完全修飾形式は、Oracle ASM操作(ディスク・グループの作成を除く)で既存のOracle ASMファイルを参照する場合に使用できます。この形式は、Oracle ASMファイルの作成時にOracle ASMで自動的に生成されるOracle ASMファイル名です。
完全修飾ファイル名の形式は次のとおりです。
+
diskgroup/dbname/filetype/filetypetag.file.incarnation
各要素の意味は次のとおりです。
+
diskgroup
は、プラス記号が先頭に付いたディスク・グループ名です。
プラス記号(+
)は、UNIXまたはLinuxコンピュータにおけるスラッシュ(/
)と同様に、Oracle ASMファイルシステムのルート・ディレクトリとみなすことができます。
dbname
は、ファイルが属するデータベースのDB_UNIQUE_NAME
です。
filetype
はOracleファイル・タイプであり、表5-3に示したファイル・タイプのいずれかにすることができます。
filetypetag
はファイルに関するタイプ固有の情報であり、表5-3に示したタグのいずれかにすることができます。
file.incarnation
はファイル/インカネーションのペアであり、一意性の保証に使用されます。
次に、完全修飾Oracle ASMファイル名の例を示します。
+data/orcl/controlfile/Current.256.541956473
表5-3 Oracleファイル・タイプとOracle ASMファイル・タイプ・タグ
Oracle ASMファイル・タイプ | 説明 | Oracle ASMファイル・タイプ・タグ | コメント |
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制御ファイルとバックアップ制御ファイル |
現行 バックアップ |
アーカイブ バックアップ |
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データファイルとデータファイル・コピー |
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ファイルが追加される表領域の名前 |
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オンライン・ログ |
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アーカイブ・ログ |
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一時ファイル |
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ファイルが追加される表領域の名前 |
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データファイルとアーカイブ・ログのバックアップ・ピース(データファイルの増分バックアップ・ピース) |
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永続パラメータ・ファイル |
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SPFILEの名前 |
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Data Guard構成ファイル |
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Data Guardでは、 |
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フラッシュバック・ログ |
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ブロック・チェンジ・トラッキング・データ |
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増分バックアップ中に使用されます。 |
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データ・ポンプ・ダンプセット |
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ダンプ・セット・ファイルは、ユーザー名、ダンプ・セットが作成されたジョブ番号およびファイル番号をタグの一部としてエンコードします。 |
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データファイル変換 |
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Oracle ASMメタデータが追加される表領域の名前 |
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自動バックアップ・ファイル |
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Oracle ASM永続パラメータ・ファイル |
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Oracle ASM SPFILEの名前 |
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Oracle Clusterware Registryファイル |
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OCRファイルの名前 |