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Oracle® Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71322-07
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crsctl add resource

Oracle Clusterwareで管理するリソースを登録するには、crsctl add resourceコマンドを使用します。リソースには、アプリケーション・プロセス、データベース、サービス、リスナーなどがあります。

構文

crsctl add resource resource_name -type resource_type [-file file_path |
   -attr "attribute_name=attribute_value,attribute_name=attribute_value,..."]
  [-i] [-f]

パラメータ

表E-2 crsctl add resourceコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
resource_name

短く、わかりやすいリソース名。

-type resource_type

追加するリソースの種類。前に-typeフラグを付けます。

-file file_path

リソースを定義する属性名/値ペアが行区切りで記載されているテキスト・ファイルのパス名(絶対または相対)。

-attr "attribute_name=
attribute_value

追加するリソースの属性を2つの異なる方法で指定できます。

  • -attrフラグの後に、1つ以上の属性名/値ペアをカンマで区切り、二重引用符("")で囲んで指定できます。次に例を示します。

    -attr "CHECK_INTERVAL=30,START_TIMEOUT=25"

    いくつかの属性は複数の値を持つことができます。そのような場合は、空白で値を区切り、値のリストを一重引用符で囲みます。次に例を示します。

    -attr "SERVER_POOL_NAMES=
    'ora.pool1 ora.pool2',START_TIMEOUT=25"
  • また、特定のカーディナリティ値および特定の程度値を付加してリソース・インスタンスの属性値を指定できます。この方法は特定のサーバーに関連付けられるアプリケーションに役立ちます。-attrフラグの後の構文は次のとおりです。

    attribute_name{@SERVERNAME(server_name)
    [@DEGREEID(did)] | @CARDINALITYID(cid)
    [@DEGREEID(did)]}=attribute_value

    @SERVERNAME(server_name)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、指定したサーバーに存在するリソース・インスタンスに限定されます。

    または、@CARDINALITYID(cid)構文を指定すると、指定した属性の属性値は、特定のカーディナリティID(cid)を持つリソース・インスタンスに限定されます。

    必要に応じて、@DEGREEID(did)構文をSERVERNAMEまたはCARDINALITYID構文のいずれか、または両方と組み合せて、特定のDEGREEが設定されているリソースに属性値を限定することができます。

    例:

    CHECK_INTERVAL@SERVERNAME(node1)=45
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@SERVERNAME(node1)@DEGREEID(2)=65
    STOP_TIMEOUT@CARDINALITYID(3)@DEGREEID(2)=65
-i

-iを指定すると、このコマンドの処理でOracle Clusterwareがリソースまたはその依存リソースをロック解除するのを待機する必要がある場合、コマンドはエラーを戻します。コマンドが互いに影響しないように、Oracle Clusterwareによってリソースまたは他のオブジェクトがロックされることがあります。

-f

強制パラメータは次の場合に使用します。

  • まだ存在しない他のリソースに依存するリソースを追加する場合。強制パラメータによってチェックが無効になるため、コマンドの完了が妨げられません。

  • 他のリソースへのhard依存性がリソースに設定されており、1つ以上の依存性に対する実行権限がリソース所有者にない状態でリソースを追加する場合。この場合には、強制パラメータを指定しないとエラーが表示されます。

  • 汎用サーバー・プールにサーバーを移動する必要がある場合があり、このために、applicationタイプのリソースを追加する場合。停止する必要のあるリソースがサーバーで現在ホスティングされている場合、強制パラメータが必要です。

関連項目:

リソースおよびリソース属性の詳細は、「Oracle Clusterwareのリソース・リファレンス」を参照してください。

使用上の注意

  • resource_nameパラメータおよび-type resource_typeパラメータのどちらも必須です。関連付けられたリソース・タイプをcrsctl add typeを使用して作成できます。

  • 任意のユーザーがリソースを作成できますが、SERVER_POOLS=*が設定されているlocal_resourceタイプのリソースまたはcluster_resourceタイプのリソースを作成できるのはクラスタウェア管理者のみです。

    リソースの定義後、どのユーザーがリソースに関する特定の操作を実行できるかはACLによって制御されます。Oracle Clusterware管理者のリストは影響しなくなります。

    Windowsでは、管理者グループのメンバーがすべてを完全に制御できます。

    関連項目:

    ACLの設定の詳細は、crsctl setperm resourceを参照してください。

  • 属性名/値ペアの属性値にカンマが含まれる場合、値は一重引用符('')で囲む必要があります。

  • 属性ファイルの例を次に示します。

    PLACEMENT=favored
    HOSTING_MEMBERS=node1 node2 node3
    RESTART_ATTEMPTS@CARDINALITYID(1)=0
    RESTART_ATTEMPTS@CARDINALITYID(2)=0
    FAILURE_THRESHOLD@CARDINALITYID(1)=2
    FAILURE_THRESHOLD@CARDINALITYID(2)=4
    FAILURE_INTERVAL@CARDINALITYID(1)=300
    FAILURE_INTERVAL@CARDINALITYID(2)=500
    CHECK_INTERVAL=2
    CARDINALITY=2
    
  • oraで始まる名前を持つリソースはOracleリソースであるため、これらのリソースにはこのコマンドを使用しないでください。

例1

Oracle Clusterwareを使用してVIPをリソースとして登録するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl add resource app.appvip -type app.appvip.type -attr "RESTART_ATTEMPTS=2,
START_TIMEOUT=100,STOP_TIMEOUT=100,CHECK_INTERVAL=10,
USR_ORA_VIP=172.16.0.0,
START_DEPENDENCIES=hard(ora.net1.network)pullup(ora.net1.network),
STOP_DEPENDENCIES=hard(ora.net1.network)"

例2

test_type1リソース・タイプに基づくリソースを登録するには、次のコマンドを実行します。

$ crsctl add resource r1 -type test_type1 -attr "PATH_NAME=/tmp/r1.txt"
$ crsctl add resource r1 -type test_type1 -attr "PATH_NAME=/tmp/r2.txt"

例3

EXECUTABLE_NAMES属性を使用してgeneric_applicationリソース・タイプのSambaサーバー・リソースを登録するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl add resource my_samba -type generic_application -attr
"EXECUTABLE_NAMES=smbd,START_PROGRAM='/etc/rc.d/init.d/smb start',
STOP_PROGRAM='/etc/rc.d/init.d/smb stop'"

例4

EXECUTABLE_NAMES属性を使用してgeneric_applicationリソース・タイプのDNSサーバーを登録するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl add resource my_dns -type generic_application -attr
"EXECUTABLE_NAMES=named,START_PROGRAM='/etc/rc.d/init.d/named start',
STOP_PROGRAM='/etc/rc.d/init.d/named stop'"

例5

PID_FILES属性を使用してgeneric_applicationリソース・タイプのApache Webサーバーを登録するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl add resource my_apache -type generic_application -attr
"START_PROGRAM='/usr/sbin/httpd -k start',STOP_PROGRAM='/usr/sbin/httpd -k stop',
PID_FILES=/etc/httpd/run/httpd.pid"

例6

環境変数を使用してgeneric_applicationリソース・タイプのアプリケーションを登録するには、次のコマンドを実行します。

# crsctl add resource my_app -type generic_application -attr
"START_PROGRAM='/opt/my_app start', EXECUTABLE_NAMES=my_app,
ENVIRONMENT_VARS='USE_NETAPP=no,USE_BACKUP=yes,CLEAN_ON_KILL=yes'"