65 Oracle Applications User Experience RDKを活用したOracle Applications Cloud ADFの拡張機能の作成

Oracle Applications User Experience Rapid Development Kit (RDK)を使用して、Oracle Applications Cloud ADFの拡張機能を開発およびカスタマイズし、Oracle Applications Cloud内のお気に入りのアプリケーション(Oracle Sales Cloudなど)と同じルック・アンド・フィールおよび動作を適用できます。次の手順では、Oracle Applications User Experience RDKのメイン・テンプレートをカスタムOracle ADFアプリケーションに適用するステップについて説明します。

注意:

IDEを使用してJCS - SaaS Extensionで開発する前に、「JCS - SaaS Extensionを使用した開発用のIDEの構成」のタスクを実行する必要があります。

前提条件

このタスクを完了する前に、正しいバージョンのJDeveloper IDEがインストールされていることを確認してください。

Oracle User Experience Rapid Development Kit (RDK)を使用して開発するには、Oracle Technology Network (OTN)の「Oracle JDeveloperページ」からダウンロードできるOracle JDeveloper Studio Editionバージョン11.1.1.9.0を使用することをお薦めします。
  • カスタムADFアプリケーションをOracle Applications Cloud Serviceの拡張機能として組み込む場合、Oracle Java Cloud Service - SaaS Extensionサービスが含まれるアクティブなサービスが必要です。

  • Oracle Applications Cloudのルック・アンド・フィールをOracle ADFアプリケーションに適用するには、OTNの「Oracle Applications User Experience Rapid Development Kit」ページからOracle User Experience RDKをダウンロードする必要があります。

Oracle Applications User Experience Rapid Development Kitについて

Oracle Applications User Experience Rapid Development Kit (RDK)には、Oracle Applications Cloud内の簡略化されたユーザー・インタフェースとルック・アンド・フィールが似たアプリケーションを作成するために必要なものがすべて含まれています。

Oracle RDKパッケージには、次が含まれています。

  • 一般的なユーザー操作のデザイン・パターンを実装するためにどのOracle ADFコンポーネントが使用されるかを説明するOracle ADFのオーバーレイ

  • 開発プロセスを簡略化するためのテンプレートなどのOracle ADFのビジュアル要素

  • 詳細な使用方法の技術ガイダンスを示すeBook

  • Oracle Applications Cloud UIのユーザー操作のデモ用であるOracle Sales CloudOracle Human Capital Management CloudおよびOracle Enterprise Resource Planning Cloudのフローとサンプル・アプリケーション

AppsCloudUIKitワークスペースについて

Oracle RDKを解凍する場合、次のアプリケーションとともにJDeveloperワークスペースが含まれるAppsCloudUIKitという名前のフォルダが見つかります。

  • DemoCRM (Sales Cloud)

  • DemoData

  • DemoFIN

  • DemoHCM

  • DemoMaster

  • UIKitCommon

また、Oracle JDeveloperアプリケーション・ワークスペースのルート・レベルに属するデフォルトのsrcディレクトリ、およびOracle ADFライブラリが含まれるlibsと呼ばれるディレクトリが見つかります。

このフォルダ構造は、次の画像に示すADFアプリケーションの一般的な構造と合致します。

adf_architecture.jpgの説明が続きます
図adf_architecture.jpgの説明

一般的なOracle ADFアプリケーションは、基本レイヤー、複数のサブシステム、および各サブシステムによって提供される機能が単一のアプリケーションに収束するマスター・アプリケーションという3つのレイヤーで構成されています。RDKデモ・アプリケーションは、次の特徴を備えたこのアーキテクチャに準拠しています。

  • UIKitCommonおよびDemoDataが基本レイヤーを表します。

  • DemoCRM、DemoFINおよびDemoHCMがサブシステムを表します。

  • DemoMasterがマスター・アプリケーションを表します。

UIKitCommonプロジェクトは、基本レイヤーの一部であり、このプロジェクトには、Oracle Applications Cloudと同じルック・アンド・フィールを使用して独自のアプリケーションを開発するためのテンプレートおよびコンポーネントが含まれています。

DemoDataプロジェクトも基本レイヤーの一部であり、デモ・アプリケーションのデータ・ソースとして機能するJavaクラスが含まれています。これらのクラスには、デモ・アプリケーション(サブシステム・レイヤー)からプログラムでアクセスします。

次のプロジェクトは、RDK AppsCloudUIKitワークスペース用のサブシステム・レイヤーを構成しています。

  • DemoCRM: カード・ビュー/リスト・ビュー、ランディング・ページ、および担当者を作成および編集するためのページを使用して担当者作業領域を実装するタスク・フローが含まれます。DemoCRMには、商談を作成および編集するためのリスト・ビューのランディング・ページを使用して商談作業領域を実装するタスク・フローも含まれます。

  • DemoFIN: 検索のランディング・ページ(リスト・ビュー)およびインタラクティブなデータ視覚化を備えたページを使用して財務レポート作業領域を実装するタスク・フローが含まれます。

  • DemoHCM: 詳細ページ上の単純なリスト・ビューおよび情報タイルを使用してチーム・パフォーマンス作業領域を実装するタスク・フローが含まれます。

  • DemoMaster: Oracle ADFアーキテクチャのベスト・プラクティスに準拠して上記のすべてのタスク・フローを収集するマスター・ページが含まれます。Oracle ADFアーキテクチャの詳細は、「Oracle ADF Architecture Square」ページを参照してください。

ヒント:

Oracle Applications Cloudのルック・アンド・フィールを使用してADFアプリケーションをカスタマイズする最善の方法は、Oracle User Experience RDKを使用して上記のプロジェクトの1つを変更するか適合させる方法です。

Oracle ADFユーザー・インタフェースへのRDKのメイン・テンプレートの適用

次のタスクでは、JDeveloperのModelプロジェクト内のエンティティ・オブジェクトを使用してデータ・レイヤーがすでに作成されていることを前提として、Oracle ADFユーザー・インタフェース・ビューにRDKのメイン・テンプレートを適用するプロセスについて説明します。

次に説明するタスクは、Oracle Applications Cloudのルック・アンド・フィールをOracle ADFユーザー・インタフェースに適用するために必要なステップのみに対応しています。Modelプロジェクトでのデータ・モデルの作成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』のアプリケーション・モジュールの概要およびビュー・オブジェクトの概要に関する項を参照してください。

最初に、Oracle RDKを操作するためにJDeveloper ADFワークスペースを設定してから、RDKのメイン・テンプレートをOracle ADFアプリケーションに適用する必要があります。

Oracle RDKを操作するためのADFワークスペースの設定

Oracle User Experience RDKを使用したアプリケーションの開発は、Oracle ADFの開発時に使用したものと同じプロセスに準拠します。このタスクの場合、Oracle JDeveloper 11.1.1.9.0が必要です。

開始する手順:
  1. JDeveloperで、「ファイル」「新規」「一般」の下にある「アプリケーション」の順に選択し、Fusion Web Application (Oracle ADF)を選択し、標準ADFアプリケーション・ワークスペースを作成します。
  2. アプリケーションにUX RDK Oracle ADFライブラリを組み込むには、Modelプロジェクトを右クリックし、「新規」を選択します。「新規ギャラリ」ポップアップ・ウィンドウが開きます。次に、このウィンドウ内で、次を実行します。
    1. 「接続」をクリックしてから、「ファイルシステム接続」を選択し、「OK」をクリックします。「ファイルシステム接続の作成」ポップアップ・ウィンドウが開きます。
    2. 「接続名」の下で名前を入力します。たとえば、「UXRDK」と入力します。
    3. 「ディレクトリ・パス」の下で、「参照」をクリックし、RDKフォルダ内のAppsCloudUIKit/libsフォルダにナビゲートします。
    4. 「接続のテスト」をクリックし、接続が正しく設定されていることを確認します。
  3. 「ビュー」メニューをクリックし、「リソース・パレット」を選択することにより、リソース・パレットを開きます。
  4. ViewModelプロジェクトを選択し、リソース・パレットで作成したファイルシステム接続内のadflibUIKitCommon.jarファイルにナビゲートします。
  5. adflibUIKitCommon.jarを右クリックし、「プロジェクトに追加」を選択します。ViewControllerプロジェクトにライブラリを追加するかどうかを尋ねる確認ダイアログが開きます。
  6. 「ライブラリの追加」をクリックします。
テンプレートやコンポーネントなどを含むすべての共通要素が含まれるRDK ADFライブラリをUIKitCommonプロジェクトから追加しました。

Oracle ADFユーザー・インタフェースへのRDKのメイン・テンプレートの適用

Oracle User Experience Rapid Development Kit AppsCloudUIKitから新しいJSFページにメイン・テンプレートを適用できます。

  1. 新しいJSFページを作成します。
    1. 「アプリケーション・ナビゲータ」で、JSFページを作成する「ViewModel」プロジェクトを右クリックし、「新規」を選択します。
    2. 新規ギャラリで、「Web層」を展開し、 「JSF」、 「JSFページ」の順に選択し、 「OK」をクリックします。「JSFページの作成」ダイアログ・ウィンドウが開きます。
    3. 「JSFページの作成」ダイアログで、「ページ・テンプレート」ラジオ・ボタンをクリックし、RDKから「MainPageTemplate」を選択します。
    4. 「OK」をクリックします。
  2. データ・コントロールを使用している場合、画面の中央にある「pageContents」領域の下にそのコンテンツをドロップできます。
  3. Oracle Applications Cloudで使用されるOracle Altaスキンが設定されていることを確認します。これを行うには、ViewControllerプロジェクト内のWeb Content/WEB-INFフォルダの下にあるファイルtrinidad-config.xmlを開き、<skin-family>タグ値をaltaに変更します。
これで、通常どおりにOracle ADFアプリケーションを開発できます。次に、これをOracle Java Cloud Service - SaaS Extensionインスタンスにデプロイできます。Oracle ADFアプリケーションをOracle Sales CloudなどのOracle Applications Cloudサービスに統合するには、「JCS - SaaS ExtensionとOracle Sales Cloudの相互作用のユースケースおよびパターン」を参照してください。