この章では、指定したOracleホームに関連するOracleソフトウェアおよび構成ファイルを完全に削除する方法を説明します。削除ツールを使用したOracleソフトウェアの削除に関する情報が含まれます。
削除ツールは、スタンドアロンのOracle Databaseインストール、Oracle Clusterware、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)をサーバーから削除するだけでなく、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)およびOracle Database Clientのインストールも削除します。
削除ツールを使用して、Oracle Database、Oracle Clusterware、Oracle ASM、Oracle RACまたはOracle Databaseクライアントのインストールに関連付けられているOracleホーム全体を削除することをお薦めします。個々の製品またはコンポーネントの削除はサポートされていません。
関連項目:
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注意: クラスタ内のノード上にスタンドアロン・データベースがあり、同じグローバル・データベース名(GDN)を持つデータベースが複数ある場合は、削除ツールを使用して削除できるデータベースは1つのみです。 |
次の各項では、ツールとそのツールを使用するための追加オプションについて説明します。
注意: Oracleソフトウェアを削除するには、同じリリースの削除ツールを使用する必要があります。以前のリリースのOracleソフトウェアを削除するとき、それより新しいリリースの削除ツールは使用しないでください。たとえば、既存の11.2.0.4OracleホームにあるOracleソフトウェアを削除するとき、12.1.0.1のインストール・メディアに収録されている削除ツールは実行しないでください。 |
Oracle Database 12cリリース1 (12.1)以降、削除ツールはOracle Universal Installer (OUI)に統合されています。Oracle Database、Oracle Database ClientまたはOracle Grid Infrastructureインストール・メディアのベース・ディレクトリから、setup.exe
コマンドに-deinstall
および-home
オプションを指定して実行すると、削除を実行できます。
また、削除ツールは、インストール後にOracleホーム・ディレクトリで別のコマンド(deinstall
)として使用することも可能です。これはORACLE_HOME
\deinstall
にあります。
削除ツールは、指定した情報と、ソフトウェア・ホームから収集した情報を使用して、レスポンス・ファイルを作成します。このファイルのかわりに、以前のdeinstall
コマンドで生成されたレスポンス・ファイルを指定するには、–checkonly
オプションを使用するか、レスポンス・ファイル・テンプレートを編集します。
削除オプションを選択してOracle Universal Installerを使用する、またはOracleホームで削除ツールを実行すると、特定のOracleホームのOracleソフトウェアおよびデータベース、構成ファイルなどのそのコンポーネントが停止または削除されます。
Oracleホームのソフトウェアが実行されていない場合(インストール失敗の後など)、削除ツールは構成を確認できないため、対話的に、またはレスポンス・ファイルですべての構成の詳細を提供する必要があります。
注意: Oracle Databaseをインストールすると、構成解除して削除するホーム以外に、中央インベントリに他の登録済ホームが含まれていない場合、削除ツールはOracle Databaseインストール所有者のOracleベース・ディレクトリで次のファイルおよびディレクトリの内容を削除します。
Optimal Flexible Architecture(OFA)構成を使用してインストールを構成することと、Oracleソフトウェアを排他的に使用するためにOracleベースとOracleホームのパスを予約することをお薦めします。Oracleソフトウェア所有者であるユーザー・アカウントが所有するOracleベース内のこれらの場所に、ユーザー・データがある場合、このデータは削除ツールによって削除されます。 Oracle Database構成ファイル、ユーザー・データおよび高速リカバリ領域(FRA)がOracleベース・ディレクトリ・パスの外に配置されていても、これらは削除ツールによって削除されます。 また、Oracle Grid Infrastructureインストールの場合は、次のようにする必要があります。
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削除ツールは、Oracleソフトウェア・インストール所有者として実行することをお薦めします。削除ツールは、デフォルトでは、インストール所有者としてOracleホームのdeinstallディレクトリから実行します。
%ORACLE_HOME%\deinstall DRIVE_LETTER:\> deinstall\deinstall.bat
このコマンドでは、次の構文を使用します。変数はイタリックで示しています。
deinstall.bat [-silent] [-checkonly] [-paramfile complete path of input parameter property file] [-params name1=value name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files] [-help] [-tmpdir complete path of temporary directory to use] [-logdir complete path of log directory to use] [-help]
データベース・インストール・メディアから削除ツールを実行するには、-deinstall
オプションの後に-home
オプションを指定したsetup.exe
コマンドを使用し、削除するOracleホームのパスを次の構文で指定します(変数コンテンツはイタリックで示されています)。
setup.exe -deinstall -home complete path of Oracle home [-silent] [-checkonly] [-local] [-paramfile complete path of input parameter property file] [-params name1=value name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files] [-help] [-tmpdir complete path of temporary directory to use] [-logdir complete path of log directory to use] [-help]
サーバーに関する情報の入力を求められたら、情報を入力するかデフォルトを受け入れます。
注意: ユーザー・アカウント制御が有効な場合は、デスクトップにDOSコマンド・ウィンドウのショートカットを作成する必要があります。「管理者として実行」によりコマンド・ウィンドウを開き、コンテキスト・メニューを右クリックして削除ツールを起動します。ユーザー・アカウント制御の詳細は、「ユーザー・アカウント制御を使用したユーザー・アカウントの管理」を参照してください。 |
さらに、削除ツールは、他の場所での実行、レスポンス・ファイルを使用して実行、または他のオプションを選択して実行できます。
-home
このフラグを使用して、確認または削除するOracleホームのパスを示します。削除するOracleホームでdeinstall
コマンドを使用してOracleソフトウェアを削除する場合は、そのOracleホーム以外の場所にあるレスポンス・ファイルを指定し、-home
フラグは使用しません。
ORACLE_HOME\deinstall
パスから削除ツールを実行する場合は、実行されているホームの場所をツールが認識できるため、-home
フラグは不要です。インストール・メディアからsetup.exe -deinstall
を使用してツールを実行する場合は、-home
は必須です。
-silent
このフラグは、削除ツールを非対話モードで実行します。このオプションを指定した場合は、次のいずれかが必要です。
インストールおよび構成の情報を判別するためにアクセスできる作業システム。失敗したインストールでは、-silent
フラグは機能しません。
削除または構成解除するOracleホームの構成値が記述されたレスポンス・ファイル。
レスポンス・ファイルを作成して使用または修正するには、-checkonly
フラグを使用してツールを実行します。ツールにより、削除および構成解除するOracleホームの情報が検出されます。この方法でも、-silent
オプションで使用できるレスポンス・ファイルが生成されます。
ORACLE_HOME
\deinstall\response
ディレクトリにあるテンプレート・ファイルdeinstall.rsp.tmpl
を変更することもできます。
-checkonly
このフラグは、Oracleソフトウェア・ホームの構成ステータスをチェックする場合に使用します。-checkonly
フラグを指定して削除ツールを実行した場合、Oracleの構成は削除されません。-checkonly
フラグを使用すると、削除ツールでの使用や、-silent
オプションを指定しての使用が可能なレスポンス・ファイルが生成されます。
-paramfile
complete path of input parameter property file
このフラグは、デフォルト以外の場所にあるレスポンス・ファイルを使用して削除ツールを実行します。このフラグを使用する場合は、レスポンス・ファイルが存在する場所を完全パスで指定します。
レスポンス・ファイルのデフォルトの場所は、削除ツールの場所によって異なります。
インストール・メディアまたはステージングの場所からの場合: \response
インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): ORACLE_HOME\deinstall\response
-params
["name1=
value
" "name2=
value
" "name3=
value
" . . .]
このフラグは、作成したレスポンス・ファイルで変更する1つ以上の値を上書きする場合に、レスポンス・ファイルとともに使用します。
-o
保存するレスポンス・ファイルのディレクトリの完全パス
このフラグは、レスポンス・ファイルが保存されている、デフォルトの場所以外のパスを指定する場合に使用します。デフォルトの場所は、\response\deinstall.rsp.tmpl
です。
レスポンス・ファイルのデフォルトの場所は、削除ツールの場所によって異なります。
インストール・メディアまたはインストール前のステージングの場所からの場合: \response
インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): ORACLE_HOME
/deinstall/response
-tmpdir
一時ディレクトリの完全パス
Oracle削除ツールによって削除用の一時ファイルが書き込まれるデフォルト以外の場所を指定します。
-logdir
ログ・ディレクトリの完全パス
Oracle削除ツールによって削除用のログ・ファイルが書き込まれるデフォルト以外の場所を指定します。
-help
ヘルプ・オプション(-help
)を指定すると、コマンドのオプション・フラグに関する追加情報を取得できます。
注意: 『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows x64(64-Bit)』 |
インストール・メディアから、-deinstall
オプションを指定してsetup.exe
コマンドを実行して削除を実行する場合、-home
フラグを入力し、システムから削除するOracleソフトウェアのホーム・ディレクトリへのパスを指定しないかぎり、ヘルプが表示されます。
オプションのフラグ-paramfile
を指定すると、レスポンス・ファイルにパスが指定されます。
次の例では、setup.exe
コマンドは、パス\
directory_path
(directory_path
はインストール・メディアのdatabase
ディレクトリへのパス)にあり、またC:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1
は、削除するOracleホームへのパスです。
DRIVE_LETTER:\> cd \directory_path DRIVE_LETTER:\> setup.exe -deinstall -home C:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1
次の例では、ソフトウェア所有者の場所C:\Documents and Settings\oracle\:
にあるレスポンス・ファイルが使用されています。
DRIVE_LETTER:\> cd \directory_path DRIVE_LETTER:\> setup.exe -deinstall -paramfile C:\Documents and Settings\oracle\my_db_paramfile.tmpl
ORACLE_HOME
\deinstall
フォルダからdeinstall
コマンドを使用して削除を実行すると、ORACLE_HOME
の入力は要求されずに削除が開始されます。
オプションのフラグ-paramfile
を指定すると、レスポンス・ファイルにパスが指定されます。
次の例では、deinstall
コマンドはパスC:
\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1\deinstall
にあり、ソフトウェア所有者の場所C:\Documents and Settings\oracle\
にあるレスポンス・ファイルを使用しています。
DRIVE_LETTER:\> cd \app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1\deinstall\ DRIVE_LETTER:\> deinstall.bat -paramfile %HOMEPATH%\my_db_paramfile.tmpl
グリッド・インフラストラクチャ・ホームの場合、スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのホーム(この例ではC:\app\oracle\product\12.1.0\grid
)にある削除スクリプト(deinstall.bat
)を使用します。
DRIVE_LETTER:\> cd \app\oracle\product\12.1.0\grid\deinstall\ DRIVE_LETTER:\> deinstall.bat -paramfile %HOMEPATH%\my_grid_paramfile.tmpl
スタンドアロンOracle Databaseに対して、-paramfile
オプションを指定して削除を実行すると、レスポンス・ファイルに指定した値を使用できます。レスポンス・ファイルの例を次に示します。この例では、Oracle Databaseバイナリ所有者はoracle
で、Oracle Databaseホーム(Oracleホーム)はパスC:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1
にあり、Oracleベース(他のOracleソフトウェアがインストールされている場所)はC:\app\oracle
で、Oracleインベントリ・ホームはC:\Program Files\Oracle\Inventory
で、ローカル・ノード(削除セッションの実行元となるノード)はmyserver
です。
#Copyright (c) 2005, 2009 Oracle Corporation. All rights reserved. ORACLE_HOME=C:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1 ORACLE_BASE.orcl=C:\app\oracle FLASH_RECOVERY_LOC.orcl=C:\app\oracle\flash_recovery_area\ORCL STORAGE_TYPE.orcl=FS DB_TYPE.orcl=SI_DB NETCA_LOCAL_LISTENERS=LISTENER LOGDIR=C:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1\deinstall\logs\ NODE_LIST.orcl=myserver ObaseCleanupPtrLoc=\tmp\deinstall2012-06-12_09-14-11AM\orabase_cleanup.lst ARCHIVE_LOG_DESTINATION_LOC.orcl= ORACLE_BASE=C:\app\oracle DUMP_DESTINATION_LOC.orcl=C:\app\oracle\admin\orcl LOCAL_SID.orcl=orcl INVENTORY_LOCATION=C:\Program Files\Oracle\Inventory RAW_MAPPING_FILE.orcl= SID_LIST.orcl=orcl DB_UNIQUE_NAME_LIST=orcl DATAFILE_LOC.orcl=C:\app\oracle\oradata\orcl, C:\app\oracle\fast_recovery_area\orcl HOME_TYPE=SIDB CRS_HOME=false CREATION_MODE.orcl=y CONFIGFILE_LOC.orcl= ORACLE_BINARY_OK=true DIAG_DEST.orcl=C:\app\oracle\diag\rdbms\orcl LOCAL_NODE=myserver local=false SPFILE_LOC.orcl=C:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1\dbs\spfileorcl.ora inventory_loc=C:\Program Files\Oracle\Inventory MinimumSupportedVersion=11.2.0.1.0 silent=false DBCA_LOG.orcl=C:\app\oracle\cfgtoollogs\dbca\orcl ORACLE_HOME=C:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1 CCR_CONFIG_STATUS=CCR_DEL_HOME EMCA_LOG.orcl=C:\app\oracle\cfgtoollogs\emca\orcl ORACLE_HOME_VERSION_VALID=true
スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのホームに対して、-paramfile
オプションを指定して削除を実行すると、レスポンス・ファイルに指定した値を使用できます。
レスポンス・ファイルの例を次に示します。この例では、Oracle Grid Infrastructureバイナリ所有者はoracle
で、Oracle Grid InfrastructureホームはパスD:\app\oracle
にあり、Oracleベース(他のOracleソフトウェアがインストールされている場所)はD:\app\12.1.0\
で、中央Oracleインベントリ・ホーム(oraInventory
)はC:\Program Files\Oracle\Inventory
で、ローカル・ノード(削除セッションの実行元となるノード)はmyserver
です。
# Copyright (c) 2005, 2009 Oracle Corporation. All rights reserved. ORACLE_HOME=C:\app\oracle\product\12.1.0\grid LOCAL_NODE=myserver HOME_TYPE=SIHA ASM_REDUNDANCY=EXTERNAL ORACLE_BASE=C:\app\oracle\ ObaseCleanupPtrLoc=C:\Users\oracle\AppData\Local\Temp\deinstall2013-01-28_05-03-31AM\utl\orabase_cleanup.lst SCAN_PORT=0 silent=false ASM_UPGRADE=false ORA_CRS_HOME=C:\app\oracle\product\12.1.0\grid MinimumSupportedVersion=11.2.0.1.0 GPNPCONFIGDIR=$ORACLE_HOME LOGDIR=C:\Users\username\logs\ ORACLE_HOME_VERSION_VALID=true GPNPGCONFIGDIR=$ORACLE_HOME ORACLE_OWNER=username ISROLLING=true CRS_STORAGE_OPTION=0 ORACLE_BINARY_OK=true MGMT_DB=false NETCA_LISTENERS_REGISTERED_WITH_HAS=LISTENER ASM_AU_SIZE=1 HUB_SIZE=0 ASM_ORACLE_BASE=C:\app\oracle ORA_DBA_GROUP= JREDIR=C:\app\oracle\product\12.1.0\grid\jdk\jre\ USER_IGNORED_PREREQ=false ASM_DISK_GROUPS="+DATA" ORA_ASM_GROUP= LANGUAGE_ID=AMERICAN_AMERICA.WE8MSWIN1252 CSS_LEASEDURATION=400 ASM_HOME=C:\app\oracle\product\12.1.0\grid ASM_DIAGNOSTIC_DEST=C:\app\oracle\product\OB TZ=America/Denver WindowsRegistryCleanupList=C:\Users\oracle\AppData\Local\Temp\deinstall2013-01-28_05-03-31AM\utl\registry_cleanup.lst REUSEDG=false SILENT=false local=false INVENTORY_LOCATION=C:\Program Files\Oracle\Inventory GNS_CONF=false BIG_CLUSTER=false LISTENER_USERNAME=domainname\oracle ASM_DISKS=\\.\ORCLDISKDATA0 ORACLE_HOME=C:\app\oracle\product\12.1.0\grid CRS_HOME=true ASM_IN_HOME=true CRFHOME="C:\app\oracle\product\12.1.0\grid" ASM_DROP_DISKGROUPS=true OLD_ACTIVE_ORACLE_HOME= ASM_LOCAL_SID=+ASM JLIBDIR=C:\app\oracle\product\12.1.0\grid\jlib VNDR_CLUSTER=false ASM_DISK_GROUP=DATA