Oracle® Fusion Middleware SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのアップグレード 12c (12.1.3) E57555-04 |
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この章では、Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementを含まないOracle Service Busをアップグレードする際の、アップグレード固有のタスクについて説明します。
Oracle Service Bus 11g (11.1.1.6または11.1.1.7)をリリース12c (12.1.3)にアップグレードするときには、この章で説明するアップグレード前タスクとアップグレード後タスクを実行する必要があります。これを実行しないと、アップグレード後環境が機能しなくなる可能性があります。
Oracle Service Bus (OSB)は、Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementの有無にかかわらず12c (12.1.3)にアップグレードできます。この章のアップグレード手順では、SOAを含まないOracle Service Busのアップグレード方法について説明します。
OSBがSOA 11gドメインの一部に含まれていて、SOA Suiteの12c (12.1.3)へのアップグレードの一環としてOSBをアップグレードする場合は、第3章「SOA SuiteおよびBusiness Process Management 12c (12.1.3)のアップグレード」で説明している標準のアップグレード・プロセスに従ってください。
SOAを含まないOracle Service Busをアップグレードする場合は、この章で説明するアップグレード手順を使用してください。ドメインにSOAが含まれていない場合でも、OSBデータをアップグレードするには、_SOAINFRAスキーマをアップグレードする必要があります。OSBには、個別のスキーマがありません。「Oracle Service Busのスキーマの作成」を参照してください。
注意: OSBに固有のアップグレード前およびアップグレード後の手順をすべて、必ず確認してください。これらの追加手順は、12c (12.1.3)へのアップグレード時に、すべてのOSBのアップグレード(SOAの有無にかかわらず)で必要になります。 |
手順 | 説明 | 詳細 |
---|---|---|
すべてのアップグレード前タスクを実行します。 | 標準の12cアップグレード前タスクと、各自のデプロイメントに当てはまるOSBに固有のタスクをすべて実行します。 | 第2.1項「一般的なアップグレード前タスクの実行」
第6.3項「Oracle Service Bus (OSB)のアップグレード前タスクの実行」 |
ポリシー・ストアがデータベース・ベースであることを確認します。 | この重要なアップグレード前タスクは、Oracle Service Busを12cにアップグレードする前に完了しておく必要があります。 | 第2.1.14項「アップグレード前のファイルベースのポリシー・ストアの再関連付け」 |
OSBドメインをホストするWebLogicサーバーとJRFをアップグレードします。 | 12cインフラストラクチャをインストールして、インフラストラクチャ・ドメインをアップグレードしてから、Oracle Service Busをアップグレードする必要があります。 | 第2.3項「アップグレード前の12c (12.1.3) Infrastructureディストリビューションのインストール」 |
Oracle Service Busをインストールします。 | OSBディストリビューションを入手して、その内容を新しいOracleホームにインストールします。 | 第6.5項「Oracle Service Busのインストール」 |
Oracle Service Busをアップグレードします。 | この章の手順に従って、既存のOracle Service Busドメインをアップグレードします。 | 第6.6項「OSBドメインのアップグレード(SOAを含まない場合)」 |
アップグレード後タスクをすべて実行します。 | 標準の12cアップグレード後タスクと、各自のデプロイメントに適用するアップグレード後のOSBに固有のタスクをすべて実行します。 | 第8.1項「アップグレード後タスクの実行」
第6.9項「Oracle Service Busのアップグレード後タスクの実行」 第A.7項「Oracle Service Busのトラブルシューティング」 |
OSB 11gのトポロジが単一のドメイン内の複数のコンポーネントで構成されている場合は、12c (12.1.3)にアップグレードできません。
特定のFusion Middlewareコンポーネント(Oracle SOA、OSB、Business Activity Monitoring (BAM)など)は、12cでは、ユーザー・メッセージング・サービス(UMS)に対する依存関係があります。単一の12.1.3ドメイン内でこれらのコンポーネントのうち複数を構成する場合は、コンポーネントが動作するサーバーが1つしかない場合でも、これらのコンポーネントは各自のクラスタ内で動作する必要があります。
このようなコンポーネントをアップグレードするには、ドメインの再構成時に、各コンポーネントに個別のクラスタを作成する必要があります(構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成のクラスタに関する項を参照)。
このようなコンポーネントに対してサポートされるアップグレード・トポロジについては、第4.3項「クラスタ化トポロジのアップグレード」を参照してください。
Oracle Service Busをアップグレードする場合は、アップグレードを開始する前に、次の各タスクを実行する必要があります。独自のユース・ケースのシナリオと既存のデプロイメントを調べて、次のタスクが各自の環境に当てはまるかどうかを判断してください。
Oracle Service Busのすべてのデータベース・スキーマのデータはSOAINFRAスキーマに組み込まれているので、Oracle Service Busには独自のスキーマがありません。したがって、Oracle SOAを実行せずにOracle Service Busを実行できますが、アップグレードを開始する前に、_SOAINFRA
、_UMS
および_STB
スキーマを作成する必要があります。
詳細は、リポジトリ作成ユーティリティによる必要なスキーマの作成に関する項を参照してください。
Oracle Web Services Manager (OWSM)ポリシー・マネージャがOracle Service Bus 11g環境にデプロイされていない場合は、12cにアップグレードする前に、それを手動でデプロイする必要があります。
11gでは、WebLogicのセキュリティ・ポリシーとOWSMのポリシーは、どちらもOracle Service Busでサポートされていました。11g (11.1.1.7)の時点で、WebLogicセキュリティ・ポリシーは非推奨になり、12c (12.1.3)ではサポートされなくなりました。11gではWebLogicセキュリティ・ポリシーが使用可能であったため、OWSMマネージャのデプロイメントとOWSMポリシーの使用はオプションでした。12cではOWSMポリシーのみがサポートされているため、OWSMポリシー・マネージャのデプロイメントが必須になります。
OWSMポリシー・マネージャを手動で11g環境にデプロイする方法の詳細は、『Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』のWebLogic ServerでのOWSMのインストールに関する項を参照してください。
Oracle Service Bus 12.1.3にアップグレードする前に、サービス、プロジェクトおよびリソースを構成JARファイルにエクスポートする必要があります。アップグレード後に、このJARファイルを新しい12c環境にインポートします。
リソースとサービスは、サポート対象の旧リリースから手動でエクスポートできます。「以前のリリースからのリソースの移行」を参照してください。
詳細は、『Oracle Service Busでのサービスの開発』のリソースと構成のインポートおよびエクスポートに関する項を参照してください。
エクスポートの後、ユーザーが作成したすべてのサービス、プロジェクトおよびリソースを、アップグレード前に削除する必要があります。
Oracle Service Busコンソールの使用方法の詳細は、『Oracle Service Busでのサービスの開発』のプロジェクト、フォルダおよびリソースの削除方法に関する項を参照してください。
JDeveloperを使用してリソースを削除する方法の詳細は、『Oracle Service Busでのサービスの開発』のプロジェクトまたはリソースの削除方法に関する項を参照してください。
リソースとサービスは、次の各リリースから手動でエクスポートして、Oracle Service Bus 12c (12.1.3)で使用できます。
Oracle Service Bus 11gリリース: 11.1.1.6.0、1.1.1.5.0、11.1.1.4.0、11.1.1.1.3
Oracle Service Bus 10.3リリース: 10.3.1および10.3.0
AquaLogic® Service Busリリース3.0以降
詳細は、『Oracle Service Busでのサービスの開発』のリソースと構成のインポートおよびエクスポートに関する項を参照してください。
Oracle Service Busをインスト-するには、『Oracle Service Busのインストールと構成』を参照してください。
Oracle Service Busは、Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementなしでインストールおよびアップグレードできますが、Oracle Service Busをアップグレードする前には、Oracle Fusion Middleware Infrastructure 12c (12.1.3)をインストールする必要があります。詳細は『Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』を参照してください。
注意: Oracle Web Services ManagerのポリシーをOracle Service Busで使用する場合は、Oracle WebLogicドメインの構成時に、Oracle Service Busドメイン・テンプレートのいずれかを選択した後で、Oracle Web Services Manager拡張テンプレートを選択する必要があります。 |
Oracle Service Busアップグレードするには、表6-1で説明する基本手順に従います。
表6-1 Upgrade Assistant画面: スキーマのアップグレード
画面 | 説明および必要なアクション |
---|---|
ようこそ |
この画面では、アップグレード・アシスタントの概要と、アップグレード前の重要なタスクについての情報が示されます。 |
スキーマ |
「スキーマ」を選択します。 注意: OSBスキーマはありません。Oracle Service Busのすべてのデータベース・スキーマのデータは、SOAINFRAスキーマに組み込まれています。 |
使用可能なコンポーネント |
この画面では、アップグレード可能なスキーマがあるインストール済のOracle Fusion Middlewareコンポーネントのリストが提供されます。コンポーネントを選択すると、スキーマとすべての依存関係が自動的に選択されます。 OSBのアップグレード時には、Metadata Services、Audit ServicesおよびOracle Platform Security Servicesを選択します。 ![]() 図1213_ua_avail_comp_osb_crop.pngの説明 |
ドメイン・ディレクトリ |
この画面では、「使用可能なコンポーネント」画面でOracle Platform Security ServicesまたはOracle監査サービスのどちらを選択したかが表示されます。 既存のWebLogicドメイン・ディレクトリの絶対パスを入力するか、「参照」をクリックしてアップグレードする11gドメイン・ディレクトリに移動して選択します。 |
前提条件 |
スキーマ・アップグレードの前提条件が満たされていることを確認します。「次」をクリックする前に、それぞれの前提条件を選択する必要があります。 注意: アップグレード・アシスタントは、これらの前提条件が満たされていることを確認しません。 |
スキーマ資格証明 |
この画面を使用して、アップグレードする各スキーマのデータベース接続の詳細を入力します。 |
調査 |
各コンポーネントを調査し、コンポーネントのアップグレード準備が整っていることを検証するアップグレード・アシスタントのステータスを確認します。 スキーマごとに表示される「ソース・バージョン」に、アップグレード対象のスキーマの正しいバージョン番号が示されていることを確認します。 |
アップグレード・サマリー |
スキーマ・アップグレードのために選択したオプションのサマリーを確認します。正しいソース・バージョンとターゲット・バージョンが、アップグレード対象の各スキーマにリストされていることを確認します。 「アップグレード」をクリックしてスキーマをアップグレードするか、構成を変更する場合は「戻る」をクリックします。 |
アップグレードの進行状況 |
現在のアップグレード・プロセスのステータスを確認します。 注意: この画面のプログレス・バーには、現在のアップグレード手順の進行状況が表示されます。アップグレードの残り時間を示すものではありません。 アップグレードが完了したら「次へ」をクリックします。 |
アップグレード成功 |
アップグレードが成功していれば「閉じる」をクリックします。 アップグレードが失敗した場合または正常に完了する前にアップグレードを取り消した場合は、ログ・ファイルを確認してバックアップ環境をリストアし、アップグレード・アシスタントを再起動する必要があります。 |
スキーマのアップグレード後に、Oracle再構成ウィザードを使用して、11g OSBドメインを再構成する必要があります。このプロセスは、「再構成ウィザードを使用したドメインの再構成」で説明しているSOAドメインの再構成手順と同じです。
ドメインの再構成後に、アップグレード・アシスタントをもう一度実行して、11g OSBドメインのコンポーネント構成をアップグレードします。
このプロセスについては、「アップグレード・アシスタントを使用したドメイン・コンポーネント構成のアップグレード」で説明しています。
アップグレードが正常に完了したら、次のタスクを1つ以上実行する必要がある場合があります。独自のユース・ケースのシナリオと既存のデプロイメントを調べて、次のタスクが各自の環境に当てはまるかどうかを判断してください。
注意: Oracle Service Busでアップグレード後の問題が発生した場合は、第A.7項「Oracle Service Busのトラブルシューティング」で、一般的な解決策の一覧を参照してください。 |
Oracle Service BusコンソールおよびOracle Service BusサービスにOracle HTTP Serverからルーティングできるようにするため、WebLogicClusterパラメータをこのクラスタにあるノードのリストに設定します。
詳細は、『Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』のOracle Service Bus用のOracle HTTP Serverの構成に関する項を参照してください。
アップグレード後に、「Oracle Service Busのアップグレード時のサービス、プロジェクトおよびリソースのエクスポート」でエクスポートしたドメイン構成データをインポートする必要があります。
詳細は、『Oracle Service Busでのサービスの開発』のコンソールで構成JARファイルからリソースをインポートする方法に関する項およびOracle Service Busの管理の構成ファイルの実行に関する項を参照してください。
Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用して、アップグレード前にエクスポートしたセキュリティ・データを新しいOracle Service Busドメインにインポートします。
詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソールのオンライン・ヘルプでセキュリティ・プロバイダへのデータのインポートに関する項を参照してください。
注意: セキュリティ情報は、セキュリティ・プロバイダごとに個別にインポートする必要があります。 |
Oracle Service Busでは、XQuery 1.0をサポートしています。旧XQuery 2004もサポートされます。Service Busで新規作成したXQueryリソースは、デフォルトでXQuery 1.0バージョンを使用します。
12cより前のService Busプロジェクトからアップグレードすると、そのプロジェクト内のすべてのXQueryリソースが、XQuery 2004バージョンを使用するように構成されます。
XQueryリソースのアップグレードの詳細は、『Oracle Service Busでのサービスの開発』のXQuery 1.0を使用するようにXQueryリソースをアップグレードする方法に関する項を参照してください。
Oracle Service Bus 11gでは、Oracle Service Busコンソール・ユーザー・ロールは、WebLogicコンソールでのみ管理されていました。12cでは、Oracle Enterprise Managerコンソールで管理する必要があるOracle Service Busコンソール・アプリケーション・ロールがあります。
Enterprise Managerコンソールでロールにユーザーとグループを追加する手順:
Enterprise Managerでドメインを右クリックし、「アプリケーション・ロール」を選択します
OSBコンソールアプリケーションを選択し、矢印アイコンをクリックしてロール・リストを表示します。
必要に応じてロールにユーザーとグループを追加します。
12cには、パイプライン・サービスまたはプロキシ・サービスから直接分割-結合コンポーネントを呼び出す方法があるため、11gの分割-結合ビジネス・サービスがなくなりました。アップグレード・プロセスでは、次のようにして、静的に構成されたすべての呼び出しの参照を自動的に分割-結合ビジネス・サービスに変更します。
フロー・ビジネス・サービスは削除されます。つまり、フロー・ビジネス・サービス用に構成されたTimeout
プロパティも削除されます。
ビジネス・サービスと、それを呼び出すプロキシ・サービスが同じプロジェクトに配置されている場合は、そのプロキシ・サービスに関連付けられたパイプラインにより分割-結合が直接呼び出されます。
ビジネス・サービスと、それを呼び出すプロキシ・サービスが異なるプロジェクトに配置されている場合は、分割-結合を呼び出すためのローカル プロキシ・サービスが作成されます。このローカル・プロキシ・サービスは、元のプロキシ・サービスから呼び出されます。