35 Oracle Sales CloudでのSOAP Webサービスの使用

外部SOAP Webサービスを起動することにより、Oracle Sales Cloudの機能を拡張できます。Webサービスは、アプリケーション・コンポーザのGroovyスクリプトを使用してコールできます。

前提条件

Oracle Sales Cloudナビゲータをカスタマイズする前に、次の各事項について検討することが必要な場合があります。

  • 次のOracle Sales Cloudユーザー・ロールの1つがあることを確認します。
    • CRMアプリケーション管理者

    • アプリケーション実装コンサルタント

    • 営業管理者

    注意:

    これらのロールのいずれもない場合は、管理者に問い合わせてください。
  • Oracle Sales Cloudにサインオンします。

  • テストの場合、アクティブ化した開発サンドボックスで作業していることを確認してください。「Oracle Sales Cloudサンドボックスでの作業の概要」を参照してください。

  • 必要なSOAP Webサービスが予期したとおりに公開されて動作していることを確認してください。

SOAP Webサービス参照の作成

Oracle Sales Cloudアプリケーション・コンポーザ・ユーティリティを使用して、使用対象のSOAP Webサービスを登録できます。

このサブタスクを開始する前に必ず、起動する予定のSOAP Webサービスに関する主な詳細を把握しておいてください。これらの詳細には、次が含まれます。
  • WSDL URL

  • 予期される入力パラメータ

  • レスポンス出力の構造

  • 使用中のセキュリティ・スキーム

始めに、次の手順に従います。

  1. アプリケーション・コンポーザを開きます。「Oracle Sales Cloudアプリケーション・コンポーザ・ユーティリティの概要」を参照してください。
  2. 「共通設定」の下で、「Webサービス」タスクを選択します。
  3. 右側の「Webサービス」パネルで、「Webサービス参照の作成」アイコンをクリックします。
    「SOAP Webサービス接続の作成」パネルが表示されます。
  4. 次のフィールドに必要な値を指定します。
    1. 「名前」を入力します。これは、Webサービス・エンドポイントを参照するために使用する、意味のある一意の名前である必要があります。
    2. 「WSDL URL」を入力してから、「WSDLの読取り」をクリックします。
      SOAP Webサービスに正常に接続されている場合、「サービス」および「ポート」の値が自動的に移入されます。
    3. SOAP Webサービスによってサポートされている「セキュリティ・スキーム」を選択します。
      Oracle Sales Cloudは、次の表に示すとおり、SOAP Webサービスにアクセスするために6つの「セキュリティ・スキーム」をサポートしています。
      セキュリティ・スキーム 資格証明キー 送信暗号化鍵 ユーザー名 パスワード タイムスタンプ検証の無効化
      なし 適用なし 適用なし 適用なし 適用なし 適用なし
      基本認証を使用して起動 必須 適用なし 必須 必須 適用なし
      SSL経由で個別のユーザー資格証明を使用して起動 必須 適用なし 必須 必須 オプション
      個別のユーザー資格証明およびメッセージ保護を使用して起動 必須 必須 必須 必須 オプション
      SAMLを使用して現在のユーザー資格証明で起動 適用なし 適用なし 適用なし 適用なし オプション
      メッセージ保護を含むSAMLを介したユーザー・アイデンティティの伝播 必須 必須 必須 必須 オプション

      各属性の意味は、次のとおりです。

      • 資格証明キー – 資格証明ストアにファイリングされたキーで、「ユーザー名」および「パスワード」で構成されており、Webサービスにアクセスするために使用されます。

      • 送信暗号化鍵 – キー・ストアに格納されているセキュリティ証明書を識別するための別名。

      • 「ユーザー名」および「パスワード」 – Webサービスへのアクセスを確立するために必要で、これらは、「資格証明キー」を構成するコンポーネントです。

      • タイムスタンプ検証の無効化 – レスポンス・ヘッダー内のタイムスタンプを無視できます。タイムスタンプがHTTPヘッダーに渡されるときにWebサービスによってリクエストが拒否される場合、このパラメータが必要になる場合があります。

    4. 右上隅で、「保存して閉じる」をクリックします。
      これで、「Webサービス」リージョンに新しい「Webサービス参照」が表示されます。
これで、新しいSOAPの「Webサービス参照」が作成され、これは現在、「Webサービス」リージョンにリストされています。

SOAP Webサービスとカスタム・フィールドの関連付け

Webサービスは、Oracle Sales Cloudで登録した後、任意のGroovyスクリプトで参照できます。これを行う方法の1つとして、カスタム・フィールドを介してWebサービスを起動する方法があります。

このサブタスクを完了した後、Groovyを使用してカスタム・フィールドを介してSOAP Webサービスを起動します。下記の手順では、説明を目的として営業アプリケーション・コンテナと商談オブジェクトを使用します。

始めに、次の手順に従います。

  1. サンドボックスをアクティブ化し、アプリケーション・コンポーザを有効にします。「Oracle Sales Cloudサンドボックスでの作業の概要」を参照してください。
  2. アプリケーション・コンポーザを開きます。「Oracle Sales Cloudアプリケーション・コンポーザ・ユーティリティの概要」を参照してください。
  3. 左側に表示される「アプリケーション・コンポーザ」パネルで、「アプリケーション」ドロップダウンが、展開対象のオブジェクトのアプリケーション・コンテナに設定されていることを確認します。この場合、「営業」アプリケーションを使用します。
  4. 「オブジェクト」を展開してから、標準オブジェクトを展開します。
  5. 「商談」オブジェクトを展開します。
  6. 「フィールド」ノードを展開します。
  7. 右側のパネルで、「アクション」メニューから「作成」を選択します。
    「フィールド・タイプの選択」ダイアログが開きます。
  8. 「テキスト」を選択し、「OK」をクリックします。
  9. テキスト・フィールドの作成インタフェースで、次の手順を実行します。
    1. 「表示ラベル」を指定します。
    2. 「名前」の下で、表示ラベルに基づいてデフォルト値が自動的に追加されますが、異なるフィールド名を入力することもできます(これが一意である限り)。
    3. 「デフォルト値」で、「式」を選択し、「式ビルダー」アイコンをクリックします。
      「式ビルダー」ウィンドウが開きます。
    4. 横にある矢印アイコンをクリックし、タブ付きパネルを展開します。
    5. 「Webサービス」タブを選択します。
    6. 「Webサービス」タブからWebサービスを選択します。
    7. 「関数」の下で、使用するWebサービス関数を選択します。
    8. 「挿入」ボタンをクリックします。

      ヒント:

      「挿入」ボタンが表示されない場合は、ウィンドウ・サイズを大きくして観てください。
      Groovyスクリプト・エディタで、選択したSOAP Webサービスへのコールが自動的に追加されます。
    9. Groovyスクリプト・エディタ・ウィンドウで、必要に応じて任意の追加コードを入力します。Webサービス関数を起動するために予期されるパラメータがある可能性があるかどうかを検討してください。下記の例では、商談ID (OptyId)の値は、オブジェクト・ページ・フィールド(「フィールド」タブ)から取得され、SOAP Webサービスにパラメータとして渡されます。

      Webサービス・コールの結果は、「カスタム・フィールド」「デフォルト値」として自動的に割り当てられます。

      次に例を示します。

      def arg= OptyId 
      adf.webServices.creditCardCheck.getNewCreditCheck(arg)
    10. 「OK」をクリックします。
      エラーがない場合、「式ビルダー」が閉じ、Groovyスクリプトが保存されます。

      注意:

      Groovyスクリプトにエラーがないことを確認するには、スクリプト・ウィンドウの真上に表示されるツールバーから、「検証」アイコンをクリックします。スクリプト解析エラーがない場合、パネルの右側に確認用コールアウトが表示されます。
    11. 「保存して閉じる」をクリックします。
      「フィールド」パネルがリフレッシュされ、新しく作成した、SOAP Webサービスを起動する「カスタム・フィールド」がリストされます。
  10. 次に、特定のオブジェクト・ページでカスタム・フィールド(この例では、「商談」オブジェクト・ページ)を使用可能にする必要があります。「拡張性をサポートするためのOracle Sales Cloudのカスタム・オブジェクトおよびカスタム・フィールドの作成」を参照してください。

SOAP Webサービスに関連付けられたOracle Sales Cloudの新しいカスタム・フィールドが作成されました。

注意:

SOAP Webサービスは、「グローバル・スクリプト」トリガー関数サブタブURL関数「アクション」および「リンク」などの他の場所でも参照できます。