15アラート・コンポーザ
この章の内容は次のとおりです。
概要
アラート・コンポーザは、Eメールおよびワークリストにより、Oracle HCM Cloudユーザーに情報通知を送信できるツールです。通知テンプレートを構成し、受信者を追加できます。ホーム・ページで、「ナビゲータ」→「アラート・コンポーザ」をクリックし、ツールを開きます。
通知は、2つのタイプのアラートに事前定義されている条件に基づいてトリガーされます。
-
イベント・アラート: イベント・アラートは、コール元クライアントにより提供されるコンテキストに基づきます。これらは、アプリケーションで特定のイベントが発生したときにトリガーされます。通知のトリガー条件は変更できません。
たとえば、コンプライアンス・ルールからの時間例外は、コンプライアンス例外が使用可能な場合にトリガーされる事前定義済のイベント・アラートです。例外について知らせる通知がマネージャに送信されます。
-
リソース・アラート: リソース・アラートは、Oracle HCM Cloud REST APIリソースに基づきます。リソースが環境にデプロイされている必要があります。RESTリソースにアクセスするために必要な権限を持っている場合は、リソース属性に対するフィルタを定義することで、通知のトリガー条件を変更できます。
たとえば、「ビザ失効」は事前定義済のリソース・アラートで、就業者ビザの失効が近づいたときにトリガーされます。フィルタは、ビザ属性の
emps
リソースで定義されます。就業者およびマネージャに、ビザの失効を知らせる通知が送信されます。
主な機能
アラート・コンポーザ・ツールを使用すると、次のことを実行できます。
-
通知テンプレートおよびEメールの書式を構成し、言語固有のテンプレートを定義します。
-
同じトリガー基準に対し、複数のテンプレートを定義します。
-
Groovy式を使用して、実行時の値を置換する変数を定義します。
-
リソース・アラート通知を処理するジョブをスケジュールします。
-
アラート履歴と通知アクティビティを検証します。
機能権限とアクセス・レベル: 説明
アラート・コンポーザ・ツールを使用してアラートを実行するには、次の機能権限が必要です。
機能セキュリティ権限 | 説明 | ジョブ・ロールへの割当 |
---|---|---|
アラート・コンポーザへのアクセス HRC_ACCESS_ALERTS_COMPOSER_PRIV |
アラート・コンポーザへのアクセスを許可します。 |
人材管理統合スペシャリスト |
事前定義アラートの処理 HRC_PROCESS_PREDEFINED_ALERT_PRIV |
事前定義アラートの処理を許可します。 |
人材管理統合スペシャリスト |
さらに、REST APIリソースにアクセスして、ユーザー定義および事前定義のリソース・アラートを作成または変更する機能権限が必要です。たとえば、ユーザーがemps
リソースとその子リソースにアクセスして、このリソースに基づくアラート・テンプレートを管理するには、RESTサービスの使用 - 従業員機能権限が必要です。
アクセス・レベル
アクセス・レベルは、アラートに対して実行できる処理を制御するために、アラートに対して事前定義されます。たとえば、「アクセス・レベル」が「拡張可能」または「ユーザー」に設定されている場合は、アラートの新規テンプレートを追加したり、事前定義済テンプレートを変更したりできますが、「アクセス・レベル」が「システム」に設定されている場合はできません。
アラートの編集時にアラートのアクセス・レベルを表示できますが、変更はできません。アクセス・レベルに「システム」または「拡張可能」が事前定義されているアラートは常に有効です。無効にはできません。ユーザー定義のアラートは、デフォルトで有効になっています。無効にできます。
次の表に、アラートのアクセス・レベルを示します。
アクセス・レベル | システム | 拡張可能 | ユーザー |
---|---|---|---|
アラートの表示 |
はい |
はい |
はい |
アラートの無効化 |
いいえ |
いいえ |
はい |
新規テンプレートの追加 |
いいえ |
はい |
はい |
テンプレートの変更 |
いいえ |
はい |
はい |
テンプレートの削除 |
いいえ |
いいえ |
はい |
テンプレートの無効化 |
いいえ |
はい |
はい |
受信者の追加 |
はい |
はい |
はい |
関数とGroovy式: 説明
このトピックでは、アラート・コンポーザを使用してアラートを構成するときに使用できる、様々な関数およびGroovy式について説明します。
個人の戻り属性には、次のいずれかになります。
-
PersonId
-
WorkEmail
-
DisplayName
-
FirstName
-
LastName
-
UserName
関数
次の表に、アラートでサポートされている関数を示します。
関数 | 説明 | 使用方法 | 例 |
---|---|---|---|
|
指定された レコードが見つからない場合は、 |
|
|
|
指定された レコードが見つからない場合は、 |
|
|
|
指定された レコードが見つからない場合は、 |
|
|
|
指定された レコードが見つからない場合は、 |
|
|
|
指定された レコードが見つからない場合は、 |
|
|
|
指定された レコードが見つからない場合は、 |
|
|
|
指定された ユーザー名が見つからない場合は、 |
|
|
|
システム日付を返します。 |
|
|
|
システムの日付と時刻を返します。 |
|
|
|
指定されたJava数値書式に数値を書式設定します。サポートされている書式は、https://docs.oracle.com/javase/7/docs/api/java/text/NumberFormat.htmlを参照してください。 |
|
|
|
指定されたJava日付書式に日付を書式設定します。サポートされている書式は、https://docs.oracle.com/javase/7/docs/api/java/text/SimpleDateFormat.htmlを参照してください 注意: 指定する日付は、Application Developer Framework (ADF) REST応答のデフォルトの日付書式である、[yyyy-MM-dd]書式である必要があります。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
LOV属性の表示値を返します。 |
|
|
|
指定されたアプリケーション名およびコンテキストのURIを作成します。 |
|
|
|
コレクションをループします。この機能は、次のようにメッセージ・コンテンツ内に表を作成するために使用できます。
リソース名はカンマで区切られ、その後に指定されるコンテンツは指定された順序でデータを追加するために使用されます。各ResourceName1レコードに対し、ResourceName2の対応するコンテンツが追加されます。これはネストされた方法で行われます。 ルール
|
サンプル1
サンプル2
|
サンプル1 Johnさんこんにちは。 次の30日間に、この従業員のビザが失効します。
よろしくお願いいたします。 サンプル2 Johnさんこんにちは。 次の30日間に、この従業員のビザが失効します。
よろしくお願いいたします。 |
Groovy式
アラート・コンポーザでは、変数の置換および実行時に指定された値に基づく条件の追加を行うGroovy式がサポートされています。次の表に、いくつかの例を示します。
Groovy式 | 例 |
---|---|
|
Johnさんこんにちは。 GBで発行されたあなたのビザが2018-09-28に失効します。 |
|
Johnさん、 従業員: US INに対して複数のビザが発行されています よろしくお願いいたします。 管理者 |
アラート通知の設定
アラート・コンポーザ・ツールを使用して、イベント・アラートおよびリソース・アラートの通知を設定できます。アラートのアクセス・レベルによって、アラートに対して実行できる構成の範囲が決まります。
テンプレートの定義
テンプレートを定義するには、アラートの編集ページの「テンプレート」タブを使用します。テンプレートは、アラート通知の書式です。これには、メッセージ・テキストとメッセージ内の変数に対して定義されるGroovy式が含まれます。アクセス・レベルが「拡張可能」および「ユーザー」のアラートでは、複数のテンプレートを定義し、テンプレートを変更および無効化できます。アクセス・レベルが「ユーザー」のアラートでは、テンプレートを削除できます。
アラート・コンポーザでは、複数言語テンプレートがサポートされます。テンプレートの作成時に、デフォルト言語を設定できます。テンプレートを保存すると、インストールされている言語に基づいて、言語固有のテンプレートがアプリケーションに作成されます。実行時には、受信者のユーザー言語プリファレンスに基づいてワークリスト通知が送信されます。対応する言語テンプレートが見つからない場合、アラート・コンポーザではデフォルト言語テンプレートが使用されます。
テンプレートでGroovy式を定義し、変数を実行時データで置き換える条件を追加できます。
Eメールおよびワークリストによって受信者に配信されるアラート通知を設定できます。Eメールの式を指定した場合、通知はEメールで配信されます。ユーザー名の式を指定した場合は、通知はEメールとワークリストの両方で配信されます。
フィルタの定義
「フィルタ」タブを使用して、リソース・アラートにフィルタを定義します。RESTリソースへのアクセスに必要な権限がある場合は、特定のリソースに対するフィルタを定義し、通知のトリガー条件を設定できます。特定の属性のフィルタ式を追加することによって、リソースに対して複数のフィルタを定義できます。たとえば、事業所、組織、法的エンティティなどについて、emps
リソースおよびその子リソースにフィルタを定義できます。
実行オプションの設定
「実行オプション」タブを使用して、開始日や頻度などのアラートの実行時の設定を指定します。アラートのアクティビティ・ログを有効にして、「アラート履歴」ページでアクティビティを表示することもできます。
リソース・アラートの構成
このトピックでは、リソース・アラートの構成手順について説明します。
リソース・アラートを構成するには、次のものが必要です。
-
ユーザー定義アラートと事前定義アラートを作成および変更するために必要な機能権限およびアクセス・レベル。
-
REST APIリソースにアクセスするために必要な機能権限。
リソース・アラートの作成
リソース・アラートの作成は、3ステップのプロセスです。
-
フィルタの定義
-
テンプレートの定義
-
実行オプションの設定
リソース・アラートを作成するステップは、次のとおりです。
-
「ナビゲータ」→「アラート・コンポーザ」をクリックします。
-
「アラート」ページで、「追加」→「リソース・アラート」を選択します。
-
「リソース・アラートの追加」ページで、アラートの名前と説明を入力します。
文字制限は、名前が80文字で、説明が2000文字です。
-
「リソース」フィールドで、アラートを作成するRESTリソースを選択します。たとえば、従業員リソースのアラートを作成する場合は、
emps
を選択します。
フィルタの定義
フィルタを使用すると、アラート通知のトリガー条件を指定できます。フィルタを定義するには:
-
「フィルタ」タブで、「フィルタの追加」をクリックします。
-
「フィルタの追加」ページの「リソース」フィールドで、特定の親または子リソース(
emps/assignments
など)を選択します。 -
「式の追加」をクリックして、リソースの特定の属性に対するフィルタ式を定義します。
-
「式の編集」ダイアログ・ボックスで、フィルタ式を作成するためのパラメータを選択します。
-
式の名前を入力します。
-
「プリフィクス」オプションを使用して、式のプリフィクス演算子を指定します。
-
「属性」フィールドで、フィルタ条件を指定するリソース名および属性を選択します。
-
「演算子」フィールドで、論理演算子を選択します。
-
「値」フィールドで、条件の値を指定します。
-
「式に挿入」をクリックします。
-
「適用」をクリックします。「フィルタの追加」ページに式が表示されます。
-
さらにフィルタ式を追加するには、ステップ3と4を繰り返します。
-
-
「適用」をクリックして、「リソース・アラートの追加」ページに戻ります。
-
リソース・アラートにさらにフィルタを定義するには、ステップ1から4を繰り返します。
テンプレートの定義
テンプレートを使用すると、アラート通知の書式を定義できます。テンプレートを定義するには:
-
「リソース・アラートの追加」ページで、「テンプレート」タブをクリックしてから、「テンプレートの追加」をクリックします。
-
テンプレートの名前を入力し、デフォルト言語を選択します。テンプレート名の文字制限は80文字です。
テンプレートはデフォルトで有効です。
-
「編集」をクリックし、「受信者およびメッセージの管理」を選択します。
-
「テンプレートの編集」ページで、「受信者の追加」をクリックします。
-
「連絡方法」列で、値リストから「Eメール」または「ワークリスト」を選択します。
-
「式」フィールドで、次の操作を行います。
-
受信者のEメール・アドレスまたはユーザー名の式を追加します。
-
複数の受信者のEメール・アドレスまたはユーザー名の式をカンマで区切って追加します。
または
-
「式」アイコンをクリックし、式を作成します。
-
「式の編集」ダイアログ・ボックスで、次のいずれかのステップを実行します。
-
「リテラル」フィールドに、式を直接入力します(例: john.smith@oracle.com)。
-
式を作成するためのパラメータを選択します(例:
${emps.WorkEmail}
)。その他の例は、「アラート・コンポーザ」の「関数とGroovy式: 説明」を参照してください。
-
-
「適用」をクリックします。「テンプレートの編集」ページに式が表示されます。
-
-
-
「メッセージ」セクションで、通知形式を設定します。
-
メッセージ・テキストのHTMLまたはテキスト形式を選択します。
-
メッセージの件名を入力します。「式」アイコンを使用して、件名に式を挿入することもできます。
-
「グループ別」フィールドで、メッセージをグループ化するために使用する属性の式を指定します。
-
リッチ・テキスト・エディタを使用して、メッセージ・テキストを書式設定します。フォント、サイズ、スタイルなどのオプションを選択できます。
-
メッセージ・テキストを入力します。テキストに式を含めることもできます。
式を作成してメッセージ・テキストに挿入するには、「式の挿入」オプションを使用します。
-
-
「適用」をクリックして変更内容を保存し、「リソース・アラートの追加」ページに戻ります。
実行オプションの設定
「実行オプション」を使用すると、アラートの実行時設定を指定できます。実行オプションを設定するには:
-
「リソース・アラートの追加」ページで、「実行オプション」タブをクリックします。
-
「自動的に実行」フィールドで、次のいずれかのオプションを選択します。
-
アラート通知を即時に実行する場合は、「要求時」を選択します。
-
指定の時間に通知を実行する場合は、「スケジュール」を選択します。通知の頻度と開始日時を指定します。
-
-
「アクティビティ履歴のログ」フィールドを「はい」に設定して、「アラート履歴」ページでのアラートのアクティビティ・ロギングを有効にします。
-
「重複メッセージの停止」オプションの設定を指定します。
-
「実行のシミュレーション」オプションを「はい」に設定して、アラートをテスト実行します。通知は、非本番環境ではトリガーされません。ただし、「アラート履歴」ページで通知内容を確認することはできます。
-
「スケジュール」をクリックして、「アラート」ページに戻ります。
-
リソース・アラートを選択し、「処理」→「実行」をクリックしてアラートを実行します。
イベント・アラートの構成
このトピックでは、イベント・アラートの構成手順について説明します。イベント・アラートを構成するには、事前定義アラートおよびユーザー定義アラートを変更するために必要な機能権限およびアクセス・レベルを持っている必要があります。
イベント・アラートは、事前定義済のトリガー条件に基づきます。これらの条件を変更したり、新しいアラートを作成することはできません。ただし、通知テンプレートを編集したり、事前定義アラートの新しいテンプレートを追加したりすることはできます。
イベント・アラートの変更
イベント・アラートを変更するステップは、次のとおりです。
-
「ナビゲータ」→「アラート・コンポーザ」をクリックします。
-
「アラート」ページで、イベント・アラートを検索します。
-
「処理」→「編集」を選択して、「イベント・アラートの編集」ページを表示します。
テンプレートの変更
テンプレートを使用すると、アラート通知の書式を定義できます。既存のテンプレートを変更するには:
-
「テンプレート」タブで、「編集」をクリックし、テンプレートの「受信者およびメッセージの管理」を選択します。
-
「テンプレートの編集」ページで、「受信者の追加」をクリックして新しい受信者を追加します。
-
「連絡方法」列で、値リストから「Eメール」または「ワークリスト」を選択します。
-
「式」フィールドで、次の操作を行います。
-
受信者のEメール・アドレスまたはユーザー名の式を編集または追加します。
-
複数の受信者のカンマ区切りのEメール・アドレスまたはユーザー名の式を編集または追加します。
-
-
「メッセージ」セクションで、通知形式を設定します。
-
メッセージ・テキストのHTMLまたはテキスト形式を選択します。
-
メッセージの件名を編集します。件名に式を含めることもできます。
-
リッチ・テキスト・エディタを使用して、メッセージ・テキストを書式設定します。フォント、サイズ、スタイルなどのオプションを選択できます。
-
メッセージ・テキストを編集します。テキストに式を含めることもできます。
式を作成してメッセージ・テキストに挿入するには、「式の挿入」オプションを使用します。
-
-
「適用」をクリックして変更内容を保存し、「イベント・アラートの編集」ページに戻ります。
実行オプションの設定
「実行オプション」を使用すると、アラートの実行時設定を指定できます。アラートの実行オプションを設定するには:
-
「イベント・アラートの編集」ページで、「実行オプション」タブをクリックします。
-
「重複メッセージの停止」オプションの設定を指定します。
-
「アクティビティ履歴のログ」フィールドを「はい」に設定して、「アラート履歴」ページでのアラートのアクティビティ・ロギングを有効にします。
-
「実行のシミュレーション」オプションを「はい」に設定して、アラートをテスト実行します。通知は、非本番環境ではトリガーされません。ただし、「アラート履歴」ページで通知内容を確認することはできます。
-
「保存してクローズ」をクリックして、「アラート」ページに戻ります。
アラート履歴の表示
「アラート履歴」ページで、アクティビティ・ロギングが有効になっているアラートの履歴を表示できます。アラート・ステータス、開始日、期間、メッセージ、処理エラーなどの統計を表示できます。アラート名をクリックすると、アラートの詳細情報が表示されます。
「アラート履歴」ページのアラートは、3つのカテゴリに分類されます。
-
処理済: 処理済のアラートが表示されます。
-
実行中: 現在処理中のアラートが表示されます。
-
スケジュール済: 将来の日付に実行するようにスケジュールされているアラートが表示されます。
アラート実行エラーの解決
このトピックでは、アラートの実行時に発生する可能性があるエラーを識別して解決する方法について説明します。
次のステップを実行します。
-
アラートを設定するときに、「実行オプション」タブの「アクティビティ履歴のログ」オプションを有効にします。
-
「アラート履歴」ページを使用して、アラートの成功、警告およびエラー・メッセージを確認します。
-
アラート・ログを確認し、テンプレートおよびフィルタの処理エラーを特定します。
-
必要に応じて、イベント・アラートのアプリケーション・ログを確認し、必要な処理を実行します。
-
必要に応じて、リソース・アラートの「スケジュール済プロセス」ページで診断ログを確認し、必要な処理を実行します。