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Oracle® Database 2日でデータベース管理者
12c リリース1 (12.1)
B71307-08
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5.4.1 メモリー管理について

メモリー管理では、データベースでの需要の変化に応じて、Oracleインスタンスのメモリー構造の最適なサイズを維持する必要があります。管理の対象となるメモリーは、システム・グローバル領域(SGA)メモリーとインスタンスのプログラム・グローバル領域(PGA)メモリーです。インスタンスPGAメモリーは、すべての個別PGAに割り当てられているメモリーの集合です。

Oracle Database 11gリリース(11.1)から、データベースでSGAメモリーとインスタンスPGAメモリーを完全に管理できるようになりました。インスタンスで使用される合計メモリー・サイズを指定するだけで、Oracle Databaseが必要に応じてSGAとインスタンスPGAの間でメモリーを動的に交換し、処理ニーズに対応します。この機能を自動メモリー管理と呼びます。このメモリー管理モードでは、データベースは個別SGAコンポーネントのサイズとインスタンスPGAのサイズも動的にチューニングします。

SGAとインスタンスPGAのサイズをより直接的に制御するには、自動メモリー管理を無効化し、自動共有メモリー管理を有効化します。

個別SGAコンポーネントのサイズを完全に制御するには、自動メモリー管理と自動共有メモリー管理の両方を無効化します。これを、手動共有メモリー管理と呼びます。このモードでは、複数の個別SGAコンポーネントのサイズを設定することで、SGA全体のサイズを決定します。その後、個別SGAコンポーネントを継続的に手動でチューニングします。

手動共有メモリー管理モードは、熟練したDBAのみを対象としています。このモードでは自動PGAメモリー管理は有効なままですので注意してください。

注意:

自動PGAメモリー管理を無効化することは可能ですが、お薦めしないため、このマニュアルでは説明されていません。

表5-3は、データベース・インスタンスに設定可能な各種メモリー管理モードをまとめたものです。

表5-3 Oracle Databaseメモリー管理モード

メモリー管理モード ユーザー設定 Oracle Databaseによる自動チューニング

自動メモリー管理

  • このインスタンスの合計メモリー・サイズ

  • (オプション)このインスタンスの最大メモリー・サイズ

  • SGAの合計サイズ

  • SGAコンポーネント・サイズ

  • インスタンスPGAのサイズ

自動共有メモリー管理と自動PGAメモリー管理

(自動メモリー管理は無効)

  • SGAターゲット・サイズ

  • (オプション)SGAの最大サイズ

  • (オプション)インスタンスPGAのターゲット・サイズ

  • SGAコンポーネント・サイズ

手動共有メモリー管理と自動PGAメモリー管理

(自動メモリー管理と自動共有メモリー管理は無効)

  • 共有プール・サイズ

  • バッファ・キャッシュ・サイズ

  • Javaプール・サイズ

  • ラージ・プール・サイズ

  • (オプション)インスタンスPGAのターゲット・サイズ

  • インスタンスPGAのサイズ

注意:

自動メモリー管理は、一部のプラットフォームでは使用できません。サポートされているプラットフォームの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

データベースをインストールする際に基本インストール・オプションを選択すると、自動メモリー管理が有効になります。拡張インストールを選択する場合、Database Configuration Assistant (DBCA)によって、3つのメモリー管理モードから選択できるようになります。自動メモリー管理をお薦めします。

どのメモリー管理モードを選択しても、データベースまたはホスト・コンピュータの変更を要求してメモリー設定を調整する場合があります。メモリー設定を調整する理由は次のとおりです。

メモリー・アドバイザを使用すると、メモリー・サイズの調整に役立ちます。メモリー・アドバイザを使用する例については、メモリー設定の変更: 自動共有メモリー管理を参照してください。

注意:

メモリー管理に使用する初期化パラメータはマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)のルートに設定され、これらのパラメータに設定された値はCDB内のすべてのプラガブル・データベース(PDB)に適用されます。