30総合報酬文書の概要

この章の内容は次のとおりです。

基本給、変動報酬、付加給付、福利厚生費用および有給休暇などの支払を含む、総合報酬文書の設計、内容および提供を構成します。次の図は、総合報酬文書の構造と、項目およびカテゴリの表示方法を示しています。

項目を作成し、それらをカテゴリに追加した後で、
カテゴリを文書定義に組み立て、総合報酬文書を
生成します。

総合報酬文書を作成するには、アプリケーションの実装者と報酬管理者が次の手順を実行します。

  1. 就業者に支払われる見積金額または実績金額のソースまたは会社で発生したコストにマップする報酬項目を定義します。

  2. 報酬項目を現金報酬、基本給、福利厚生または会社の株式などのカテゴリに編成します。

  3. カテゴリを文書定義に組み立てます。

    • 文書定義の最上位レベルのカテゴリは、オプションの要約ページおよび文書内の個別のページに表示されます。

    • カテゴリ詳細を1ページに表示するか、受信者が明細書の詳細にドリルできるようにします。

    • データ、就業者の指示、報酬ポリシーや福利厚生プラン詳細などの補足情報のオプションのグラフィカル表示を構成します。

    • 文書データが有効な期間を定義し、各期間にオプションの「ようこそ」メッセージを追加します。

  4. 文書の利用可否、デフォルトの株価、および見積値に使用する通貨を管理する設定を構成します。

  5. 報酬マネージャがレビューするための文書を生成します。

  6. 就業者が文書を表示できるようにします。

  7. 不要な文をパージし、要約および詳細なオンライン・レポートを含むプロセスを監視します。

総合報酬文書を定義するには、「報酬」作業領域の「総合報酬文書」タスク・リストを使用します。

文書定義はテンプレートとして機能し、生成される文書のレイアウトとコンテンツを決定します。文書定義により、報酬カテゴリに追加された報酬項目の表示が構成されます。

このトピックの内容は、次のとおりです。

  • 文書定義のアプローチ

  • 文書およびコンポーネントの再利用

  • カテゴリの編集

  • 文書表示の柔軟性

  • 反復設計プロセス

文書定義のアプローチ

文書定義は、次のいずれかの方法を使用して作成できます。

  • 文書の階層を構築する際に、項目およびカテゴリ・コンポーネントを作成します。

  • 最初に項目およびカテゴリの基本ブロック・コンポーネントを定義し、それらを階層的に関連付けます。

2番目のアプローチでは、項目とカテゴリの再利用が複数の文書間で促進されます。

文書およびコンポーネントの再利用

次のことが可能です。

  • 複数の雇用主、複数の国、および複数の通貨を1つの文書に含めます。

  • 別の雇用主に属するソースで報酬項目を追加します。

  • 複数の文書で同一のカテゴリを使用します。

  • 文書定義を再使用するには、新しい文書期間を追加してから、後続の期間の定義を変更します。

  • 他の定義を始めるには、まず定義を複製します。

カテゴリの編集

カテゴリを編集すると、そのカテゴリを(カテゴリまたはサブカテゴリとして)使用するすべての文書定義に影響します。これは、「報酬カテゴリの管理」ページと「文書定義の管理」ページのどちらから編集するかに当てはまります。例外: 報酬カテゴリの表示名は、名前を作成または編集する文書定義にローカルであり、報酬カテゴリには影響しません。

文書表示の柔軟性

文書定義の最上位レベルのカテゴリは、オプションの要約ページおよび文書内の個別のページに表示されます。

オプションの要約ページ:

  • 就業者に、グラフおよび表で総合報酬の概要を表示します。

  • 通貨セクションと非通貨セクションに含まれる最上位レベル・カテゴリの合計が表示されます

要約ページから詳細なカテゴリ・ページにドリルダウンしたり、カテゴリの構成に応じて地域領域ナビゲーション・リンクを使用できます。

反復設計プロセス

最上位レベルの報酬カテゴリおよび文書定義の構成は、反復プロセスです。カテゴリ、文書定義および表示オプションの編集中に、文書を複数回生成、表示、パージおよび再生成します。

文書の表示オプション

総合報酬文書の表やカテゴリのレイアウトや表示を制御するためのオプションは多数用意されています。また、グラフィックの表示や摘要テキスト、補足情報を制御するオプションもあります。一般に、構成する表示オプションは、次の場所にあります。

  • カテゴリの設定中のカテゴリの詳細ページ

  • 文書定義の設定中の最上位レベルのカテゴリおよび要約ページ

次の表に、報酬カテゴリや報酬文書の定義を作成または編集するときに使用できる表示オプションの説明と比較をまとめます。

表示オプション カテゴリの設定 文書定義の設定

表の列の非表示

はい

: 要約ページの列

表の列名の変更

はい

: 最上位レベルのカテゴリのみ

ゼロまたは値のない場合の表示の構成

はい

: 最上位レベルのカテゴリのみ

グラフ表示の構成

はい

: 要約ページで

摘要テキストの追加

はい

: 要約ページで

補足テキストの追加

はい

: 要約ページで

垂直表示順序の変更

はい

: 要約ページで

グラフまたは説明用リージョンを非表示

はい

: 要約ページで

文書要約からカテゴリを除外

いいえ

: 最上位レベルのカテゴリのみ

見積金額インジケータを表示または非表示

いいえ

はい

文書要約ページを含めるまたは非表示

いいえ

はい

「ようこそ」メッセージを含めるまたは非表示

いいえ

はい

印刷可能文書オプションの選択

いいえ

はい

列プロパティを編集して、カテゴリや文書要約ページにある列を非表示にすることができます。列を非表示にすると、その列に表示されるはずのデータは、要約や詳細表、グラフには含まれなくなります。

列を非表示

次の列を非表示にできます。

  • 現金報酬カテゴリの「就業者拠出金」列など、使用されない、または該当しない列

  • 「摘要」列

カテゴリ行にゼロの値しか含まれていない場合でも、文書にこの行を表示できます。ただし、少なくとも「説明」列を表示して、説明を入力する必要があります。そうしないと、ゼロが並ぶ行としか見えません。カテゴリの概要ページ1つに詳細がすべて表示されるようにカテゴリの詳細のレベルを構成した場合は、カテゴリ内の列をすべて非表示にすることはできません。

文書のカテゴリを設計するときに、文書期間中に就業者の値がゼロの場合、または表示する値がない場合の表示処理方法を決定できます。「報酬カテゴリの管理」タスクを使用して、カテゴリを設計します。

拠出金の値

次の場合、値がゼロである、または表示する値がない可能性があります。

  • 就業者が、その期間中、ストック・オプションを一切受け取らなかった

  • 報酬または福利厚生プランに加入していない

次の表に、値がゼロである、または表示する値がない場合の表示オプションをまとめます。

文書エレメント 拠出金の値がすべてゼロまたは値なしの場合の表示オプション

最上位レベルのカテゴリ・ページ

ゼロ値または値なしが存在する場合にカテゴリを非表示

値がゼロの場合にカテゴリを表示し、値なしの場合に非表示

常にカテゴリ・ページを表示

株式サブカテゴリ行

値なしの場合または値がゼロの場合に行を非表示

値がゼロの場合に行を表示し、サブカテゴリのドリルダウン許可

履歴値がゼロより大きい場合に表示し、ドリルダウン許可

常に行を表示し、サブカテゴリへのドリルダウン禁止

常に行を表示し、サブカテゴリへのドリルダウン許可

カテゴリの項目

値なしの場合または値がゼロの場合に行を非表示

値がゼロの場合に行を表示し、値なしの場合に非表示

常に行を表示

行やカテゴリ・ページにゼロや値なしを表示すると決めた場合、必要に応じて、次の目的でメッセージを作成できます。

  • 値が欠落していることの説明

  • 株式購入プランへの参加など、見逃している機会への関心を集める

1つのカテゴリにつき、最高2つのグラフを表示できます。文書に要約ページを含める場合、要約の「通貨」および「非通貨」セクションそれぞれで、最高2つのグラフを使用できます。

表示するグラフごとに、次の点を指定する必要があります。

  • グラフ・タイプ: 円グラフまたは各種棒グラフ

  • グラフに含める列: 就業者拠出金、会社拠出金、または両方

グラフ: 制約

グラフでは次のものを含む列を使用できません。

  • テキストまたは日付

  • 複数の「非通貨」 単位

  • 「通貨」 値と「非通貨」値の組合せ

たとえば、株式、社有車、スポーツクラブの会員数などのデータが混在するグラフからは明確な情報を得られません。