データベース・ホスト上のOracle Netリスナー(リスナー)は、クライアント接続要求をリスニングするプロセスです。着信中のクライアント接続要求を受信し、データベース・サーバーに対する要求の通信量を管理します。
デフォルトのリスナー構成ファイルはlistener.ora
という名前で、Oracleホーム・ディレクトリのサブディレクトリnetwork/admin
にあります。たとえば、使用するOracleホーム・ディレクトリが/u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1
の場合は、デフォルトで、listener.ora
ファイルが/u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1/network/admin
ディレクトリに作成されます。
このファイルには、データベースを識別するプロトコル・アドレスが含まれています。このアドレスはリスナーがリスニングを実行するプロトコルと、プロトコル固有のその他の情報を定義します。たとえば、リスナーを次のプロトコル・アドレスでリスニングを実行するように設定できます。
(DESCRIPTION= (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=dbhost.example.com) (PORT=1521)))
この例は、リスナーのホスト・コンピュータおよびポート番号を指定するTCP/IPプロトコル・アドレスを示しています。リスナーは、IPバージョン4(IPv4)またはIPバージョン6(IPv6)のいずれかのアドレスを含むネットワーク・インタフェース上で接続要求をリスニングできます。
listener.ora
ファイルは、インストール時に自動的に構成されます。
構成パラメータにデフォルト値があるため、構成せずにリスナーを起動して使用できます。このデフォルトのリスナーはLISTENER
という名前で、起動時にはサービス名をサポートせず、次のTCP/IPプロトコル・アドレスをリスニングしています。
(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host_name)(PORT=1521))
Oracle Databaseは、起動後1分程度でリスナーに登録されます。リスナーによるクライアント要求の転送先になるサービス名またはデータベースは、listener.ora
ファイルで構成できます。この情報は、リスナーに動的に登録することもできます。リスナーによるサービスおよびデータベースの動的登録は、サービス登録と呼ばれます。
サービス登録は、各データベース・インスタンスのリスナー登録(LREG)プロセス(インスタンスのバックグラウンド・プロセス)によって実行されます。動的サービス登録の場合、listener.ora
ファイルの変更は必要ありません。
関連項目:
リスナーおよびサービス名の詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。
リスナー構成の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
データベース・プロセスの詳細は、「バックグラウンド・プロセスについて」を参照してください