Oracleインスタンスの管理には、Oracleインスタンスの基本的な操作に影響を与えるパラメータの構成が含まれます。これらのパラメータは初期化パラメータと呼ばれます。Oracleインスタンスは、パラメータを起動する際にファイルから初期化パラメータを読み取ります。
インストール時に、Database Configuration Assistant (DBCA)で使用できる事前構成済のデータベース・ワークロードを選択すると、指定した環境で通常どおりに使用できるように初期化パラメータが最適化されます。データベース・ユーザーの数およびワークロードが増加するに従い、初期化パラメータの一部を変更する必要が生じることがあります。これらの変更は、Oracle Enterprise Manager Database Express (EM Express)の「初期化パラメータ」ページを使用するか、メモリー・アドバイザのようなOracle Databaseに用意されているアドバイザを使用して行うことができます。詳細は、「メモリー・アドバイザを使用したメモリー使用量の最適化」を参照してください。
ファイルに読み込まれた後、初期化パラメータはメモリーに保持されます。ここでそれらの値は動的に変更できます。パラメータ・ファイルには2種類あります。インスタンスの起動に使用するファイルのタイプにより、動的な初期化パラメータの変更が、データベースの停止および起動後も保持されるかどうかが決まります。パラメータ・ファイルのタイプは次のとおりです。
サーバー・パラメータ・ファイル
サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILEとして知られる)は、初期化パラメータ・ファイルの優先形式で、データベースが読取りおよび書込み可能なバイナリ・ファイルです。手動では編集しないでください。サーバー・パラメータ・ファイルは、Oracle Databaseが実行されているホスト・コンピュータ上に格納されます。EM ExpressまたはSQL*Plusを使用して1つ以上の初期化パラメータを変更する場合、またはOracle Databaseが自己チューニング目的で変更する場合に変更が実行されます。変更内容は、データベースの停止および起動後も保持されます。
注意:
サーバー・パラメータ・ファイル内の初期化パラメータを変更する場合は、変更が現行インスタンスにただちに反映されるように、インメモリーの値も変更するかどうかを指定できます。インメモリーの値を変更しない場合は、データベースを停止して再起動するまで変更は有効になりません。
テキスト初期化パラメータ・ファイル
テキスト初期化パラメータ・ファイルは、Oracleインスタンスによる読取りは可能ですが、このインスタンスによる書込みは行われないテキスト・ファイルです。テキスト・エディタを使用してテキスト初期化パラメータ・ファイルを変更できますが、変更を有効にするにはOracleインスタンスを再起動する必要があります。ファイルのこのタイプを使用してインスタンスを開始した場合、EM Expressを使用する多くの初期化パラメータを動的に変更できますが、変更できるのは現行のインスタンスのみです。テキスト初期化パラメータ・ファイルを編集して同じ変更を行わないと、変更はデータベース・インスタンスを再起動したときに失われます。
SQL文を使用して、次のものを作成できます。
テキスト初期化ファイルに基づくサーバー・パラメータ・ファイル
すべての初期化パラメータの現在の値(インメモリーの値)に基づくサーバー・パラメータ・ファイル
サーバー・パラメータ・ファイルに基づくテキスト初期化パラメータ・ファイル
DBCAを使用してデータベースを作成すると、サーバー・パラメータ・ファイルが作成されます。このファイルはデータベースが起動するたびに作成されます。
関連項目:
サーバー・パラメータ・ファイルのデフォルトの名前と位置、およびサーバー・パラメータ・ファイルまたはテキスト初期化パラメータ・ファイルを作成するコマンドの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
パラメータ・ファイルの概要は、『Oracle Database概要』を参照してください。