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Oracle® Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71322-07
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Oracle Automatic Storage ManagementへのOracle Cluster Registryの移行

Oracle Clusterwareの記憶域管理性を向上させるために、OCRは、Oracle Database 12cのOracle ASMを使用するようにデフォルトで構成されます。Oracle ASMディスク・グループに存在するOracle Clusterwareの記憶域では、Oracle Enterprise Managerを使用してデータベースとクラスタウェア記憶域の両方を管理できます。

ただし、以前のバージョンのOracle Clusterwareからアップグレードする場合に、OCRをOracle ASM上に存在するように移行でき、向上されたOracle Clusterwareの記憶域の管理性を利用できます。

注意:

以前のバージョンのOracle Clusterwareを12cにアップグレードしてOracle ASMディスク・グループにOCRを格納する場合は、「ASMの互換性」の互換性属性を11.2.0.2以降に設定する必要があります。

関連項目:

Oracle ASMの互換性属性の設定の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

OCRCONFIGを使用してOCRをOracle ASMに移行する方法

  1. Oracle Clusterware 12cへのアップグレードが完了していることを確認します。次のコマンドを実行し、現在実行中のバージョンを検証します。
    $ crsctl query crs activeversion
    
  2. Oracle ASM Configuration Assistant(ASMCA)を使用し、クラスタ内のすべてのノードでOracle ASMを構成して起動します。

    関連項目:

    ASMCAの使用の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

  3. ASMCAを使用して、既存のOCRのサイズと同じかそれ以上で、かつ通常以上の冗長性があるOracle ASMディスク・グループを作成します。

    注意:

    • OCRが外部冗長性でOracle ASMディスク・グループに格納されている場合に、ディスク・グループ内のディスクに障害が発生したときは、OCRの損失を回避するために別のOCR場所を別のディスク・グループに追加することをお薦めします。

      Oracleでは、OCRをOracle ASMおよび共有ファイル・システムの両方に格納するなど、OCRを異なるストレージ・タイプに同時に格納することはできません(ただし、移行中はこのかぎりではありません)。

    • あるノードでOracle ASMインスタンスに障害が発生すると、OCRはそのノードで使用できなくなります。

      Oracle ASMインスタンス障害の影響を受けるノードで動作しているCRSDプロセスがOCRライターであり、過半数のOCRの場所がOracle ASMに格納されている場合、このノードのOracle ASMインスタンスの停止中にOCRに対してI/Oを試行すると、CRSDは停止して、操作不能になります。この時点で、このノードでのクラスタ管理に影響が及びます。

      どのような場合であっても、1つのノードの1つのOracle ASMインスタンスの障害が、クラスタ全体に影響を及ぼすことはありません。

    • 作成するOracle ASMディスク・グループが、クラスタ内のすべてのノードにマウントされることを確認します。

    関連項目:

    サイズ指定の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

  4. OCRをOracle ASMディスク・グループに追加するには、Oracle Clusterwareスタックが実行されていることを確認し、rootとして次のコマンドを実行します。
    # ocrconfig -add +new_disk_group
    

    複数のOCRの場所を追加すると、このコマンドを複数回実行できます。OCRの場所は、5つまで保持できます。ただし、連続する各実行では、異なるディスク・グループを指す必要があります。

  5. 使用されなくなったストレージ構成を削除するには、rootとして次のコマンドを実行します。
    # ocrconfig -delete old_storage_location
    

    構成したすべてのOCRに、このコマンドを実行します。

次の例は、OCRCONFIGを使用して2つのOCRをOracle ASMに移行する方法を示しています。

# ocrconfig -add +new_disk_group
# ocrconfig -delete /ocrdata/ocr_1
# ocrconfig -delete /ocrdata/ocr_2

注意:

  • OCRではディスク・グループの冗長性が継承されます。OCRに高い冗長性が必要な場合は、作成時にディスク・グループを高い冗長性で構成する必要があります。

  • この新規に作成されたOCRの場所にOracle ASMのSPFILEファイルを置くことを、お薦めします。

関連項目:

Oracle ASM SPFILEの場所設定の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。