OCRには、不測の上書きによるデータの損失を防止するメカニズムが存在します。ミラー化されたOCRが構成されている場合、Oracle Clusterwareでは、ミラー化されたOCRの場所にアクセスできず、使用可能なOCRの場所に最新の構成が含まれていることが確認できなかった場合、使用可能なOCRの場所に対してそれ以上の変更は行われません。また、この処理により、1つのOCRのみが使用可能なノードでOracle Clusterwareの起動が禁止され、上書きが行われなくなります。このような場合には、Oracle Enterprise ManagerまたはOracle Clusterwareのアラート・ログ・ファイル(あるいはその両方)で、アラート・メッセージが表示されます。ある1つのノードに限って問題が発生している場合は、他のノードでクラスタ・データベースを起動できます。
ただし、環境内のすべてのクラスタ・ノードが起動できず、OCRの修復もすべてのOCRの場所へのアクセスのリストアもできない場合は、この保護メカニズムを無効にできます。次のリストに示した手順により、使用可能なOCRの場所を使用してクラスタを起動できます。ただし、保護メカニズムを無効にすると、以前の正常な状態のときに使用可能でなかったデータは失われる場合があります。
注意:
次の手順を実行してOCRを無効にした場合、現在アクセス可能なOCRに対して最後に正常なOCRの更新が実行された時点から、この上書きを実行するまでの間に行われたOCRへの更新は失われる可能性があります。すなわち、上書きを行うOCRの場所にクラスタ環境に対する構成の最新の更新が含まれていない場合は、ocrconfig -overwrite
コマンドを実行すると、データが失われる場合があります。
ノードが起動できず、アラート・ログにCLSD-1009メッセージおよびCLSD-1011メッセージが含まれている場合は、次の手順を実行して、OCRを上書きします。