モバイル・ダイレクト収集
モバイル・データ・プロバイダは、ダイレクト収集を通じて、モバイル・ユーザー属性をMobile Advertising ID (モバイル・アプリから導出された場合はデバイスIDとも呼ばれる)に基づいてプラットフォームに転送できます。収集されたモバイル・ユーザー・カテゴリはすぐにOracle Data Marketplaceで購入可能になります。
ダイレクト収集では、モバイルIDおよび関連付けられているモバイル・ユーザー属性を含むオフライン・ファイルをOracle Data Cloudプラットフォームに送信します。その後、プラットフォームでモバイル・ユーザー属性がタクソノミ内のカテゴリにマッピングされます。また、オフライン・ファイル内のモバイル・ユーザーに対してタグ・コールがシミュレートされて、新規モバイル・カテゴリでインベントリがすぐに構築されます。次の図は、ダイレクト収集プロセスを示しています。
EUデータをオンボーディングするデータ・プロバイダ。所在地が欧州連合(EU)であるユーザー・プロファイルのデータをオンボーディングするには、オラクル社の一般データ保護規則(GDPR)への利用許諾書に署名している必要があります。同意書に署名していない場合は、EU以外の国に対して構成されたコンテナのみを作成できます。この場合、EU地域または加盟国はブラックリストに登録されている必要があり、ホワイトリストには登録できません。これに従わないと、コンテナUI/APIでエラーが表示されます。デフォルトでは、新しいコンテナはEUをブラックリストに登録します。この契約を取得して署名するには、オラクル社のアカウント担当者にお問い合せください。
サイトIDの作成
サイトIDは、Oracle Data Cloudプラットフォームでデータを管理するために使用されます。分類ルールでは、モバイル・ユーザー属性をタクソノミ内のカテゴリにマッピングするためにサイトIDが使用されます。オフライン・ファイルを正しく書式設定するには、サイトIDが必要です。
サイトIDは、コンテナの作成時に生成されます。コンテナは、UIまたはコンテナAPIで作成できます。
Oracle Data Cloudへの連絡
カスタマ・サクセス・マネージャに連絡して、MAIDに対するダイレクト収集アクセスをリクエストしてください。パートナ名、パートナID、サイトIDおよびオンボーディング対象のIDタイプ(ADIDまたはIDFA)を指定する必要があります。ユーザーの国の場所を分類する方法を指定する必要もあります。
国を指定するオフライン・ファイルに国の列を含めることをお薦めします。国データを指定しない場合または指定できない場合、プラットフォームで、ユーザー・プロファイルの国情報が使用されます。プロファイルまたは国が存在しない場合、結果は、DMPユーザーであるか、データ・プロバイダであるかによって異なります。
- DMPユーザー。国は「unspecified」に設定されます。この場合、これらのユーザーのターゲットには、オーディエンス・ビルダーの国フィルタリングは使用できません。
- データ・プロバイダ: データはオンボーディングできません。
オフライン・ファイルの作成
オフライン・ファイルには、Oracle Data Cloudプラットフォームに送信するモバイル・ユーザー属性を含めます。各ユーザーについて1行ずつ入力した圧縮プレーン・テキスト・ファイルを使用する必要があります。各行は一意のユーザーを表し、次のタブ区切りフィールドで構成される必要があります。
- デバイスID: 各オフライン・ファイルには、ユーザーのデバイスIDタイプを1つのみ含めることができます。同じユーザーであっても、異なるデバイス(IDFAとADID)の属性を送信する場合は、それらを2つのオフライン・ファイルに分ける必要があります。1つのファイル内に複数のデバイスIDを指定しないでください。そうしないと、前の収集キー・インスタンスのモバイル・ユーザー属性がより最新のインスタンスで上書きされます。各デバイスIDのデータ上限は40バイトです。
- 国コード: ユーザーのISO 3166-1 alpha-2国コード。これにより、ユーザーが分類される国が決まります。また、オーディエンス・ビルダーで、国フィルタリングを使用して該当するユーザーをターゲットできるようになります。国列をオフライン・ファイルに含めない場合は、デフォルトの国を指定して、すべてのユーザーがその国に分類されるようにする必要があります。
- キーと値のペア(KVP): モバイル属性のパイプ区切りKVP。オプションで、ユーザーのアプリのアプリIDをセミコロン区切りで指定できます。
各行(最後の行を含む)は、LF (Unixスタイルの行端文字)で終了する必要があります。
次のサンプルは、USのモバイル・ユーザーのセット、デモグラフィック(bk112は年齢、bk111は性別、bk115は子)およびユーザーが使用しているAndroidアプリ(MyApp.com、YourApp.com)を含むオフライン・ファイルの書式を示しています。
awytM3DD US BK112=25|BK111=M|BK115=2|appid_android=com.myapp;com.yourapp
3d5zYU7i US bk112=22|bk111=F|bk115=1|appid_android=com.myapp
yE8Sy49V US bk112=36|bk111=F|bk115=1|appid_android=com.yourapp
6xkDV7yl US bk112=42|bk111=F|bk115=3|appid_android=com.myapp;com.yourapp
オフライン・ファイルの要件
Requirement | 例 | 説明 | |
---|---|---|---|
Device types | adid |
プラットフォームでは、次のデバイスIDタイプの使用がサポートされています。
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Country codes | US | ユーザーの2文字のISO 3166-1 alpha-2国コード。 | |
Mobile attributes | BK111 | モバイル属性のキーには、2文字の会社名と任意の3桁のカテゴリという書式を使用する必要があります。特定の属性のキーを作成するには、会社名を2文字に略してから、その会社名に任意の3桁の番号を追加する必要があります。 | |
App ID | appid_ios=184882215;489801252 |
(オプション)ユーザーのアプリIDのセミコロン区切りリスト。
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File name | ExampleCompany_15415_adid_2017-04-26.gz |
オフライン・ファイルのファイル名は、次の要素を指定の順序でアンダースコアで区切ったものにする必要があります。
ファイル名にスペースを含めることはできません。 |
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Mamimum line size | 256データ項目、32KB。 | ||
Character encoding | UTF-8 | ||
Compression | .gz | ファイルは.bz2または.bzip2圧縮を使用して圧縮する必要があり、ファイル拡張子には.bz2、.bzip2、.gzまたは.gzipを使用できます。 | |
最小サイズ | >50 MB | 複数の小さいファイルを送信する予定の場合は、1つの大きいファイルに結合してください。たとえば、10個の20 MBのファイルを1つの200 MBに結合します。理想的なサイズは約1 GBです。データがそれのみである場合は50 MBでも許容されますが、100 MB以上をお薦めします。 | |
最大サイズ | ≤ 50 GB | 最大ファイル・サイズは50 GBですが、大きいファイルを複数の小さいファイルに分割できます。 |
トリガー・ファイルの作成
トリガー・ファイルでは、サイズ、名前、チェックサムおよびオプションでオフライン・ファイル内のレコード数を指定します。これは、オフライン・ファイル内のすべてのデータが破損することなく正常に転送されたことを検証するために使用されます。検証に成功すると、Oracle Data Cloudプラットフォームでオフライン・ファイルのオンボーディングが開始されます。検証に失敗すると、エラーの詳細を示す自動通知が届きます。
次の例は、行区切りフィールドを含むプレーン・テキスト・トリガー・ファイルを示しています。
FILE=BlueKai_15415_idfa_2017-04-26.gz
SIZE=367
MD5SUM=a10edbbb8f28f8e98ee6b649ea2556f4
トリガー・ファイルの要件
Requirement | 例 | 説明 |
---|---|---|
FILE | FILE=BlueKai_15415_idfa_2017-04-26.gz | アップロードするオフライン・ファイルのファイル名。FILE がキーで、ファイル名が値です。トリガー・ファイル名が、オフライン・ファイルと同じ名前に.triggerファイル拡張子が付加されたものである場合、この行はオプションです。オフライン・ファイルの名前がトリガー・ファイルと異なる場合、または複数のオフライン・ファイルをトリガーする場合(非推奨)は、この行は必須です。 |
SIZE | SIZE=367 | (推奨)オフライン・ファイルのサイズ(バイト)。SIZE がキーで、整数表現が値です。詳細は、オフライン・ファイルのサイズの計算を参照してください。 |
SHA256SUM | SHA256SUM=a10edbbb8f28f8e98ee6b649ea2556f4 |
MD5ハッシュもサポートされていますが、セキュリティ上の理由から、MD5を使用しないことをお薦めします。 |
File name | BlueKai_15415_idfa_2017-04-26.gz.trigger
|
(必須)トリガー・ファイルの名前はオフライン・ファイルと同じ名前に、.triggerファイル拡張子を付加したものである必要があります。ファイル名にスペースを含めることはできません。オフライン・ファイルと同じ名前を使用できない場合は、オプションで、FILE 行を使用して異なるファイル名を指定できます(非推奨)。 |
Type | 未圧縮プレーン・テキスト | |
Character encoding | UTF-8 |
モバイル・データの分類
オフライン・ファイルで渡してアカウント・マネージャに送信するphint (ユーザー属性を表すキーと値のペア)をまとめたデータ・マップを作成します。Oracle Data Cloudプラットフォームでは、データ・マップに基づいて、phintをタクソノミ内のカテゴリにマッピングするための分類ルールが作成されます。
データ・マップには、次の情報が含まれている必要があります。
- phintで使用されるキーのセット
- 各キーの候補値のセット。必要に応じて、これらの値を判読可能なカテゴリ名に関連付けます
- キーのセット間の階層関係(存在する場合)
たとえば、ユーザーが購入の意思を示した自動車のメーカーおよびモデルを収集する、自動車購入サイトを考えます。makeノードのキーと値のペアの構文は、MA100=[VALUE]となります。このノードのキーと値のペアの例を次に示します。
- MA100=Honda
- MA100=Acura
- MA100=Toyota
modelノードのキーと値のペアの構文は、MA110=[VALUE]となります。前述の例のmakeノードに基づき、Modelノードのキーと値のペアの例は次のようになります。
- MA110=Accord
- MA110=Civic
- MA110=TL
- MA110=TSX
- MA110=Corolla
- MA110=Camry
makeの値がエンコードされている場合(たとえば、Honda、Acura、Toyotaのかわりに23098、21409、57983を渡した場合)、Oracle Data Cloudプラットフォームでは、エンコードされた値に対応する判読可能なカテゴリ名が必要になります。たとえば、次の変換を使用できます。
- MA100=23098 > Honda
- MA100=21409 > Acura
- MA100=57983 > Toyota
この例のサイトでは、次のようなデータ・マップを作成します。
キー | キーの解釈 | 値 | 値の解釈(カテゴリ) |
---|---|---|---|
MA100 | Make | Honda | Honda |
MA100 | Make | 21409 | Acura |
MA100 | Make | 57983 | Toyota |
MA110 | Make > Model | Accord | Honda > Accord |
MA110 | Make > Model | 89065 | Honda > Civic |
MA110 | Make > Model | TL | Acura > TL |
MA110 | Make > Model | TSX | Acura > TSX |
MA110 | Make > Model | Corolla | Toyota > Corolla |
MA110 | Make > Model | Camry | Toyota > Camry |
オフライン・ファイルのアップロード
オフライン・ファイルとトリガー・ファイルを作成したら、それらをOracle Data Cloud SFTPサーバーにアップロードできます。オフライン・ファイルをOracleアップロード・サーバー(sftp.bluekai.com)に安全にアップロードできるように、専用のディレクトリ、ユーザー名およびパスワードが提供されます。
プラットフォームでオフライン・ファイルの検証が終了したら、データのオンボーディングが開始されます。ユーザーのモバイル属性は、Oracle Data Cloudで作成された分類ルールに基づいて、プライベート・タクソノミ内のカテゴリにマッピングされます。ユーザーに対してタグ・コールがシミュレートされて、モバイル・カテゴリでインベントリが構築されます。オフライン・データが完全にオンボーディングされ、24時間以内にアクティブ化できるようになります。
重要: ファイルをアップロードするたびに、ユーザーのオンライン検出がシミュレートされ、ユーザーのモバイルIDの有効期限がリセットされます。
オフライン・ファイルをアップロードするには:
- オフライン・ファイルのスプレッドシート・サンプル(100レコード以上)をアカウント・マネージャに電子メールで送信します。これにより、オフライン・ファイルの構成と名前が正しいかどうかが検証されます。
- Oracle Data Cloudがファイルの形式を確認し、必要な変更がある場合に示すことができるように、1,000レコード以上を含む小さいテスト・ファイルをアップロードします。Oracleによってサンプル・ファイルが承認されたら、オフライン・ファイル全体のアップロードを開始できます。
- オフライン・ファイルをアップロードします。
- オフライン・ファイルが完全にアップロードされたら、トリガー・ファイルをアップロードします。Oracle Data Cloudプラットフォームのオフライン・マッチ・ルールに基づく分類システムにファイルをダウンロードするためのスクリプトが自動的にコールされます。プラットフォームのアカウント・アクティビティ・ジャーナルに、アップロードが成功したことを示すイベントが追加されます。
- アカウント・アクティビティ・ジャーナルを使用して、オフライン・オンボーディングの進行状況をトラッキングします。
アカウント・アクティビティ・ジャーナルには、次のイベントが表示されます。
Step Event ジャーナル・メッセージ Verification Offline file verified ファイル名、ステータス、ファイル・サイズ、レコード件数およびチェックサムが表示されます Offline file message フィールドが欠落しているか、ファイルのサイズがトリガー・ファイルに指定されたサイズとマッチしない場合は、該当するエラーに関するメッセージが表示されます Pre-processing Processing starts ファイル名が表示されます Processing ends ファイル名、ステータスおよび期間が表示されます Ingest Ingest starts ファイル名が表示されます Ingest ends ファイル名、ステータスおよび期間が表示されます Transfer to data centers (DC) DC storage starts ファイル名とデータ・センターが表示されます DC storage ends ファイル名、データ・センター、ステータスおよび期間が表示されます - オフライン・データが解析されてプロファイル・ストアに保存されます。
- 処理されたオフライン・ファイルはアーカイブされ、処理が完了してから30分後にOracle Data Cloudアップロード・サーバーから削除されます。アーカイブは90日間保持されます。
データ購入者へのモバイル・データの配信
BlueKaiによって収集されたモバイル・ユーザー属性は、モバイル・データ購入者に配信できます。モバイル・データ購入者は、そのデータに基づいて、マーケティング担当者や広告主がモバイル・アプリ・ユーザーをそれぞれのオンライン行動に基づいてターゲットできるように計らうことができます。モバイル・ユーザー・データをデータ購入者に配信する方法の詳細は、メディア・プラットフォームでのMobile Advertising IDの受入れを参照してください。
FAQ
次のFAQでは、正確なインベントリの数値を取得する方法(データ購入者)、およびデータが正しく分類されるようにする方法(データ・プロバイダ)について説明しています。
オーディエンスを作成するデータ購入者として、正確なインベントリを取得するにはどうすればよいですか。
Oracle Data Cloudプラットフォームでは、ダイレクト収集を通じてモバイル・デバイスIDがオンボーディングされ、プラットフォームUI内にインベントリが表示されます。デフォルト設定にはすべてのデバイスおよびIDタイプが集約されています。デスクトップ・インベントリまたはモバイルのみのインベントリを表示する方法は、オーディエンス・ビルダーのドキュメントのIDソースに関する項を参照してください。デバイスIDの受入れの詳細は、メディア・プラットフォームでのMobile Advertising IDの受入れを参照してください。
ダイレクト収集を通じてデータをオンボーディングするデータ・プロバイダとして、モバイル・データが正しく分類されるようにするにはどうすればよいですか。
ダイレクト収集を使用したモバイル・データのオンボーディングについて具体的に構成されたサイトIDを作成します。これにより、モバイル・インベントリがデスクトップ・インベントリから確実に分離されます。