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Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
リリース12.1 For Windows
B72965-06
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9 Oracle Grid Infrastructureの変更または削除

Oracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ソフトウェアを変更または削除する場合、特定の手順に従う必要があります。

関連項目:

個々の製品を削除する場合は、要件および制限について製品固有のドキュメントを参照してください。

9.1 Oracle Clusterwareを削除するタイミングの決定

Oracleソフトウェアを削除する必要のある特定の状況が存在します。

次のような場合に、インストールされたコンポーネントを削除します。

  • 学習環境またはテスト環境のいずれかで、Oracle Clusterwareを正常にインストールした後、Oracle Clusterwareインストールを削除する必要がある場合。

  • Oracle Clusterwareのインストールまたはアップグレード中、またはその後にエラーが発生し、インストールを再試行する場合。

  • ハードウェア障害またはオペレーティング・システム障害のため、インストールまたはアップグレードが停止した場合。

  • Oracle Clusterwareを再インストールするようにOracleサポート・サービスからアドバイスされた場合。

9.2 クラスタへのスタンドアロン・グリッド・インフラストラクチャ・サーバーの移行

Oracle Restart (スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureインストール)を使用するOracle Databaseインストールがある場合、そのサーバーをクラスタ・メンバー・ノードとして再構成できます。

  1. 次の構文でサーバー制御(SRVCTL)ユーティリティを使用してOracle Restart構成を調べます。db_unique_nameはデータベースの一意の名前、lsnrnameはデータベースのリスナー名です。
    srvctl config database -db db_unique_name
    srvctl config service -db db_unique_name
    srvctl config listener -listener lsnrname
    この後の手順でサーバーの構成情報が必要になるため、この情報を記録します。
  2. 手順1で確認したすべてのデータベース、サービスおよびリスナーを停止します。
  3. 存在する場合は、すべてのOracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)ファイルシステムをアンマウントします。
  4. Grid_home\crs\installディレクトリに移動します。Grid_homeは、Oracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)ディレクトリの場所です。次に例を示します。
    C:\> cd app\12.1.0\grid\crs\install
  5. 次のコマンドを使用して、スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureインストール(Oracle Restart)を構成解除し、削除します。
    C:\..\install> perl roothas.bat -deconfig -force
  6. このマニュアルの第2章から第6章の説明に従って、Oracle Clusterware構成のためにサーバーを準備します。また、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureを、Oracle Restartと同じ場所にインストールするか、または別の場所にインストールするか、選択します。
    オプション 説明
    Oracle Restartと同じ場所にインストールする場合
    1. 削除ツールを使用してOracle Restartソフトウェアを削除しますが、すべてのディスク・グループはそのまま保持します。

    2. 手順7に進みます。

    Oracle Restartと異なる場所にインストールする場合 クラスタ用Oracle Grid Infrastructureを新しいGridホーム・ソフトウェアの場所にインストールします。
  7. Oracle Grid InfrastructureのOracleインストール・ユーザーとして、Oracle Clusterware構成ウィザードを実行し、レスポンス・ファイルを保存してステージングします。-responseFileパラメータに、Oracle Clusterware構成ウィザードがレスポンス・ファイルを書き込む次のようなフルパス名を指定します。
    C:\> cd Grid_home\crs\config
    C:\..\config> config.bat -silent -responseFile C:\Users\dba1\scripts\GI.rsp
  8. Oracle Restartで使用されるOracle ASMディスク・グループをマウントします。
  9. Oracle RestartでOracle ACFSを使用する場合は、次の手順を実行します。
    1. Oracle ASM Configuration Assistant (ASMCA)を起動します。volenableコマンドを実行し、すべてのOracle Restartディスク・グループ・ボリュームを有効にします。
    2. すべてのOracle ACFSファイル・システムを手動でマウントします。
  10. 次のタスクを実行し、手順1で記録した情報を使用して、Oracle ClusterwareサービスおよびOracle ACFSリソースをOracle Clusterwareホームに追加しなおします。
    1. 次のようなコマンドを使用して、Oracle ACFSリソースを登録します。Grid_homeはOracle Grid Infrastructureインストールの場所です。
      C:\> Grid_home\bin\srvctl add filesystem -device \\.\ORCLDATADISK4
      -diskgroup ORestartData -volume db1 
      -mountpointpath C:\app\12.1.0\grid\db1 -user grid
    2. クラスタ用Oracle Grid InfrastructureによってサポートするOracle Databaseを追加します。次のコマンド構文を使用します(db_unique_nameはノード上のデータベースの一意の名前、nodenameはノードの名前)。
      srvctl add database -db db_unique_name -oraclehome %ORACLE_HOME% -node
      nodename
      たとえば、ローカル・ノードnode1上のデータベース名mydbの場合、最初にORACLE_HOME環境変数がデータベース・ホーム・ディレクトリの場所に設定されることを確認してから、次のコマンドを入力してデータベースをOracle Clusterwareに登録します。
      srvctl add database -db mydb -oraclehome %ORACLE_HOME% -node node1
    3. srvctl add serviceコマンドを使用して、各データベース・サービスを登録します。たとえば、データベース名がmydbで、このデータベースにmyserviceという名前のサービスを作成した場合は、次のコマンドを入力します。
      srvctl add service -db mydb -service myservice

      関連項目:

      構成ウィザードの詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

9.3 Oracle Grid Infrastructureホーム・パスの変更

Gridホームを移動するたびに、Oracle ClusterwareとOracle ASMを再構成する必要があります。

注意:

Gridホームを変更する前に、変更対象のGridホーム・ディレクトリで実行されるすべての実行可能ファイルを停止する必要があります。また、Oracle共有ライブラリを使用するすべてのアプリケーションも停止してください。
  1. 管理者ユーザーまたはOracle Grid InfrastructureのOracleインストール・ユーザー(gridなど)としてログインします。
  2. Grid_home\binディレクトリに移動し、crsctl stop crsコマンドを入力します。次に例を示します。
    C:\> cd app\12.1.0\grid\BIN
    C:\..\BIN> crsctl stop crs
  3. 既存のGridホームをデタッチします。
    次のようなコマンドを実行します(C:\app\12.1.0\gridは既存のGridホームの場所です)。
    C:\> cd app\12.1.0\grid\oui\bin
    C:\..\bin> setup.exe -silent -detachHome ORACLE_HOME=
    'C:\app\12.1.0\grid' -local
  4. Oracle Grid Infrastructure用にインストールされたファイルを、古いGridホームから新しいGridホームに移動します。
    たとえば、古いGridホームがC:\app\12.1.0\gridで新しいGridホームがD:\app\12c\gridの場合は、次のコマンドを使用します。
    C:\> xcopy C:\app\12.1.0\grid D:\app\12c\grid /E /I /H /K
  5. 『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』のOracle Clusterwareのクローニングによるクラスタの作成(手順3: 各宛先ノードでのclone.plスクリプトの実行)に関する説明に記載されている手順を使用して、Oracle Grid Infrastructureインストールをクローニングします。
    Grid_home\clone\binディレクトリに移動してclone.plスクリプトを実行するときに、新しいGridホームにパス情報を提供する入力パラメータに値を指定します。

    注意:

    Oracle Grid Infrastructureホーム・パスを変更する場合、別のOracleホーム・ユーザーは指定できません。
  6. 新しいホームの場所でOracle Clusterwareを起動します。
    D:\> cd app\12c\grid\crs\install
    D:\..install\> rootcrs.bat -patch -dstcrshome D:\app\12c\grid
  7. 各クラスタ・メンバー・ノードで、手順1から4および手順6を繰り返します。

9.4 ソフトウェアを削除せずに行うOracle Clusterwareの構成解除

インストール・エラーが発生したノードでrootcrs.bat -deconfig -forceを実行すると、それらのノードでOracle Clusterwareの構成を解除し、エラーの原因を修正してから、再度rootcrs.batを実行してOracle Clusterwareを再構成できます。

オプション-deconfig -forceを指定してrootcrs.batコマンドを実行すると、インストールしたソフトウェアを削除しなくても、1つ以上のノードでOracle Clusterwareの構成を解除できます。この機能は、共有記憶域を誤って構成した場合など、インストール中に1つ以上のクラスタ・ノードでエラーが発生した場合に役に立ちます。

Oracle Clusterwareの構成を解除する前に、次の手順を実行する必要があります。

  • インストールされ実行されているすべてのデータベース、サービスおよびリスナーを停止します。

  • ACFSファイル・システムをディスマウントします。

  • ADVMボリュームを無効にします。

注意:

この項で使用するコマンドでは、クラスタ全体のOracle Grid Infrastructureインストールが削除されます。個々のノードからインストールを削除するには、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。
  1. インストール中にエラーが発生したノードで管理者グループのメンバーを使用してログインします。
  2. Gridホームから実行されているすべてのデータベース、サービスおよびリスナーを停止します。
  3. 存在する場合は、すべてのOracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)ファイルシステムをアンマウントします。
  4. ディレクトリをGrid_home\crs\installに移動します。
    次に例を示します。
    C:\> cd C:\app\12.1.0\grid\crs\install
  5. -deconfig -forceオプションを指定してrootcrs.batを実行します。
    次に例を示します。
    C:\..\install> rootcrs.bat -deconfig -force

    注意:

    データベース、サービス、リスナーなど、削除するOracle Clusterwareホームから起動されたリソースに依存する実行中のリソースが存在する場合は、rootcrs.batスクリプトを実行する際に-forceオプションを指定する必要があります。部分的なインストールまたは失敗したインストールを削除する場合も、-forceオプションを使用する必要があります。
  6. 必要に応じて、他のノードで手順1から手順5を繰り返します。
  7. クラスタ内のすべてのノードでOracle Clusterwareの構成を解除する場合は、最後のノードで次のコマンドを入力します。
    C:\..\install> rootcrs.bat -deconfig -force -lastnode
    -lastnodeオプションを指定すると、Oracle Cluster Registry (OCR)および投票ファイルを含むクラスタの構成解除が完了します。

    注意:

    ハブ・ノードでrootcrs.bat -deconfig -force -lastnodeコマンドを実行します。-lastnodeフラグでコマンドを実行する前に、すべてのリーフ・ノードの構成を解除します。

9.5 Oracle ClusterwareとOracle ASMソフトウェアの削除

deinstallコマンドによって、Oracle ClusterwareおよびOracle ASMをサーバーから削除できます。

注意:

Oracleソフトウェアを削除するには、同じリリースの削除ツールを使用する必要があります。以前のリリースのOracleソフトウェアを削除するとき、それより新しいリリースの削除ツールは使用しないでください。たとえば、既存の11.2.0.4OracleホームにあるOracleソフトウェアを削除するとき、12.1.0.1のインストール・メディアに収録されている削除ツールは実行しないでください。

9.5.1 削除ツールについて

削除ツールは、Oracleソフトウェアを停止し、オペレーティング・システム上のOracleソフトウェアおよび構成ファイルを削除します。

Oracle Database 12c以上では、削除ツールがデータベース・インストール・メディアに統合されるようになりました。Oracle DatabaseまたはOracle Databaseクライアントのインストール・メディアのベース・ディレクトリから、setup.exeコマンドに-deinstallオプションと-homeオプションを使用して削除ツールを実行できます。

また、削除ツールは、インストール後にOracleホーム・ディレクトリで別のコマンド(deinstall.bat)として使用することも可能です。これは、%ORACLE_HOME%\deinstallディレクトリに配置されます。

削除ツールによって、Oracleソフトウェアが停止され、特定のOracleホームのOracleソフトウェアおよびオペレーティング・システムの構成ファイルが削除されます。削除ツールを実行してWindowsインストール用のOracle Grid Infrastructureを削除する場合、適切なスクリプトが自動的に実行され、Oracle Grid Infrastructureまたはスタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureが構成解除されます。

削除ツールは、指定した情報と、ソフトウェア・ホームから収集した情報を使用して、レスポンス・ファイルを作成します。または、-checkonlyオプションと-oオプションを使用して、deinstall.batコマンドによって以前に生成されたレスポンス・ファイルを指定することもできます。レスポンス・ファイル・テンプレートを編集して、レスポンス・ファイルを作成することもできます。

注意:

Oracleソフトウェアを削除するには、同じリリースの削除ツールを実行する必要があります。以前のリリースのOracleソフトウェアを削除するとき、それより新しいリリースの削除ツールは使用しないでください。たとえば、既存の11.2.0.4 OracleホームからOracleソフトウェアを削除する場合、Oracle Database 12.1のインストール・メディアから削除ツールを実行しないでください。

Oracleホームのソフトウェアが実行されていない場合(インストール失敗の後など)、削除ツールは構成を確認できないため、対話的に、またはレスポンス・ファイルですべての構成の詳細を提供する必要があります。

9.5.2 削除ツールのコマンド・リファレンス

削除ツールを使用して、Oracleソフトウェアを削除できます。このコマンドは、スタンドアロン・モードでの実行、Oracleホーム・ディレクトリからの実行、またはインストーラを介した実行が可能です。

用途

削除ツールは、Oracleソフトウェアを停止し、オペレーティング・システム上のOracleソフトウェアおよび構成ファイルを削除します。

ファイル・パス

%ORACLE_HOME%\deinstall\deinstall

前提条件

Oracle Grid Infrastructureインストール環境で削除ツールを実行する前に:

  • Oracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)をディスマウントし、Oracle Automatic Storage Management Dynamic Volume Manager (Oracle ADVM)を無効にします。

  • Grid Naming Service (GNS)が使用中の場合は、サブドメイン・エントリをDNSから削除することをDNS管理者に通知します。

deinstall.batプログラムを使用する場合の構文

deinstall.bat [-silent] [-checkonly] [-local] 
 [-paramfile complete path of input response file] 
 [-params name1=value [name2=value . . .]] 
 [-o complete path of directory for saving files] 
 [-tmpdir complete path of temporary directory to use]
 [-logdir complete path of log directory to use] [-help]

setup.exeプログラムを使用する場合の構文

setup.exe -deinstall -home complete path of Oracle home[-silent] [-checkonly] 
 [-local] [-paramfile complete path of input response file] 
 [-params name1=value [name2=value . . .]] 
 [-o complete path of directory for saving files] 
 [-tmpdir complete path of temporary directory to use]
 [-logdir complete path of log directory to use] [-help]

オプション

表9-1 削除ツールのオプション

コマンド・オプション 説明
home Oracleホームの完全パス

このオプションを指定して、確認または削除するOracleホームのホーム・パスを示します。削除するOracleホームにあるdeinstall.batコマンドを使用してOracleソフトウェアを削除する場合は、Oracleホーム以外の場所にレスポンス・ファイルを用意し、-homeオプションは使用しないでください。

deinstall.batをパス%ORACLE_HOME%\deinstallから実行する場合は、実行元となるホームがツールで認識されるため、-homeオプションは不要です。インストール・メディアからsetup.exe -deinstallコマンドを使用する場合は、-homeオプションが必須です。

silent このオプションを指定すると、非対話型モードで削除ツールが実行されます。このオプションを指定した場合は、次のいずれかが必要です。
  • インストール情報および構成情報を確認するためにアクセス可能な動作中のシステム。失敗したインストールで-silentオプションは動作しません。

  • 削除または構成解除するOracleホームの構成値が記述されたレスポンス・ファイル。

checkonly

このオプションを指定すると、Oracleソフトウェアのホーム構成の状態が確認されます。-checkonlyオプションを指定してdeinstallコマンドを実行した場合、Oracleの構成は削除されません。このオプションによって、deinstall.batコマンドとともに使用できるレスポンス・ファイルが生成されます。

レスポンス・ファイルを生成するために-checkonlyオプションを使用すると、システムに関する情報を入力するように求められます。Oracle環境からツールが取得したデフォルト値(カッコ([])内に示されます)をそのまま使用するか、または別の値を指定できます。各プロンプトで[Enter]を押して、デフォルトを受け入れます。

local

複数ノード環境でこのオプションを指定すると、クラスタのOracleソフトウェアの構成が解除されます。

このオプションを指定してdeinstall.batを実行すると、非共有Oracleホーム・ディレクトリのローカル・ノード(deinstall.batを実行したノード)でのみOracleソフトウェアの構成が解除され、削除されます。構成解除ツールでは、リモート・ノードのOracleソフトウェアの削除または構成解除は行われません。

paramfile 入力レスポンス・ファイルの完全パス

(オプション)このオプションを指定すると、デフォルト以外の場所にあるレスポンス・ファイルを使用してdeinstall.batを実行できます。このオプションを使用する場合は、レスポンス・ファイルが存在する場所を完全パスで指定します。削除する予定のOracleホームからdeinstall.batコマンドを実行している場合、-paramfileオプションを指定する必要はありません。

レスポンス・ファイルのデフォルトの場所は、削除ツールの場所によって異なります。

  • インストール・メディアまたはステージの場所: X:\staging_location\deinstall\response

  • インストール後のインストール済Oracleホーム: %ORACLE_HOME%\deinstall\response

params name1=value[ name2=value name3=value...] このオプションをレスポンス・ファイルとともに使用すると、作成したレスポンス・ファイル内の、1つ以上の値を上書きできます。
o 保存するレスポンス・ファイルのディレクトリの完全パス

このオプションを指定すると、デフォルト以外の場所に、レスポンス・ファイル(deinstall.rsp.tmpl)を保存するパスが指定されます。

レスポンス・ファイルのデフォルトの場所は、削除ツールの呼出し方法によって異なります。

  • インストール・メディアまたはステージの場所からの場合: stagelocation\response

  • インストール後のインストール済Oracleホーム: %ORACLE_HOME%\deinstall\response

tmpdir 使用する一時ディレクトリの完全パス 削除ツールが削除対象の一時ファイルを書き込むためのデフォルト以外の場所を指定します。
logdir 使用するログ・ディレクトリの完全パス 削除ツールが削除対象のログ・ファイルを書き込むためのデフォルト以外の場所を指定します。
help -helpオプションを指定すると、削除ツールのオプションに関する追加情報を取得できます。

削除ツールのログ・ファイルの場所

Oracleホームにあるdeinstall.batコマンドを使用した場合、ログ・ファイルはC:\Program Files\Oracle\Inventory\logsディレクトリに書き込まれます。

deinstall.batコマンドを使用して、サーバーに最後にインストールしたOracleホームを削除すると、ログ・ファイルは%TEMP%\deinstall<timestamp>\logsに書き込まれます。

9.5.3 削除ツールを使用したOracle ClusterwareおよびOracle ASMの削除

複数の方法で削除ツールを実行できます。

9.5.3.1 Oracleホームからの削除ツールの実行

削除ツールはOracleホームまたはソフトウェア・インストール・メディアから実行できます。

  1. 削除ツールは、デフォルトでは、Oracleインストール・ユーザーとしてOracleホームのdeinstallディレクトリから実行します。
    C:\> %ORACLE_HOME%\deinstall\deinstall.bat
  2. サーバーに関する情報の入力を求められたら、情報を入力するかデフォルトを受け入れます。
削除ツールは、Oracleソフトウェアを停止し、オペレーティング・システム上のOracleソフトウェアおよび構成ファイルを削除します。

例9-1 Oracleホーム内からのdeinstall.batの実行

削除ツールを実行する最も一般的な方法は、削除対象のOracleホームにインストールされているバージョンを使用することです。削除ツールはローカルのOracleホームのソフトウェア構成を確認し、各プロンプトでデフォルト値を提供します。デフォルト値を受け入れることも、別の値を優先することもできます。Oracleホームのソフトウェアが実行されていない場合(インストール失敗の後など)、削除ツールは構成を確認できないため、対話的に、またはレスポンス・ファイルですべての構成の詳細を提供する必要があります。Oracleホーム・ディレクトリにある削除ツールを使用するには、次のコマンドを実行します(C:\app\12.1.0\gridはGridホームの場所)。

クラスタからOracle Grid Infrastructureインストールを削除するには、管理者グループのメンバーとしてログインして、次のコマンドを使用します。

C:\> app\12.1.0\grid\deinstall\deinstall.bat

プロンプトが表示されたら、さらに情報を入力します。

注意:

削除対象のOracleホーム以外の場所から削除ツールを使用する場合は、コマンドラインで-homeオプションを指定する必要があります。

9.5.3.2 インストーラからの対話的な削除ツールの実行

削除ツールはOracleホームまたはソフトウェア・インストール・メディアから実行できます。

  1. -deinstallオプションに続けて-homeオプションを指定して削除するOracleホームのパスを指定し、setup.exeコマンドを使用します。
  2. サーバーに関する情報の入力を求められたら、情報を入力するかデフォルトを受け入れます。
削除ツールは、Oracleソフトウェアを停止し、オペレーティング・システム上のOracleソフトウェアおよび構成ファイルを削除します。

例9-2 ソフトウェア・インストール・メディアからの削除ツールの実行

インストール・メディアのインストーラから削除ツールを実行する場合、実行されたdeinstall.batコマンドは、指定された情報を使用してシステム構成を決定し、各プロンプトのデフォルト値を提供します。デフォルト値を受け入れることも、別の値を優先することもできます。指定したOracleホームのソフトウェアが実行されていない場合(インストール試行に失敗した後など)、削除ツールは構成を確認できないため、対話的に、またはレスポンス・ファイルですべての構成の詳細を指定する必要があります。

次の例で、setup.exeコマンドはパス/directory_pathにあります。directory_pathはインストール・メディアのdatabaseディレクトリへのパス、C:\app\12.1.0\gridは削除するGridホームへのパスです。

クラスタからOracle Grid Infrastructureインストールを削除するには、管理者グループのメンバーとしてログインして、次のコマンドを使用します。

C:\> cd directory_path 
C:\..database> setup.exe -deinstall -home C:\app\12.1.0\grid

プロンプトが表示されたら、さらに情報を入力します。

注意:

削除対象のOracleホーム以外の場所から削除ツールを使用する場合は、コマンドラインで-homeオプションを指定する必要があります。

9.5.3.3 レスポンス・ファイルを使用した削除ツールの実行

削除ツールは、指定した情報と、ソフトウェア・ホームから収集した情報を使用して、レスポンス・ファイルを作成します。または、–checkonlyオプションと-oオプションを使用して、deinstall.batコマンドによって以前に生成されたレスポンス・ファイルを指定することもできます。レスポンス・ファイル・テンプレートを編集して、レスポンス・ファイルを作成することもできます。

  • Oracle Grid Infrastructureホームにあるdeinstall.batコマンドを実行して、D:\Users\oracle\paramfile4.tmplにあるレスポンス・ファイルを使用するには、管理者グループのメンバーとしてログインして、次のコマンドを入力します。
    C:\> cd %ORACLE_HOME% C:\..grid> deinstall\deinstall.bat -paramfile D:\Users\oracle\paramfile4.tmpl

9.5.3.4 削除ツールで使用するレスポンス・ファイルの生成

Oracleホームを削除するコマンドを実行する前に、-checkonlyオプションおよび-oオプションを指定してdeinstall.batコマンドを実行すると、レスポンス・ファイルを生成できます。または、レスポンス・ファイル・テンプレートを使用し、このファイルを手動で編集してレスポンス・ファイルを作成することもできます。

または、%ORACLE_HOME%\deinstall\response\deinstall.rsp.tmplにあるレスポンス・ファイル・テンプレートを使用できます。
  • Oracleホームにあるdeinstall.batコマンドと-checkonlyオプションを使用してレスポンス・ファイルdeinstall_OraCrs11g_home1.rspを生成するには、次のようなコマンドを入力します(C:\app\12.1.0\gridはGridホームの場所、C:\Users\oracleは生成されるレスポンス・ファイルが作成されるディレクトリ)。
    C:\> app\12.1.0\grid\deinstall\deinstall.bat -checkonly -o C:\Users\oracle\

9.6 Oracle Grid Infrastructureを削除するためのサンプル・レスポンス・ファイル

-paramfileオプションを指定してdeinstallコマンドを実行すると、削除ツールではレスポンス・ファイルで指定した値が使用され、必要に応じて、不足している情報を入力するよう求められます。

例9-3 クラスタでの削除ツールのレスポンス・ファイルの例

次に、ノードnode1およびnode2のクラスタ用のレスポンス・ファイルの例を示します。この例では、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureがユーザーgridによってインストールされており、GridホームがC:\app\12.1.0\grid、Oracleベース(Oracle ASMログ・ファイル、Oracle Clusterwareログおよびその他の管理ファイルを含む、Oracle Grid InfrastructureのOracleベース)がC:\app\grid\、中央Oracle InventoryホームがC:\Program Files\Oracle\Inventory、仮想IPアドレス(VIP)が192.0.2.2と192.0.2.4、ローカル・ノード(deinstall.batコマンドを実行するノード)がnode1です。
#Copyright (c) 2005, 2009 Oracle Corporation.  All rights reserved.
VIP1_IP=192.0.2.2
LOCAL_NODE=node1
ORA_VD_DISKGROUPS=+DATA
VIP1_IF=PublicNIC
OCRID=
ObaseCleanupPtrLoc=C:\Temp\OraDeinstall112010-02-11_10-14-30AM\utl\...
HELPJAR_NAME=help4.jar
local=false
ORACLE_HOME=C:\app\12.1.0\grid
ASM_HOME=C:\app\12.1.0\grid
ASM_DISK_GROUPS=
ASM_DISK_GROUP=DATA
ORA_DBA_GROUP=
ASM_DISCOVERY_STRING=
NEW_HOST_NAME_LIST=
PRIVATE_NAME_LIST=
ASM_DISKS=\\.\ORCLDISKDATA0,\\.\ORCLDISKDATA1,\\.\ORCLDISKDATA2
ASM_DISKSTRING=
CRS_HOME=true
JLIBDIR=C:\app\12.1.0\grid\jlib
OCRLOC=
JEWTJAR_NAME=jewt4.jar
EMBASEJAR_NAME=oemlt.jar
CRS_STORAGE_OPTION=1
ASM_REDUNDANCY=EXTERNAL
GPNPGCONFIGDIR=$ORACLE_HOME
LANGUAGE_ID='AMERICAN_AMERICA.WE8MSWIN1252'
CRS_NODEVIPS='node1-vip/255.255.252.0/PublicNIC,node2-vip/255.255.252.0/PublicNIC'
ORACLE_OWNER=Administrator
OLD_ACTIVE_ORACLE_HOME=
GNS_ALLOW_NET_LIST=
silent=false
LOGDIR=C:\Temp\OraDeinstall112010-02-11_10-14-30AM\logs\
OCFS_CONFIG=
NODE_NAME_LIST=node1,node2
GNS_DENY_ITF_LIST=
ORA_CRS_HOME=C:\app\12.1.0\grid
JREDIR=C:\app\12.1.0\grid\jdk\jre
ASM_LOCAL_SID=+asm1
ORACLE_BASE=C:\app\oracle\
GNS_CONF=false
NETCFGJAR_NAME=netcfg.jar
ORACLE_BINARY_OK=true
OCR_LOCATIONS=NO_VAL
ASM_ORACLE_BASE=C:\app\oracle
OLRLOC=
GPNPCONFIGDIR=$ORACLE_HOME
ORA_ASM_GROUP=
GNS_DENY_NET_LIST=
OLD_CRS_HOME=
EWTJAR_NAME=ewt3.jar
NEW_NODE_NAME_LIST=
GNS_DOMAIN_LIST=
ASM_UPGRADE=false
NETCA_LISTENERS_REGISTERED_WITH_CRS=LISTENER
CLUSTER_NODES=node1,node2
CLUSTER_GUID=
NEW_PRIVATE_NAME_LIST=
ASM_DIAGNOSTIC_DEST=C:\APP\ORACLE
CLSCFG_MISSCOUNT=
SCAN_PORT=1521
ASM_DROP_DISKGROUPS=true
NETWORKS="PublicNIC"/192.0.2.1:public,"PrivateNIC"/10.0.0.1:cluster_interconnect
OCR_VOTINGDISK_IN_ASM=true
NODELIST=node1,node2
ASM_IN_HOME=true
HOME_TYPE=CRS
GNS_ADDR_LIST=
CLUSTER_NAME=myrac-cluster
SHAREJAR_NAME=share.jar
VOTING_DISKS=NO_VAL
SILENT=false
VNDR_CLUSTER=false
GPNP_PA=
CSS_LEASEDURATION=400
REMOTE_NODES=node2
ASM_SPFILE=
HOST_NAME_LIST=node1,node2
SCAN_NAME=myrac-scan
VIP1_MASK=255.255.252.0
INVENTORY_LOCATION=C:\Program Files\Oracle\Inventory

注意:

次の場合以外は、このファイルの値の前後に引用符を使用しないでください。
  • CRS_NODEVIPSパラメータのアドレスの前後:

    CRS_NODEVIPS='node1-vip/255.255.252.0/PublicNIC,node2-vip/..'
  • NETWORKSパラメータのインタフェース名の前後:

    NETWORKS="PublicNIC"/192.0.2.1:public,"PrivateNIC"/10.0.0.1  :cluster_interconnect