この章では、EDQデータベース・リポジトリの作成およびEDQ用のOracle WebLogic Serverドメインの作成方法、WebLogic Serverの開始方法、EDQ Webサービスを提供するようにWebLogic Serverを構成する方法について説明します。
注意: これらの手順はOracle WebLogic Server環境にのみ適用されます。Apache Tomcatを使用している場合、5項「Apache Tomcatを使用したEnterprise Data Qualityの構成」の指示に従う必要があります。 |
この章では次の項について説明します。
この項の手順を実行する前に、次の手順を最初に読んで対応する必要があります。
EDQではいくつかのデータベース・スキーマを利用します。これらのスキーマは構成スキーマ(EDQCONFIG
)および結果スキーマ(EDQRESULTS
)です。これらはOracle Repository Creation Utility (RCU)を使用して作成できます。
RCUを実行する人は、DBA権限でデータベースにログインできる必要があります。DBA権限で実行できない場合、RCUではDBAが後で実行するスクリプトを作成できます。
RCUを実行する手順:
リポジトリ・データベースが実行していることを確認してください。
オペレーティング・システムのコマンド・シェルまたはコンソールを実行します。
RCUをFMW_HOME/oracle_common/bin
ディレクトリから開始します。FMW_HOME
は、Oracle Fusion Middlewareインストール・ディレクトリです。
Linuxの場合:
./rcu
Windowsの場合:
rcu.bat
表4-1の手順に従って、RCU構成画面を完成させます。
表4-1 RCUプログラムの実行
画面 | 実行するアクション |
---|---|
ようこそ |
「次へ」をクリックして、インストールを続行します。 「終了」をクリックすると、いつでもインストールを取り消すことができます。 |
リポジトリの作成 |
「次へ」をクリックして続行します。 デフォルトの「リポジトリの作成」および「システム・ロードおよび製品ロード」オプションを使用します。DBA権限を持ち、RCUを実行している人物が必要です。 |
データベース接続の詳細 |
「データベース・タイプ」リストから「Oracle Database」を選択します。 Oracle Databaseが実行されているホストの名前を指定します。 データベースのポート番号を入力します。Oracleデータベースのデフォルトのポート番号は1521です。 データベースのサービス名を指定します。通常、サービス名はグローバル・データベース名と同じです。たとえば、 データベースのユーザー名を入力します。デフォルトのユーザー名は データベース・ユーザーのパスワードを入力します。 「ロール:」リストから「Sysdba」を選択します。ユーザーが 「次へ」をクリックして続行します。 |
グローバルな前提条件の確認中 |
前提条件チェックの進行状況が完了に達したら、「OK」をクリックして続行します。 |
コンポーネントの選択 |
「接頭辞の新規作成」を選択し、作成しているデータベース・スキーマの接頭辞を入力します。たとえば、 「Oracle ASリポジトリ・コンポーネント」チェック・ボックスを選択します。EDQ構成および結果スキーマをデータベース・リポジトリに作成するOracle EDQのチェック・ボックスは自動的に選択されます。 「次へ」をクリックして続行します。 |
コンポーネント前提条件の確認中 |
前提条件チェックの進行状況が完了に達したら、「OK」をクリックして続行します。 |
スキーマ・パスワード |
「すべてのスキーマに同じパスワードを使用」が選択されていることを確認します。 両方のパスワード・フィールドにすべてのEDQデータベース・スキーマに使用するパスワードを入力し、「次へ」をクリックして続行します。 |
表領域のマップ |
RCUにより作成されるデフォルトのEDQ表領域が、コンポーネント別に表示されます。 「表領域の管理」をクリックし、情報を変更して表領域を変更することができます。 「次へ」をクリックして続行します。 |
表領域のマップ |
「OK」をクリックして、存在しない表領域をスキーマに作成し、操作が完了したら「OK」をクリックします。 |
サマリー |
データベースの詳細を確認し、「作成」をクリックして続行します。 リポジトリ・コンポーネントの作成の進捗を示すステータス画面が表示されます。 |
完了サマリー |
「閉じる」をクリックしてRCUプログラムを終了します。 |
この手順は構成ウィザードを使用して、次のものを含む、EDQ用の基本的なWebLogic Serverドメインを作成します。
1つの管理サーバーおよび1つの管理対象サーバー(追加の管理対象サーバーまたはクラスタなし)。
EDQ構成スキーマ用の1つの(非RAC)データ・ソースおよび結果スキーマ用の1つのデータ・ソース。構成ウィザードを使用して、データ・ソースをRACデータ・ソースに変換できます。または後でWebLogic Server管理コンソールから行うこともできます。
edq/nodemanager
として、EDQドメイン内に定義済のノード・マネージャ構成。この構成のノード・マネージャ・ホームは編集できません。必要な場合、この手順の間にこの構成を変更できます。
注意: Oracle WebLogicノード・マネージャにより管理される管理対象サーバーの使用をお薦めします。構成ウィザードで管理対象サーバー、クラスタ、およびその他の拡張機能を構成できますが、最初の構成プロセスの後で、WebLogic Server管理コンソールを使用して行うことの方が実用的です。詳細は、第4.5節「同じドメインでの複数のEDQサーバーの実行」を参照してください。 |
ドメインの構成ウィザードを起動するには、次の手順に従います。構成ウィザードをグラフィカル・モードで実行します。
1.4.5項「オペレーティング・システム・ユーザー」で作成したEDQインストール・ユーザーとしてシステムにログインします。
FMW_HOME/oracle_common/common/bin
ディレクトリに移動します。FMW_HOME
は、Fusion Middlewareインストール・ディレクトリです。
次のコマンドを入力してウィザードを起動します。
LinuxまたはUNIXオペレーティング・システムの場合
./config.sh
Microsoft Windowsオペレーティング・システムの場合:
config.cmd
WebLogic Server構成ウィザードが表示されます。
表4-2は構成ウィザードの画面について説明します。選択内容により、特定の状況でのみ特定の画面が表示されます。画面の詳細は、「ヘルプ」ボタンをクリックしてください。
表4-2 新しいEDQ WebLogic Serverドメインの作成のための構成画面
画面 | 実行するアクション |
---|---|
構成タイプ |
新しいドメインの作成を選択します。 「ドメインの場所」ボックスで、新しいドメインへのパス( 「次へ」をクリックして続行します。 |
テンプレート |
Oracle Enterprise Data Quality – 12.1.3 (edq)を選択します。すべてデフォルトの選択のままにします。 「次へ」をクリックして続行します。 |
アプリケーションの場所 |
EDQドメインのアプリケーションを格納するディレクトリを指定します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
管理者アカウント |
EDQドメインの管理者アカウント用のユーザー名およびパスワードを指定します。このアカウントを使用して、ドメインを管理し、EDQアプリケーションにログインします。 「次へ」をクリックして続行します。 |
ドメイン・モードおよびJDK |
ドメイン・モード: 次のオプションから、使用するドメインの起動時の動作モードを選択します。
JDK: 使用可能なJDKのリストから、2.2項「EDQをサポートするJava Development Kitのインストール」でインストールしたJDKを選択します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
JDBCデータ・ソース |
リポジトリのEDQ構成スキーマ( 「次へ」をクリックして続行します。 |
JDBCデータ・ソース・テスト |
「選択された接続のテスト」をクリックし、構成ツールがデータ・ソースに接続できることを確認します。接続をテストするには、ターゲット・データベースが実行している必要があります。テストをスキップするには、このチェック・ボックスの選択を解除します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
データベース構成タイプ |
RCUデータが選択されていることを確認します。ここにはリポジトリ作成ユーティリティを実行したときに指定した接続情報が移入されます(4.2項「RCUプログラムの実行」を参照してください)。 これらのフィールドを変更する必要がある場合、RCUを実行したときに指定したスキーマ接頭辞(デフォルトでは 完了したら、RCU構成の取得をクリックしてOracle Databaseに接続し、EDQスキーマをバインドします。 「次へ」をクリックして続行します。 |
JDBCコンポーネント・スキーマ |
EDQ構成および結果スキーマを含むデフォルトを受け入れ、「次へ」をクリックします。 |
JDBCテスト |
すべてのスキーマが選択され、自動的にテストされます。 必要な場合は、前の画面に戻って接続構成を変更します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
構成のサマリー |
ビューを選択してからそのビューのリスト内の個々の項目を選択することで、ドメインの構成を確認します。 ドメインが希望どおりに構成されている場合は、「作成」をクリックしてドメインを作成します。 構成を変更する必要がある場合は、「戻る」をクリックして、変更する設定のための適切な画面に戻ります。 |
構成の進行状況 |
ドメイン作成の進行状況を表示します。 このプロセスが完了したら、「次へ」をクリックします。 |
構成に成功しました |
ドメイン作成結果を確認します。 構成ウィザードを終了するには、「終了」をクリックします。 |
インストールを完了するには、管理サーバー、管理対象サーバーおよびクラスタを開始する必要があります。ノード・マネージャおよび管理サーバーを使用した管理対象サーバーの起動の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理のOracle WebLogic Serverインスタンスの起動および停止に関する項を参照してください。
起動用のサーバー・パラメータの設定に関する重要な情報については、6項「Enterprise Data Qualityをサポートするサーバー・パラメータの設定」も参照してください。
高可用性シナリオをサポートするには、複数のEDQサーバーのクラスタを構成して、受信負荷(たとえば、大量の同時のWebサービス・リクエストからの)を分担し、個々のサーバーで障害が発生してもサービスを継続できるようにすることをお薦めします。この項では、Oracle WebLogic Serverを使用するモデルをサポートするようにEDQを構成する方法について、基本的な指針を示します。
複数のEDQ管理対象サーバーは、同一のWebLogic Serverドメイン内で、クラスタまたは非クラスタで動作するように構成できます(ただし、各サーバーが個別で専用の、次のアイテムを持つ場合)。
EDQCONFIG
およびEDQRESULTS
スキーマ: EDQインスタンスに対しては、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を再実行し、スキーマ名に異なる接頭辞を付けることで(DEV2
など)、異なるEDQインスタンスに対する別のスキーマを作成できます。
JDBCデータ・ソース: 各スキーマに対し、それぞれ異なるJNDI名で、対応するJDBCデータ・ソースを作成する必要があります。WebLogic Serverの構成ウィザードは、JDBCデータ・ソースを最初のサーバーに対してのみ作成します。残りのデータ・ソースはWebLogic Server管理コンソールを使用して、手動で作成する必要があります。
構成ディレクトリ(ベースおよびローカル): WebLogic Serverの構成ウィザードは、構成ディレクトリを最初のEDQサーバーに対してのみ作成するため、ローカル構成ディレクトリ(oedq.local.home
)を最初のサーバーからその他のサーバーにコピーする必要があります。ベース構成ディレクトリ(oedq.home
)はすべての管理対象サーバーで共有できます。これらのディレクトリの詳細は、1.4.2項「EDQディレクトリ要件」を参照してください。
director.properties
ファイル: 後続の各EDQサーバーの新しい構成ディレクトリ内のdirector.properties
ファイルを編集して、作成済の新しいデータ・ソースの新しいJNDI名を指し示すようにする必要があります。また、異なる管理ポート、FTPポートおよびSSHDポートを割り当てる必要があります。これらのポートは管理対象サーバーの設定では定義されていないためです。
サーバー・リスニング・ポート。各サーバーは異なるポートでリスニングする必要があります。
Java Required Files (JRF)テンプレートはWebLogic Server管理コンソールを使用して作成された管理対象サーバーに適用される必要があります。これはWebLogic Serverの構成ウィザードにより自動的に実行されたライブラリのターゲット設定と同等です。
最後の手順は次のとおりです。
WebLogic Server管理コンソールを使用して、その他のEDQサーバーの管理対象サーバーの設定を変更します。
「サーバーの起動」タブでサーバー起動の「引数」オプションを構成してedq.config.path
を更新し、関連する新しい構成ディレクトリを指すようにします。
複数のEDQサーバーを構成した後は、これらのサーバーをクラスタ化せずに関連するポートへのそれぞれのLaunchpad URLを使用して直接アクセスするか、または標準のWebLogic Serverプラクティスを使用してサーバーをクラスタの一部として設定することができます。別のフロントエンド・ロード・バランサを設定し、1つのクラスタURLを通じて、受信するWebサービス・リクエストを処理することができます。
注意: ロード・バランスされたクラスタURLを使用して、EDQ Launchpadへのアクセスを試みないでください(実際にアクセスされているEDQサーバーが不明確になるためです)。そのかわり、専用ポートを使用して直接いずれかのサーバーにログインし、EDQまたはWebLogic Serverコンソールを使用して、クラスタ内のすべてのサーバーに接続します。 |