「はじめに」の内容は次のとおりです。
次に、Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)の『Oracle Spatial and Graph GeoRaster開発者ガイド』での変更点を示します。
Oracle Spatial and Graphの最初のインストール後、デフォルトではGeoRaster機能が無効になっています。GeoRasterを有効にするには、次の手順に従います。
SYS AS SYSDBAとしてデータベースに接続します。
次の文を入力します。
EXECUTE MDSYS.enableGeoRaster;
詳細は、『Oracle Spatial and Graph開発者ガイド』のインストールまたはアップグレード後にGeoRasterが正しく動作するための確認事項に関する項を参照してください。
GeoRasterのJava APIが更新され、リリース12.1の新しいパッケージ、ファンクション、プロシージャ、その他の機能がすべてサポートされます。これにはラスター代数、高度なイメージ処理、リレーショナルRDT表および新しいメタデータが含まれます。GeoRasterのJava APIについては、Oracle Spatial and Graph Java APIリファレンスに記載されています。
LizardTechプラグインをインストールする前に、インストール準備のいくつかの手順に従う必要があります。詳細は、「圧縮に使用するサード・パーティのプラグイン」を参照してください。
GDALベースのETLツールのユーザー・インタフェースが強化され、操作性が向上して新しいロード・オプションが追加されました。これは最新のGDALバージョンでも更新されます。詳細は、最新のユーザーズ・ガイド($ORACLE_HOME/md/demo/georaster/etl/georaster_etl_user_guide.pdf
)を参照してください。
SDO_GEOR_AGGR.mosaicSubsetおよびSDO_GEOR_AGGR.getMosaicSubsetプロシージャでは、mosaicParam
パラメータで解像度フィルタの使用を制御する新しいresFilter
キーワードを使用できます。また、HIGHRES
はcommonPointRule
キーワードの新しいオプションで、モザイクの重複するエリアにおいて最も解像度の高い画像を選択します。これらのキーワードについては、表8-1を参照してください。
このマニュアルでは、次のような変更があります。
新しい項の「パラレル圧縮、コピー、サブセット化、再投影および幾何補正」では、圧縮、コピー、サブセット化および幾何補正のためのパラレル処理の適用方法について説明します。「GeoRasterでのパラレル処理」にも情報が追加されています。
新しく「GeoRasterユーザーに対する一時表領域の追加」が追加されました。
次に、Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)の『Oracle Spatial and Graph GeoRaster開発者ガイド』での変更点を示します。
このリリースの新機能は次のとおりです。
このリリースでは、ユーザーが簡単にラスター・データに代数ファンクションを適用して新しい結果を導出できるように、ラスター・データ分析やGISモデリングで使用して、ラスター分析を代数式として定義するためのラスター代数および分析がサポートされます。詳細は、「ラスター代数および分析」を参照してください。
ラスター代数および分析のサポートには、次のものが含まれます。
PL/SQL言語の拡張である新しいラスター代数言語。これには、式言語と、地図代数のローカル・ファンクション・タイプのファンクションが含まれます。(ラスター代数言語については、「ラスター代数言語」を参照してください。)
ラスター代数言語を使用した算術操作のサポート(SDO_GEOR_RA.rasterMathOpプロシージャ)。
ラスター代数言語を使用したセル値ベースの条件付き問合せのサポート(SDO_GEOR_RA.findCellsプロシージャ)。
ラスター代数言語を使用したセル値ベースの条件付き更新(ラスター編集)のサポート(SDO_GEOR_RA.rasterUpdateプロシージャ)。
ラスター代数言語を使用したラスター・セグメント化の分類のサポート(SDO_GEOR_RA.classifyプロシージャ)。
オンザフライでの対話型分析をサポートする新しい統計生成ファンクション(SDO_GEOR.generateStatisticsMax、SDO_GEOR.generateStatisticsMean、SDO_GEOR.generateStatisticsMedian、SDO_GEOR.generateStatisticsMin、SDO_GEOR.generateStatisticsMode、SDO_GEOR.generateStatisticsSTD)。
オンザフライ分析をサポートするSDO_GEOR.generateStatisticsの機能拡張。
このリリースでは、高度なイメージ処理および仮想モザイクがサポートされます。詳細は、「イメージ処理および仮想モザイク」を参照してください。
高度なイメージ処理および仮想モザイクのサポートには、次のものが含まれます。
地理参照されるRAWイメージの幾何補正(SDO_GEOR.rectify)
地理参照されるRAWイメージ(高さやDEMを含む)のオルソ補正(SDO_GEOR.rectify)
大規模イメージの追加(SDO_GEOR_AGGR.append)
地理参照されるRAWイメージの高度で高速な大規模モザイク処理(SDO_GEOR_AGGR.mosaicSubset)
任意の数の地理参照されるRAWイメージの仮想モザイクと、オンザフライ問合せおよび仮想モザイクのクロッピング(SDO_GEOR_AGGR.mosaicSubset、SDO_GEOR_AGGR.getMosaicSubset、SDO_GEOR_AGGR.getMosaicExtent、SDO_GEOR_AGGR.getMosaicResolutions、SDO_GEOR_AGGR.validateForMosaicSubsetおよび「仮想モザイク」)
内部的再投影/幾何補正、共通ポイント・ルール、および高度なモザイク処理と仮想モザイク両方での簡易カラー・バランスのサポート(SDO_GEOR_AGGR.mosaicSubsetの項の表8-1を参照)
イメージ・ピラミッドのパラレル生成および部分更新(「イメージのピラミッド化: パラレル生成および部分更新」を参照)
ビットマップ・ラスターの特殊なピラミッド化アルゴリズム(「ビットマップのピラミッド化」を参照)
イメージ・マスキング(SDO_GEOR.mask)
イメージの線形ストレッチ(「イメージのストレッチ」を参照)とイメージのセグメント化(「イメージのセグメント化」を参照)
NDVI計算(「植生指標計算」を参照)およびタッセルド・キャップ変換(「タッセルド・キャップ変換」を参照)
このリリースには、GeoRasterのコア機能に対する次の拡張が含まれます。
モザイク処理、ピラミッド化、すべてのラスター代数ファンクションおよびプロシージャに追加された、パフォーマンスが大幅に向上するパラレル処理機能(「GeoRasterでのパラレル処理」を参照)
多くの新しいサブプログラムに追加された操作の進行状況レポートと、その目的で追加された多くの新しいユーティリティ・プロシージャおよびファンクション(「GeoRasterでの操作の進行状況のレポート」を参照)
追加のラスター・データ記憶域としてのリレーショナルRDT表のサポート(「ラスター・データ表」を参照)
メタデータにデフォルトのアルファ・チャネルおよびピラミッド・レベルを指定する機能(「GeoRasterメタデータのXMLスキーマ」で定義)
グリッドの任意の点にセル値を内挿する新しい共2次内挿法(イメージ操作やピラミッド化の新しいリサンプリング・タイプとしても追加された共2次内挿法(「リサンプリングおよび内挿」を参照))
ファイルからインポートされた不明な、または外部のピラミッド・リサンプリング・タイプを示すために追加されたOTHERリサンプリング・タイプ(「リサンプリングおよび内挿」を参照)
ピラミッド化、再投影およびスケール変更の大幅なパフォーマンス向上
追加された他の新しいサーバー側サブプログラムおよび機能は次のとおりです。
ラスター範囲(最小および最大のセル値)を問い合せる新しいファンクション(SDO_GEOR.getRasterRange)
1つのセルの行、列およびバンド番号の指定、またはモデル座標空間またはセル座標空間の点ジオメトリの指定を可能にする2つの新しいSDO_GEOR.getRasterBlockLocator形式
ピラミッドの解像度生成(SDO_GEOR.generateSpatialResolutions)
既存のラスター・ブロックからの空のラスター・ブロックの作成(SDO_GEOR_UTL.emptyBlocks)
DMLトリガーの再作成(SDO_GEOR_UTL.recreateDMLTriggers)
次のクライアント側ツールとJava API機能が追加または強化されました。
多数のラスター・ファイルの同時バッチ・ロードおよびエクスポートのための新しいGDALベースのETLウィザード(「同時バッチ・ロードおよびエクスポートのためのGDALベースのETLウィザード」を参照)。
GeoRasterビューアでは、GeoRaster表またはビューのいずれか1つまたはリストとして定義された仮想モザイクを表示できるように強化されています(「JAIベースのビューア、ローダーおよびエクスポータ」を参照)
地上基準点(GCP)の格納および操作、GCP地理参照、再投影、グリッド内挿などの機能をサポートするために拡張されたJava API
新しいSDO_GEOR_AGGRパッケージには、仮想モザイク、大規模な物理モザイク処理、およびGeoRasterオブジェクトに対する追加操作をサポートするサブプログラムが含まれます。サブプログラムのリファレンスおよび使用情報は、「SDO_GEOR_AGGRパッケージのリファレンス」を参照してください。
新しいSDO_GEOR_RAパッケージには、GeoRasterに関連するラスター代数および分析操作のためのサブプログラムが含まれます。サブプログラムのリファレンスおよび使用情報は、「SDO_GEOR_RAパッケージのリファレンス」を参照してください。
次の機能は、このリリースで非推奨となりました(将来のリリースではサポートされなくなる予定です)。
GeoRasterでのJPEG-B圧縮のサポート
JPEG-Fサポートを使用することをお薦めします(「非推奨となったJPEG-Bサポート」を参照)。
このリリースでの追加変更は次のとおりです。
新しい「ラスター代数および分析」では、ラスター代数言語(PL/SQL式と代数式)および関連するラスター操作(条件付き問合せ、セル値ベースの更新または編集、数学的操作、分類、オンザフライ統計分析、地図的モデリングでのそれらの適用など)について説明します。
新しい「イメージ処理および仮想モザイク」では、高度な地理参照、再投影、幾何補正、オルソ補正、ラスター更新、ラスター追加、大規模な物理モザイク処理、仮想モザイク、仮想モザイクに対するオンザフライ空間問合せなどの高度なイメージ処理機能について説明します。