この「はじめに」では、Oracle Data Guard Brokerの変更点を列挙します。
Oracle Database12 cリリース1 (12.1.0.2)のOracle Data Guard Brokerでの変更点を次に示します。
このリリースの新機能は次のとおりです。
ExternalDestination1
およびExternalDestination2
構成プロパティにより、現在のプライマリ・データベースからREDOデータを受信できるREDO転送先を設定できます。「ExternalDestination1」および「ExternalDestination2」を参照してください。(これらのプロパティは、Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)以上で使用可能です。また、Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)でも使用できますが、Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)では使用できません。)
PrimaryLostWriteAction
構成プロパティは、プライマリ・データベースでの書込み欠落発生をスタンバイ・データベースで検出した場合の動作を決定します。「PrimaryLostWriteAction」を参照してください。(このプロパティは、Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)以上で使用可能です。また、Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)でも使用できますが、Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)では使用できません。)
新しいV$FS_OBSERVER_HISTOGRAM
ビューで示される情報を使用すると、FastStartFailoverThreshold
構成プロパティに対する適切な値の判断に役立ちます。「FastStartFailoverThreshold」を参照してください。(このビューは、Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)以上で使用可能です。また、Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)でも使用できますが、Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)では使用できません。)
RedoRoutes
プロパティを使用して、最初の宛先に障害が発生した場合にREDOデータを送信する代替宛先を指定できるようになりました。これを行う方法の例については、「高度なREDO転送設定」を参照してください。
新しいSHOW
CONFIGURATION
WHEN
PRIMARY
IS
コマンドによって、指定したデータベースがプライマリ・データベースであった場合に有効になるREDO転送構成が表示されます。「SHOW CONFIGURATION WHEN PRIMARY IS」を参照してください。
新しいVALIDATE
FAR_SYNC
コマンドによって、遠隔同期インスタンスを検証するための包括的な一連のチェックが実行されます。オプションのWHEN
PRIMARY
句を使用すると、プライマリ・データベースである別のデータベースに基づいて遠隔同期インスタンスを検証できます。「VALIDATE FAR_SYNC」を参照してください。
Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)で、Data Guardブローカ構成はExternalDestination1
およびExternalDestination2
構成プロパティを使用して、現在のプライマリ・データベースからZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)へのREDO転送をサポートします。
リカバリ・アプライアンスは、すべてのOracleデータベースのバックアップに対して単一のリポジトリを提供するエンタプライズレベルのバックアップ・ソリューションです。
「ExternalDestination1」および「ExternalDestination2」を参照してください。(これらのプロパティは、Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)以上で使用可能です。また、Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.4)でも使用できますが、Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)では使用できません。
今回のリリースでのその他の変更は次のとおりです。
1つのOracle Data Guard Broker構成に、最大253のメンバー(1つのプライマリ・データベースと、プライマリ・データベースからREDOを直接受信するスタンバイ・データベースと遠隔同期インスタンスの組合せを含む)を含めることができるようになりました。
静的サービスの定義および登録が必要なのは、Oracle ClusterwareもOracle Restartも使用していない場合のみになりました。
Oracle Data Guardのフィジカル・スタンバイ・データベースへのスイッチオーバーに対し、アプリケーション・コンティニュイティがサポートされています。最大可用性のデータ保護モードの場合、フィジカル・スタンバイへのファスト・スタート・フェイルオーバーもサポートされます。プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースには、Oracle RACまたはOracle Active Data Guardのライセンスを付与して、アプリケーション・コンティニュイティを使用できるようにする必要があります。「アプリケーション・コンティニュイティ」を参照してください。
次のプロパティは使用できなくなりました。
LsbyASkipCfgPr
LsbyASkipErrorCfgPr
LsbyAskipTxnCfgPr
LsbyDskipCfgPr
LsbyDSkipErrorCfgPr
LsbyDSkipTxnCfgPr
LsbySkipTable
LsbySkipTxnTable
Oracle Database12 cリリース1 (12.1.0.2)のOracle Data Guard Brokerでの変更点を次に示します。
このリリースの新機能は次のとおりです。
Oracle Data Guard Brokerは、ブローカ構成内のマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)をサポートします。
「Oracle Data Guard BrokerおよびCDB」を参照してください。
DGMGRLを使用してデータベースに接続する際に、新しいOracle Data Guard SYSDG
管理権限をサポートします。
「CONNECT」を参照してください。
新しいDGMGRLコマンドVALIDATE DATABASE
を使用すると、データベースがロール変更を実行する準備ができているかどうか、短時間で簡単に判定できます。
「VALIDATE DATABASE」を参照してください。
新しいDGMGRLコマンドを使用すると、Oracle Data Guard構成に遠隔同期インスタンスを追加して、管理できます。
ブローカ構成の遠隔同期インスタンスの管理に関連するコマンドの詳細は、「Oracle Data Guardコマンドライン・インタフェース・リファレンス」を参照してください。
新しい構成可能なプロパティRedoRoutes
は、REDOカスケーディングと遠隔同期インスタンスをサポートします。
「RedoRoutes」を参照してください。
新しいEDIT CONFIGURATION (RENAME)
コマンドを使用して、Oracle Data Guard Broker構成の名前を変更できます。異なる名前を使用する構成を削除して作成しなおす必要がなくなりました。
「EDIT CONFIGURATION (RENAME)」を参照してください。
Oracle Data Guard Brokerのプロパティを簡単にデフォルト値に簡単にリセットできるようになりました。これは、構成、データベースまたはインスタンスのレベルで可能です。
「ブローカの構成可能なプロパティのデフォルト値へのリセット」を参照してください。
新しい高性能のREDO転送モードFASTSYNC
により、最大可用性データ保護モードをサポートします。
REDO転送モードの設定に関する情報は、「LogXptMode」を参照してください。
ローリング・アップグレード時にOracle Data Guard Broker構成を維持できるため、アップグレードの完了後にリビルドする必要がありません。
SQL文やPL/SQLストアド・プロシージャをData Guardコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)から実行できるようになったため、定型業務のためにコマンドライン・インタフェースを何回も終了しては再起動する必要がなくなりました。
「SQL」を参照してください。
Oracle Data Guardブローカは、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)の新しいOracle Global Data Services(GDS)機能をサポートしています。
「Oracle Data Guard BrokerとOracle Global Data Services」を参照してください。
参照:
GDSの詳細は、『Oracle Database Global Data Services概要および管理ガイド』を参照してください。
ファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲット・スタンバイ・データベースからDBMS_DG
PL/SQLプロシージャをコールできるようになりました。
「アプリケーションによるファスト・スタート・フェイルオーバーの指示」を参照してください。
障害後にスイッチオーバーを再開できるようになりました。
「スイッチオーバー操作時の問題のトラブルシューティング」を参照してください。
構成内のすべてのデータベースに対してブローカによって実行されるトレースの量を制御できるようになりました。
「TraceLevel」構成プロパティを参照してください。
新しいObserverReconnect
構成プロパティを使用すると、オブザーバがプライマリおよびスタンバイの各データベースから切断し、再接続する間隔を指定できます。
「ObserverReconnect」プロパティを参照してください。
新しいObserverOverride
構成プロパティを使用すると、スタンバイのプライマリとの接続状態が良好なときでも、オブザーバがプライマリとの接続を失ったら自動フェイルオーバーを開始するかどうかを指定できます。
「ObserverOverride」構成プロパティを参照してください。
新しい構成可能なプロパティApplyLagThreshold
を使用すると、フィジカルおよびロジカル・スタンバイ上の適用ラグに最大値を設定できます。上限を超過すると警告が発行されます。
「ApplyLagThreshold」プロパティを参照してください。
新しい構成可能なプロパティTransportDisconnectedThreshold
を使用すると、プライマリとの通信がないまま経過できる時間の長さに上限を設定できます。上限を超過すると警告が発行されます。
「TransportDisconnectedThreshold」プロパティを参照してください。
構成可能なプロパティTransportLagThreshold
を使用すると、データベースの転送ラグに上限を設定できます。上限を超過すると警告が発行されます。
「TransportLagThreshold」プロパティを参照してください。
次の機能はこのリリースでは非推奨となりました。将来のリリースではされなくなる可能性があります。
次の構成可能なプロパティは非推奨となりました。
LsbyASkipCfgPr
LsbyASkipErrorCfgPr
LsbyAskipTxnCfgPr
LsbyDskipCfgPr
LsbyDSkipErrorCfgPr
LsbyDSkipTxnCfgPr
次の監視可能なプロパティは非推奨となりました。
LsbySkipTable
LsbySkipTxnTable
このドキュメントで以前に記述されていた機能の一部は、Oracle Database12cリリース1(12.1)ではサポートされません。サポートされなくなった機能の一覧は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。