この章では、インストールした内容の確認方法、各種ツールの起動方法、各種ファイルの識別および検索方法など、Oracle Databaseのインストールの完了後の操作について説明します。内容は次のとおりです。
Oracle Universal Installerを使用して、インストールしたOracle Databaseの内容とディレクトリの位置を確認できます。
次の手順に従います。
「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」→「Oracle - HOMENAME」→Oracle Installation Products→「Universal Installer」の順に選択します。
ようこそウィンドウで、「インストールされた製品」をクリックして、「インベントリ」ダイアログ・ボックスを表示します。
インストールした内容を確認するには、リストからOracle Database製品を探します。
インストールした製品の詳細情報を見るには、「詳細」をクリックします。
インストールした内容のディレクトリの場所を確認するには、「環境」タブをクリックします。
「閉じる」をクリックして、「インベントリ」ダイアログ・ボックスを閉じます。
Oracle Universal Installerを終了するには、「取消」をクリックし、「はい」をクリックして確定します。
Oracle Enterprise Manager Database Expressを起動するには、データベースのインストールおよび作成時にOracle Database Configuration Assistant (Oracle DBCA)で提供されるEM Express URLを使用します。Oracle Enterprise Manager Database Expressへのログインの詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』のEM Expressの起動に関する項および『Oracle Database 2日でデータベース管理者』のデータベース・ホームページへのアクセスに関する項を参照してください。
データベースのインストールおよび作成時にOracle DBCAがEM Express URLを提供しなかった場合、またはEM Expressポートを後で変更する必要がある場合は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』のEM Expressに対するHTTPポートの構成に関する項を参照してください。
Oracle Automatic Storage Managementを起動および停止するには、SQL*Plusの使用に加え、srvctl
ユーティリティを使用できます。
srvctl
ユーティリティを使用してOracle Automatic Storage Managementインスタンスを起動するには、次のコマンドを実行します。
srvctl start asm
srvctlユーティリティを使用してOracle Automatic Storage Managementインスタンスを停止するには、次のコマンドを実行します。
srvctl stop asm
関連項目: Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド |
Oracle Automatic Storage Managementの管理には、次のツールを使用できます。
asmcmd: このコマンドライン・ツールを使用すると、Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループのファイルおよびディレクトリを管理できます。
asmtool: このコマンドライン・ツールは、データベースのインストール後、ディスク・グループを後で作成または変更するためにディスクにスタンプを付けるのに必要です。
Oracle Automatic Storage Management Configuration Assistant: Oracle Automatic Storage Management Configuration Assistant:(Oracle ASMCA)は対話型ユーティリティで、Oracle Automatic Storage Managementインスタンスの作成または既存Oracle Automatic Storage Managementインスタンスのアップグレードを実行できます。これを使用すると、ディスク・グループOracle Automatic Storage ManagementボリュームおよびOracle Automatic Storage Managementファイル・システム(ASMFS)の作成および構成も可能になります。
Oracle Enterprise Manager Cloud Control: Oracle Enterprise Managerがインストールされている場合は、Cloud Controlを使用して、Oracle ASMへの既存のデータベースの移行、Oracle ASMインスタンスのステータス・チェック、Oracle ASMディスク・グループのパフォーマンス・チェック、Oracle ASMディスク・グループの作成または削除などのOracle ASM機能を管理できます。
Oracle Enterprise Manager Database Express 12c: このユーティリティを使用すると、ユーザー、パフォーマンス、メモリー、領域管理などの基本的な管理タスクを実行できます。
SQL*Plus: Oracle Automatic Storage Managementに固有のコマンドをこのツールから使用できます。Oracle Automatic Storage Managementインスタンスに接続するには、Oracle Databaseインスタンスへの接続時と同じ方法を使用します。
関連項目: Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド |
次のいずれかの方法でOracle Databaseを起動および停止できます。
データベースを起動または停止する手順は、次のとおりです。
「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」→「Oracle - HOMENAME」→構成および移行ツール→Administrative Assistant for Windowsの順に選択します。
コンソール・ウィンドウで、Oracle Administration Assistant for Windowsのツリー構造を展開します。
データベースの下にあるデータベースの名前を右クリックし、メニューから次のオプションのいずれかを選択します。
データベースに接続
サービスの起動
データベースから切断
サービスの停止
起動/停止オプション
プロセス情報
SQLまたはsrvctl
ユーティリティを使用してデータベース・インスタンスを起動または停止できます。SRVCTLにより、サービスが自動的に開始されます。
SQLを使用してデータベース・インスタンスを起動するには、Windowsのサービスを開始します。
「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」→「管理ツール」→「サービス」の順に選択します。
「サービス」ダイアログ・ボックスで、起動または停止するデータベースの名前を探します。
データベースの名前を右クリックし、メニューから「開始」、「停止」または「一時停止」のいずれかを選択します。
スタートアップ・プロパティを設定するには、「プロパティ」を右クリックし、ダイアログ・ボックスで「自動」、「手動」、または初期タイプのリストで「無効」のいずれかを選択します。
Oracle Databaseに対するSQL文やPL/SQL文を発行するには、SQL*Plusを使用できます。このツールを使用すると、同じデータベース管理操作を実行し、データベースに対して直接、データの問合せ、挿入、更新、または削除を行うことができます。
SQL*Plusを起動するには、「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」→「Oracle - HOMENAME」→アプリケーション開発→SQL Plusの順に選択します。
コマンドラインの場合は、Windowsコマンド・プロンプトで次のコマンドを入力します。
C:\> sqlplus /nolog SQL> CONNECT user_name Enter password: password
たとえば、password
というパスワードを使用して、SYSTEMとしてログインするには、次のように入力します。
C:\> sqlplus /nolog
SQL> CONNECT SYSTEM
Enter password: password
SYS
としてログインする場合、SYSDBA
として接続する必要があります。
C:\> sqlplus /nolog
SQL> CONNECT SYS AS SYSDBA
Enter password: password
関連項目:
|
Oracle Databaseに対するSQL文やPL/SQL文を発行するには、SQL Developerを使用できます。すべてのSQLおよびPL/SQLコマンドは、SQLワークシートからOracle Databaseへ直接渡される際にサポートされます。
SQL Developerを起動する手順は、次のとおりです。
「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」→「Oracle - HOMENAME」→アプリケーション開発→SQL Developerの順に選択します。
java.exeのフルパス名を入力するよう求められた場合、「参照」をクリックしてjava.exe
を探します。たとえば、C:\Program Files\Java\jdk1.6.0_25\bin\java.exe
のようになります。
SQL Developerが起動したら、次の手順を実行します。
「接続」を右クリックします。
「接続の作成」を選択します。
新規/データベース接続の選択ダイアログ・ボックスに、接続名、ユーザー名、パスワードを入力し、ホストの文字列には、接続するデータベースの名前を入力します。
「接続」をクリックします。
接続が完了すると、「接続ナビゲータ」を使用してデータベース・オブジェクトの表示、作成、変更を行うことができ、SQLワークシートを使用して、任意のSQLまたはPL/SQLコマンドを発行できます(「ツール」メニューから、「SQLワークシート」を選択)。
SQL*Plusコマンドは、データベースに渡される前に、SQLワークシートで解析する必要があります。SQLワークシートは現在、多くのSQL*Plusコマンドをサポートしています。SQLワークシートでサポートされていないSQL*Plusコマンドは無視され、Oracle Databaseに送信されません。
関連項目: 『Oracle SQL Developerユーザーズ・ガイド』 |
Oracle Database Configuration Assistantによって作成されたすべてのデータベースには、SYS
、SYSTEM
およびDBSNMP
データベース・アカウントが含まれています。また、他の複数の管理アカウントも用意されています。これらの他のアカウントを使用する前に、ロックを解除してパスワードをリセットする必要があります。この項の内容は、次のとおりです。
関連項目:
|
注意: Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、データベース・アカウントの完全なリストを表示します。 |
表8-1は、管理ユーザー名について説明しています。
ユーザー名 | 説明 | 関連項目 |
---|---|---|
『Oracle XML DB開発者ガイド』 |
||
Oracle Application Expressスキーマおよびメタデータを所有するアカウント。 |
『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』 |
|
Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlを使用するOracle Application Express構成向けに使用される、最も権限の少ないアカウント。 |
『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』 |
|
|
Oracle Quality of Service Managementで必要なすべてのデータおよびメタデータの格納または管理に使用されます。 |
なし |
|
統合された監査証跡データが存在するアカウント。 |
『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』 |
Oracleサンプル・スキーマに含まれるBusiness Intelligenceスキーマを所有。サンプル・スキーマをロードした場合にのみ使用できます。 |
『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』 |
|
Oracle Textアカウント。 |
『Oracle Textリファレンス』 |
|
Oracle Enterprise Managerの管理エージェントによりデータベースの監視および管理に使用。 |
『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』 |
|
Directory Integration Platform(DIP)で、Oracle Internet Directoryでの変更をデータベース内のアプリケーションと同期化するために使用。 |
なし |
|
|
Database Vaultが所有するアカウントで、Database Vaultのファクタ値を取得するためのパブリック・ファンクションが含まれます。 |
『Oracle Database Vault管理者ガイド』 |
|
このアカウントには2つのロールが関連付けられています。Database Vault所有者ロールは、Database Vaultロールおよび構成を管理します。Database Vaultアカウント・マネージャは、データベース・ユーザー・アカウントの管理に使用されます。 注意: Oracle Database Vaultのユーザー・インタフェース・テキストの一部は、DVSYSスキーマの中のデータベース表に格納されます。デフォルトでは、これらの表には英語のみロードされます。 |
『Oracle Database Vault管理者ガイド』 |
Expression Filterスキーマを所有。 |
なし |
|
Oracle Application Expressのアップロードされたファイルを所有するアカウント。 |
『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』 |
|
|
Global Data Servicesスキーマを所有する内部アカウント。ロック解除したり、データベース・ログインに使用したりしないでください。 |
『Oracle Database Global Data Services概要および管理ガイド』 |
|
グローバル・サービス・マネージャがGlobal Data Servicesカタログへの接続に使用するアカウント。 |
『Oracle Database Global Data Services概要および管理ガイド』 |
|
グローバル・サービス・マネージャがデータベースへの接続に使用するアカウント。 |
『Oracle Database Global Data Services概要および管理ガイド』 |
Oracleサンプル・スキーマに含まれるHuman Resourcesスキーマを所有。このアカウントを使用できるのは、Sample Schemasをロードした場合のみです。 |
『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』 |
|
Oracleサンプル・スキーマに含まれるInformation Transportスキーマを所有。このアカウントを使用できるのは、サンプル・スキーマをロードした場合のみです。 |
『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』 |
|
Oracle Label Securityの管理者アカウント。 |
『Oracle Label Security管理者ガイド』 |
|
Oracle Spatial and Graphでジオコーダおよびルーター・データの格納に使用されるスキーマ。 |
Oracle Spatial and Graph開発者ガイド |
|
Oracle Spatial and GraphおよびOracle Multimedia Locatorの管理者アカウント。 |
Oracle Spatial and Graph開発者ガイド |
|
Oracleサンプル・スキーマに含まれるOrder Entryスキーマを所有。このアカウントを使用できるのは、サンプル・スキーマをロードした場合のみです。 |
『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』 |
|
このアカウントには、Oracle Configuration Managerで使用される構成収集向けのインスツルメーションが含まれます。 |
『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』 |
|
|
このアカウントには、Oracle Multimedia DICOMデータ・モデルが含まれます。 |
『Oracle Multimedia DICOM開発者ガイド』 |
Oracle Multimediaユーザー。オラクル社が提供するプラグインとサード・パーティのプラグインは、このスキーマにインストールされます。 |
『Oracle Multimediaリファレンス』 |
|
Oracle Multimedia管理者アカウント。 |
『Oracle Multimediaリファレンス』 |
|
主として、格納されたアウトラインに関連付けられたメタデータを管理。プラン・スタビリティをサポートしており、同じSQL文の同じ実行計画の保守が可能です。 |
『Oracle Database概要』 |
|
Oracleサンプル・スキーマに含まれるProduct Mediaスキーマを所有。このアカウントが作成されるのは、サンプル・スキーマをロードした場合のみです。 |
『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』 |
|
Oracleサンプル・プログラムおよび例で使用されるアカウント。 |
『Oracle Database管理者ガイド』 |
|
Oracleサンプル・スキーマに含まれるSales Historyスキーマを所有。このアカウントを使用できるのは、Enterprise Editionのインストール時にサンプル・スキーマをロードした場合のみです。 |
『Oracle Database管理者ガイド』 |
|
SQL/MM Still Image Standardの情報ビューを格納。 |
『Oracle Multimediaリファレンス』 |
|
|
Catalog Services for the Web(CSW)アカウント。データベースからすべてのレコード・タイプ・メタデータとレコード・インスタンスを、キャッシュされたレコード・タイプのメイン・メモリーにロードするために、Oracle Spatial and Graph CSWキャッシュ・マネージャで使用されます。 |
Oracle Spatial and Graph開発者ガイド |
|
Web Feature Service(WFS)アカウント。データベースからすべてのフィーチャタイプ・メタデータとフィーチャ・インスタンスを、キャッシュされるフィーチャ・タイプのメイン・メモリーにロードする場合に、Oracle Spatial and Graph WFSキャッシュ・マネージャで使用されます。 |
Oracle Spatial and Graph開発者ガイド |
データベース管理タスクの実行に使用。 |
『Oracle Database管理者ガイド』 |
|
|
バックアップ・タスクおよびリカバリ・タスクの実行に使用されるアカウント。 |
Oracle Databaseのインストレーション・ガイド (このガイド) |
|
Oracle Data Guardの管理と監視に使用されるアカウント。 |
Oracle Databaseのインストレーション・ガイド (このガイド) |
|
暗号化鍵の管理の実行に使用されるアカウント。 |
Oracle Databaseのインストレーション・ガイド (このガイド) |
データベース管理タスクの実行に使用。 |
『Oracle Database管理者ガイド』 |
|
Oracle Workspace Manager用のメタデータ情報の格納に使用されるアカウント。 |
『Oracle Database Workspace Manager開発者ガイド』 |
|
Oracle XML DBのデータおよびメタデータの格納に使用。 |
|
関連項目:
|
SYS
、SYSTEM
およびDBSNMP
を除く、すべてのOracleシステム管理アカウントのパスワードは、インストール後に取り消されます。ロックされているアカウントを使用する前に、ロックを解除してパスワードをリセットする必要があります。インストール時に初期データベースを作成した場合、Oracle Database Configuration Assistantには、データベース情報が示された「パスワード管理」ボタン付きの画面が表示されます。「パスワード管理」ボタンを使用して、使用するユーザー名についてのみロックを解除します。
パスワードを指定する前に、次のガイドラインを参照してください。
パスワードの長さは8から30文字であること。
パスワードの1文字目には数字を使用しないこと。
パスワードに無効な文字列である! @ % ^ & * ( ) + = \ | ` ~ [ { ] } ; : ' " , < > ?を含めることはできません。
パスワードとユーザー名を同じにしないこと。
パスワードにはOracleの予約語を使用しないこと。
SYS
アカウントのパスワードにはchange_on_install
を使用できません。(大/小文字を区別しない)
SYSTEM
アカウントのパスワードにはmanager
を使用できません。(大/小文字を区別しない)
SYSMAN
アカウントのパスワードにはsysman
を使用できません。(大/小文字を区別しない)
DBSNMP
アカウントのパスワードにはdbsnmp
を使用できません。(大/小文字を区別しない)
すべてのアカウントに同じパスワードを使用するように選択した場合は、change_on_install
、manager
、sysman
またはdbsnmp
をパスワードとして使用することはできません。(大/小文字を区別しない)
パスワードには、アルファベット、数字、および特殊文字をそれぞれ1文字以上使用すること。
パスワードには、welcome
、account
、database
、user
など、単純なワードやありふれたワードを使用しないこと。
インストール時に初期データベースを作成しても、必要なアカウントのロックを解除していない場合は、次のいずれかの方法を使用して解除します。
関連項目: 『Oracle Database管理者ガイド』 |
Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、ユーザー・アカウント・パスワードをロック解除およびリセットするには、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』のデータベース・ユーザー・アカウントの管理に関する項を参照してください。
関連項目: 詳細は、Oracle Enterprise Manager Database Express 12cのウィンドウで、「ヘルプ」をクリックしてください |
インストール・プロセス後にアカウントのロックを解除し、パスワードを変更するには、SQL*Plusを使用します。
インストール後にパスワードを変更する手順は、次のとおりです。
SQL*Plusを起動します。
C:\> sqlplus /nolog
SYSDBA
として接続します。
SQL> CONNECT SYS AS SYSDBA
Enter password: SYS_password
次のコマンドを入力します。account
はロックを解除するユーザー・アカウント、password
は新規パスワードです。
SQL> ALTER USERaccount
IDENTIFIED BYpassword
ACCOUNT UNLOCK;
関連項目:
|
Oracle Databaseソフトウェアは、データベースをグローバル・データベース名により識別します。グローバル・データベース名は、データベース名とデータベース・ドメインで構成されます。通常、データベース・ドメインはネットワーク・ドメインと同じですが、異なる場合もあります。グローバル・データベース名では、あるデータベースが同じネットワーク内の他のデータベースと一意に区別されます。グローバル・データベース名は、インストール時にデータベースを作成するとき、またはOracle Database Configuration Assistantを使用するときに指定します。
データベース名入力フィールドを使用して、DB_NAME
、DB_UNIQUE_NAME
およびDB_DOMAIN
Oracle初期化パラメータ値を設定します。
次に例を示します。
sales_world.example.com
各項目の意味は次のとおりです。
sales_world
はデータベース名です。データベース名(DB_UNIQUE_NAME
)部分は、英数字、アンダースコア(_)、ドル記号($)および番号記号(#)を含めることができる30文字未満の文字列ですが、アルファベットで開始する必要があります。その他の特殊文字をデータベース名に使用することはできません。
sales_wo
はDB_NAME
です。DB_NAME
初期化パラメータによって、最大8文字のデータベース識別子が指定されます。
example.com
は、データベースが位置するネットワーク・ドメインです。データベース名とネットワーク・ドメインの組合せにより、グローバル・データベース名が一意になります。ドメイン部分は128文字以内の文字列で、英数字、アンダースコア(_)およびシャープ記号(#)を含めることができます。ドメイン名はDB_DOMAIN
初期化パラメータで指定します。
ただし、DB_NAME
パラメータは必ずしもDB_UNIQUE_NAME
の最初の8文字である必要はありません。
DB_UNIQUE_NAME
パラメータとDB_DOMAIN
名パラメータを組み合せて、初期化パラメータ・ファイルのSERVICE_NAMES
パラメータに割り当てるグローバル・データベース名の値を作成します。
システム識別子(SID)は、特定のデータベース・インスタンスを識別します。SIDにより、あるインスタンスが同じコンピュータ上の他のインスタンスから一意に区別されます。各データベース・インスタンスには一意のSIDとデータベース名が必要です。
たとえば、Oracle DatabaseのSIDおよびデータベース名がORCL
の場合、各データベース・ファイルはORACLE_BASE
\oradata\
orcl
ディレクトリにあり、初期化レスポンス・ファイルはORACLE_BASE
\admin\
orcl
\pfile
ディレクトリにあります。
関連項目: 『Oracle Databaseリファレンス』 |
初期データベースには、1つのデータベース初期化レスポンス・ファイルが含まれています。初期化レスポンス・ファイルinit.ora.
xxxxx
は、インスタンスを起動するために必要です。レスポンス・ファイルは、インスタンス構成パラメータのリストが含まれるテキスト・ファイルです。初期データベースのinit.ora
ファイルには、事前定義済パラメータがあります。初期データベースを使用するために、このファイルを編集しないでください。
サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)は初期化レスポンス・ファイルから作成され、初期化レスポンス・ファイルの名前は変更されます。SPFILEファイル名はspfile
SID
.ora
で、ORACLE_HOME
\database
ディレクトリにあります。
Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、サーバー・パラメータ・ファイルの場所を表示し、初期化パラメータをリストするには、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』の初期化パラメータの表示と変更に関する項を参照してください。
関連項目: 詳細は、Oracle Enterprise Manager Database Express 12cのウィンドウで、「ヘルプ」をクリックしてください |
Oracle Databaseは、表領域と呼ばれる小さい論理領域に分割されています。各表領域は、1つ以上の物理データファイルに対応しています。データファイルには、表や索引など、論理データベース構造の内容が含まれています。各データファイルを関連付けられる表領域およびデータベースは1つのみです。
注意: SYSAUX 表領域およびSYSTEM 表領域は、すべてのOracle Database 12cのデータベースに存在している必要があります。 |
表8-2は、Oracle Database内の表領域とデータファイルを示しています。デフォルトでは、データファイルはORACLE_BASE
\oradata\
DB_NAME
ディレクトリにあります。
表領域 | データファイル | 説明 |
---|---|---|
|
||
Oracle Databaseに必要な表、ビューおよびストアド・プロシージャの定義を含むデータ・ディクショナリが格納されます。この領域の情報は自動的に保守されます。 |
||
SQL文の処理中に作成された一時表および索引が格納されます。構成メンバー |
||
|
UNDO情報が格納されます。UNDO表領域には、データベースに対する変更をロールバックまたはUNDOするために使用されるトランザクション履歴を保持する、1つ以上のUNDOセグメントが含まれています。 すべての初期データベースは、自動UNDO管理モードで実行するように構成されます。 |
|
|
データベース・ユーザーにより作成されたデータベース・オブジェクトが格納されます。 |
関連項目: 『Oracle Database概要』および『Oracle Database管理者ガイド』 |
Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、データベースおよびそれに関連付けられた表領域によって使用されているデータ・ファイルのリストを表示するには、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』の表領域およびデータ・ファイルの情報の表示に関する項を参照してください。
Oracle Enterprise Manager Database Express 12cの詳細、および表領域を表示、変更および作成する方法の詳細は、Oracle Enterprise Manager Database Express 12cのウィンドウで「ヘルプ」をクリックしてください。
事前定義済データベースは3つのREDOログ・ファイルを使用します。REDOログ・ファイルには、データベース・バッファ・キャッシュ内のデータに対する変更がすべて記録されます。インスタンスに障害が発生すると、Oracle DatabaseではREDOログ・ファイルを使用して、メモリー内で変更のあったデータがリカバリされます。
Oracle DatabaseはREDOログ・ファイルを循環して使用します。たとえば、オンラインREDOログが3つのファイルから構成される場合、Oracle Databaseは最初のファイルの後、2つ目のファイル、3つ目のファイルの順に書込みをします。次の循環では、1つ目のファイルの後、2つ目以降のファイルを再使用して書込みをします。
関連項目: 『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』 |
Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、事前構成済のデータベースのREDOログ・ファイルを表示または変更するには、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』のオンラインREDOログ・ファイルの情報に関する項、およびアーカイブREDOログ・ファイルの情報に関する項を参照してください。
Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、REDOログ・ファイルを表示、変更および作成する方法の詳細は、Oracle Enterprise Manager Database Expressのウィンドウで「ヘルプ」をクリックしてください。
事前構成済データベースには、ORACLE_BASE\oradata
\DB_NAME
ディレクトリに2つの制御ファイルがあります。データベースごとに2つ以上の制御ファイルを(個別の物理ドライブに)保持し、CONTROL_FILES
初期化パラメータを各制御ファイルが示されるように設定することをお薦めします。
制御ファイルは、管理ファイルの一種です。Oracle Database 12cでは、データベースを起動して実行するために制御ファイルが必要です。制御ファイルは、データベースの物理構造を定義します。たとえば、制御ファイルは、データベース名と、データベースのデータファイルおよびREDOログ・ファイルの名前と場所を定義します。
Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、事前構成済のデータベースの制御ファイルの情報を表示するには、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』の制御ファイルの情報の表示に関する項を参照してください。
関連項目: 『Oracle Database管理者ガイド』 |
Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、表領域、データ・ファイル、REDOログ・ファイルおよび制御ファイルに関連する様々なタスクを実行する方法の詳細は、Oracle Enterprise Manager Database Expressのウィンドウで「ヘルプ」をクリックしてください。
関連項目: 『Oracle Database管理者ガイド』 |
インストール後にデータベースを作成すると、次の2つの主なOracleサービスが自動的に開始されます。
OracleService
SID
(Oracleデータベース・サービス)
Oracle
HOMENAME
TNSListener
(Oracleデータベース・リスナー・サービス)
Oracle Automatic Storage Managementを構成した場合、OracleOHService
およびOracleASMService+ASM
サービスも表示されます。ただし、ネットワーク用の他のサービスやその他の個々のコンポーネントは、自動的に起動されない場合があります。