Oracle® Solaris Studio 12.4: 分散メイク (dmake)

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更新: 2014 年 10 月
 
 

説明

このマニュアルページは Oracle Solaris make ユーティリティーのマニュアルページを補足します。dmake ユーティリティーは Linux オペレーティングシステム上で動作しますが、dmake オプションはほかの make ユーティリティーとは無関係です。

分散メイク (dmake) はメイクファイルを解析し、並行して構築可能なターゲットを特定し、設定された多数のホストにそれらのターゲットの構築を分散します。

標準的な make ユーティリティーを Oracle Solaris オペレーティングシステム上で使用している場合は、dmake への切り替えに伴ってメイクファイルに変更を加える必要があるとしても、変更はわずかです。dmake は、Oracle Solaris make ユーティリティーの超集合で、Oracle Solaris および Linux の両方のプラットフォーム上で使用できます。make が入れ子になっていて、最上位のメイクファイルが「make」を呼び出す場合、$(MAKE) を使用する必要があります。

ユーザーは dmakedmake ホスト上で実行し、ジョブ構築サーバーに分散します。

ジョブを dmake ホストに分散することもでき、その場合は dmake ホストも構築サーバーになります。dmake は、(メイクファイルに基づいて) 同時に構築可能であると dmake が判断したメイクファイルターゲットに基づいてジョブを分散します。

次の要件を満たしていれば、どのマシンも構築サーバーとして使用できます。

  • dmake ホスト (使用中のマシン) から、構築サーバー上でコマンドをリモート実行するためのパスワードを要求されることなく、rsh または ssh を使用できる必要があります。

    次の例は、Oracle Solaris オペレーティングシステムが動作するマシン上で、which コマンドと一緒に rsh または ssh をテストとして使用した結果を示しています。

    demo% rsh machine_name which dmake
    /bin/dmake
    demo% ssh machine_name which dmake
    /bin/dmake

    rsh または ssh の呼び出しは、追加の出力が返されないクリーンな状態である必要があります。

  • dmake ソフトウェアがインストールされている bin ディレクトリに構築サーバーからアクセスできる必要があります。デフォルトでは、dmake は構築サーバー上の dmake 実行可能ファイルへの論理パスが dmake ホストと同じであると仮定します。この仮定は、実行時構成ファイルのホストエントリの属性としてパス名を指定することによって無効にできます。

  • ホスト上に /etc/opt/SPROdmake/dmake.conf ファイルが存在していて、読み取り可能であり、適切な情報が含まれている。このファイルが存在しない場合は、dmake はこのシステムでジョブを 1 つだけ分散します。

dmake ホストから、使用される構築サーバーや、各構築サーバーに割り当てられる dmake ジョブの数を制御できます。

特定の構築サーバー上で実行できる dmake ジョブの数も、そのサーバー上で制限できます。