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Oracle® Automatic Storage Management管理者ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71290-10
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Oracle ASMインスタンスについて

Oracle ASMインスタンスは、Oracle Databaseインスタンスと同じテクノロジに基づいています。Oracle ASMインスタンスには、システム・グローバル領域(SGA)とOracle Databaseのプロセスに似たバックグラウンド・プロセスがあります。ただし、Oracle ASMが実行するタスクの量はデータベースよりも少ないため、Oracle ASMのSGAはデータベースのSGAよりもかなり少なくなっています。また、Oracle ASMによりサーバーに対するパフォーマンスの影響も最小限に抑えられます。Oracle ASMインスタンスは、ディスク・グループをマウントすることによって、データベース・インスタンスからOracle ASMファイルを使用できるようにします。つまり、データベースをマウントするのではありません。Oracle ASMインスタンス管理の詳細は、「Oracle ASMインスタンスの管理」を参照してください。

Oracle ASMがOracle Grid Infrastructureホームにインストールされてから、Oracle Databaseは別のOracleホームにインストールされます。Oracle ASMインスタンスとデータベース・インスタンスには、ディスク・グループのディスクへの共有アクセスが必要です。Oracle ASMインスタンスはディスク・グループのメタデータを管理して、ファイルのレイアウト情報をデータベース・インスタンスに提供します。

Oracle ASMメタデータは、Oracle ASMがディスク・グループの制御に使用する情報で、そのディスク・グループ内に存在するメタデータです。Oracle ASMメタデータには次の情報があります。

Oracle Clusterwareを使用してOracle ASMインスタンスをクラスタ化できます。クラスタ・ノードごとに1つのOracle ASMインスタンスがあります。同じノード上に異なるデータベースのデータベース・インスタンスが複数存在する場合は、そのノード上の同じ単一Oracle ASMインスタンスがデータベース・インスタンスによって共有されます。

標準のOracle ASMクラスタ内のノードのOracle ASMインスタンスに障害が発生すると、そのノード上のすべてのデータベース・インスタンスでも障害が発生します。ただし、Oracle Flex ASM構成では、Oracle 12cデータベース・インスタンスは、別のノードの別のOracle ASMインスタンスにリモートでアクセスできるため、機能が停止することはありません。Oracle Flex ASMの詳細は、Oracle Flex ASMの管理を参照してください。

ファイルシステム・ドライバの障害とは異なり、Oracle ASMインスタンスの障害ではオペレーティング・システムを再起動する必要はありません。Oracle RAC環境の場合、ノードでOracle ASMインスタンスの障害が発生すると、残りのノード上のOracle ASMインスタンスとデータベース・インスタンスがその障害から自動的にリカバリします。

図1-1は、1つのOracle ASMインスタンスと複数のデータベース・インスタンスを使用した単一ノード構成を表しています。Oracle ASMインスタンスは、メタデータを管理し、Oracle ASMファイルの領域を割り当てます。データベース・インスタンスは、Oracle ASMファイルを作成またはオープンするときに、それらのリクエストをOracle ASMインスタンスに伝えます。それに応じて、Oracle ASMインスタンスはファイルのエクステント・マップ情報をデータベース・インスタンスに提供します。

図1-1に2つのディスク・グループがあります。1つのグループには4つのディスクがあり、もう1つのグループには2つのディスクがあります。データベースはどちらのディスク・グループにもアクセスできます。図1-1の構成は複数のデータベース・インスタンスを表していますが、複数のデータベース・インスタンスの要求に応えるのに必要なOracle ASMインスタンスは1つのみです。

図1-1 単一インスタンスOracle Databaseに対するOracle ASM

図1-1の説明が続きます
「図1-1 単一インスタンスOracle Databaseに対するOracle ASM」の説明

図1-2は、Oracle ASMがクラスタ化ストレージ・プールを提供するOracle RAC環境のOracle ASMクラスタを表しています。クラスタ内の複数のOracle RACデータベースまたは単一インスタンス・データベースに対応するOracle ASMインスタンスがノードごとに1つあります。データベースはすべて統合され、同じ2つのOracle ASMディスク・グループを共有します。

図1-2 Oracle RACを使用するOracle ASMクラスタ構成

図1-2の説明が続きます。
「図1-2 Oracle RACを使用するOracle ASMクラスタ構成」の説明

図1-3に示すように、クラスタ化ストレージ・プールを複数の単一インスタンスOracle Databaseで共有できます。この場合、複数のデータベースが共通のディスク・グループを共有します。Oracle ASMストレージ・プールは、Oracle Clusterwareを使用して共有されます。ただし、このような環境でOracle RACライセンスは必要ありません。

複数のノード間でディスク・グループを共有するには、Oracle RACがノードにインストールされているかどうかにかかわらず、Oracle Clusterwareをすべてのノードにインストールする必要があります。別のノード上にあるOracle ASMインスタンスは、Oracle ASMクラスタの一部である必要はありません。ただし、Oracle ASMインスタンスがOracle ASMクラスタの一部ではない場合、相互に通信することはできません。Oracle ASMクラスタの一部ではない複数のノードではディスク・グループを共有できません。

図1-3 単一インスタンスOracle Databaseを使用するOracle ASMクラスタ

図1-3の説明が続きます
「図1-3 単一インスタンスOracle Databaseを使用するOracle ASMクラスタ」の説明

Oracle Flex ASM構成の詳細は、Oracle Flex ASMの管理を参照してください。