プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Repository管理者ガイド
12c リリース 1 (12.1.3)
E59479-02
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

18 メトリックの構成

この章では、組織のメトリックを構成する方法について説明します。

この章には、次のセクションがあります。

18.1 概要

この項では、Oracle Enterprise Repositoryで使用できるメトリックの拡張について説明します。このガイドの情報は、メトリック・フィールドがないアセット・タイプにメトリック・フィールドを追加するユーザーに役立ちます。このガイドで説明するメトリック・フィールドは、合計開発時間(TDH)、本番投資(Pinv)、消費係数(Cfac)、年間再利用機会の予測数(n)および1時間当たりの間接費配賦率(B)です。これらのフィールドは、通常、アセット・エディタの「メトリック」タブに表示されます。

18.1.1 メトリック要素

この項では、メトリック要素をタイプに追加する方法について説明します。これらのメトリックは、各アセットの価値を予測し、アセット・ポートフォリオのROIを判断するために使用します。

合計で5つのメトリック要素を追加する必要があり、「開発時間」要素がタイプにすでに存在している必要があります。存在しない場合または削除されている場合は、これも追加する必要があります。必要な変更はタイプ・マネージャおよびデータベースで行います。ここでは、両方の手順について説明しています。新しいメトリック要素を次に示します。

  • 合計開発時間(TDH) - このアセットを作成するために費やされる開発作業の合計。

  • 本番投資(Pinv) - アセットの構築または収集や、アセットを再利用可能にするためのパッケージ化およびドキュメント化に関係する追加の時間または作業。この値は、アセットを1回の使用を目的として構築するために最初に必要となった時間に占める割合として表されます。

  • 消費係数(Cfac) - アセット・コンシューマがアセットの検索、評価および使用に費やす時間であり、アセットを最初から構築するために必要な時間の割合として表されます。

  • 年間再利用機会の予測数(n) - 1年間にアセットが使用される回数の予測を示します。

  • 1時間当たりの間接費配賦率(B) - アセットを作成した個人の1時間当たりの間接費。

メトリックは、システムに追加された他のアセット・タイプに加えて、次の10個の基本アセット・タイプに含まれている必要があります。

  • アプリケーション

  • ビジネス・プロセス

  • 通信アダプタ

  • コンポーネント

  • 環境

  • フレームワーク

  • パターン

  • プロセス

  • サービス

  • XMLスキーマ

18.1.2 再利用可能なメトリックのタブの追加

Oracle Enterprise Repositoryを初めてインストールしている場合は、この手順を実行する必要はありません。これらのメトリックが含まれていなかった古いバージョンの製品にのみ、再利用メトリックを追加する必要があります。この手順は、アセット・エディタで実行されます。

このテキストを使用し、要素名を切り取って貼り付けます。

  • 合計開発時間(TDH)

  • 本番投資(Pinv)

  • 消費係数(Cfac)

  • 年間再利用機会の予測数(n)

  • 1時間当たりの間接費配賦率(B)


注意:

ValidateMetrics.sqlファイルをデータベースに対して実行する必要があります。

  1. 「アクション」メニューで、タイプの管理を選択します。タイプ・マネージャが起動します。

  2. タイプ・マネージャのサイドバーから、メトリックの追加先となるタイプを選択します。

  3. エディタ・ビューを選択します。

  4. タブ・セクションで、「メトリック」をクリックします。

  5. 「要素」セクションで、「追加」をクリックします。

  6. リストから数値テキスト・フィールドを選択し、「OK」をクリックします。数値テキスト・フィールドの編集ダイアログが表示されます。

  7. 要素名をコピーして「表示名」テキスト・ボックスに貼り付けます。

  8. 図18-1に示すように、小数点以下の桁数の値を0に変更します。

    図18-1 数値テキスト・フィールドの編集ダイアログ

    図18-1の説明が続きます
    「図18-1 数値テキスト・フィールドの編集ダイアログ」の説明

  9. 「OK」をクリックします。

  10. メトリックごとに手順4 - 9を繰り返します。

  11. すべてのメトリックがタイプに追加されたら、「保存」をクリックします。

    • 現時点では、「ビューア」タブに要素を追加しないでください。

  12. 基本アセット・タイプそれぞれに対して、このプロセスを繰り返します。

18.2 アセット・タイプの要素の検証

アセット・タイプの要素を検証するには、次の手順を実行します。

  1. 変更したアセット・タイプのいずれかに属するアセットを選択します。そのようなアセットを見つける最も簡単な方法は、アセット・エディタで「登録済」フォルダを右クリックし、アセット・タイプでソートすることです。

  2. アセットの各メトリック要素に一意の値を追加します。図18-2に示すように、推奨値は1、2、3、4および5です。

    図18-2 「管理」タブ

    図18-2の説明が続きます
    「図18-2 「管理」タブの説明

  3. 編集したアセットのステータス・バーで、アセット名、バージョンおよびアセット・タイプ名を確認します。

  4. アセットを保存します。

18.3 データベースに対する問合せの実行

次のデータベース問合せを使用して、メトリック・フィールドが正しく追加されたことを検証できます。

次に示す手順を実行することで、データベースに対して次のメトリック問合せを実行できます。

-- Metrics SQL (for Oracle, UDB and MsSQL Server)
-- Total Development Hours
select a.name as AssetName, a.version as Version, at.name as
AssetTypeName, axi.stringvalue as tdh
from assetxmlindex axi, assets a, assettypes at
where axi.assetid = a.id and axi.assettypeid = at.id
and axi.fieldid in
        (select id from assetxmlindexmappings where fieldname =
'/custom-data/total-development-hours--tdh-')
order by a.name, a.version;
-- Production Investment
select a.name as AssetName, a.version as Version, at.name as
AssetTypeName, axi.stringvalue as Pinv
from assetxmlindex axi, assets a, assettypes at
where axi.assetid = a.id and axi.assettypeid = at.id
and axi.fieldid in
        (select id from assetxmlindexmappings where fieldname =
'/custom-data/production-investment--pinv-')
order by a.name, a.version;
-- Consumption Factor
select a.name as AssetName, a.version as Version, at.name as
AssetTypeName, axi.stringvalue as Cfac
from assetxmlindex axi, assets a, assettypes at
where axi.assetid = a.id and axi.assettypeid = at.id
and axi.fieldid in
        (select id from assetxmlindexmappings where fieldname =
'/custom-data/consumption-factor--cfac-')
order by a.name, a.version;
-- Predicted Number of Annual Reuse Opportunities
select a.name as AssetName, a.version as Version, at.name as
AssetTypeName, axi.stringvalue as n
from assetxmlindex axi, assets a, assettypes at
where axi.assetid = a.id and axi.assettypeid = at.id
and axi.fieldid in
        (select id from assetxmlindexmappings where fieldname =
'/custom-data/predicted-number-of-annual-reuse-opportunities--n-')
order by a.name, a.version;
-- Hourly Burden Rate
select a.name as AssetName, a.version as Version, at.name as
AssetTypeName, axi.stringvalue as B
from assetxmlindex axi, assets a, assettypes at where axi.assetid =
a.id and axi.assettypeid = at.id
and axi.fieldid in
        (select id from assetxmlindexmappings where fieldname =
'/custom-data/hourly-burden-rate--b-')
order by a.name, a.version;
-- Predicted Net Hours Saved
select a.name as AssetName, a.version as Version, at.name as
AssetTypeName, axi.stringvalue as PNHS
from assetxmlindex axi, assets a, assettypes at
where axi.assetid = a.id and axi.assettypeid = at.id
and axi.fieldid in
        (select id from assetxmlindexmappings where fieldname =
'/custom-data/development-hours')
order by a.name, a.version;
-- End Metrics SQL

18.3.1 dbqueries

この項では、メトリック問合せを実行する手順について説明します。

  1. データベースへの接続を開き、前述の6個の問合せを実行します。アセット名、バージョン、アセット・タイプおよびメトリックが結果として返されます。メトリックが返されない場合は、メトリック名が正確にコピーされて貼り付けられていない可能性があります。各メトリックには固有の問合せがあり、これらの問合せは個別に実行することをお薦めします。予測した結果が返されるメトリックは、検証されています。

  2. メトリック問合せが失敗した場合は、要素を削除し、手順に従ってメトリック要素を作成して検証し、データベースに対して実行します。選択したアセット・タイプにPNHS要素がない場合は、次に示すように、追加する必要があります。

    1. 文字列「開発時間」を追加します。

    2. 「OK」をクリックします。

    3. 「開発時間」要素を編集し、名前を「実質予測節約時間(PNHS)」に変更します。(メトリック内の要素名は、「開発時間」プログラム関連名に基づきます。)「実質予測節約時間」というラベルがアセット・エディタに表示されます。

  3. すべてのメトリックが検証された後、Oracle Enterprise Repositoryのタイプ・マネージャでアセット・タイプを開きます。

  4. 「ビューア」タブを選択します。


    注意:

    • 追加したすべての要素が非表示要素領域に表示されます。

    • 実質予測節約時間(PNHS)メトリックのみが、アセット・コンシューマにとって意味があります。

    • 実質予測節約時間(PNHS)が概要グループの最初の列に表示されるようにすることをお薦めします。


  5. アセット・タイプを保存します。

  6. 手順1 - 5を繰り返して、メトリック要素を他のアセット・タイプに追加します。

  7. 問合せをテストするために追加されたサンプル・データがある場合は削除し、データを保存します。