ヘッダーをスキップ
Oracle® Application Express管理ガイド
リリース4.2 for Oracle Database 12c
B71342-01
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

2.6 ワークスペースの作成

ユーザーがOracle Application Expressにログインする場合、ワークスペースという作業用の共有領域にログインします。ワークスペースは、複数のユーザーが同一のOracle Application Expressインストール内でプライベートなオブジェクト、データ、アプリケーションを維持したまま作業できる仮想プライベート・データベースです。各ワークスペースには、一意の数値IDおよび名前が含まれます。

ワークスペースに変更を加えるためには、ワークスペース管理者は変更リクエストをインスタンス管理者に送信します。変更リクエストの承認または新しいワークスペースの割当てを行うことができるのはインスタンス管理者のみです。

内容は次のとおりです。

2.6.1 ワークスペースの割当てについて

インスタンス管理者が新しいスキーマを使用してワークスペースを新規に作成する場合、新しい表領域およびデータ・ファイルがそのスキーマに作成されます。Oracle Managed Filesが有効な場合、新しい表領域のデータ・ファイルを管理します。

Oracle Managed Filesを使用すると、Oracle Databaseの管理が簡単になり、データベースを構成するオペレーティング・システム・ファイルをデータベース管理者(DBA)が直接管理する必要がなくなります。DBAは、Oracle Managed Filesを使用して、ファイル名ではなくデータベース・オブジェクトごとに操作を指定します。新しい表領域のデータファイルには、Oracle Managed Filesの表記規則に従って名前が付けられます。また、それらのファイルの配置は、データベース初期化パラメータDB_CREATE_FILE_DESTによって決定されます。

Oracle Managed Filesを有効にしていない場合は、Oracle Application Expressがインストールされた表領域の最初のデータファイルと同じディレクトリにデータファイルが作成されます。


参照:

『Oracle Database管理者ガイド』のOracle Managed Filesの使用

2.6.2 割当てモードの指定

インスタンス管理者は、特定のOracle Application Expressインスタンスでのワークスペースの割当て(または作成)プロセスの動作方法を決定できます。

「手動」割当てモードでは、インスタンス管理者が新しいワークスペースを作成し、ワークスペース管理者にログイン情報を通知します。「リクエスト」または「電子メールの検証」割当てモードでは、ユーザーがセルフ・サービス方式でワークスペースを直接リクエストします。この方法では、ユーザーはログイン・ページ上のリンクを使用してリクエスト・フォームにアクセスします。ワークスペースリクエストが承認されると、該当するログイン情報が電子メールで自動的にユーザーに送信されます。

割当てモードを指定するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスへログインします。「Oracle Application Express管理サービスへのログイン」を参照してください。

  2. 「インスタンスの管理」をクリックします。

  3. 「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。

  4. 「セルフ・サービス」で、割当てステータスを選択します。

    • 手動: インスタンス管理者が新しいワークスペースを手動で作成し、ワークスペース管理者にログイン情報を通知します。

    • リクエスト: ユーザーがセルフ・サービス方式で直接ワークスペースをリクエストします。このオプションを選択することにより、ログイン・ページにユーザーがワークスペースをリクエストできるリンクが表示されます。ユーザーがワークスペースをリクエストすると、各リクエストは承認用のキューに送信されます。リクエストが承認されると、ユーザーにログイン資格証明(ワークスペース名、ユーザー名およびパスワード)を含む電子メールが送信されます。

    • 電子メールの検証: 「リクエスト」とほぼ同じですが、各ユーザーは検証リンクを含んだ電子メールを最初に受信します。このリンクをクリックすると、ユーザーの電子メール・アドレスが検証されてからリクエストが処理されます。次に、ログイン資格証明(ワークスペース名、ユーザー名およびパスワード)を含む別の電子メールがユーザーに送信されます。

      「電子メールの検証」を選択すると、ワークスペースの割当てを無効にしたり、ユーザーにメッセージを送信できます。

      1. 「電子メール・プロビジョニング」セクションを見つけます。

      2. 「電子メール・プロビジョニング」から、「無効」を選択します。

      3. 「メッセージ」フィールドに、電子メール割当てを無効にした理由を示すメッセージを入力します。

  5. 「リクエスト」または「電子メールの検証」を選択した場合は、次の手順を実行します。

    • 開発サービスURL: サービスのURLを入力します(オプション)。この値は、リクエスト承認時の電子メールで使用されます。この設定を行わなかった場合、このURLはご使用の環境から導出されます。

    • 検証コードが必要: リクエスト処理時に検証コードを表示して必要とするかどうかを決定します。「はい」または「いいえ」を選択します。

  6. 「変更の適用」をクリックします。


注意:

ログイン・ページのリンクを使用してユーザーがワークスペースをリクエストできるようにするには、前の手順で説明した「リクエスト」または「電子メールの検証」の割当てステータスを選択する必要があります。割当てステータスが「手動」に設定されている場合、ログイン・ページにリンクが表示されません。

2.6.3 ワークスペースの手動作成

インスタンス管理者は、完全開発環境またはランタイム環境のいずれかで手動でワークスペースをプロビジョニングできます。

内容は次のとおりです。

2.6.3.1 完全開発環境でのワークスペースの手動作成

インスタンス管理者は、ワークスペースの作成ウィザードを実行して、ワークスペースを手動で割り当てることができます。

ワークスペースを手動で作成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスへログインします。「Oracle Application Express管理サービスへのログイン」を参照してください。

  2. 「ワークスペースの管理」をクリックします。

  3. 「ワークスペース・アクション」で、「ワークスペースの作成」をクリックします。

    ワークスペースの作成ウィザードが表示されます。

  4. 「ワークスペースの指定」では、次の情報を入力します。

    1. ワークスペース名: 一意のワークスペース名を入力します。

    2. ワークスペースID: 「ワークスペースID」を空のままにすると、新しいワークスペースIDが自動的に生成されます。ワークスペースIDは、100000よりも大きい正の整数である必要があります。

    3. ワークスペースの説明: ワークスペースの説明を入力します。

    4. 「次へ」をクリックします。

  5. 「ワークスペースの指定」で、ワークスペース名および説明を入力し、「次へ」をクリックします。

  6. 「スキーマの指定」で、既存のスキーマを再利用するか、新しく作成するかを指定します。

    既存のスキーマを使用する場合

    1. 「既存のスキーマを再利用」で、「はい」を選択します。

    2. リストからスキーマを選択します。

    3. 「次へ」をクリックします。

    新しいスキーマを作成する場合

    1. 「既存のスキーマを再利用」で、「いいえ」を選択します。

    2. スキーマの名前とパスワードを入力します。

    3. 領域割当てを指定します。

    4. 「次へ」をクリックします。

  7. 「管理者の指定」で、ワークスペース管理者の情報を入力して、「次へ」をクリックします。

  8. 選択内容を確認して、「ワークスペースの作成」をクリックします。

2.6.3.2 ランタイム環境でのワークスペースの手動作成

ランタイム環境にワークスペースを追加するには、次の手順を実行します。

  1. SQL*Plusを起動して、SYSとしてOracle Application Expressがインストールされているデータベースに接続します。次に例を示します。

    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  2. 次の文を実行します。

    ALTER SESSION SET CURRENT_SCHEMA = APEX_040200
    
  3. 次の文を実行します。

    BEGIN
    APEX_INSTANCE_ADMIN.ADD_WORKSPACE(WORKSPACE_ID,WORKSPACE_NAME, SCHEMA_NAME, SCHEMA_LIST)
    END;
    

    各要素の意味は次のとおりです。

    • WORKSPACE_IDは、ワークスペースのIDです。NULLの場合は、自動的に割り当てられます。

    • WORKSPACE_NAMEは、ワークスペースの名前です。

    • SCHEMA_NAMEは、ワークスペースに関連付けるプライマリ・スキーマの名前です。

    • SCHEMA_LISTは、コロン区切りのリストで、ワークスペースに関連付ける追加スキーマを示します。

2.6.4 複数のワークスペースの作成

インスタンス管理者は、「複数のワークスペースの作成」ウィザードを実行することで、複数のワークスペースを割り当てることができます。

複数のワークスペースを作成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスへログインします。「Oracle Application Express管理サービスへのログイン」を参照してください。

  2. 「ワークスペースの管理」をクリックします。

  3. 「ワークスペース・アクション」で、「複数のワークスペースの作成」をクリックします。

    「複数のワークスペースの作成」ウィザードが表示されます。

  4. 「ワークスペースのプロビジョニングで使用」で、次のいずれかを選択します。

    • システム生成のワークスペース名

    • 固定の接頭辞と整数連番の接尾辞が付いたワークスペース名

    • ワークスペース名として電子メール・ドメイン名を使用し、重複に対しては整数連番の接尾辞を指定

  5. 前述の手順で選択したオプションに応じて、次を選択します。


    ヒント:

    特定のフィールドの詳細は、アイテムのヘルプを参照してください。

    • システム生成のワークスペース名

      • ワークスペース数

      • サンプル・アプリケーションのインストール

      • サンプルWebシートのインストール

      • サンプルのDEPT表とEMP表のインストール

      • 領域割当て制限(MB)

      • リソース・マネージャ・コンシューマ・グループ

      • ワークスペースの自動パージを許可

      • ワークスペースの説明

    • 固定の接頭辞と整数連番の接尾辞が付いたワークスペース名

      • ワークスペース接頭辞

      • ワークスペース数

      • サンプル・アプリケーションのインストール

      • サンプルWebシートのインストール

      • サンプルのDEPT表とEMP表のインストール

      • 領域割当て制限(MB)

      • リソース・マネージャ・コンシューマ・グループ

      • ワークスペースの自動パージを許可

      • ワークスペースの説明

    • ワークスペース名として電子メール・ドメイン名を使用し、重複に対しては整数連番の接尾辞を指定

      • サンプル・アプリケーションのインストール

      • サンプルWebシートのインストール

      • サンプルのDEPT表とEMP表のインストール

      • 領域割当て制限(MB)

      • リソース・マネージャ・コンシューマ・グループ

      • ワークスペースの自動パージを許可

      • 電子メール・アドレス

      • ワークスペースの説明

  6. 「次へ」をクリックします。

  7. 選択した項目を確認して、「ワークスペースのプロビジョニング」をクリックします。