モバイル・オンデマンド・ダイレクト収集
オンデマンド・ダイレクト収集では、Oracle Data Cloudプラットフォームのサーバーサイド・ユーザー・データAPIを使用して、データ・ウェアハウス、CRMデータベースまたはその他のオフライン・ソースに格納されているモバイル・データをいつでも個別にオンボーディングできます。モデルやアナリティクスを実行してモバイル・ユーザーをセグメント化し、ユーザー属性をOracle Data Cloudプラットフォームに直接インポートできます。オンデマンド・ダイレクト収集を使用すると、モバイル・データのオンボーディングに必要なステップや時間を減らし、マネタイズやオーディエンスのアクティブ化を早めることができます。
DMPユーザーは、Mobile Advertising ID (MAID)にリンクされているオフライン・データをDMPにオンボーディングできます。その後、MAIDベースのデータを複数のメディア実行プラットフォームにわたってアクティブ化できます。MAIDは、モバイル・アプリから導出された場合、一般的に、デバイスIDと呼ばれます。
データ・プロバイダは、モバイル・ユーザー・プロファイルをOracle Data Cloudプラットフォームにオンボーディングし、それらのオーディエンスに対して、Oracle Data Marketplaceまたは1対1の交渉による非公開取引(ユーザーがプライベート・データ・マーケットプレイス(PDM)サブスクリプションを持つ場合)を通じてマネタイズを図ることができます。この機能を使用すると、MAIDにリンクされているオフライン・データをOracle Data Cloudプラットフォームにオンボーディングしてデータのマネタイズを図ったり、PDMシートに一元化できます。MAIDベースのオーディエンスを対象としたメディアのアクティブ化に対応したパートナとのインテグレーションを利用することもできます。
オンデマンド・ダイレクト収集では次のことが可能です。
- オフライン・モバイル・データをOracle Data Cloudプラットフォームに接続できる: ユーザー・データAPIインテグレーションを使用して、オフライン・モバイル・データとOracle Data Cloudプラットフォームの間に常時オンラインのパイプを構築できます。
- モバイル・ユーザーをいつでもアクティブ化できる: 製品SKU、記事、モデルおよびアナリティクスに基づいてユーザーをセグメント化し、ユーザー・データAPIによりユーザー属性をOracle Data Cloudプラットフォームにオンボーディングして即座にアクティブ化できます。
- 柔軟かつ迅速なアドホック・ターゲティングを実行できる: 予想を上回るコンテンツやSKUを迅速にオンボーディングできます。
オンデマンド・ダイレクト収集を開始するには、サイトIDを取得し、タクソノミに追加したカテゴリにユーザーのオフライン・モバイル属性をマッピングするための分類ルールを作成する必要があります。その後、ユーザーのMobile Advertising IDおよびオフライン・モバイル属性を使用してユーザー・データAPIをコールできます。Oracle Data Cloudプラットフォームで、ユーザーのオフライン・モバイル属性がMobile Advertising IDにマッピングされます。モバイル・データのオンボーディングが終了したら、データのマネタイズを図ったり(データ・プロバイダの場合)、モバイル・ユーザー属性を表すカテゴリをターゲットし、複数のメディア実行プラットフォームに配信できます(DMPユーザーの場合)。
次の図は、オンデマンド・ダイレクト収集プロセスを示しています。ステップの各々については、次の各項で詳しく説明します。
オンデマンド・ダイレクト収集を使用するには:
- サイトIDを取得します。
- モバイル・データを分類します。
- ユーザー・データAPIをコールします。
- オフライン・モバイル・データのマネタイズまたはアクティブ化を図ります。
- モバイル・データをデータ購入者に配信します。
サイトIDの取得
分類ルールを作成し、ユーザー・データAPIをコールするには、サイトIDが必要です。サイトIDは、Oracle Data Cloudプラットフォームでデータを管理するために使用されます。プラットフォームの分類ルールでは、モバイル・ユーザー属性をタクソノミ内のカテゴリにマッピングするためにサイトIDが使用されます。
分類ルールを作成し、ユーザー・データAPIをコールするには、サイトIDが必要です。サイトIDは、Oracle Data Cloudプラットフォームでデータを管理するために使用されます。分類ルールでは、ユーザー属性をマッピングするカテゴリを識別するためにサイトIDが使用されます。サイトIDを生成するには、コンテナを作成します。コンテナは、UIまたはコンテナAPIで作成できます。テストおよび本番環境では、異なるサイトIDを作成することをお薦めします。
コンテナの作成後、ADIDに対するダイレクト収集アクセスをリクエストするMOSチケットをオープンし、パートナ名、パートナIDおよびサイトIDを含めます。
所在地が欧州連合(EU)であるユーザー・プロファイルのデータをオンボーディングするには、オラクル社の一般データ保護規則(GDPR)への利用許諾書に署名している必要があります。同意書に署名していない場合は、EU以外の国に対して構成されたコンテナのみを作成できます。つまり、ブラックリストにはEU地域または加盟国を含める必要があり、ホワイトリストには含めることができません。無効な構成でコンテナを作成しようとすると、UIまたはAPIでエラーが表示されます。デフォルトでは、新規コンテナにはEUがブラックリスト登録されます。GDPRへの利用許諾書を取得して署名するには、オラクル社のアカウント担当者にお問い合せください。
モバイル・データの分類
プラットフォームでモバイル・データが分類されるようにするには、ユーザー・データAPIコールによってプラットフォームに渡すphint (ユーザー属性を表すキーと値のペア)をまとめたデータ・マップを作成します。プラットフォームでは、データ・マップに基づいて、phintをタクソノミ内のカテゴリにマッピングするための分類ルールが作成されます。
データ・マップには、次の情報が含まれている必要があります。
- phintで使用されるキーのセット
- 各キーの候補値のセット(および必要な場合は判読可能な関連カテゴリ名)
- キーのセット間の階層関係(存在する場合)
たとえば、ユーザーが購入の意思を示した自動車のメーカーおよびモデルを収集する、自動車購入サイト(myAutos.com)を考えます。makeノードのキーと値のペアの構文は、MA100=[VALUE]となります。このノードのキーと値のペアの例を次に示します。
- MA100=Honda
- MA100=Acura
- MA100=Toyota
modelノードのキーと値のペアの構文は、MA110=[VALUE]となります。前述の例のmakeノードに基づき、Modelノードのキーと値のペアの例は次のようになります。
- MA110=Accord
- MA110=Civic
- MA110=TL
- MA110=TSX
- MA110=Corolla
- MA110=Camry
makeの値がエンコードされている場合(たとえば、Honda、Acura、Toyotaのかわりに23098、21409、57983を渡した場合)、プラットフォームでは、エンコードされた値に対応する判読可能なカテゴリ名が必要になります。たとえば、次の変換を使用できます。
- MA100=23098 >Honda
- MA100=21409 >Acura
- MA100=57983 >Toyota
このサイトには、次のデータ・マップを作成できます。
キー | キーの解釈 | 値 | 値の解釈 |
---|---|---|---|
MA100 | Make | Honda | Honda |
MA100 | Make | 21409 | Acura |
MA100 | Make | 57983 | Toyota |
MA110 | Make > Model | Accord | Honda > Accord |
MA110 | Make > Model | 89065 | Honda > Civic |
MA110 | Make > Model | TL | Acura > TL |
MA110 | Make > Model | TSX | Acura > TSX |
MA110 | Make > Model | Corolla | Toyota > Corolla |
MA110 | Make > Model | Camry | Toyota > Camry |
ユーザー・データAPIのコール
ユーザー・データAPIは、ユーザー・データをプラットフォームにプログラマティックに転送するために使用できるサーバーサイドAPIです(データをサイトに戻す場合もユーザー・データAPIを使用できます)。モバイル・ユーザーのオフライン属性の分類が終了したら、Mobile Advertising ID (ADIDとIDFA)およびphint (モバイル・ユーザーをオフライン・モバイル属性でタグ付けしたキーと値のペア)を使用してユーザー・データAPIをコールできます。
分類ルールに基づいて、タクソノミに追加したカテゴリにユーザーのオフライン・モバイル属性がマッピングされます。これにより、オフライン・モバイル・データに対して、Oracle Data Cloudプラットフォームでマネタイズやターゲティング、最適化、モデリングおよび分析を実行できるようになります。
たとえば、次のユーザー・データAPIコールでは、サイトID (23109)を使用してデータを収集し、idfaフィールドでIDFA (AEBE52E7-03EE-455A-B3C4-E57283966239)を渡し、create_profileフラグを有効にしてモバイル・ユーザーのユーザー・プロファイルを作成できるようにし(まだ存在しない場合)、ユーザーを属性(purchase = coffee)でタグ付けしています。
http://api.tags.bluekai.com/getdata/23109/v1.2?idfa=AEBE52E7-03EE-455A-B3C4-E57283966239&ccode=US&create_profile=1&phint=purchase=coffee&bkuid=a3c18b227976ad07da5d679c7259f726631d39cf49252926407dc05c3e8be643&bksig=uBtWOAzM6cduAbEeaQoU6%2BkNUL87%2Brxudio2DC00Y5c%3D
ユーザー・データAPIはユーザーごとに1回コールする必要があります。
重要: ユーザー・データAPIにバッチ機能はありません。属性を収集するユーザーごとに個別にAPIをコールする必要があります。たとえば、100万人のユーザーの属性をインポートする場合は、ユーザー・データAPIを100万回コールする必要があります。ユーザー・データAPIでは、1秒当たり約1,000回のコールがサポートされています。
ユーザー・データAPIを使用してデータをプラットフォームに送信する方法の詳細は、ユーザー・データAPIのドキュメントを参照してください。このドキュメントでは、Identifier For Advertising (IDFA)またはGoogle Advertising ID (ADID)を使用してモバイル・ユーザーのデータを送信する方法が具体的に説明されています。
オフライン・モバイル・データのマネタイズまたはアクティブ化
ユーザー・データAPIを使用してオフライン・データをオンボーディングしたら、オフライン・ユーザー属性を表すカテゴリをターゲット・オーディエンスに追加し、それらのオーディエンスを複数のメディア実行プラットフォームに配信できます。詳細は、ターゲット・オーディエンスの作成を参照してください。
データ購入者へのモバイル・データの配信
Oracle Data Cloudプラットフォームによって収集されたモバイル・ユーザー属性は、モバイル・データ購入者に配信できます。モバイル・データ購入者は、そのデータに基づいて、マーケティング担当者や広告主がモバイル・アプリ・ユーザーをそれぞれのオンライン行動に基づいてターゲットできるように計らうことができます。Oracle Data Cloudプラットフォームでは、未加工のIDFAとハッシュ化されたIDFA、ハッシュ化されたAndroid ID、および未加工のMobile Advertising IDとハッシュ化されたMobile Advertising IDにモバイル・ユーザー・カテゴリをリンクできるため、ほとんどのデータ購入者にデータを配信できます。
モバイル・ユーザー・データをデータ購入者に配信する方法の詳細は、メディア・プラットフォームでのMobile Advertising IDおよびハッシュの受入れを参照してください。