クラスタ時刻同期化サービス(CTSS)は、Oracle Clusterwareの一部としてインストールされ、有効にしろ破損しているにしろ、システム上で時刻同期化サービスまたは時刻同期化サービス構成が検出されると、オブザーバ・モードで実行されます。たとえば、etc/ntp.conf
ファイルがクラスタ内の任意のノードに存在する場合、時刻同期化ソフトウェアが実行されていないときでも、CTSSはオブザーバ・モードで実行されます。
時刻同期化サービスまたは時刻同期化サービス構成がクラスタ内のどのノードにもないことをCTSSが検出した場合、CTSSはアクティブ・モードになり、クラスタの時刻管理を引き継ぎます。
CTSSがアクティブ・モードで実行されていて、NTP以外の別の時刻同期化ソフトウェアが実行されている場合、etc/ntp.conf
というファイルを作成することで、CTSSがオブザーバ・モードで実行されるように変更することができます。CTSSは、オブザーバ・モードの変更に関するアラート・ログにエントリを記録します。
ノードがクラスタに追加されると、CTSSではアクティブ・モードの場合、これらのノードの時刻がクラスタ内の1つのノードにある参照クロックと比較されます。2つの時刻の間に不一致があり、かつ、特定のステップ制限内に不一致がある場合、CTSSは、ステップ時間の同期を実行します。これは、基準と同期させるために、クラスタを結合するノードの時刻を前または後に移動させることです。
クラスタ内のノードのクロックは、様々な理由のために定期的に参照クロック(時刻CTSSが基準として使用し、クラスタ内で最初に起動するノードのクロック)と非同期になります。この場合、CTSSは時刻の同期化(Slew)を実行し、参照システムの時刻と同期するまで、ノードのシステムの時刻を速めたり、遅くします。この時刻の同期方法では、CTSSによって時刻が戻されることがないため、システムの時刻における単調増加が保証されます。
Oracle Clusterwareを起動したときに、CTSSがアクティブ・モードで実行されており、時刻の不一致が段階制限(制限は24時間)を超えている場合、CTSSはアラート・ログにアラートを生成して終了し、Oracle Clusterwareの起動は失敗します。クラスタに追加したノードの時刻をクラスタと同期するように手動で調整する必要があり、その後、Oracle Clusterwareを起動してCTSSでノードの時刻を管理することができます。
時刻の同期化(Slew)を実行する場合、CTSSでは参照クロックと同期するために時刻が戻されることはありません。CTSSによって定期的にアラート・ログにアラートが書き込まれ、これには、ノードが参照クロックと同期し続けるようにCTSSによって時刻が調整される頻度に関する情報が含まれます。
CTSSは、次の場合にOracle Clusterwareアラート・ログおよびsyslog
にエントリを書き込みます。
時刻の変更を検出したとき
参照ノードとの大きな時間の違いを検出したとき
モードがオブザーバからアクティブに切り替わるとき、またはその逆のとき
クラスタ内の時刻を同期させるためにCTSSを実行すると、Oracle Clusterwareの問題のトラブルシューティングに役立ちます。これは、様々なノードでのイベントの順序の時間オフセットを考慮に入れる必要がないためです。