必要があります。基準別の値の定義では、特定の値またはレートを決定する1つ以上の評価条件を指定します。

戻りレートの詳細

戻りレートの周期性、係数ルール、通貨、小数表示、端数処理ルール、最小値ルールおよび最大値ルールを指定できます。最小値と最大値の範囲外のレートがプロセスによって返された場合、次の処理のいずれかを実行できます。

  • ルールを強制する処理を設定し、警告を表示します

  • ユーザーにエラーの修正を強制します

「FTEレートを戻す」チェック・ボックスを選択して、レート定義プロセスに対して、従業員のFTEをレート値に適用してパートタイム値を返すように指示できます。

周期性

戻りレートおよび各レート・コントリビュータに対して、毎時や週次などの周期性を指定する必要があります。ただし、Formula内でレートを使用すると、デフォルトの周期性を上書きできます。

レート計算では、各コントリビュータが、レート・コントリビュータに指定されている周期性に換算されます。その後、各レート・コントリビュータは、周期性が異なっていても、加算または減算されます。ほとんどの場合は同じになります。レート・コントリビュータが合計されると、レート計算でそれが戻り周期性および通貨に換算されます。

たとえば、周期性が週次のレートで「年間標準レート」換算Formulaを使用する場合、レート計算では次の処理が行われます。

  1. 寄与する各支給項目および控除項目の値および周期性から、年次の数値が計算されます。

  2. 年次の数値が週次の数値に換算されます。

デフォルトでは、レートは次の事前定義済レート換算Formulaを使用して換算されます。

  • 年間標準レート

  • 日次標準レート

  • 年間標準勤務時間レート

  • 年間アサイメント勤務時間レート

  • 年間定期勤務スケジュール・レート

事前定義済換算ルールの値が要件を満たさない場合は、独自の値を定義できます。

係数ルール

係数または乗数を計算レートや個別レート・コントリビュータに適用できます。係数ルールを適用するには、次のステップを実行します。

  • 係数ルールとしての値を選択します

  • 「係数」フィールドに、レートに乗算する数値を入力します

  • コントリビュータを追加します。

係数ルールは、レート定義またはレート・コントリビュータ(あるいはその両方)に適用できます。たとえば、給与や賞与に基づいて時間値を計算するためのレート・コントリビュータを定義できます。その後、1.0または100パーセントの係数を給与バランス・コントリビュータに適用し、0.5または50パーセントの係数を賞与バランス・コントリビュータに適用できます。係数ルールは、周期性換算が適用される前にレートに適用されます。

最小値および最大値

戻りレートの最小値と最大値、および個別レート・コントリビュータの最小値と最大値を定義できます。

「違反処理の制限」フィールドを使用して、エラーまたは警告が表示されるようにするか、入力した最小値または最大値がアプリケーションによって強制的に使用されるように設定します。たとえば、最小値として500を入力して、「ルールを強制」を選択できます。戻り値が400の場合、アプリケーションは値として500を使用します。

この表は、最小および最大のレート値のオプションについて説明しています。

コメント

Null

最小値も最大値もありません

指定した値

例: 2000

別のレートに基づく

選択したレート定義の計算値が使用されます。

ループを作成しないように注意してください。たとえば、レートAの最小値がレートBに基づいていて、レートBの最小値がレートAに基づいている場合などです。この場合は、ランタイム・エラーが発生します。

基準別の値

基準別の値の定義に基づく最小値または最大値。

上書きルールおよびデフォルト・ルール

上書きルールおよびデフォルト・ルールは、レート定義の定義時にカテゴリとして「エレメント」を選択した場合にのみ設定できます。レート定義に関連付けられたエレメントの上書きルールを設定します。「上書き許可」チェック・ボックスを選択した場合は、「給与」ページでレート値を入力できます。

エレメント入力検証Formulaがレート・コントリビュータの入力パラメータに対して定義されている場合は、「上書きルールおよびデフォルト・ルール」セクションで確認できます。

ノート: 「基準別の値」カテゴリを選択してレートを定義した場合は、上書きルールおよびデフォルト・ルールを定義できません。ただし、戻されたレートを検証するFormulaを選択したり、Formulaを使用してデフォルト値を作成することもできます。

たとえば、「HCMレートのデフォルト値」Formulaタイプを使用して、組織における1年の勤務日数を定義できます。

workday = 250
periodicity = YEAR
return workday, periodicity, currency

また、基準別の値の定義をデフォルト・タイプとして使用することもできます。ここでは、最初に作成されたレコードの値がプロセスによって使用され、手動で上書きしないかぎり、その値が後続の各レコードでも使用されます。レート・エンジンは、後続の各レコードに対して基準別の値の方法により作成されたレートを再評価します。そのため、このレートは変更される可能性があります。たとえば、基準別の値の定義を使用して、すべての適格な従業員を対象とする賞与に10パーセントのデフォルト値を有効にすることができます。

コントリビュータ・ルール

コントリビュータの合計の周期性を指定できます。コントリビュータ合計をフルタイム相当金額として処理するには、「コントリビュータ合計をFTE金額として処理」フィールドで「はい」を選択します。最終レート値は、このステータスから戻りレートFTEステータスに変換されます。

情報

このセクションでは、レートの目的、レートの計算方法またはレートの詳細を説明するテキストを入力します。このセクションは、「基準別の値」カテゴリを使用するレート定義には使用できません。