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Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Schedulerの管理
12c (12.1.3)
E59386-02
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4.3 パージ・ポリシーの管理

パージ・ポリシーを使用すると、指定した基準に基づいてスケジューリング・サービスで完了ジョブを削除できます。たとえば、特定のジョブ定義を使用して送信され、特定のアプリケーションによって実行されたすべてのJavaタイプのジョブ・リクエストを3日間保存することをパージ・ポリシーで指定できます。また、特定のタイプ(たとえば、すべてのSQLジョブ・リクエスト)の成功状態のジョブ・リクエストを1日のみ保存するパージ・ポリシーも考えられます。パージ・ポリシーの実行頻度も指定できます。

この項では、次の項目について説明します。

4.3.1 新規パージ・ポリシーの設定

パージ・ポリシーは、どのジョブ・リクエストをパージし、どのジョブ・リクエストを保存するかを決定します。パージ・ポリシーの定義には次の作業が含まれます。

  • パージするジョブの選択: 選択基準には、関連付けられているアプリケーションまたは製品、特定のジョブ定義またはジョブ・タイプ、ジョブ送信者、最大リクエスト数などがあります。

  • 保存基準の指定: ジョブ・リクエストの保存期間をステータスに基づいて決定します。

  • パージ頻度の指定: パージ・ポリシーの実行頻度を指定します。

注意:

パージ・ポリシーの実行後、パージしたジョブ・リクエストをデータベースから物理的に削除する必要があります。詳細は、「ジョブ・リクエストのデータベースからの物理的なパージ」を参照してください。

新規パージ・ポリシーを設定するには:

  1. ナビゲーション・ペインで、「スケジューリング・サービス」フォルダを展開し、Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを選択します。
  2. 「スケジューリング・サービス」メニューから、パージ・ポリシーを選択します。
  3. 新規ポリシーを構成するには、「新規の設定」をクリックします。

    「パージ・ポリシーの設定」ページで、パージ・ポリシーを構成します。

  4. 「説明」テキスト・フィールドに、パージ・ポリシーの説明を入力します。
  5. 「パージのリクエスト基準」セクションで、パージするジョブ・リクエストの特性を構成します。
    • アプリケーション: ドロップダウン・リストから、パージ・ポリシーを作成するアプリケーションを選択します。

    • 製品: 製品名を入力します。

    • ジョブ定義: 「ジョブ定義」テキスト・フィールドの横にある参照ボタンをクリックします。

      「ジョブ定義の選択」ウィンドウの「名前」テキスト・フィールドにジョブ定義の名前を入力します。

      「実行」をクリックして検索し、表示されたものの中から対象のジョブ定義を選択します。「OK」をクリックします。

    • 実行タイプ: ドロップダウン・リストから適切なジョブ・タイプを選択します(「すべて」、「Javaタイプ」、「SQLタイプ」、「プロセス・タイプ」)。

    • 送信者: ジョブ送信者の名前を入力します。

  6. 「パージの保存基準」セクションで、保存するジョブ・リクエストの特性を構成します。
    • デフォルト保存期間(日数): リクエストを保存するデフォルト期間(日数)を入力します。

    • 保存期間 - 成功(日数): 成功したジョブ・リクエストを保存する期間(日数)を入力します。

    • 保存期間 - エラー(日数): エラーが発生したジョブ・リクエストを保存する期間(日数)を入力します。

    • 保存期間 - 警告(日数): 警告状態で終了したジョブ・リクエストを保存する期間(日数)を入力します。

    • 保存期間 - 取消済(日数): 取消し済ジョブ・リクエストを保存する期間(日数)を入力します。

  7. 「スケジュール」セクションで、ジョブ・リクエスト・パージ・ポリシーのスケジュールを設定します。
    • パージ・ポリシーを1回だけ実行する場合は、「1回」を選択します。「カレンダ」ボタンをクリックして、ポリシーのパージを実行する日時を選択します。

    • パージ・ポリシーのスケジュールを設定するには、「既存のスケジュールの使用」を選択します。参照ボタンをクリックして、スケジュールを検索します。

      「スケジュールの選択」ウィンドウで、スケジュールを選択して「OK」をクリックします。

  8. 「拡張」セクションの「最大処理対象リクエスト数」テキスト・フィールドに、処理する最大ジョブ・リクエスト数を入力します。
  9. 「OK」をクリックしてパージ・ポリシーを保存します。

4.3.2 ジョブ・リクエストのデータベースからの物理的なパージ

ジョブ・リクエスト・データは、Oracle Enterprise Schedulerランタイム・ストアのランタイム・ストア表にレコードとして保存されます。これらのジョブ・リクエスト・レコードは、データベース管理者がSQLパージ・スクリプトを使用してデータベースから物理的にパージするまで、ランタイム・ストアに保持されます。ジョブ・リクエストを物理的にパージする前に、論理的に削除する必要があります。

Oracle Enterprise Schedulerスキーマでesspurge.purge_requestsメソッドを使用して、削除されたジョブ・リクエストをデータベースからパージします。Oracle Fusion Applications環境で、このスキーマは通常FUSION_ORA_ESSと呼ばれています。

ESSPURGEパッケージには、完了したジョブ・リクエストをパージできるストアド・プロシージャが含まれています。通常、このパッケージはOracle Enterprise Schedulerスキーマが作成または更新されたときにロードされます。ストアド・プロシージャを例4-1に示します。

esspurge.purge_requestsの基本的な構文を例4-2に示します。FUSION_ORA_ESSはOracle Enterprise Schedulerスキーマの名前で、passwordはパスワードです。

さらに別の例を示します。

  • 現在時間より前に完了したジョブ・リクエストを最大50000件パージするには、次のコマンドを実行します。

    execute esspurge.purge_requests(systimestamp, 50000);
    
  • 30日前に完了したジョブ・リクエストを最大50000件パージするには、次のコマンドを実行します。

    execute esspurge.purge_requests(systimestamp - 30, 50000);
    
  • 2010年6月1日15:00:00(UTC)より前に完了したジョブ・リクエストを最大50000件パージするには、次のコマンドを実行します。

    execute esspurge.purge_requests(TIMESTAMP '2010-06-01 15:00:00 -00:00', 50000);
    

例4-1 完了したジョブ・リクエストをパージするESSPURGEストアド・プロシージャ

--- Purges job requests that have completed.
---
--- p_older_than : Purge only job requests that have completed after this time.
--- p_max_count : The maximum number of job requests to purge.
--- p_max_runtime : The maximum time, in minutes, the purge should run.
---    If null (default), this defaults to one day which effectively means
---    there is no time limit.
---
procedure purge_requests
( p_older_than in timestamp,
  p_max_count in number,
  p_max_runtime integer default null );

例4-2 データベースからのジョブ・リクエストのパージ

sqlplus FUSION_ORA_ESS/password
set serveroutput on size unlimited
set timing on
execute esspurge.purge_requests(systimestamp, 1000000);

4.3.3 パージ・ポリシーの表示

スケジューリング・サービスに定義されているすべてのパージ・ポリシーを表示できます。

スケジューリング・サービスのパージ・ポリシーを表示するには:

  1. ナビゲーション・ペインで、「スケジューリング・サービス」フォルダを展開し、Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを選択します。
  2. 「スケジューリング・サービス」メニューから、パージ・ポリシーを選択します。

4.3.4 パージ・ポリシーの更新

パージ・ポリシーが「Succeeded」または「Cancelled」状態でないかぎり、パージ・ポリシーのスケジュールと同様に、既存のパージ・ポリシーのリクエストまたは保存基準を編集できます。

パージ・ポリシーを更新するには:

  1. ナビゲーション・ペインで、「スケジューリング・サービス」フォルダを展開し、Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを選択します。
  2. 「スケジューリング・サービス」メニューから、パージ・ポリシーを選択します。
  3. 「パージ・ポリシー」表で、更新するポリシーを選択し、「更新」をクリックします。
  4. パージ・ポリシーを編集し、「OK」をクリックします。

4.3.5 パージ・ポリシーの削除

それが「Wait」または「Hold」状態でないかぎり、指定したパージ・ポリシーを削除できます。

パージ・ポリシーを削除するには:

  1. ナビゲーション・ペインで、「スケジューリング・サービス」フォルダを展開し、Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを選択します。
  2. 「スケジューリング・サービス」メニューから、パージ・ポリシーを選択します。
  3. 「パージ・ポリシー」表で、削除するポリシーを選択し、「削除」をクリックします。