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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Composerによるビジネス・プロセスの開発
12c (12.1.3)
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5 BPMプロジェクトの作成および使用

この章では、Oracle Business Process Composerを使用してBusiness Process Management (BPM)プロジェクトを作成および使用する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

5.1 Oracle BPMプロジェクトの概要

BPMプロジェクトは、Oracle BPMアプリケーションの中核的な要素です。BPMプロジェクトには、ビジネス・アプリケーションの作成とサポートに使用されるリソースが含まれます。これらのリソースには、ビジネス・プロセスと、データ・オブジェクト、サービス、ビジネス・ルール、ヒューマン・タスク、ロールなどのビジネス・カタログのコンポーネントが含まれます。

Oracle Business Process Composerで新しいプロジェクトを直接作成できます。

BPMプロジェクトは、プロセス・アナリストとプロセス開発者間のコラボレーションを推進します。Oracle Business Process ComposerとOracle BPM Studioのユーザーは、Oracle BPMリポジトリを使用してプロジェクトを共有できます。詳細は、Oracle BPMリポジトリの概要を参照してください。

Oracle Business Process Composerを使用して、BPMプロジェクトを検証し、ランタイムにデプロイすることができます。詳細は、BPMプロジェクトのデプロイを参照してください。

5.1.1 プロジェクト・コンポーネントおよびリソースの概要

各プロジェクトには1つ以上のビジネス・プロセスが含まれています。ビジネス・プロセスやアプリケーションで使用される他のリソースが含まれることもあります。アプリケーションを他のアプリケーションおよびシステムに接続したり、アプリケーションのユーザー・インタフェースを定義するための再利用可能なリソースも含まれます。

Oracle Business Process Composerでは、完全に機能するBPMアプリケーションを作成、テストおよびデプロイできます。ただし、Oracle BPM Studioを使用しないと実行できない高度な機能もあります。これには次のものがあります。

  • 詳細なヒューマン・タスク・パラメータの構成

  • ADFフォームの作成と表示

  • 外部参照の作成

  • 例外の作成

5.1.1.1 編集可能なプロジェクト・リソース

Oracle Business Process Composerを使用して、次のプロジェクト・リソースを作成および編集できます。

  • プロセス

    ビジネス・プロセスは、ビジネス・アプリケーションの中核的な要素です。プロセスは、関連したタスクまたはアクティビティの集まりとして定義されます。Oracle BPMアプリケーションには1つ以上のプロセスを含めることができます。Oracle Business Process Composerでは、Business Process Model and Notation (BPMN)プロセスを作成および編集できます。

    BPMプロジェクトのようこそページから、新しいプロセスを作成したり、既存のプロセスを編集できます。プロセスの作成および使用の詳細は、「ビジネス・プロセスの作成および使用」を参照してください。

  • Oracle Business Rules

    Oracle Business Rulesは、ビジネス・ポリシーを表す文または重要なビジネスの意思決定を表す文です。Oracle Business Process Composerを使用して、ビジネス・ルールを作成および編集できます。ビジネス・ルールはプロジェクトの編集可能なコンポーネントですが、ビジネス・カタログの一部としても表示されます。

    詳細は、Oracle Business Rulesの使用を参照してください。

  • ヒューマン・タスク

    Oracle Business Process Composerでは、ヒューマン・タスクを作成および編集できます。ヒューマン・タスクを使用して、ユーザーとプロセスベースのアプリケーションがどのように相互作用するかを定義します。

    BPMプロジェクトのようこそページから、新しいヒューマン・タスクを作成したり、既存のヒューマン・タスクを編集できます。詳細は、ヒューマン・タスクの使用を参照してください。ヒューマン・タスクを作成すると、そのヒューマン・タスクはビジネス・カタログ内でアクセス可能になります。

  • Webフォーム

    Webフォームは、プロセス・ワークスペースでアプリケーション・ユーザーに対して表示されるインタフェースを定義します。Oracle Business Process Composerでは、このインタフェースを一から作成することも、ヒューマン・タスクの既存のデータ構造に基づいてWebフォームを作成することもできます。

    詳細は、「Webフォームの使用」を参照してください。

    注意:

    WebフォームはBPMプロジェクトのリソースですが、Oracle Business Process Composerでしか作成および編集できません。Oracle BPM Studioでは表示することも編集することもできません。

  • ビジネス・コンポーネント

    ビジネス・コンポーネントは、チケット、リクエスト、従業員など、実際の概念やオブジェクトを表します。ビジネス・コンポーネントは、Oracle BPMアプリケーションで必要なデータ構造を作成するために使用する複合データ型です。Oracle Business Process Composerを使用すると、手動か、XMLスキーマに基づいて複合データ型を作成できます。

    詳細は、「複合データ型を使用したデータ構造の定義」を参照してください。

  • キー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)

    KPIは、ターゲットに対してビジネス上の尺度(製品の売上や運用コストなど)を評価した結果を表します。KPIは、プロセスまたはプロセス内の特定のアクティビティについて作成できます。

    「アプリケーションでのビジネス・データの追跡」を参照してください。

  • ビジネス・インジケータ

    ビジネス・インジケータは、KPIの値を格納するために使用するプロジェクト・データ・オブジェクトです。ビジネス・インジケータは、属性、カウンタ、ディメンションまたはメジャーです。

    「アプリケーションでのビジネス・データの追跡」を参照してください。

  • シミュレーション定義とモデル

    シミュレーションを使用して、ビジネス・プロセスのパフォーマンスをテストします。シミュレーション定義とモデルは、シミュレーションで使用され、BPMプロジェクトの一部として格納されるパラメータを定義します。

    詳細は、「プロセス動作のシミュレート」を参照してください。

  • アクティビティ・ガイド

    アクティビティ・ガイドはガイド付きビジネス・プロセスの一部です。ガイド付きビジネス・プロセスを使用すると、プロジェクトのマイルストンを定義できます。各プロジェクトには、複数のプロジェクト・マイルストンを定義できる1つのアクティビティ・ガイドが含まれています。Oracle Business Process Composerでは、マイルストンを作成および構成できます。

    プロジェクト・マイルストンの作成および使用の詳細は、「ガイド付きビジネス・プロセスを使用したプロジェクトのマイルストンの作成」を参照してください。

5.1.1.2 ビジネス・カタログ

Oracle Business Process Composerを使用して、ビジネス・カタログ・コンポーネントを作成および編集できます。ビジネス・カタログは、BPMプロジェクト内のすべてのプロセスが共有し再利用することのできる、実装アセットのコンテナです。

これらの要素を作成した後、特定のBPMNアーティファクトに割り当てることができます。

ビジネス・カタログ・コンポーネントにはコンポーネント・パレットからアクセスできます。ビジネス・カタログで再利用可能なリソースは、次のとおりです。

  • ヒューマン・タスク

    ヒューマン・タスクでは、エンド・ユーザーとBPMNプロセスとの相互作用の方法を定義します。ヒューマン・タスクは、ユーザー・タスクを使用してビジネス・プロセスに追加できます。また、ビジネス・カタログのヒューマン・タスクを、ビジネス・プロセス内の各ユーザー・タスクに割り当てることができます。BPMNプロセス内のヒューマン・タスクの使用方法については、プロセスへのユーザー相互作用の追加を参照してください。

  • Oracle Business Rules

    Oracle Business Rulesは、ビジネス・ポリシーを表す文または重要なビジネスの意思決定を表す文です。ビジネス・ルールは、ビジネス・ルール・タスクを使用してプロセスに統合されます。

    Oracle Business Process Composerを使用したOracle Business Ruleの操作の詳細は、「Oracle Business Rulesの使用」を参照してください。BPMNプロセス内のビジネス・ルール・タスクの使用の詳細は、「ビジネス・ルール・タスクの概要」を参照してください。

  • ビジネス・オブジェクト

    ビジネス・オブジェクトでは、アプリケーション内で使用されるデータ構造を定義します。Oracle Business Process Composerを使用すると、単純なデータ・オブジェクトを使用して複雑なデータ・オブジェクトを定義できます。詳細は、「複合データ型を使用したデータ構造の定義」を参照してください。

  • サービス

    サービスでは、BPMNプロセスが他のプロセス、システムおよびサービス(BPELプロセスやデータベースを含む)にどのように接続するかを定義します。

    Oracle Business Process Composerを使用して、Webサービスを基に新しいサービスを作成できます。詳細は、サービスの使用を参照してください。

    サービスは、サービス・タスクに割り当てることによって、BPMNプロセス内に実装されます。詳細は、サービス・タスクの概要を参照してください。

  • 外部参照

    参照では、BPMNプロセスのインタフェースを定義します。参照によって、メッセージ・イベント、送信タスクおよび受信タスクが実装されます。詳細は、他のプロセスおよびサービスとの通信を参照してください。

5.1.1.3 編集または作成できるビジネス・カタログのコンポーネント

表5-1に、ビジネス・カタログのコンポーネントをリストし、Oracle Business Process Composerを使用して作成または編集できるコンポーネントを示します。

表5-1 Business Process Composerのビジネス・カタログのコンポーネント

ビジネス・カタログ・コンポーネント 作成可能であるか 編集可能であるか

ビジネス・ルール

はい

はい

ヒューマン・タスク

はい

はい

ビジネス・オブジェクト

はい

はい

サービス

はい

いいえ

外部参照

はい

いいえ

エラー

はい

はい

5.1.2 Oracle BPMリポジトリの概要

Oracle BPMリポジトリはプロセス・アセット・マネージャ(PAM)に基づいており、プロジェクトを保存してOracle Business Process ComposerとOracle Business Process Management Studioの間で共有するためのデザインタイム・リポジトリとして機能します。

システム管理者は、Oracle Business Process ComposerをインストールするときにOracle BPMリポジトリをインストールして構成します。

Oracle BPMリポジトリのプロジェクトを開く方法の詳細は、プロジェクトの作成および使用を参照してください。

5.2 プロジェクトのようこそページの概要

プロジェクトのようこそページからは、BPMプロジェクトに関する情報、およびプロジェクトに関連する共通機能にアクセスできます。

図5-1は、Travel Request Applicationサンプル・プロジェクトのようこそページを示しています。

図5-1 プロジェクトのようこそページ

図5-1の説明が続きます
「図5-1 プロジェクトのようこそページ」の説明

Oracle Business Process Composerのプロジェクトのようこそページを使用して、次のタイプのタスクを実行します。

  • プロジェクトの一般情報の編集および表示

  • プロジェクト・コンポーネントの作成および管理

  • BPMプロジェクトの編集、検証および公開

  • 「クイックスタート」メニューへのアクセス

プロジェクトの共有、プロジェクトの保存、変更の破棄、その他の一般的な機能の詳細は、「BAおよびBPMプロジェクトの作成および管理」を参照してください。

Oracle Business Process Composerのプロジェクトのようこそページは、次のセクションに分かれています。

  • プロジェクト・ツールバー

  • 「プロジェクト情報」パネル

  • 「最近のアクティビティ」パネル

  • 「プロジェクト・コンポーネント」パネル

  • 「クイックスタート」メニュー

5.2.1 プロジェクト・ツールバーの概要

Oracle Business Process Composerのプロジェクト・ツールバーはページの上部にあり、プロジェクトの保存、公開および検証を行えるほか、Oracle Business Process Composerプロジェクトのメイン・メニューへのアクセスを提供します。

ツールバーからは、次の要素にアクセスできます。

表5-2 Oracle Business Process Composerのプロジェクトのようこそページ - ツールバー

ツールバーの要素 説明

メイン・メニュー 「メイン・メニュー」アイコンでコンポーザのメイン・メニューが開きます

プロジェクトのようこそページのメイン・メニューにアクセスする場合にクリックします。ここからメイン・メニューを使用して、次のタスクを実行できます。

  • 新しいシミュレーションまたはサービスの作成

  • プロジェクト・モデルのインポート

  • プロジェクトのエクスポート

  • プロセス・レポートの生成

  • プロジェクトの保存

  • プロジェクトの変更の破棄

  • プロジェクトの検証

  • 現在のプロジェクトの終了

表示モード

--

編集 「編集」アイコンは編集モードに切り替える場合にクリックします

編集モードに切り替えるには、このアイコンをクリックします。

共有プロジェクトは、最初は表示モードで開きます。プロジェクトが別の参加者によってロックされていなければ、このアイコンをクリックして編集モードに切り替えることができます。

編集モード

--

保存 「保存」アイコンは現在のプロジェクトを保存する場合にクリックします

現在のプロジェクトを保存して、編集を続行する場合にクリックします。

公開 「公開」アイコンはプロジェクト・データを公開する場合にクリックします

プロジェクト・データを公開する場合にクリックします。

プロジェクトを公開すると、最近行った変更を別の参加者が利用できるようになります。

破棄 「変更の破棄」アイコンは前回の公開以降の変更を破棄する場合にクリックします

前回の公開以降の、このプロジェクトへの変更を破棄する場合にクリックします。

プレーヤ 「プレーヤ」アイコンはプロセス・プレーヤを実行する場合にクリックします

プロセス・プレーヤを実行する場合にクリックします。

このアイコンが表示されるのは、プロセス・プレーヤが構成されている場合のみです。プロセス・プレーヤの詳細は、「プロセス・プレーヤの使用」を参照してください。

検証 「検証」アイコンはプロジェクトを検証する場合にクリックします

プロジェクトを検証する場合にクリックします。

参加者 「参加者」アイコンはプロジェクト・タイプを表示する場合にクリックします

プロジェクト・タイプを表示します。この場合、プロジェクト・タイプは「プライベート」です。

プロジェクトを閉じる

現在のプロジェクトを閉じて、Oracle Business Process Composerアプリケーションのようこそページに戻る場合にクリックします。

5.2.2 「プロジェクト情報」パネルの概要

「プロジェクト情報」パネルには、プロジェクトに関する一般的な情報が表示されます。

このペインには次の情報が表示されます:

  • タイトル・バー: 名前、作成日、プロジェクトを作成したユーザーの名前が表示されます。

    ローカライズされた名前を変更するには、名前の右側にあるアイコンをクリックします。

  • 作成: 作成日と、プロジェクトを作成したユーザーの名前が表示されます。

  • タイプ: プロジェクト・タイプが表示されます。

  • 言語: ドロップダウン・リストを使用してプロジェクトの言語を選択します。

    ドロップダウン・リストに言語オプションを追加するには、「編集」をクリックします。Webフォーム国際化ダイアログで追加の言語を使用するには、まず、ここで言語を追加しておく必要があります。

  • 詳細情報: 詳細な一般情報を表示する場合にクリックします。

    詳細情報を非表示にする場合は、「詳細の非表示」 をクリックします。

  • サンプリング・ポイント: 「変更」をクリックして、「すべてに対して生成」、「対話型に対して生成」、「生成しない」「プロセスに対してのみ生成」のいずれかを選択します。

  • 説明: プロジェクトの説明が表示されます。

    図5-2に示すように、説明は、タイトルに1つまたは2つの文を拡張したもので、類似または同一のタイトルのプロジェクトをユーザーが区別する場合に役立ちます。

    図5-2 プロジェクトの説明

    図5-2の説明が続きます
    「図5-2 プロジェクトの説明」の説明

    説明を編集する場合は、リンクをクリックします。

5.2.3 「最近のアクティビティ」パネルの概要

「最近のアクティビティ」ブラウザには、現在のBPMプロジェクトに対する公開済の変更の履歴が表示されます。

最近のプロジェクト・アクティビティを表示する方法については、プロジェクトに対する変更履歴を表示する方法を参照してください。

スナップショット

スナップショットは、最新の公開済プロジェクトから作成されます。「スナップショット」リンクをクリックすると、このBPMプロジェクトのスナップショットを作成および表示できる「スナップショット」ダイアログが開きます。スナップショットを使用すると、プロジェクトのバックアップを作成したり、一定期間プロジェクトに加えた変更を表示したりできます。また、開発ライフサイクル内でプロジェクトに加えた変更の記録が提供されます。スナップショットの詳細は、「プロジェクト・スナップショットの使用」を参照してください。

5.2.4 プロジェクト・コンポーネント・パネルの概要

プロジェクト・コンポーネント・ペインを使用して、次のプロジェクト・コンポーネントを表示および作成します。

  • プロセス

  • ルール

  • ヒューマン・タスク

  • Webフォーム

  • ビジネス・コンポーネント

  • シミュレーション

  • ビジネス・インジケータ

  • KPI

各プロジェクト・コンポーネントの右側には、このプロジェクトで作成されたコンポーネントの数が表示されます。プロジェクト・コンポーネントのリストの下には、すべてのコンポーネントの数が表示されます。

5.2.5 「クイックスタート」メニューの概要

「クイックスタート」メニューを使用すると、Oracle Business Process Composer内の次の共通機能に簡単にアクセスできます。

5.2.6 Oracle Business Process Composerのエディタの概要

エディタを使用すると、ビジネス・カタログのプロセスやコンポーネントなど、BPMプロジェクトの様々な要素を使用できます。

次の各項では、Oracle Business Process Composerで使用できる様々なタイプのエディタについて説明します。

5.2.6.1 「プロセス」エディタ

「プロセス」エディタを使用して、ビジネス・プロセスを表示および編集できます。「プロセス」エディタにアクセスするには、プロジェクトのようこそページからプロセスを開きます。

エディタ・ウィンドウには、コンポーネント・パレットも含まれます。実際に使用可能なコンポーネントは、次のようにプロジェクトによって異なります。

  • Oracle Business Process Composerで作成された新規プロジェクトのコンポーネント・パレットには、BPMNフロー・オブジェクトと作成したビジネス・カタログ・コンポーネントが表示されます。

    サービスおよびヒューマン・タスクはOracle Business Process Composerで直接作成できます。

詳細は、「ビジネス・プロセスの作成および使用」を参照してください。

5.2.6.2 「アクティビティ・ガイド」エディタ

「アクティビティ・ガイド」エディタを使用して、アクティビティ・ガイドのマイルストンを表示、作成および編集します。「アクティビティ・ガイド」エディタにアクセスするには、「クイックスタート」メニューの「アクティビティ・ガイド」リンクをクリックします。ガイド付きビジネス・プロセスを使用したプロジェクトのマイルストンの作成を参照してください。

5.2.6.3 「ヒューマン・タスク」エディタ

「ヒューマン・タスク」エディタを使用して、ビジネス・カタログの一部として含まれるヒューマン・タスクを編集します。詳細は、ヒューマン・タスクの使用を参照してください。

5.2.6.4 「ビジネス・ルール」エディタ

「ビジネス・ルール」エディタを使用して、ビジネス・ルールを作成、表示および編集します。「ビジネス・ルール」エディタにアクセスするには、プロジェクトのようこそページからビジネス・ルールを開きます。詳細は、Oracle Business Rulesの使用を参照してください。

5.2.6.5 「データ・アソシエーション」エディタ

「データ・アソシエーション」エディタを使用して、実装を含むフロー・オブジェクトの入力および出力を定義します。「データ・アソシエーション」エディタにアクセスするには、ビジネス・プロセス内のフロー・オブジェクトを右クリックし、「データ・アソシエーション」を選択します。

データ・アソシエーションの使用方法は、データ・オブジェクトの使用を参照してください。

5.2.6.6 式エディタ

式エディタを使用して、データ・アソシエーションおよび条件シーケンス・フロー内で使用する式を定義します。

式の使用と式エディタへのアクセスの詳細は、「式を使用したデータのコントロール」を参照してください。

5.2.7 サポートされているブラウザおよびエディタの概要

Oracle Business Process Composerには、その他のプロジェクト・コンポーネントを表示および編集できる追加のエディタが用意されています。これらのエディタは、アプリケーション・ウィンドウの下部に表示されます。

注意:

これらのエディタはデフォルトでは表示されません。各ウィンドウに関連するアクションが実行された後に表示されます。手動で表示するには、Oracle Business Process Composerの右下隅にある「ペインのリストア」アイコンをクリックします。

5.2.7.1 プロジェクトおよびプロセスの検証ブラウザ

プロジェクトおよびプロセスのブラウザには、個別のプロセスまたはプロジェクト全体の検証エラーが表示されます。プロジェクトの検証の詳細は、プロジェクトを検証する方法を参照してください。

5.2.7.2 「ドキュメント」エディタ

「ドキュメント」エディタを使用して、プロセスについてのドキュメントを作成および編集します。

詳細は、プロセスのドキュメント化を参照してください。

5.3 プロジェクトの作成および使用

新規のプロジェクトの作成と検証、および変更履歴やプロジェクト・プロパティの表示ができます。

次の各項では、Oracle BPMプロジェクトの作成方法と使用方法について説明します。

プロジェクトの共有、プロジェクトの保存、変更の破棄、その他の一般的な機能の詳細は、「BAおよびBPMプロジェクトの作成および管理」を参照してください。

5.3.1 新規のプロジェクトを作成する方法

新しいBPMプロジェクトはアプリケーションのようこそページから作成します。これらのプロジェクトには、プロセス・アナリストが作成した基本的なビジネス・プロセスのみが含まれます。「BPMプロジェクト」パネルを使用して、新しい空のプロジェクトの作成や、プロセスを含む新しいプロジェクトの作成を行うことができます。

詳細は、「「BAプロジェクト」パネルを使用した新しい空のプロジェクトの作成」および「「BAプロジェクト」パネルを使用した新しい移入プロジェクトの作成」を参照してください。

5.3.2 プロジェクトを検証する方法

プロジェクトを検証すると、プロジェクトやプロセスにエラーがないかどうかを確認できます。Oracle Business Process Composerでは、エラー・ブラウザにエラーが表示されます。Oracle Business Process Composerには、プロジェクトのエラー・ブラウザと各プロセスのエラー・ブラウザがあります。

図5-3は、プロジェクトのエラー・ブラウザに表示されるエラーのタイプの例を示しています。

図5-3 プロジェクト・エラー・ブラウザ

図5-3の説明が続きます
「図5-3 プロジェクト・エラー・ブラウザ」の説明

プロジェクトを検証するには:

  1. プロジェクトを開きます。
  2. プロジェクトの編集中であることを確認します。
  3. メイン・メニューから「プロジェクトの検証」を選択します。

プロジェクトを検証した後は、検出されたエラーがプロジェクト用またはプロセス用のエラー・ブラウザに表示されます。

注意:

エラーがあるプロジェクトはデプロイできません。

5.3.3 プロジェクトに対する変更履歴を表示する方法

プロジェクトに対する主要な変更履歴を表示するには、「最近のアクティビティ」ブラウザを使用します。このブラウザには、次の内容を含む、これらの変更が表示されます。

  • プロジェクトの作成

  • リソースの変更

  • プロセスまたはヒューマン・タスクの作成

プロジェクトの履歴を表示するには:

  1. プロジェクトのようこそページに移動します。

    プロジェクトの変更が「最近のアクティビティ」ペインに表示されます。

  2. 特定の変更の詳細を表示するには、隣にある展開アイコンをクリックします。

5.3.4 プロジェクト・プロパティの表示方法と編集方法

プロジェクト・プロパティを表示および編集するには、プロジェクトのようこそページの「プロジェクト情報」ペインを使用します。

このペインからは、プロジェクトの次のプロパティを編集できます:

  • 説明: プロジェクトの説明(オプション)を追加します。これは、他のユーザーとプロジェクトを共有する場合に役立ちます。

  • イベントの生成: プロジェクト全体に対してサンプリング・ポイントを生成する方法を構成します。

    サンプリング・ポイントを使用すると、実行中のプロセス内のフロー・オブジェクトのパフォーマンスに関する情報を生成できます。この構成に基づいて生成されたデータは、プロセス分析データベースに格納されます。

    サンプリングの詳細は、Oracle Business Process Managementによるプロセスの管理とモニタリングプロセス・ワークスペースでのダッシュボードの使用を参照してください。

「プロジェクト情報」ペインからは、次のプロジェクト・プロパティを表示できます:

  • 編集モード: プロジェクトの編集モードが表示されます。

    プロジェクトの編集モードの変更方法については、共有プロジェクトを編集する方法を参照してください。

  • 共有: プロジェクトの共有構成が表示されます。

  • プロジェクト言語: プロジェクト言語が表示されます。

5.4 ガイド付きビジネス・プロセスを使用したプロジェクトのマイルストンの作成

ガイド付きビジネス・プロセスは、プロセス・フローのガイド付き視覚表現を提供します。プロセス参加者にビジネス・プロセスのカプセル化された階層ビューを提供することによって、ユーザーの操作性を向上します。

次の各項では、ガイド付きビジネス・プロセスおよびプロジェクト・マイルストンの使用方法について説明します。

5.4.1 ガイド付きビジネス・プロセスの概要

プロセス設計者は、ガイド付きビジネス・プロセスを使用して、プロセス参加者がプロセスに関連付けられた一連のガイド付き手順に従ってビジネス・プロセスを完了できるように設定できます。ガイド付きビジネス・プロセスには手順の概要が示されます。この手順に従うことによって、プロセス参加者はより少ないトレーニングでビジネス・プロセスを完了できるようになり、プロセスの結果もより予測可能になります。

5.4.1.1 アクティビティ・ガイドおよびマイルストンの概要

ガイド付きビジネス・プロセスは、ビジネス・プロセスに基づいたアクティビティ・ガイドとしてモデリングされます。アクティビティ・ガイドには、一連のマイルストンが含まれています。マイルストンには、プロセス参加者が完了する必要がある一連のタスクが含まれています。マイルストンに含まれている一連のタスクをユーザーが正常に実行すると、マイルストンが完了します。

各マイルストンは、ヒューマン・ワークフロー・タスクの特定のセットです。各ヒューマン・ワークフロー・タスクは、それ自体が、様々なロールの複数の参加者のコラボレーションを必要とするタスク・フローである場合があります。タスク・フローの内容によっては、参加者は未完了のタスク・フローをいったん保存して、後でそのタスク・フローに戻ることもできます。

5.4.2 アクティビティ・ガイドの構成方法

Oracle Business Process Composerを使用して、ガイド付きビジネス・プロセスを構成し、それらにマイルストンを追加します。

プロジェクトのアクティビティ・ガイドを構成するには:

  1. プロジェクトを開きます。
  2. 「クイックスタート」メニューから「アクティビティ・ガイド」を選択します。

    「アクティビティ・ガイド」エディタが表示されます。

  3. アクティビティ・ガイドのタイトルを入力します。
  4. 次のオプションのプロパティを構成します。
    • 表示モード: ガイド付きビジネス・プロセス内のマイルストンおよびタスクにおけるリンクの表示方法を指定します。

      マイルストンおよびタスクで他の構成が使用される場合は、ガイド付きビジネス・プロセスの構成は無視されます。

      可能な値は次のとおりです。

      • 常時: ガイド付きビジネス・プロセスのすべてのマイルストンで、マイルストンおよびタスクのリンクを常に表示します。

      • インスタンス化時: ガイド付きビジネス・プロセスのすべてのマイルストンで、マイルストンの1つ以上のユーザー・タスクがインスタンス化されているときにのみ、マイルストンおよびタスクのリンクを表示します。

    • タスク・アクセス: タスクが完了した後、ガイド付きビジネス・プロセスではこの構成を使用してリンクを表示します。

      タスク・モードが「アクティブのみ」の場合は、タスクのリンクがグレー表示されます。タスク・モードが「任意の状態」の場合は、タスクのリンクは有効なままになり、タスクを実行するときにメッセージが表示されます。

      可能な値は次のとおりです。

      • アクティブのみ: タスクへのリンクは、タスクがアクティブであり、ユーザーが更新可能なときにのみ有効になります。

        タスクを完了すると、タスクへのリンクはグレー表示されます。

      • 任意の状態: タスクをインスタンス化すると、そのタスクへのリンクは常に有効になります(タスクを完了した後も有効です)。

    • ルート・プロセス: このアクティビティ・ガイドに使用されるプロセスを指定します。

      BPMプロジェクトごとに、1つのガイド付きビジネス・プロセスのみを定義できます。このプロセスが、ルート・プロセスです。

    • 説明: アクティビティ・ガイドのオプションの説明を指定します。

  5. プロジェクト・ツールバーで「保存」をクリックします。

5.4.3 プロジェクト・マイルストンの作成

Oracle Business Process Composerを使用して、マイルストンをガイド付きビジネス・プロセスに追加します。

新しいマイルストンを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「新規マイルストン」をクリックします。
  2. リストから、今作成したマイルストンを選択します。
  3. 必要に応じて、マイルストンを構成します。
  4. プロジェクト・ツールバーで「保存」をクリックします。

5.4.4 ユーザー・タスクへのマイルストンの追加

Oracle Business Process Composerを使用してマイルストンをガイド付きビジネス・プロセスのユーザー・タスクに追加します。

マイルストンにユーザー・タスクを追加するには:

  1. マイルストンを追加するプロセスを開きます。
  2. マイルストンを追加するユーザー・タスクを右クリックします。
  3. リストからマイルストンを選択して、「OK」をクリックします。

5.5 プロジェクト・ロール、ビジネス・パラメータおよび組織単位の定義

プロジェクト・ロールを使用して、ビジネス・プロセスが表す作業を実行するユーザーまたはグループをモデリングします。ロールでは、組織内の職務や責任に対応する機能上のカテゴリを定義します。Oracle Business Process Composerを使用して、プロセス内で必要なロールを作成および編集し、それらをスイムレーンに割り当てます。

この項では、プロジェクト・ロールとビジネス・パラメータの作成および管理方法について説明します。

5.5.1 プロジェクト・ロールの定義

Oracle Business Process Composerを使用して、BPMプロジェクトで使用されるロールを定義します。ロールへのユーザーの割当てなど、プロジェクト・ロールのより高度なマッピングや構成を実行するには、Oracle BPM StudioまたはOracle Business Process Management Workspaceを使用します。プロジェクトをランタイムにデプロイすると、プロジェクト・ロールを実際の組織のユーザーやグループにマップできます。

プロジェクト・ロールはプロジェクト全体に対して定義されます。それらは、プロジェクト内のすべてのプロセスで共有できます。プロセス内では、ロールは水平スイムレーンに割り当てられます。

次の手順では、プロジェクト・ロールを作成および削除する方法を説明します。

プロジェクト・ロールを作成するには:

  1. プロジェクトのようこそページにアクセスします。

  2. 「組織」をクリックし、「追加」アイコンをクリックします。

  3. 図5-4に示すように、新しいロールの名前を入力し、「ロールの追加」をクリックします。

    図5-4 「組織」 - 「ロール」: 「ロールの追加」

    図5-4の説明が続きます
    「図5-4 「組織」 - 「ロール」: 「ロールの追加」」の説明

プロジェクト・ロールを削除するには:

  1. プロジェクトのようこそページにアクセスします。
  2. 「組織」を展開します。
  3. 削除するロールを選択し、「削除」アイコンをクリックします。

5.5.2 ビジネス・パラメータの定義

ビジネス・パラメータは、ビジネス固有の定数の設定に使用され、組織単位についてオーバーライドできます。組織単位のオーバーライド値がない場合、返される値はデフォルト値です。

ビジネス・パラメータを作成するには:

  1. プロジェクトのようこそページにアクセスします。
  2. 「組織」をクリックし、「ビジネス・パラメータ」タブを選択します。
  3. 「追加」アイコンをクリックして新しいビジネス・パラメータを作成します。
  4. 新しいビジネス・パラメータの「名前」を入力します。

    この名前は、スペースを含めずに大文字で入力する必要があります。

  5. 新しいビジネス・パラメータの「タイプ」を選択します。

    図5-5に示すように、リストから選択してください。

    図5-5 「組織」 - 「ビジネス・パラメータ」

    図5-5の説明が続きます
    「図5-5 「組織」 - 「ビジネス・パラメータ」」の説明
  6. 「デフォルト値」を指定します。

    これは、他の値が定義されていない場合にビジネス・パラメータに使用される値です。

  7. 「ビジネス・パラメータの追加」をクリックします。

5.5.3 組織単位の定義

組織単位は、組織内の部や課を表します。組織単位に子の組織単位を含め、自社組織に対応した階層を作成できます。

組織単位を作成するには:

  1. プロジェクトのようこそページにアクセスします。
  2. 「組織」をクリックし、「組織単位」タブを選択します。
  3. 図5-6に示すように、「追加」アイコンをクリックして新しい組織単位を作成します。

    図5-6 「組織」 - 「組織単位」

    図5-6の説明が続きます
    「図5-6 「組織」 - 「組織単位」」の説明
  4. 新しい組織単位の「名前」を入力します。
  5. 「説明」を入力します。このフィールドはオプションです。
  6. 「作成」をクリックします。

5.6 プロジェクトのプロセス・レポートの生成

プロジェクト内の各プロセスをリストし、各プロセスに関する詳細情報を表示するレポートを生成できます。

  • 詳細ビジネス・プロセス

  • ビジネス要件

  • 問題とコメント

  • データ・オブジェクト

  • プロセスvsデータ

  • データvsプロセス

  • ヒューマン・タスクvsプロセス

  • サービスvsプロセス

  • ユーザー・タスク

  • プロセス・イメージ

  • RACI (責任、説明責任あり、相談済および通知済)

プロセス・レポートを生成するには:

  1. プロジェクトを開きます。
  2. プロジェクト・メイン・メニューから、「プロセス・レポート」を選択します。

    図5-7に示すように、「プロセス・レポート」ダイアログが表示されます。

    図5-7 「プロセス・レポート」ダイアログ

    図5-7の説明が続きます
    「図5-7 「プロセス・レポート」ダイアログ」の説明
  3. 次のレポート詳細を選択し、「OK」をクリックします。
    • レポート・タイプの選択

    • ドキュメントを表示: 説明を表示する場合に選択します。

    • ビジネス・プロパティの表示

    • 出力ファイル・タイプの選択:

これらのレポートの詳細は、「BPMプロジェクトのドキュメント化」を参照してください。