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Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
12cリリース1 (12.1) for Microsoft Windows
B72973-09
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9 Oracle Databaseソフトウェアの削除

この章では、指定したOracleホームに関連するOracleソフトウェアおよび構成ファイルを完全に削除する方法を説明します。削除ツールを使用したOracleソフトウェアの削除に関する情報が含まれます。

削除ツールは、スタンドアロンのOracle Databaseインストール、Oracle Clusterware、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)をサーバーから削除するだけでなく、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)およびOracle Database Clientのインストールも削除します。

削除ツールを使用して、Oracle Database、Oracle Clusterware、Oracle ASM、Oracle RACまたはOracle Databaseクライアントのインストールに関連付けられているOracleホーム全体を削除することをお薦めします。個々の製品またはコンポーネントの削除はサポートされていません。


関連項目:

  • 『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』

  • 『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイド』

  • Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド



注意:

クラスタ内のノード上にスタンドアロン・データベースがあり、同じグローバル・データベース名(GDN)を持つデータベースが複数ある場合は、削除ツールを使用して削除できるデータベースは1つのみです。

次の各項では、ツールとそのツールを使用するための追加オプションについて説明します。


注意:

Oracleソフトウェアを削除するには、同じリリースの削除ツールを使用する必要があります。以前のリリースのOracleソフトウェアを削除するとき、それより新しいリリースの削除ツールは使用しないでください。たとえば、既存の11.2.0.4OracleホームにあるOracleソフトウェアを削除するとき、12.1.0.1のインストール・メディアに収録されている削除ツールは実行しないでください。

9.1 削除ツールについて

Oracle Database 12cリリース1 (12.1)以降、削除ツールはOracle Universal Installer (OUI)に統合されています。Oracle Database、Oracle Database ClientまたはOracle Grid Infrastructureインストール・メディアのベース・ディレクトリから、setup.exeコマンドに-deinstallおよび-homeオプションを指定して実行すると、削除を実行できます。

また、削除ツールは、インストール後にOracleホーム・ディレクトリで別のコマンド(deinstall)として使用することも可能です。これはORACLE_HOME\deinstallにあります。

削除ツールは、指定した情報と、ソフトウェア・ホームから収集した情報を使用して、レスポンス・ファイルを作成します。このファイルのかわりに、以前のdeinstallコマンドで生成されたレスポンス・ファイルを指定するには、–checkonlyオプションを使用するか、レスポンス・ファイル・テンプレートを編集します。

削除オプションを選択してOracle Universal Installerを使用する、またはOracleホームで削除ツールを実行すると、特定のOracleホームのOracleソフトウェアおよびデータベース、構成ファイルなどのそのコンポーネントが停止または削除されます。

Oracleホームのソフトウェアが実行されていない場合(インストール失敗の後など)、削除ツールは構成を確認できないため、対話的に、またはレスポンス・ファイルですべての構成の詳細を提供する必要があります。


注意:

Oracle Databaseをインストールすると、構成解除して削除するホーム以外に、中央インベントリに他の登録済ホームが含まれていない場合、削除ツールはOracle Databaseインストール所有者のOracleベース・ディレクトリで次のファイルおよびディレクトリの内容を削除します。
  • admin

  • cfgtoollogs

  • checkpoints

  • diag

  • oradata

  • flash_recovery_area

Optimal Flexible Architecture(OFA)構成を使用してインストールを構成することと、Oracleソフトウェアを排他的に使用するためにOracleベースとOracleホームのパスを予約することをお薦めします。Oracleソフトウェア所有者であるユーザー・アカウントが所有するOracleベース内のこれらの場所に、ユーザー・データがある場合、このデータは削除ツールによって削除されます。

Oracle Database構成ファイル、ユーザー・データおよび高速リカバリ領域(FRA)がOracleベース・ディレクトリ・パスの外に配置されていても、これらは削除ツールによって削除されます。

また、Oracle Grid Infrastructureインストールの場合は、次のようにする必要があります。

  • Oracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)をディスマウントし、Oracle Automatic Storage Management Dynamic Volume Manager (Oracle ADVM)を無効にする必要があります。

  • グリッド・ネーミング・サービス(GNS)が使用中の場合、サブドメインのエントリはDNS管理者によってDNSから削除される必要があります。


削除ツールは、Oracleソフトウェア・インストール所有者として実行することをお薦めします。削除ツールは、デフォルトでは、インストール所有者としてOracleホームのdeinstallディレクトリから実行します。

%ORACLE_HOME%\deinstall
DRIVE_LETTER:\> deinstall\deinstall.bat

このコマンドでは、次の構文を使用します。変数はイタリックで示しています。

deinstall.bat [-silent] [-checkonly]
[-paramfile complete path of input parameter property file] [-params name1=value name2=value . . .]
[-o complete path of directory for saving files] [-help]
[-tmpdir complete path of temporary directory to use] 
[-logdir complete path of log directory to use] [-help]
 

データベース・インストール・メディアから削除ツールを実行するには、-deinstallオプションの後に-homeオプションを指定したsetup.exeコマンドを使用し、削除するOracleホームのパスを次の構文で指定します(変数コンテンツはイタリックで示されています)。

setup.exe -deinstall -home complete path of Oracle home [-silent] [-checkonly] [-local]
[-paramfile complete path of input parameter property file] [-params name1=value
name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files] [-help]
[-tmpdir complete path of temporary directory to use] 
[-logdir complete path of log directory to use] [-help]
 

サーバーに関する情報の入力を求められたら、情報を入力するかデフォルトを受け入れます。


注意:

ユーザー・アカウント制御が有効な場合は、デスクトップにDOSコマンド・ウィンドウのショートカットを作成する必要があります。「管理者として実行」によりコマンド・ウィンドウを開き、コンテキスト・メニューを右クリックして削除ツールを起動します。

ユーザー・アカウント制御の詳細は、「ユーザー・アカウント制御を使用したユーザー・アカウントの管理」を参照してください。


さらに、削除ツールは、他の場所での実行、レスポンス・ファイルを使用して実行、または他のオプションを選択して実行できます。

  • -home

    このフラグを使用して、確認または削除するOracleホームのパスを示します。削除するOracleホームでdeinstallコマンドを使用してOracleソフトウェアを削除する場合は、そのOracleホーム以外の場所にあるレスポンス・ファイルを指定し、-homeフラグは使用しません。

    ORACLE_HOME\deinstallパスから削除ツールを実行する場合は、実行されているホームの場所をツールが認識できるため、-homeフラグは不要です。インストール・メディアからsetup.exe -deinstallを使用してツールを実行する場合は、-homeは必須です。

  • -silent

    このフラグは、削除ツールを非対話モードで実行します。このオプションを指定した場合は、次のいずれかが必要です。

    • インストールおよび構成の情報を判別するためにアクセスできる作業システム。失敗したインストールでは、-silentフラグは機能しません。

    • 削除または構成解除するOracleホームの構成値が記述されたレスポンス・ファイル。

    レスポンス・ファイルを作成して使用または修正するには、-checkonlyフラグを使用してツールを実行します。ツールにより、削除および構成解除するOracleホームの情報が検出されます。この方法でも、-silentオプションで使用できるレスポンス・ファイルが生成されます。

    ORACLE_HOME\deinstall\responseディレクトリにあるテンプレート・ファイルdeinstall.rsp.tmplを変更することもできます。

  • -checkonly

    このフラグは、Oracleソフトウェア・ホームの構成ステータスをチェックする場合に使用します。-checkonlyフラグを指定して削除ツールを実行した場合、Oracleの構成は削除されません。-checkonlyフラグを使用すると、削除ツールでの使用や、-silentオプションを指定しての使用が可能なレスポンス・ファイルが生成されます。

  • -paramfile complete path of input parameter property file

    このフラグは、デフォルト以外の場所にあるレスポンス・ファイルを使用して削除ツールを実行します。このフラグを使用する場合は、レスポンス・ファイルが存在する場所を完全パスで指定します。

    レスポンス・ファイルのデフォルトの場所は、削除ツールの場所によって異なります。

    • インストール・メディアまたはステージングの場所からの場合: \response

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): ORACLE_HOME\deinstall\response

  • -params ["name1=value" "name2=value" "name3=value" . . .]

    このフラグは、作成したレスポンス・ファイルで変更する1つ以上の値を上書きする場合に、レスポンス・ファイルとともに使用します。

  • -o 保存するレスポンス・ファイルのディレクトリの完全パス

    このフラグは、レスポンス・ファイルが保存されている、デフォルトの場所以外のパスを指定する場合に使用します。デフォルトの場所は、\response\deinstall.rsp.tmplです。

    レスポンス・ファイルのデフォルトの場所は、削除ツールの場所によって異なります。

    • インストール・メディアまたはインストール前のステージングの場所からの場合: \response

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): ORACLE_HOME/deinstall/response

  • -tmpdir 一時ディレクトリの完全パス

    Oracle削除ツールによって削除用の一時ファイルが書き込まれるデフォルト以外の場所を指定します。

  • -logdir ログ・ディレクトリの完全パス

    Oracle削除ツールによって削除用のログ・ファイルが書き込まれるデフォルト以外の場所を指定します。

  • -help

    ヘルプ・オプション(-help)を指定すると、コマンドのオプション・フラグに関する追加情報を取得できます。


注意:

『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows x64(64-Bit)』

9.2 削除ツールの実行例

インストール・メディアから、-deinstallオプションを指定してsetup.exeコマンドを実行して削除を実行する場合、-homeフラグを入力し、システムから削除するOracleソフトウェアのホーム・ディレクトリへのパスを指定しないかぎり、ヘルプが表示されます。

オプションのフラグ-paramfileを指定すると、レスポンス・ファイルにパスが指定されます。

次の例では、setup.exeコマンドは、パス\directory_path (directory_pathはインストール・メディアのdatabaseディレクトリへのパス)にあり、またC:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1は、削除するOracleホームへのパスです。

DRIVE_LETTER:\> cd \directory_path
DRIVE_LETTER:\> setup.exe -deinstall -home C:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1 

次の例では、ソフトウェア所有者の場所C:\Documents and Settings\oracle\:にあるレスポンス・ファイルが使用されています。

DRIVE_LETTER:\> cd \directory_path
DRIVE_LETTER:\> setup.exe -deinstall -paramfile C:\Documents and Settings\oracle\my_db_paramfile.tmpl 

9.3 Deinstallationコマンドの実行例

ORACLE_HOME\deinstallフォルダからdeinstallコマンドを使用して削除を実行すると、ORACLE_HOMEの入力は要求されずに削除が開始されます。

オプションのフラグ-paramfileを指定すると、レスポンス・ファイルにパスが指定されます。

次の例では、deinstallコマンドはパスC:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1\deinstallにあり、ソフトウェア所有者の場所C:\Documents and Settings\oracle\にあるレスポンス・ファイルを使用しています。

DRIVE_LETTER:\> cd \app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1\deinstall\
DRIVE_LETTER:\> deinstall.bat -paramfile %HOMEPATH%\my_db_paramfile.tmpl

グリッド・インフラストラクチャ・ホームの場合、スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのホーム(この例ではC:\app\oracle\product\12.1.0\grid)にある削除スクリプト(deinstall.bat)を使用します。

DRIVE_LETTER:\> cd \app\oracle\product\12.1.0\grid\deinstall\
DRIVE_LETTER:\> deinstall.bat -paramfile %HOMEPATH%\my_grid_paramfile.tmpl

9.4 Oracle Databaseの削除レスポンス・ファイルの例

スタンドアロンOracle Databaseに対して、-paramfileオプションを指定して削除を実行すると、レスポンス・ファイルに指定した値を使用できます。レスポンス・ファイルの例を次に示します。この例では、Oracle Databaseバイナリ所有者はoracleで、Oracle Databaseホーム(Oracleホーム)はパスC:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1にあり、Oracleベース(他のOracleソフトウェアがインストールされている場所)はC:\app\oracleで、Oracleインベントリ・ホームはC:\Program Files\Oracle\Inventoryで、ローカル・ノード(削除セッションの実行元となるノード)はmyserverです。

#Copyright (c) 2005, 2009 Oracle Corporation. All rights reserved.
ORACLE_HOME=C:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1
ORACLE_BASE.orcl=C:\app\oracle
FLASH_RECOVERY_LOC.orcl=C:\app\oracle\flash_recovery_area\ORCL
STORAGE_TYPE.orcl=FS
DB_TYPE.orcl=SI_DB
NETCA_LOCAL_LISTENERS=LISTENER
LOGDIR=C:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1\deinstall\logs\
NODE_LIST.orcl=myserver
ObaseCleanupPtrLoc=\tmp\deinstall2012-06-12_09-14-11AM\orabase_cleanup.lst
ARCHIVE_LOG_DESTINATION_LOC.orcl=
ORACLE_BASE=C:\app\oracle
DUMP_DESTINATION_LOC.orcl=C:\app\oracle\admin\orcl
LOCAL_SID.orcl=orcl
INVENTORY_LOCATION=C:\Program Files\Oracle\Inventory
RAW_MAPPING_FILE.orcl=
SID_LIST.orcl=orcl
DB_UNIQUE_NAME_LIST=orcl
DATAFILE_LOC.orcl=C:\app\oracle\oradata\orcl, C:\app\oracle\fast_recovery_area\orcl
HOME_TYPE=SIDB
CRS_HOME=false
CREATION_MODE.orcl=y
CONFIGFILE_LOC.orcl=
ORACLE_BINARY_OK=true
DIAG_DEST.orcl=C:\app\oracle\diag\rdbms\orcl
LOCAL_NODE=myserver
local=false
SPFILE_LOC.orcl=C:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1\dbs\spfileorcl.ora
inventory_loc=C:\Program Files\Oracle\Inventory
MinimumSupportedVersion=11.2.0.1.0
silent=false
DBCA_LOG.orcl=C:\app\oracle\cfgtoollogs\dbca\orcl
ORACLE_HOME=C:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1
CCR_CONFIG_STATUS=CCR_DEL_HOME
EMCA_LOG.orcl=C:\app\oracle\cfgtoollogs\emca\orcl
ORACLE_HOME_VERSION_VALID=true

9.5 Oracle Grid Infrastructureの削除レスポンス・ファイルの例

スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのホームに対して、-paramfileオプションを指定して削除を実行すると、レスポンス・ファイルに指定した値を使用できます。

レスポンス・ファイルの例を次に示します。この例では、Oracle Grid Infrastructureバイナリ所有者はoracleで、Oracle Grid InfrastructureホームはパスD:\app\oracleにあり、Oracleベース(他のOracleソフトウェアがインストールされている場所)はD:\app\12.1.0\で、中央Oracleインベントリ・ホーム(oraInventory)はC:\Program Files\Oracle\Inventoryで、ローカル・ノード(削除セッションの実行元となるノード)はmyserverです。

# Copyright (c) 2005, 2009 Oracle Corporation.  All rights reserved.
ORACLE_HOME=C:\app\oracle\product\12.1.0\grid
LOCAL_NODE=myserver
HOME_TYPE=SIHA
ASM_REDUNDANCY=EXTERNAL
ORACLE_BASE=C:\app\oracle\
ObaseCleanupPtrLoc=C:\Users\oracle\AppData\Local\Temp\deinstall2013-01-28_05-03-31AM\utl\orabase_cleanup.lst
SCAN_PORT=0
silent=false
ASM_UPGRADE=false
ORA_CRS_HOME=C:\app\oracle\product\12.1.0\grid
MinimumSupportedVersion=11.2.0.1.0
GPNPCONFIGDIR=$ORACLE_HOME
LOGDIR=C:\Users\username\logs\
ORACLE_HOME_VERSION_VALID=true
GPNPGCONFIGDIR=$ORACLE_HOME
ORACLE_OWNER=username
ISROLLING=true
CRS_STORAGE_OPTION=0
ORACLE_BINARY_OK=true
MGMT_DB=false
NETCA_LISTENERS_REGISTERED_WITH_HAS=LISTENER
ASM_AU_SIZE=1
HUB_SIZE=0
ASM_ORACLE_BASE=C:\app\oracle
ORA_DBA_GROUP=
JREDIR=C:\app\oracle\product\12.1.0\grid\jdk\jre\
USER_IGNORED_PREREQ=false
ASM_DISK_GROUPS="+DATA"
ORA_ASM_GROUP=
LANGUAGE_ID=AMERICAN_AMERICA.WE8MSWIN1252
CSS_LEASEDURATION=400
ASM_HOME=C:\app\oracle\product\12.1.0\grid
ASM_DIAGNOSTIC_DEST=C:\app\oracle\product\OB
TZ=America/Denver
WindowsRegistryCleanupList=C:\Users\oracle\AppData\Local\Temp\deinstall2013-01-28_05-03-31AM\utl\registry_cleanup.lst
REUSEDG=false
SILENT=false
local=false
INVENTORY_LOCATION=C:\Program Files\Oracle\Inventory
GNS_CONF=false
BIG_CLUSTER=false
LISTENER_USERNAME=domainname\oracle
ASM_DISKS=\\.\ORCLDISKDATA0
ORACLE_HOME=C:\app\oracle\product\12.1.0\grid
CRS_HOME=true
ASM_IN_HOME=true
CRFHOME="C:\app\oracle\product\12.1.0\grid"
ASM_DROP_DISKGROUPS=true
OLD_ACTIVE_ORACLE_HOME=
ASM_LOCAL_SID=+ASM
JLIBDIR=C:\app\oracle\product\12.1.0\grid\jlib
VNDR_CLUSTER=false
ASM_DISK_GROUP=DATA