Oracle Recovery Manager (RMAN)で作成されたデータベース・バックアップは、イメージ・コピーまたはバックアップ・セットとして格納されます。
イメージ・コピーは、ファイルが正確にバイト単位でコピーされたものです。イメージ・コピーは、オペレーティング・システム・レベルでファイルをコピーして作成できます。ただし、オペレーティング・システム・レベルでのファイルのコピーとは異なり、RMANによって作成されたイメージ・コピーは、データベースのリストア操作およびリカバリ時にRMANが使用できるようにRMANリポジトリに記録されます。RMANによるファイルのリストアが可能なのは、RMANリポジトリにファイルが記録されているときのみです。RMANは、ディスク上にのみイメージ・コピーを作成できます。
バックアップ・セットとは、RMANのBACKUP
コマンドで生成される論理エンティティです。このコマンドにより、ディスクまたはテープ・デバイス上に1つ以上のバックアップ・セットを生成できます。イメージ・コピーではすべてのRMAN機能を使用することはできませんが、イメージ・コピーに増分バックアップを適用すること(統合的な全体バックアップ)が可能で、先にイメージ・コピーをコピーしなくても、所定の場所で直接使用してリストアを迅速に実行できるという利点があります。
各バックアップ・セットには、バックアップ・ピースと呼ばれる1つ以上の物理ファイルが含まれています。1つのバックアップ・ピースに、1つ以上のデータベース・ファイルのバックアップがRMAN固有のコンパクトな形式で格納されます。バックアップ・セットの利点の1つとして、RMANの未使用ブロックの圧縮により、データファイルのバックアップに使用される領域を節約できることがあげられます。データファイルの中でデータの格納に使用されたブロックのみがバックアップ・セットに含められます。また、バックアップ・セットは圧縮、暗号化、テープへの送信が可能で、データファイルのコピーでは使用できない未使用領域の高度な圧縮を利用できます。