1休暇欠勤管理の実装の概要
この章の内容は次のとおりです。
休暇欠勤管理の設定方法
休暇欠勤プランと休暇欠勤タイプを作成して、従業員が休暇を記録できるようにします。承認ルールを定義し、産休や疾病休暇といった長期休暇での従業員の支払ルールを設定します。「設定および保守」作業領域のこれらのタスクは、「休暇欠勤管理」機能領域のワークフォース配置オファリングの一部です。
はじめに
開始する前に、「休暇欠勤管理」機能領域で使用可能な次のドキュメントを確認します。
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設定タスクのリスト
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オファリングの構成時に選択できる機能領域と機能の説明
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オファリングに関連付けられたビジネス・オブジェクトとエンタープライズ・アプリケーションのリスト
設定手順
次の図は、休暇欠勤管理の設定手順を示しています。
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要件に基づいて参照、値セットおよびフレックスフィールドに新しい値を追加します。休暇欠勤オブジェクトに、事前定義済のルールに加え、FastFormulaを記述してルールを追加します。休暇欠勤プランの支払レートを定義するためにレート定義を作成します。
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休暇欠勤プランを作成して、有給休暇と付与のルールを定義します。休暇欠勤期間中に付与を継続して受け取るために就業者に記入してもらう証明要求を作成します。休暇欠勤の記録中に就業者が選択する休暇欠勤事由を作成します。
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病欠や休暇などの休暇欠勤タイプを作成し、各タイプに関連するプラン、事由および証明書を関連付けます。
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私用や病欠などの休暇欠勤カテゴリを作成し、それらに関連する休暇欠勤タイプを関連付けて、報告用に使用します。

休暇欠勤コンポーネントの仕組み
企業の休暇欠勤管理ポリシーを反映するように、タイプ、カテゴリ、パターン、プラン、事由および証明などの休暇欠勤コンポーネントを構成します。
コンポーネント | 「休暇欠勤」作業領域内での場所 |
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休暇欠勤タイプ |
「休暇欠勤タイプ」タスクを使用して、休暇欠勤タイプを作成します。 |
休暇欠勤カテゴリ |
「休暇欠勤カテゴリ」タスクを使用して、休暇欠勤カテゴリを作成し、これらを休暇欠勤タイプに関連付けます。 |
休暇欠勤パターン |
休暇欠勤タイプの作成時に、「機能の表示」タブでこれらの設定を確認します。 |
休暇欠勤プラン |
「休暇欠勤プラン」タスクを使用して、休暇欠勤プランを作成します。 |
休暇欠勤事由 |
「休暇欠勤事由」タスクを使用して、休暇欠勤事由を作成します。 |
休暇欠勤証明 |
「休暇欠勤証明」タスクを使用して、要件を設定します。次に、その休暇欠勤タイプに関連付けられたすべての休暇欠勤がその要件の対象になるように、要件を処理項目として休暇欠勤タイプに関連付けます。 |
この図は、休暇欠勤管理コンポーネントがどのように連携するかを示しています。

休暇欠勤タイプ
疾病休暇などの休暇欠勤タイプを作成する場合、ユーザーがそのタイプの休暇欠勤をいつ記録または管理するかを決定するルールを含めます。たとえば、特定の期間の休暇欠勤のみを記録できるように、就業者を制限できます。入力された期間が最大値を超えると、アラートが表示されます。
特定の休暇欠勤タイプを記録または承認するときに、特定のユーザー・ロールに対して表示または非表示にするフィールドやセクションを決定します。
休暇欠勤カテゴリ
休暇欠勤カテゴリを作成して、レポートおよび分析の休暇欠勤タイプをグループ化します。たとえば、家族休暇という休暇欠勤カテゴリを作成し、産休、父親産休、育児などの休暇欠勤タイプと関連付けることができます。
休暇欠勤パターン
休暇欠勤パターンには、休暇欠勤タイプを作成するための開始点として使用できる事前定義されたルールのセットが含まれます。休暇欠勤タイプを作成する際には、次の事前定義されたパターンのいずれかに関連付ける必要があります。
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疾病または負傷
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出産または養子縁組
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一般休暇欠勤
たとえば、一般休暇欠勤パターンを選択して、有給休暇プランで累積された時間を使用して休暇時間をスケジュールするように休暇欠勤タイプを作成できます。
選択したパターンによって、次のことが決定されます。
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休暇欠勤タイプのページに特別なフィールドを表示するかどうか
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休暇欠勤記録の様々な側面を表示および処理するために使用可能なオプション
たとえば、疾病または負傷のパターンには、出産または養子縁組に休暇欠勤タイプを適用するかどうかを選択するフィールドが表示されます。
休暇欠勤プラン
休暇時間を累積し、休暇欠勤期間中に支払を受け取るためのルールを定義するために、休暇欠勤プランを作成します。休暇欠勤タイプに休暇欠勤プランを少なくとも1つ関連付ける必要があります。
休暇欠勤プランを使用して休暇欠勤をスケジュールするには、そのプランで定義された単位が、関連する休暇欠勤タイプで定義された単位と一致する必要があります。単位が異なる場合は、換算式を定義して休暇欠勤タイプに関連付けることができます。この算式は、休暇欠勤タイプの単位が時間数または日数の場合にのみ適用できます。
休暇欠勤事由
休暇欠勤のスケジューリング時に選択する休暇欠勤事由を作成します。休暇欠勤事由は、休暇欠勤タイプとは無関係です。複数の休暇欠勤タイプに対して同じ理由を使用できます。休暇欠勤タイプを作成する際には、その理由をタイプに関連付けます。
休暇欠勤証明
休暇欠勤を承認するために文書を必要とする休暇欠勤の証明要件を作成します。たとえば、疾病による休暇欠勤の場合、規定期間内に、就業者が医師の診断書を送信する必要があるという条件を設定します。これにより、休暇欠勤期間のすべての支払いが確実に行われます。
個人のスケジュールの決定方法
個人の勤務時間は様々な方法で設定できます。選択した期間の個人の正式スケジュールは、次の情報を使用して自動的に決定されます。
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現在のスケジュールまたは勤務時間
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カレンダ・イベントおよび勤務スケジュール・リソース例外
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休暇欠勤エントリ
検索順序
このフロー・チャートに、アプリケーションが割当てに適用する前にユーザーのスケジュールを検索する順序を示します。

公開済スケジュール(ワークフォース管理)
公開済スケジュールは、各個人の雇用勤務週、プライマリ勤務スケジュールまたは標準勤務時間を使用して作成されます。他のスケジューリング・アプリケーションの公開済スケジュールから作成されることもあります。公開済スケジュールには該当するカレンダ・イベントおよび休暇欠勤が表示されます。
雇用勤務週
雇用勤務週は個人の雇用レコードに構成されます。勤務週から作成されたスケジュールには該当するカレンダ・イベントおよび休暇欠勤も表示されます。
プライマリ勤務スケジュール
プライマリ勤務スケジュールは次のいずれかのレベルにリンクされます。勤務スケジュールから作成されたスケジュールには、割り当てられているカレンダ・イベントやリソース例外、該当する休暇欠勤も表示されます。
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個人のプライマリ・アサイメント
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ポジション
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ジョブ
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部門
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事業所
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雇用主
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企業
プロセスは、指定された順序でスケジュール階層内を移動し、プライマリ・スケジュールが見つかるとすぐに停止します。この階層例では、3つのレベルに関連付けられたプライマリ勤務スケジュールを示します。

部門1および部門3には、プライマリ・スケジュールはありません。したがって、企業レベルのプライマリ・スケジュールは、1人の例外を除き、全員に適用されます。部門3の1人は、プライマリ・アサイメントのスケジュールを持っています。このプライマリ・アサイメントのスケジュールが、企業レベルのスケジュールのかわりに適用されます。部門2にはプライマリ・スケジュールがあり、その部門の全員に適用されます。
すべてのユーザーのスケジュールは、レベルに関係なく、プライマリ勤務スケジュールに存在するカレンダ・イベントおよびリソース例外の影響を受けます。これらは、選択された期間中に従業員が報告した休暇欠勤の影響も受けます。
標準勤務時間
標準勤務時間は、個人のプライマリ・アサイメントで定義されます。これらの時間から作成されたスケジュールには該当するカレンダ・イベントおよび休暇欠勤も表示されます。
デフォルト時間
スケジュールが見つからない場合は、デフォルト時間である午前8:30から午後5:00が使用されます。