36個別報酬プラン
この章の内容は次のとおりです。
個別報酬の概要
マネージャおよびスペシャリストが、通常の報酬サイクルとは別に報酬を授与できるようにすることができます。たとえば、ライン・マネージャは他のユーザーにスポット賞与の付与を行ったり、株式の付与を行うことができます。報酬マネージャは、教育費償還を付与できます。また、個人が寄付プランや貯蓄プランへの自身の拠出金を管理できるようにすることも可能です。これらのオフサイクルの割付および拠出金には、適切な給与エレメントと個別報酬プランが必要です。
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給与エレメントは、支払または配分の詳細を処理のために給与に伝達します。たとえば、社用車プランには、様々な旅費範囲について異なる報酬額を使用したオプションがあります。スポット賞与プランには、様々な固定金額を使用したオプションがあります。
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プランには、給与エレメントとプランをリンクするオプションが少なくとも1つ含まれます。また、いつ支払を開始して終了するか、プランに適格なユーザー、および個人がプランにアクセスできる時期も決定されます。たとえば、車両手当プランには、旅費範囲に応じて、1月1日に開始し、12月31日に終了する月次支払用の複数のオプションがあります。フィールド・セールスおよびサービス・ジョブの個人はこのプランに適格であり、マネージャは個人を採用、異動および昇格・昇進させるときに報酬を授与できます。
また、関係するプランを報酬履歴に追加することで、個人が非通貨の報奨を表示できるようにすることも可能です。固定支払または拠出金を含むプランに関連付けられた給与エレメントを報酬履歴に追加して、個人が自分の支払および拠出金の履歴を表示できるようにします。
プラン: 説明
マネージャが通常の報酬サイクルとは別に個人に報酬を授与できるようにすることができます。たとえば、ライン・マネージャは他のユーザーにスポット賞与の付与を行ったり、株式の付与を行うことができます。報酬マネージャは、教育費償還を付与できます。また、個人が寄付プランや貯蓄プランへの自身の拠出金を管理できるようにすることも可能です。これを行うには、「報酬」作業領域の「個別報酬プラン」タスクを使用して個別報酬プランを作成します。
オプション
各プランには、少なくとも1つのオプションが必要です。非通貨オプション(株式付与など)または通貨オプションを設定できます。オプションを作成する場合、処理のために割付または拠出金を給与に伝達する給与エレメントを選択する必要があります。エレメントに対して構成される入力パラメータは、報酬や拠出金を割り付けるときに個人に表示される内容です。
オプションで予算計画プールを選択して、マネージャがオフサイクルおよびオンサイクルの報酬を追跡できるようにすることが可能です。
支払日
プランの支払をいつ開始および終了するかは、標準日付ルールを使用して指定します。たとえば、報奨を提示する個人は支払日を設定できます。車両手当などの固定支払の終了日を設定するだけで十分です。
適格性
適格プロファイルを使用して、特定の個人が参加する資格を持つ報酬プランまたはオプションを制御します。適格プロファイルは、プラン、オプション、またはその両方に添付できます。たとえば、社用車プランに、営業およびフィールド・サービス部門のみを含む適格プロファイルを添付します。オプションには、支払金額を旅費範囲で制限する追加のプロファイルを添付します。
報酬適格評価では、エレメント適格レベルで定義された基準を使用して、個人が報酬プランに適格かどうかを決定することもできます。適格性を制御するベスト・プラクティスは、適格プロファイルまたはエレメント適格のいずれかを使用することですが、両方を使用しないことです。
複数のプロファイルを追加する場合は、少なくとも1つのプロファイルを必須としてマークする必要があります。
プラン・アクセス制限
個別報酬を開始、更新または中止できるユーザーと、プラン・アクセスを制限する状況を管理します。たとえば、「マネージャ個人拠出金」処理を使用する個人のみが拠出金を開始、更新または中止できるようにプランを設定するとします。
インストラクション・テキスト
プランに報酬を授与するマネージャまたはプランに貢献している個人を支援するために、オプションのインストラクション・テキストを作成できます。関連する文書やWebサイトへのリンクも含めることができます。
プラン・アクセス制限
プラン制限を使用してマネージャが個別報酬を作成、更新または中断できる状況を制御します。同じ制限を使用して、貯蓄プランや寄付プランに貢献する個人に対して同様の処理を制御できます。これらの制限は、「報酬」作業領域の「個別報酬プラン」タスクを使用して個別報酬プランを作成する場合に構成します。
アクセスを制限するかどうか
「プラン・アクセス」タブでは、プランへのアクセスを制限するかどうかを最初に決定します。
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「いいえ」を選択すると、プランはすべてのページですべてのユーザーが使用できるようになり、個人を採用したり、個別報酬や個人拠出金を管理できるようになります。このオプションを選択することはほとんどありません。たとえば、賞与プランへのアクセスを制限しない場合、個人は自分の賞与プランを管理できます。これは、そのプランが「個人拠出金の管理」処理に表示されるためです。
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「はい」を選択した場合、プランを使用可能にする処理を少なくとも1つ追加する必要があります。関連するすべてのアクションを選択していることを確認してください。たとえば、「オファーの作成」処理に表示されるようにプランを設定したとします。さらに、「オファーの変更」フローでも表示する必要があります。そうしないと、報酬割付のあるオファーを変更する場合、その割付を表示できなくなります。また、変更を送信すると、割付はオファーから削除されます。同様に、「処理待ち就業者の追加」処理を含めない場合、割付を表示できず、繰り越されません。オプションで、個人が割付や拠出金を開始、更新または中止できる時期について、対応するアクセス詳細を構成できます。
「すべて」処理
デフォルトの処理「すべて」は「プラン・アクセスの制限」を「いいえ」に設定することと似ていますが、アクセス詳細を構成できる点が異なります。この処理によって、「拠出金の管理」処理など、リストで使用可能なすべての処理へのプラン・アクセスがオープンします。基本的には、プランの適格基準を満たすユーザーであれば誰でもプランを表示できます。たとえば、この処理を賞与プランに追加した場合、プランに適格な全員が賞与を授与できます。
他のアクセス処理を追加する場合、「すべて」処理を「採用」などの別の処理に変更する必要があります。その後、「追加」アイコンを使用して、そのプランに適した他のアクセス処理を追加できます。
HR処理
HR処理の一環として個人に対してプランを使用可能にするには、1つ以上のHR処理を追加します。たとえば、転居手当プランに「異動」処理を追加して、その処理を使用して誰かが異動したときに、そのプランを使用できるようにします。
「個別報酬の管理」処理
オフサイクル報酬を誰かに授与する場合に個人がこのプランを使用できるようにするには、「個別報酬の管理」処理を追加します。この処理のみを追加することも、HR処理を追加することもできます。次に例を示します。
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マネージャが賞与プランを使用してパフォーマンスに対して報酬を与えることができるようにします。したがって、プラン・アクセスを「個別報酬の管理」処理に制限します。
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マネージャが賞与プランを使用して、支度金を与えたり、パフォーマンスに対して報酬を与えたりできるようにします。したがって、プラン・アクセスを「採用」処理と「個別報酬の管理」処理に制限します。
「個別報酬の運用管理」処理
HR担当者、報酬スペシャリストおよび報酬マネージャのみがプランを使用できるようにするには、「個別報酬の運用管理」処理を追加します。これらの個人は、「報酬の設定管理」タスクを使用して、このプラン・アクセス処理を持つプランを参照できます。
「拠出金の管理」処理
退職(定年他)貯蓄や慈善などに貢献する個人がプランを使用できるようにするには、「拠出金の管理」処理を追加します。拠出金プランに他の処理は追加しないでください。
プラン: 例
「プランの管理」タスクを使用して、1回かぎりまたは継続的な支払や拠出金に対して様々な個別報酬プランを作成できます。これらのシナリオでは、一般的ないくつかのプランを示し、それを設定するための基本的なステップを示します。
スポット賞与
シナリオ: 1回かぎりのスポット賞与支払を行うプランを作成します。
基本的な構成ステップ:
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マネージャが入力した金額を1回で支払うように給与エレメントを設定します。
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各給与期間に1回、給与エレメントを処理します。
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支払開始日を指定します。これが1回かぎりの支払であることを示すために、終了日は空白のままにします。
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オプションで、適格プロファイルを追加して、プランを適用できる対象者を制限します。
例: 導出要因を使用して、勤続年数が1年以上の正規従業員を特定します。
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アクセスを制限します。
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HR処理による制限: 就業者の採用、追加および昇格・昇進に関連する適切な処理を選択します。
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マネージャが「自分のチーム」内で賞与を授与できるように、「個別報酬の管理」」処理を追加します。
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株式付与
シナリオ: 1回かぎりの株式付与を行うプランを作成します。
基本的な構成ステップ:
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マネージャが入力した金額を1回で支払うように給与エレメントを設定します。
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各給与期間に1回、給与エレメントを処理します。
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付与開始日を指定します。これが1回かぎりの支払であることを示すために、終了日は空白のままにします。
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オプションで、適格プロファイルを追加して、プランを適用できる対象者を制限します。
例: 導出要因を使用して、勤続年数が5年以上の正規従業員を特定します。
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アクセスを制限します。
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HR処理による制限: 就業者の採用、追加および昇格・昇進に関連する適切な処理を選択します。
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マネージャが「自分のチーム」内で株式を付与できるように、「個別報酬の管理」」処理を追加します。
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車両手当
シナリオ: 2つの支払オプションを使用した継続的な車両手当プランを作成します。
例: 地域の営業マネージャは車両手当に適格です。本社を基準にしたテリトリの半径によって、手当の金額が決まります。この表は、各オプションの設定を示しています。
本社からの半径 | 月次手当(USドル) | オプション設定 |
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100マイル以内 |
300 |
テリトリが半径100マイル以内で、入力値が300の場合の、固定処理給与エレメント |
100マイルより大きい |
500 |
テリトリが半径100マイルの範囲外で、入力値が500の場合の、固定処理給与エレメント。 |
両方のプランに共通の基本的な構成ステップ:
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月に1回、給与エレメントを処理します。
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マネージャが就業者との契約に基づいて開始日と終了日を入力できるようにします。たとえば、マネージャは、月の初日、または昇格・昇進後の最初の給与期間に支払を開始します。マネージャは、1年の終わりに支払を終了します。
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ジョブが地域営業マネージャである従業員のみを適格とする、適格プロファイルを添付します。
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就業者の採用、追加、昇格・昇進および異動に関連する処理を選択して、HR処理によりアクセスを制限します。
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マネージャが「自分のチーム」内で車両手当を授与または更新できるように、「個別報酬の管理」を追加します。
就業者の慈善活動または貯蓄
シナリオ: 就業者が自分の拠出金の管理に使用するプランを作成します。
基本的な構成ステップ:
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金額またはパーセントのいずれかの拠出金に対してプラン・オプションを設定します。
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固定金額またはパーセントのいずれかの対応する入力値を使用して、各給与期間に拠出する給与エレメントを設定します。
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開始日を入力します(通常は、次のカレンダ年の1月1日、またはオープン登録の後)。
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アクセス処理「拠出金の管理」を選択して、就業者がプランのインスタンスを管理できるようにします。就業者が初めて登録できる期間、既存の拠出金を更新できる期間、または拠出金を廃止できる期間を定義できます。たとえば、就業者がいつでも割付を作成できるようにします。割当を更新および廃止できる期間を、指定した期間(11月15日から30日までのオープン登録期間など)に制限します。
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必要に応じて、就業者の特定のプラン・ポリシーを明確にするインストラクションを追加します。
予算計画に対するオフサイクルおよびオンサイクル報酬の追跡をマネージャに許可する方法
マネージャが予算計画プールをレビューするときに、オフサイクルおよびオンサイクル報酬を使用可能にできます。ワークフォース報酬プランの予算計画プールを個別報酬プランに関連付けることによって、追跡を使用可能にします。
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ワークフォース報酬プランは、「報酬」作業領域の「ワークフォース報酬プラン」タスクを使用して作成します。
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プラン詳細を構成します。
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予算計画プールを構成します。
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少なくとも1つのワークシート報酬コンポーネントを作成し、予算計画プールと関連付けます。
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「報酬サイクルの開始」プロセスを実行します。
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報酬サイクルの開始後、予算計画プールを個人報酬プラン・オプションに関連付けます。「報酬」作業領域で、「個別報酬プラン」タスクを使用します。関連プラン・オプションを追加または編集するときに、予算計画プールを選択します。
FAQ
プランへのアクセスを制限する処理を追加できないのはなぜですか。
「プラン・アクセス」タブの「個別報酬プランの作成」ページで処理値として現在「すべて」が選択されている場合、「追加」処理は無効です。特定のHR処理に対してのみプランを使用可能にするには、特定の処理を選択して、「すべて」の値を置換します。最初のHR処理を選択した後、行を追加し、追加の処理を選択できます。選択した個々のHR処理ごとにアクセス詳細を指定します。
「すべて」オプションを選択すると、就業者とマネージャの両方がプランにアクセスできるようになるため、慎重に使用してください。このオプションを選択することはほとんどありません。「すべて」の値を置換すると、そのプランは、選択したトランザクション内でのみ使用可能になります。
プラン・アクセス制限とアクセス・セキュリティの違いは何ですか。
セキュリティは、「個別報酬」、「個人拠出金の管理」、「個別報酬の運用管理」などの処理へのアクセス権を付与するロールを決定します。
プラン・アクセス制限は、個人拠出金や個人報酬など、プランを表示する処理を決定します。また、個人が拠出金や割付を追加、編集、または削除できるかどうかの制御も可能にします。