Oracle® Fusion Middleware SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのアップグレード 12c (12.1.3) E57555-04 |
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この章では、ほとんどのアップグレードで必要になるアップグレード前タスクについて説明します。製品固有のアップグレード前タスクについては、このドキュメントの他の章で説明します。
注意: アップグレードするOracle SOA 11g製品によっては、追加のアップグレード前タスクを実行する必要がある場合があります。この章で説明するタスクは、SOA SuiteおよびBPM 12c (12.1.3)にアップグレードするときに必要となる、一般的なアップグレード前タスクです。アップグレードする製品ごとに、製品固有のアップグレードに関する章を確認して、アップグレードに追加のタスクが必要かどうかを判断してください。 |
この項では、12c (12.1.3)にアップグレードするSOA、Business Process Managementまたは統合製品に適用するアップグレード前のタスクについて説明しています。各自の環境に当てはまるタスクのみを実行してください。
注意: アップグレードの準備を適切に行わないことが、リカバリ不能なエラーやアップグレードの失敗につながります。アップグレードの開始前に、該当するすべてのアップグレード前タスクが完了していることを確認してください。 |
一般的なアップグレード前タスクは、次のとおりです。
アップグレード前タスク | 詳細 |
---|---|
注意: 実際の本番環境をアップグレードする前に、本番環境のクローン・コピーでアップグレードを実行することを強くお薦めします。 | 第2.1.1項「本番環境の開発コピーの作成、アップグレードおよびテスト」 |
アップグレード前の手順を開始する前に、既存の環境の完全なバックアップを作成します。 | 第2.1.2項「既存のOracle Fusion Middleware 11g環境のバックアップ」 |
アップグレードする前に、スキーマ・リポジトリをホストしているデータベースをバックアップします。 | 第2.1.3項「データベースのバックアップ」 |
アップグレードを開始する前に11gのパージ・スクリプトを実行して、アップグレード中の停止時間を減らします。 | 第2.1.4項「未使用データのパージ」 |
十分なディスク領域があることを確認します | 第2.1.5項「十分な空き領域の確保」 |
強化された暗号化を使用するための計画を立てます。 | 第2.1.6項「強化された暗号化(AES 256)の使用」 |
setDomainEnvファイルをバックアップします。 | 第2.1.7項「カスタムのsetDomainEnv設定の保持」 |
64ビット・オペレーティング・システムにアップグレードします。 | 第2.1.8項「32ビットから64ビット・オペレーティング・システムへのアップグレード」 |
Oracle Databaseがサポートされている(バージョン11.2.0.3以降)かどうか確認します。 | 第2.1.9項「Fusion Middleware Databaseのアップグレードと準備」 |
表領域のサイズが適切に設定されていることを確認します(不十分なサイズに設定すると、アップグレードは失敗します)。 | 第2.1.10項「SOAINFRAおよびIAS_TEMP表領域へのデータファイルの追加」 |
SOA Suiteのアップグレードの一部としてUMSをアップグレードする場合は、ユーザー・メッセージング・サービス(UMS)に必要なアップグレード前タスクを実行します。 | 第2.1.11項「ユーザー・メッセージング・サービス(UMS)のアップグレード」 |
SOA Suiteのアップグレードの一部としてOracle Service Bus (OSB)をアップグレードする場合は、OSBに必要なアップグレード前タスクを実行します。 | 第2.1.12項「Oracle Service Bus (OSB)を含むSOAドメインのアップグレード」 |
スタンドアロンOracle HTTP Serverをアップグレードします(必要な場合)。 | 第2.1.13項「スタンドアロンOracle HTTP Serverのアップグレード」 |
ファイルベースのポリシー・ストアをデータベース・ベースのポリシー・ストアに再関連付けします。 | 第2.1.14項「アップグレード前のファイルベースのポリシー・ストアの再関連付け」 |
Oracle Internet Directoryベースのセキュリティ・ストアを使用するときのスキーマの要件を理解します。 | 第2.1.15項「Oracle Internet Directoryベースのセキュリティ・ストアの使用」 |
カスタム・アプリケーションをアップグレードする場合は、Oracle SOA SuiteまたはOracle Business Process ManagementのQuick Start for Developersをインストールします。 | 第2.1.16項「Oracle JDeveloper 12cを使用したカスタム・アプリケーションのアップグレード」 |
アップグレード・アシスタントを起動する前に、11g FMWサーバーとプロセスをすべて停止します。 | 第2.1.17項「サーバーとプロセスの停止」
注意: アップグレード・アシスタントを起動する前に、soa_server1などの中間層サーバーをすべて停止する必要があります。 |
実際の本番環境の完全な作業用コピーを作成し、クローン環境をアップグレードし、アップグレードされたコンポーネントが予想どおりに動作することを確認してから(必ず確認した後で)、本番環境をアップグレードすることをお薦めします。
アップグレードの導入に使用するためのテスト環境の作成の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のテスト環境から本番環境への移動に関する項を参照してください。
アップグレードは元に戻せません。ほとんどの場合、エラーが発生したときには、アップグレードを中止してバックアップから環境全体をリストアし、アップグレード・プロセスを最初からやり直す必要があります。潜在的なアップグレードの問題を開発環境で特定しておくと、無駄な停止時間を排除できます。
アップグレード前にクローン環境でテストを実施することにより、本番のアップグレード計画全体に適用できる重要なデータが得られます。『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』には、完全なアップグレード前計画の立案と実行についての詳細な情報が記載されています。
本番環境のクローンでアップグレードを実行すると、次のようなメリットもあります。
アップグレードに関する問題を明らかにし、修正します。
エンドツーエンドのアップグレードを完了させる練習をします。
アップグレードのパフォーマンスおよびパージ・スクリプトがどのように役立つかを理解します。
アップグレードの完了までに必要な時間を理解します。
データベース・リソースの使用(一時表領域、PGAなど)について理解します。
SOA 11gからSOA 12.1.3へのアップグレードを実行する前に、既存の11g環境をバックアップする必要があります。
アップグレードに失敗すると、アップグレード前のバックアップから環境をリストアすることが必要になる場合があります。バックアップ戦略を計画する際には、SOAのバックアップに次のものが含まれていることを確認してください。
スキーマ・バージョン・レジストリ表
製品固有のスキーマのすべて
ドメインおよびアプリケーション・ディレクトリ
インストーラで作成されたインベントリ・ディレクトリ
バックアップの考慮事項と手順の完全なリストは、『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』のアップグレードのためのバックアップおよびリカバリ戦略に関する項を参照してください。アップグレードを開始する前に、必ずこの情報を確認し、完全なバックアップを実行してください。
データベース・リポジトリをアップグレードする場合、標準の手順では、新しいデータベース・バージョンへのアップグレードを行う前にデータベースをバックアップすることを規定しています。
新しいデータベース・バージョンへのアップグレードが成功した後で、データベースを再度バックアップすることも検討してください。この方法により、新しくアップグレードされた状態のデータベースがバックアップに反映されます。
データベースのバックアップの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』のデータベース・アップグレードのバックアップ計画に関する項を参照してください。
アップグレード前に未使用のデータをパージすることで、新しい12cデプロイメントにアップグレードするインスタンス、フォルト・アラートまたはアダプタ・レポートの数を減らして、アップグレード・プロセスを最適化できます。クローズされたインスタンスをパージすると、アップグレードの期間を大幅に短縮できます。ただし、パージしたクローズ済インスタンスは、Enterprise Manager 12cを使用して表示や報告ができなくなります。
注意: パージ・スクリプトの実行中は、アップグレード・アシスタントを起動しないでください。パージが完了するまで待ってから、アップグレード・プロセスを開始してください。アップグレード・アシスタントを使用してスキーマをアップグレードするときに、パージ・スクリプトを実行していると、アップグレードは失敗します。パージ・スクリプトとアップグレード・アシスタントの併用の詳細は、第9.3項「アップグレード前のパージ・スクリプトの使用」を参照してください。 |
自動パージまたはパージ・スクリプトの使用方法の詳細は、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』のデータベース成長の管理に関する項を参照してください。
注意: 大量のデータをパージする必要がある場合は、表のパーティション化や、その他のデータ最適化戦略の採用について検討してください。大量のデータを削除するスクリプトを使用すると、パフォーマンスに影響を与えることがあります。詳細は、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』のパージおよびパーティション化の方法の開発に関する項およびデータベース成長管理戦略の開発に関する項を参照してください。 |
アップグレードを開始する前に、アップグレードを完了するための十分な空き領域を確保することをお薦めします。
一般的なアップグレードでは、次のことが推奨されます。
表領域の空きが25%以上である
一時領域の空き容量が800MB以上である
Javaプラットフォームでは、主要なセキュリティ領域(暗号化、公開鍵インフラストラクチャ、認証、セキュアな通信、アクセス制御など)に広がるAPIのセットを定義しています。これらのAPIを使用すると、開発者は自分のアプリケーション・コードにセキュリティ・メカニズムを簡単に統合できます。
Fusion Middleware 12.1.3で使用されているセキュリティ・アルゴリズムには、JDK用の追加のポリシー・ファイルが必要になるものがあります。強化された暗号化(AES 256など)を使用する予定がある場合は、アップグレードの前に、これらのポリシー・ファイルをJDKに適用することをお薦めします。詳細は、次を参照してください。
Java暗号化アーキテクチャのOracleプロバイダ・ドキュメント
アップグレードの開始前に、これらのポリシー・ファイルをJDKに適用していないと、アップグレードに失敗することがあります。その場合は、アップグレード前環境全体をリストアして、アップグレードを最初からやり直す必要があります。
アップグレード前にsetDomainEnv
スクリプト(または他の起動スクリプト)に加えられた変更は、ドメインの再構成プロセスで再生成されるスクリプトにより上書きされます。アップグレード前に、カスタムのsetDomainEnv設定の保持(オプション)に関する項の説明に従って、別個のファイルを作成してドメインのカスタマイズを保存しておくことを検討してください。
注意: アップグレード前に、setUserOverrides スクリプトを作成できない場合は、「setDomainEnvへのカスタマイズの再適用」の説明に従って、設定を再適用する必要があります。 |
32ビットのオペレーティング・システムを実行している場合は、アップグレード前に、32ビット環境を64ビット・ソフトウェア環境にアップグレードする必要があります。Oracle Fusion Middleware 11gソフトウェアがすべて適切に64ビット・マシンで動作することを確認してから、Oracle Fusion Middleware 12cへのアップグレードを実行してください。
32ビット・システムから64ビット・システムにアップグレードする方法の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』の32ビットから64ビットへのオペレーティング・システムのアップグレードに関する項を参照してください。
Oracle SOA SuiteおよびBPM 12.1.3にアップグレードする場合のOracle Databaseの要件を理解し、Oracle Fusion Middlewareをホストするデータベースがサポートされており、アップグレードの実行に十分な領域が用意されていることを確認することが重要です。Fusion Middleware 12c (12.1.3)を実行する前に、サポートされるデータベースを必須のスキーマで構成しておく必要があります。最新の情報については、常に最新のデータベースの動作保証マトリックスを参照してください。
次に示す、12c (12.1.3)の重要な変更点に注意してください。
12c (12.1.3)の時点では、サポートされているデータベースはOracleのみです。Oracle XEはサポートしていません。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』の12c (12.1.3)のためのOracle Databaseのアップグレードと準備に関する項を参照してください。
このリリースのOracle Fusion Middlewareでは、バイトモードのデータベースのスキーマのみをサポートしています。スキーマがあるデータベース上のNLS_LENGTH_SEMANTICS初期化パラメータのCHAR
への設定はサポートされていないため、BYTE
に設定する必要があります。
NLS_LENGTH_SEMANTICSをCHARに設定すると、アップグレード・アシスタントにより、次の例外が報告されます。
JDBC SQLException - ErrorCode: 1450SQLState:72000 Message: ORA-01450: maximum key length (6398) exceeded
SQL*Plusを使用してこのパラメータの値を確認するには、次のようにshow parameters
コマンドを使用します。
prompt> sqlplus "sys/<password> as sysdba"SQL> show parameters nls_length_semantics
<password>の部分は、実際のSYSユーザーのパスワードに置き換えてください。
別の方法として、次のようにV$PARAMETERビューを問い合せて値を確認することもできます。
prompt> sqlplus "sys/password as sysdba"SQL> select name,value from v$parameter;
詳細は、使用するデータベースの管理ドキュメントを参照してください。
注意: 11gでは、SOAスキーマは必須ではなかったため、データベースなしでOracle Service Busを実行することもできました。ただし、12cでは、OSB 12c (12.1.3)を実行する前に、サポートされているデータベースを必須のSOAスキーマで構成しておく必要があります。詳細は、第2.5項「スキーマのアップグレードの準備」を参照してください。 |
すべての表領域にとって重要なことですが、11g SOAINFRA表領域とIAS_TEMP表領域のサイズをアップグレードが成功するように設定することが特に重要です。アップグレードの失敗を防止するために、既存のSOAデータベース表領域に、データ・ファイルをさらに追加することをお薦めします。
2つのサンプル・コマンドを次に示します。自分のユース・ケース・シナリオに合せて、ファイルのサイズを設定してください。
SOAINFRA表領域にデータファイルを追加するには:
sysdba
としてデータベースに接続して、次のコマンドを実行します。
alter tablespace <PREFIX>_SOAINFRA add datafile '<DB_HOME>/oradata/orcl/<New_SoaInfra_DBF_FileName>' size 1000M autoextend on next 30M maxsize unlimited; commit;
IAS_TEMP表領域に一時ファイルを追加するには:
sysdbaとしてデータベースに接続して、次のコマンドを実行します。
alter tablespace PREFIX_IAS_TEMP add tempfile '<DB_HOME>/oradata/orcl/<New_iastemp_dbf_filename>' size 1000M autoextend on next 30M maxsize unlimited; commit;
アップグレード前の表領域のサイズ設定の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』の データファイルの作成および表領域への追加に関する項を参照してください。
注意: サイズ設定のエラーが原因でデータベース・スキーマのアップグレードに失敗すると、ディスク領域を追加するだけではアップグレードを再試行できません。スキーマが不整合な状態になり、「INVALID」としてマークされた可能性があります。元の、アップグレード前の環境をバックアップからリストアしないと、このエラーからはリカバリできません。 |
ユーザー・メッセージング・サービスを11gから12cにアップグレードする場合は、追加のアップグレード前タスク(構成ファイルを手動で管理対象サーバーから管理サーバーにコピーするなど)を実行する必要がある場合があります。
詳細は、『Oracle User Messaging Serviceの管理』のユーザー・メッセージング・サービスのアップグレードに関する項を参照してください。
Oracle Service Busを含むSOAドメインをアップグレードする場合は、必須のアップグレード前タスクをいくつか実行する必要があります。第6.3項「Oracle Service Bus (OSB)のアップグレード前タスクの実行」を参照してください。
このガイドでは、Oracle WebLogic Serverドメインに「関連付けられる」ように構成されていたOracle HTTP Server 11gインスタンスをアップグレードする方法について説明します。このアップグレードは、Oracle HTTP Serverが関連付けられているドメインのアップグレード時に実行されます。
スタンドアロンOracle HTTP Serverインスタンス(11gドメインに関連付けられていないもの)をアップグレードするには、『スタンドアロンOracle HTTP Serverのアップグレード』を参照してください。
既存の11g環境でファイルベースのポリシー・ストアを使用している場合は、アップグレード・プロセスの開始前に、データベース・ベースのポリシー・ストアへの再関連付けが必要になります。
詳細は、次のタスクを参照してください。
11g Repository Creation Utilityを使用して、サポートされているDatabaseで新しい11g Oracle Platform Security Services (OPSS)および監査スキーマ(IAU)のスキーマを作成します。
11gスキーマ作成の詳細は、11gリリース1 (11.1.1.7.0)の『Oracle Fusion Middlewareリポジトリ作成ユーティリティ・ユーザーズ・ガイド』のリポジトリ作成ユーティリティの入手と実行に関する項を参照してください。
11g環境でファイル・ベースのポリシー・ストアを使用している場合、ファイル・ベースのストアをデータベース・ベースのリポジトリおよびOPSSスキーマに再関連付けします。
ファイルベース・ポリシー・ストアの再関連付けの詳細は、11gリリース1 (11.1.1.7.0)ドキュメント・ライブラリのOracle Fusion Middlewareアプリケーション・セキュリティ・ガイドのOPSSセキュリティ・ストアの再関連付けに関する項を参照してください。
11gでOracle Internet Directory (Oracle Internet Directory)ベースのセキュリティ・ストアを使用している場合は、12cのリポジトリ作成ユーティリティを使用して、新しい12c OPSSスキーマを作成します。アップグレード・アシスタントで、OPSSスキーマを選択します(アップグレード・アシスタントによってOracle Internet Directoryベースのセキュリティ・ストアがアップグレードされます)。アップグレード前に、Oracle Internet Directoryベースのセキュリティ・ストアの再関連付けは必要ではありません。
注意: 12c OPSSデータベース・スキーマが必要なのは、ドメインの再構成時に12cスキーマを参照するためのみです。ドメインでは、アップグレード後も引続きOracle Internet Directoryベースのセキュリティ・ストアが使用されます。 |
カスタム・アプリケーションをSOA 11gドメインにデプロイしていた場合、アップグレード手順の実行後、アプリケーションのデプロイメントはOracle Fusion Middleware 11gでの場合と同様に機能します。
ただし、新しいOracle Application Development Framework (Oracle ADF) 12c (12.1.3)の機能を活用する場合は、Oracle SOA SuiteまたはOracle Business Process ManagementのQuick Start for Developersをダウンロードしてインストールしてください。
Quick Start for Developersディストリビューションには、Oracle JDeveloper 12c (12.1.3)と、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのアプリケーションを開発するために必要な拡張機能が含まれています。
詳細は、『SOA SuiteおよびBusiness Process Management SuiteのQuick Start for Developersのインストール』のOracle SOA SuiteのQuick Start for Developersのインストールに関する項を参照してください。
アップグレード・アシスタントを実行する前に、すべてのOracle Fusion Middleware管理対象サーバー、管理サーバーおよび更新するスキーマまたは構成を使用している可能性があるシステム・コンポーネント(OHSなど)を停止する必要があります。これを行わないと、結果としてアップグレードが不完全になったり、障害が発生する場合があります。アップグレードは完全にオフラインで実行されます。
ノード・マネージャを実行している場合は、ノード・マネージャも停止する必要があります。これを行うには、ノード・マネージャが実行されているコンソール・ウィンドウを閉じるか、stopNodeManager WLST
コマンドを使用します。
Oracle Fusion Middleware環境を停止する手順は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Fusion Middleware環境の停止に関する項に記載されています。
OPSSセキュリティ・ストアをアップグレードする前に、アップグレードに失敗した場合にリカバリできるようバックアップを作成してください。セキュリティ・ストアのバックアップの詳細は、「OPSSセキュリティ・ストアのバックアップとリカバリ」を参照してください。
アップグレード手順は、アップグレードされるセキュリティ・ストアのタイプに応じて異なります。ファイル・ベース、Oracle Internet DirectoryベースまたはDBベースのセキュリティ・ストアをアップグレードできます。手順は、元の監査データ・ストアのタイプ(ファイルベースまたはDBベース)に応じて異なります。
DBベースのセキュリティ・ストアのアップグレード
Oracle Internet Directoryベースのセキュリティ・ストアのアップグレード
共有セキュリティ・ストアのアップグレード
ファイルベースのセキュリティ・ストアのアップグレード
Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementと、統合SOAコンポーネントには、Fusion Middleware InfrastructureおよびOracle HTTP Server (該当する場合)が必要になります。これらのディストリビューションは、Oracle SOA SuiteとBPM 12c (12.1.3)をインストールして構成する前にインストールしておく必要があります。
既存のSOA 11gコンポーネントをアップグレードする前に、まず、12c (12.1.3) Infrastructureディストリビューションを使用して、Oracle WebLogic ServerとJRFをインストールする必要があります。
詳細な手順は、『Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』を参照してください。
注意: Infrastructureディストリビューションをインストールするときには、ドメインの構成に構成ウィザードを使用しないでください。11gドメインは、新しい再構成ウィザードを使用して、アップグレード・プロセスで構成します。 |
注意: 12c (12.1.3) Infrastructureディストリビューションのインストールを完了してから、SOA 12c (12.1.3)にアップグレードする必要があります。Oracle Fusion Middleware 12c (12.1.3)でサポートしているアプリケーション・サーバーは、Oracle WebLogic Serverのみです。以前に12c (12.1.2)リリースを使用してInfrastructureコンポーネントをインストールおよび構成した場合は、まず、Infrastructure 12c (12.1.3)にアップグレードする必要があります。 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Infrastructureへのアップグレード』の以前のInfrastructure 12cリリースからのアップグレードに関する項を参照してください。 |
11gのドメインに、そのドメインに関連付けられたOracle HTTP Serverインスタンスが含まれる場合は、次のマシンにOracle HTTP Server 12.1.3をインストールする必要があります。
11g Oracle HTTP Serverインスタンスが実行されているマシン
管理サーバーが実行されているマシン
Oracle HTTP Server 12.1.3のインストールの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle HTTP Serverのインストールと構成』のOracle HTTP Serverソフトウェアのインストールに関する項を参照してください。
12c (12.1.3)製品のディストリビューションは、アップグレードするSOA 11g統合コンポーネントごとにインストールする必要があります。
詳細は、製品固有のインストレーション・ガイドを参照してください。
Oracle SOA Suite FoundationおよびBusiness Process Managementのインストールおよび構成
Oracle Service Busのインストールおよび構成
Oracle User Messaging Serviceの管理
Managed File Transferのインストールと構成
Oracle Event Processingのインストールと構成
B2BおよびHealthcareのインストールおよび構成
注意: SOA 12c (12.1.3)ディストリビューションをインストールするときには、ドメインの構成に構成ウィザードを使用しないでください。11gドメインは、新しい再構成ウィザードを使用して、アップグレード・プロセスで構成します。 |
アップグレードする前に、アップグレードする11gスキーマと、作成しておく必要があるスキーマを特定する必要があります。この項では、アップグレード用にスキーマを準備する方法について説明します。
注意: スキーマのアップグレードの一部として、アクティブ・インスタンスおよびクローズされているインスタンスはすべて自動的にアップグレードされます。アクティブまたは進行中の11gワーク・フローのインスタンスが、アップグレード中に失われることはありません。インスタンスをアップグレードしない場合は、アップグレード・アシスタントを起動する前に、インスタンスのアップグレードを回避する必要があります。 詳細は、第9章「SOAインスタンスのアップグレードの管理と監視」を参照してください。 |
11gのスキーマの作成にリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用した場合は、SYSTEM
として、またはDBA権限のあるその他のデータベース・ユーザーとしてデータベースに接続してから、次のSQLコマンドを使用して、すでにデータベースにインストールされているOracle Fusion Middleware 11gのスキーマのリストを確認します。
SET LINE 120 COLUMN MRC_NAME FORMAT A14 COLUMN COMP_ID FORMAT A20 COLUMN VERSION FORMAT A12 COLUMN STATUS FORMAT A9 COLUMN UPGRADED FORMAT A8 SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID ;
12.1.3にアップグレードできるスキーマは、バージョン11.1.1.7.xまたは11.1.1.6.xです。このリストを使用すると、ドメインのスキーマを確認でき、作成するスキーマやアップグレードする必要があるスキーマの特定に役立ちます。
Oracle Fusion Middleware 12c (12.1.3)へのアップグレードに使用できるスキーマの完全なリストは、『Upgrade Assistantによるアップグレード』のアップグレード・アシスタントでアップグレード可能なスキーマの識別に関する項を参照してください。
12.1.3.0.0コンポーネントをインストールした後、このリリースのOracle Fusion Middlewareでの使用が動作保証されている、サポートされたデータベースに新しい12cに必要なスキーマを作成する必要があります。表2-1 に、アップグレードに基づいて作成されるスキーマを示します。
表2-1 SOAおよびSOA統合製品に必要なスキーマ
アップグレードする内容 | アップグレード前に作成する12cのスキーマ |
---|---|
SOA Suite (SOA) |
Service Table (STB) Audit Services (IAU) 注意: _STBスキーマの12.1.2バージョンを作成した場合は、そのスキーマを12.1.3にアップグレードする必要があります。 |
Business Process Monitoring (BPM) |
SOA Suiteに必要なスキーマ |
Business Activity Monitoring (BAM) |
SOA Suiteに必要なスキーマ および WebLogic Services (_WLS) |
Oracle Service Bus(OSB) |
SOAインフラストラクチャ(_SOAINFRA) Service Table (STB) ユーザー・メッセージング(_UMS) 注意: Oracle SOAを実行せずにOracle Service Busをインストールすることは可能ですが、 詳細は、「OSBドメインのアップグレード(SOAを含まない場合)」を参照してください。 |
Application Integration Architecture Foundation Pack (AIAFP) |
SOA Suiteに必要なスキーマ |
ユーザー・メッセージング・サービス(UMS) |
SOA Suiteに必要なスキーマ 『Oracle User Messaging Serviceの管理』を参照してください。 |
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Infrastructureへのアップグレード』の次に関する項を参照してください。
作成するスキーマの決定
リポジトリ作成ユーティリティを使用した必要なスキーマの作成