Oracle® Solaris Studio 12.4: スレッドアナライザユーザーズガイド

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更新: 2014 年 12 月
 
 

デッドロックとは

デッドロックとは、2 つ以上のスレッドが互いを待機しているために処理がまったく進まない状況を指します。デッドロックの原因は多数あります。スレッドアナライザは、相互排他ロックの不適切な使用によって生じたデッドロックを検出します。この種のデッドロックは、マルチスレッドアプリケーションでよく生じます。

    2 つ以上のスレッドから成るプロセスは、次の条件がすべて揃うとデッドロックを生じることがあります。

  • すでにロックを保持しているスレッドが新しいロックを要求する

  • 新しいロックの要求が同時に行われる

  • チェーン内の次のスレッドで保持されているロックを各スレッドが待機するという巡回チェーンを、2 つ以上のスレッドが形成する

    デッドロック状況の簡単な例を次に示します。

  • スレッド 1 はロック A を保持し、ロック B を要求する

  • スレッド 2 はロック B を保持し、ロック A を要求する

デッドロックには潜在的デッドロックとデッドロックの 2 種類があります。潜在的デッドロックは、所定の実行で必ず起きるわけではありませんが、スレッドのスケジュールや、スレッドによって要求されたロックのタイミングに依存したプログラムの実行で起きる可能性があります。実デッドロックは、プログラムの実行中に発生するものです。実デッドロックでは、関係するスレッドの実行がハングアップしますが、プロセス全体の実行がハングアップする可能性もあります。