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Oracle® Fusion Middleware Oracle Event Processingの管理
12c リリース(12.1.3)
E57532-04
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1 サーバー管理の概要

Oracle Stream Analyticsサーバー管理タスクには、ドメインの作成およびドメイン、サーバーおよびアプリケーションの管理が含まれます。このガイドでは、これらのタスクを実行するためにコマンドラインから実行するサーバー管理ツールについて説明します。

Oracle Stream Analytics Visualizerも使用できます。Visualizerは、Oracle Stream Analyticsサーバーおよびドメインの管理およびOracle Stream Analyticsアプリケーションおよびセキュリティの様々な側面を表示、開発、構成および監視できるブラウザベースのツールです。『Oracle Event Processingビジュアライザの使用』Oracle Stream Analytics Visualizerの開始に関する項を参照してください。

この章の内容は次のとおりです。

このガイドで説明しているOracle Stream Analytics APIの詳細は、Oracle Event ProcessingのJava APIリファレンスも参照してください。

1.1 サーバー提供サービス

Oracle Event Processingサーバーには、Oracle Event Processingアプリケーションをデプロイする論理的に関連付けられたリソースとサービスがあります。

サービスは次のとおりです。

  • ネットワークI/O: サーバー/クライアントのインターネット・プロトコル(IP)ポート・アクセス、IPv4/IPv6のサポート、および各種ブロック/非ブロック・ネットワークI/Oプロバイダ。

  • セキュリティ: SSL、パスワード・ストアおよび認証と認可プロバイダなどのセキュリティ・サービス。

  • Jetty HTTPパブリッシュ/サブスクライブ・サーバー: HTTP上で、Webクライアントがチャネルに対してサブスクライブし、非同期のメッセージをこれらのチャネルに対してパブリッシュできるようにします。

  • Java Management Extensions (JMX): プログラムからOracle Event Processingサーバーおよびアプリケーション動作へのアクセス。

  • JDBCデータ・ソース: リレーショナル・データベースにアクセスして、イベント・レコードおよび再生のイベントを格納できるようにし、Oracle CQL問合せのイベント・ソースとして表にアクセスできるようにします。

  • HTTPパブリッシュ/サブスクライブ・サーバー: イベント・メッセージを、Oracle Event Processing Visualizerおよびご使用のWeb 2.0アプリケーションなどのサブスクライブされたクライアントにプッシュします。

  • ロギング: サーバーおよびアプリケーションの操作を監視およびトラブルシューティングします。

1.2 サーバー・ドメイン

Oracle Stream Analyticsドメインは、1つ以上のサーバーのセットの管理ユニットです。

次の2種類のドメインがあります。

  • スタンドアロンサーバー・ドメイン: 単一のサーバーを含むドメインです。これは、「構成」ウィザードで作成され、マルチサーバー・ドメインの開始点であるデフォルトのドメインのタイプです。「スタンドアロンサーバー・ドメイン」を参照してください。

  • マルチサーバー・ドメイン: 同じユニキャスト・アドレス、ユニキャスト・ポート、マルチキャスト・アドレス、マルチキャスト・ポートおよびセキュリティ・プロバイダを共有する2つ以上のサーバーが含まれるドメインです。マルチキャスト・アドレス、マルチキャスト・ポートおよびドメインは、ドメイン内のサーバーごとにconfig.xmlファイルで構成されます。マルチサーバー・ドメイン内にサーバー・グループを作成でき、指定したサーバー・グループ内の各サーバーにアプリケーションをデプロイできます。マルチサーバー・ドメイン内のサーバーは、同一コンピュータ上または別々のコンピュータ上に置くことができます。

1.3 サーバー・ライフ・サイクル

Oracle Event Processingサーバーのライフ・サイクルの状態は、それ自体に特有です。これらはOSGiバンドルの状態ではありません。

図1-1は、Oracle Event Processingサーバー・ライフ・サイクルの状態図を示しています。この図では、状態名(STARTINGRUNNINGおよびSHUTTING_DOWN)は、ServerRuntimeMBean.getStateメソッドの戻り値に対応します。このような状態はOracle Event Processingに固有のものです。

図1-1 サーバー・ライフ・サイクル状態図

図1-1の説明が続きます
「図1-1 サーバー・ライフ・サイクル状態図」の説明

1.3.1 サーバー起動アクション

Oracle Event Processingサーバーを起動すると、次のアクションが実行されます。

  1. コア・エンジン・バンドルを起動します。
  2. Oracle Event Processingバンドルおよび拡張機能ライブラリを起動します。
  3. MBeanを登録します。
  4. このときOracle Event Processingサーバーの状態はSTARTINGです。
  5. アプリケーション・ライブラリを起動してから、アプリケーション・バンドルを起動します。
  6. このときOracle Event Processingサーバーの状態はRUNNINGです。

1.3.2 サーバー停止アクション

Oracle Event Processingサーバーを停止すると、次の処理が実行されます。

  1. Oracle Event Processingサーバーの状態はSHUTTING_DOWNです。
  2. ServerRuntimeMBeanを登録解除します。

    Oracle Event Processingサーバーに状態が割り当てられなくなります。

  3. Oracle Event Processingバンドルを停止します。
  4. アプリケーション・バンドルを停止します。
  5. コア・エンジン・バンドルを停止します。

1.4 サーバー構成

サーバーを構成し、そのサーバーにデプロイされたアプリケーションを構成し、タスクを静的または動的に実行できます。静的な構成にはXMLファイルの編集が含まれます。動的な構成には、管理Bean(MBeans)の操作が含まれます。

プログラムによって実行するには、Oracle Event Processing Visualizer、wlevs.Adminコマンドライン・ツールまたはJMX APIを使用できます。

静的な構成

Jettyの構成などのサーバー構成タスクは静的でのみ実行できます。

サーバーを静的に構成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Event Processingサーバーを停止します。

  2. Oracle Event Processingサーバーのドメイン・ディレクトリにあるconfig.xmlファイルを編集します

  3. Oracle Event Processingサーバーを起動します。

動的な構成

一部のサーバー構成タスクは、JMXおよびMBeanを使用して動的に実行できます。この場合、変更を反映するためにサーバーを手動で停止および開始する必要はありません。

アプリケーションをデプロイした後、Oracle Event Processingサーバーがアプリケーションまたはコンポーネントに対して自動的に作成するMBeanを操作して、アプリケーションまたは個々のコンポーネントの構成を動的に変更することができます。通常のタスクでは、Oracle Event Processing Visualizer、wlevs.Adminコマンドライン・ユーティリティまたはJMXを使用してデプロイされたアプリケーションのプロセッサのOracle CQLルールを動的に構成します。

関連情報

1.4.1 サーバー構成ファイル

すべてのサーバー・ファイルは、単一のサーバー・ディレクトリに含まれます。メイン・サーバーの構成ファイルはconfig.xmlであり、このファイルでサーバー・サービスを構成して、サーバーが属するドメインを指定します。

デフォルトでは、サーバー・ドメインは構成ウィザードによって/Oracle/Middleware/my_oep/user_projects/domainsディレクトリに作成されます。次のリストで、各ドメインの重要なサーバー・ファイルおよびディレクトリについて説明します。

  • deployments.xml: このドメインのOracle Event Processingインスタンスに現在デプロイされている、OSGiバンドルとしてパッケージ化されたアプリケーションのリストを含むXMLファイルです。アプリケーションをデプロイするために、このファイルを手動で更新しないでください。デプロイヤ・ツールを使用してください。

  • startwlevs.cmd: Oracle Event Processingサーバーのインスタンスを起動するコマンド・ファイルです。UNIXではstartwlevs.shが同等です。

  • stopwlevs.cmd: Oracle Event Processingサーバーのインスタンスを停止するコマンド・ファイルです。UNIXではstopwlevs.shが同等です。

  • config/config.xml: Oracle Event Processingサーバー・インスタンスの構成済サービスを示すXMLファイルです。サービスにはロギング、デバッグ、Jetty WebサービスおよびJDBCデータ・ソースがあります。

  • config/security*: ドメインのセキュリティを構成するファイルです。

  • config/atnstore.txt: ドメインの構成済ユーザーとユーザー・グループをリストするファイルです。

1.4.2 config.xmlファイルの編集

Oracle Event Processingサーバーを構成する最も効率的な方法は、サーバー管理ツールで説明されているように、1つ以上のOracle Event Processing管理ツールを使用する方法です。Oracle Event Processingサーバーのconfig.xmlファイルを編集することにより、Oracle Event Processingサーバー構成を実行できます。

注意:

config.xmlファイルを手動で更新し、Oracle Event Processingサーバーの構成を変更した場合、変更を有効にするにはサーバーを再起動する必要があります。

config.xmlファイルを使用して、次のサーバー・オブジェクトおよび機能を構成できます。参照先の項では、追加または更新する必要がある要素を正確に記述しています。

次の例に、これらのサービスのいくつかの構成を含むconfig.xmlの例を示します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!--Sample XML file generated by XMLSpy v2007 sp2 (http://www.altova.com)-->
<n1:config
  xsi:schemaLocation="http://www.bea.com/ns/wlevs/config/server wlevs_server_config.xsd"
  xmlns:n1="http://www.bea.com/ns/wlevs/config/server"
  xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance">
   <netio>
     <name>NetIO</name>
     <port>9002</port>
   </netio>
   <netio>
     <name>sslNetIo</name>
     <ssl-config-bean-name>sslConfig</ssl-config-bean-name>
     <port>9003</port>
   </netio>
   <work-manager>
     <name>JettyWorkManager</name>
     <min-threads-constraint>5</min-threads-constraint>
     <max-threads-constraint>10</max-threads-constraint>
   </work-manager>
   <jetty>
     <name>JettyServer</name>
     <network-io-name>NetIO</network-io-name>
     <work-manager-name>JettyWorkManager</work-manager-name>
     <secure-network-io-name>sslNetIo</secure-network-io-name>
   </jetty>
   <rmi>
     <name>RMI</name>
     <http-service-name>JettyServer</http-service-name>
   </rmi>
   <jndi-context>
     <name>JNDI</name>
   </jndi-context>
   <exported-jndi-context>
     <name>exportedJndi</name>
     <rmi-service-name>RMI</rmi-service-name>
   </exported-jndi-context>
   <jmx>
     <rmi-service-name>RMI</rmi-service-name>
     <jndi-service-name>JNDI</jndi-service-name>
   </jmx>
   <ssl>
     <name>sslConfig</name>
     <key-store>./ssl/evsidentity.jks</key-store>
     <key-store-pass>
        <password>{Salted-3DES}j4XEtuXmmvEl4M/NInwq0A==</password>
     </key-store-pass>
     <key-store-alias>evsidentity</key-store-alias>
     <key-manager-algorithm>SunX509</key-manager-algorithm>
     <ssl-protocol>TLS</ssl-protocol>
     <enforce-fips>false</enforce-fips>
     <need-client-auth>false</need-client-auth>
   </ssl>
   <http-pubsub>
     <name>pubsub</name>
     <path>/pubsub</path>
     <pub-sub-bean>
        <server-config>
          <name>/pubsub</name>
          <supported-transport>
             <types>
                <element>long-polling</element>
             </types>
          </supported-transport>
          <publish-without-connect-allowed>true</publish-without-connect-allowed>
        </server-config>
        <channels>
           <element>
              <channel-pattern>/evsmonitor</channel-pattern>
           </element>
           <element>
              <channel-pattern>/evsalert</channel-pattern>
           </element>
           <element>
              <channel-pattern>/evsdomainchange</channel-pattern>
          </element>
        </channels>
     </pub-sub-bean>
   </http-pubsub>
   <cluster>
     <server-name>productionServer</server-name>
   </cluster>
   <domain>
     <name>oep_domain</name>
   </domain>

1.4.3 構成履歴の管理

サーバーにアプリケーションをデプロイするとき、サーバーによってアプリケーションの構成履歴が作成されます。アプリケーションで行うすべての構成変更はこの履歴に記録されます。Oracle Event Processing Visualizerまたはwlevs.Adminツールでこれらの変更の表示およびロールバック(undo)ができます。

1.4.4 サーバーのbootclasspathの構成

-Xbootclasspathコマンドを使用して、ブートストラップ・クラスおよびリソースの検索パスを設定します。たとえば、このコマンドを使用して、サーバー構成ファイル(config.xml)による設定を超えたサーバー依存関係を満たすことができます。また、このコマンドを使用して、アプリケーション・インポート文により設定されライブラリおよびライブラリ拡張ディレクトリで検出されるものを超えたアプリケーションとアプリケーション・ライブラリの依存関係も満たすことができます。

bootclasspathを構成するには、次の手順を実行します。

  1. bootclasspathを構成するドメインのサーバー・ディレクトリに、ディレクトリを変更します。

    場所は次のとおりです。

    /Oracle/Middleware/my_oep/user_projects/domains/<domainname>/ <server_name>

  2. サーバー・ディレクトリで、起動スクリプト(オペレーティング・システムに応じてstartwlevs.shまたはstartwlevs.cmd)をエディタで開きます。
  3. 次の行を探します。
    "$JAVA_HOME/bin/java" $JVM_ARGS $JVM_D64 $DEBUG_ARGS -Dwlevs.home="$USER_INSTALL_DIR" -jar "${USER_INSTALL_DIR}/bin/wlevs.jar" $ARGS
    /wlevs.jar
    
  4. 使用するネイティブ・ライブラリのフル・パス名を-Xbootclasspath/aオプションに設定します。

    たとえば、Oracle Event Processingサーバー・ディレクトリ%USER_INSTALL_DIR%\binにあるネイティブ・ライブラリmynativelibを使用する場合、次のように起動スクリプトでjavaコマンドを更新します。

    この例は、読みやすくするために分割しています。コマンド全体を1行にする必要があります。

    %JAVA_HOME%\bin\java -Dwlevs.home=%USER_INSTALL_DIR% -Dbea.home=%BEA_HOME%  
    -Xbootclasspath/a:\Oracle\Middlware\my_oep\oep\bin\mynativelib.jar 
    -jar "%USER_INSTALL_DIR%\bin\wlevs.jar" 
    -disablesecurity %1 %2 %3 %4 %5 %6 
    
  5. Oracle Event Processingが実行中の場合は、新規のjavaオプションとデータ・ソース情報を読み込むために再起動します。「サーバーの起動と停止」を参照してください。

1.5 サーバー管理ツール

この項は、Oracle Event Processingサーバー、ドメインおよびアプリケーションを管理するために使用するサーバー管理ツールについて説明します。

  • 構成ウィザード。Oracle Event Processingサーバーとドメインを作成および更新するためにグラフィカルに呼び出すことができるJavaアプリケーションです。12.1.3リリースでは、構成ウィザードによってOracle Database構成のみを生成できます。「スタンドアロンサーバー・ドメイン」を参照してください。

  • wlevs.Adminコマンドライン・ユーティリティ。多様なOracle Event Processingサーバー、ドメインおよびアプリケーション管理タスクを実行するためにローカルまたはリモートで呼び出すことができるJavaアプリケーションです。「wlevs.Adminコマンドライン・リファレンスについて」を参照してください。

  • デプロイヤ・コマンドライン・ユーティリティ。アプリケーションのデプロイメントとアプリケーション管理タスクを実行するためにローカルまたはリモートで呼出し可能なJavaアプリケーションです。「デプロイヤ・コマンドライン・リファレンス」を参照してください。

  • セキュリティ管理ユーティリティ。「セキュリティ・ユーティリティ・コマンドライン・リファレンス」を参照してください。

  • JMX。標準ベースのインタフェースのセットであり、JMXおよび管理bean (MBean)を使用したサーバー、ドメインおよびアプリケーション管理タスクの実行を可能にします。「JMX」を参照してください。

1.6 サーバー管理タスク

サーバー管理タスクには、サーバーおよびドメインの作成および更新、サーバーの構成、起動および停止、アプリケーションのデプロイおよび管理が含まれます。

サーバーとドメインの作成

Oracle Event Processingプラットフォームの設定における主な管理タスクは、サーバー・ドメインの作成および構成です。Oracle Event Processingは、スタンドアロンサーバー・ドメインおよびマルチサーバー・ドメインをサポートします。

詳細は、次を参照してください。

サーバーとドメインの更新

Oracle Event Processingサーバーとドメインを作成したら、それを更新して、構成またはサーバー・グループ・メンバーシップを変更することができます。参照:

サーバー構成

Oracle Event Processingサーバーとドメインを作成したら、提供される様々なサービスを構成する必要があります。参照:

サーバーの起動と停止

少なくとも1つのサーバーとともにOracle Event Processingドメインを作成した後、アプリケーションをデプロイして実行を開始できるようにサーバー・インスタンスを起動します。アップグレード時と構成変更の後、Oracle Event Processingサーバーを停止して起動する必要があります。参照:

注意:

Windowsオペレーティング・システムの場合、起動したコマンド・プロンプトの「閉じる」ボタンをクリックしてOracle Event Processingサーバーを停止しないでください。stopwlevs.cmdスクリプトまたはCtrl-Cを使用すると、Oracle Event Processingサーバーはいつでも停止します。

サーバーへのアプリケーションのデプロイ

Oracle Event Processingサーバーとドメインを作成し構成した後、Oracle Event Processingアプリケーションをデプロイできます。参照:

アプリケーション、サーバーおよびドメインの管理

Oracle Event Processingサーバーとドメイン上にアプリケーションをデプロイしたら、パフォーマンス監視やアップグレードなどのタスクを実行するためにアプリケーションを管理する必要があります。参照: